貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと言われてしまい勇者パーティからは【使えない】宣言されてしまった村娘ですけど仕方がないのでレベルを上げずに最強になります!! 作:カイトGT
「ふっふっふ〜ん♪」
「船が動いている最中に釣りをして魚なんてかからないでしょ? それって楽しいの?」
鼻歌を歌いながら釣りを楽しむ妹にエリーゼが声をかけている。
「楽しいよ! こうして皆と一緒に船に乗っているだけでも私は楽しい!」
「そ...そう、良かったわね...」
まるでヤバいやつを相手にしてしまった...、みたいな表情で目を背けるエリーゼに妹は釣り竿を渡した。
「はいっ、これエリーゼの分ね」
「はっ!? 私はやらないわよ!」
「ええ〜なんで〜? 釣れないけど楽しいのに〜」
「釣れない釣りが楽しい訳ないでしょ! 無駄に時間を食うだけよ!」
「そう? こうやって無駄にしても良い時間があるって幸せな事じゃない?」
なんだか哲学的な事を言う妹にエリーゼは少し驚いていた。
「なんだか...、その言葉だけはちょっと良いかもしれない...、いつも名家のお嬢様としてのお稽古で時間ばかり取られていた私はもう少し時間を無駄にすると言う事も覚えないといけないのかもしれない...」
「一緒に無駄を楽しもうよ!、無駄な事でも2人でやればきっと楽しい!」
完全に妹のペースに乗せられたエリーゼが釣り竿を握る瞬間を見て「仲良くやってるな」と内心微笑んでいる私なのでした。
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私が2人のやりとりを見ていると、船室からレイナの声が聞こえてきました。
「ケロナっ、ちょっとこっちにきて」
「はいよっと」
彼女の声を聞いた私は船室へと向かいました。
すると、彼女が地図を広げて次の行き先を指差し説明し始めます。
「ここが元々私達がいた【アトラ】大陸、そしてこっちが隣の大陸【カニン】大陸なのですが、遠くまで逃げるか近場で済ますのか決めてください」
彼女が言いたいことは簡単だった。
どうせ国外逃亡するのなら遠くまで逃げた方が良いというのはわかる。
しかし、初心者4人の船旅が長期に渡って続くとなると不安しかないので近場で済ます事にした。
「取り敢えず【カニン】大陸に向かって、まずは近場の大陸で補給を済ませてから遠くに行く事を考えよう」
私の意見に彼女はコクリと頷きます。
「ではケロナにも船の動かし方を覚えて貰いましょうか」
突然話を変えて私の手を掴む彼女の笑顔が怖い。
「もう3時間くらいずっと私が運転しているんですよ? ケロナにも覚えて貰わないと私がずっと運転するハメになるので」
「分かった! 覚えるからその顔をやめてくれ!」
ニコニコとした笑顔の下に明らかな怒りを感じる。
確かに休憩なしぶっ続けで魔力を行使させていたら誰でもキレるでしょう。
私だって怒ると思うし彼女の反応は当然である。
しょうがないのでレイナ指導の元、運転席に座るのでした。