貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと言われてしまい勇者パーティからは【使えない】宣言されてしまった村娘ですけど仕方がないのでレベルを上げずに最強になります!! 作:カイトGT
「これは...、桃ですね」
「もも? 私達のいた【アトラ】大陸じゃ見なかったけど【カニン】大陸では結構メジャーなフルーツなのか?」
私の問いにレイナは答えてくれました。
「そうですね...、【カニン】大陸だと庶民に行き渡るようなメジャーなフルーツと言うよりは少しお高い食べ物と言った所でしょうか、...と言うかそんな栽培の面倒くさいもの、よく海岸に近いこの場所で取れましたね!」
彼女のツッコミに私はこう返す。
「いや、結構奥池まで走ってきた、手頃な食べ物が近場になかったし魚を食べるなら調理された物を町で食べたかったから仕方なくフルーツ取ってきたって訳」
「わざわざそこまで行ったのなら町や村の一つでもあったのでは?」
と聞かれて私は首を横に振った。
「いや、そんなものはなかったな、と言うかこの周辺からは人の気配を感じなかった」
「そんなはずないでしょ? ちょっと辺りの様子を見てきますから待っていてください」
彼女はそう言うと箒にまたがり空に飛び立つ。
彼女が探索の為に飛び立った後で桃を綺麗に盛り付け始める私。
「どうせなら綺麗に盛り付けて美味しそうにしとこっと」
桃を綺麗に盛り付ける為に切ろうとしたのですが...。
「わっ! 身が柔らかいからすぐにグチュグチュになる!」
そんなこんなで試行錯誤するのに数分使ってようやく綺麗に切り分けられました。
「なるほど、まずは半分ずつに切りこみを入れてから優しく上下にねじって割れば綺麗に半分になるんだな!、後はこれを一口サイズのリンゴのように切って食べやすいようにしよう」
今は桃に合う食べ物が他にないので盛り合わせるだけだが、これだけの糖度を誇っているのなら単品でも問題ないだろう。
特にサラやエリーゼのような子供にはすごくウケそうな味である。
「2人が起きたら食べさせてあげよう」
そう思った私は2人が起きるのを待つのでした。
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「「うう〜ん...」」
2人が目覚めるのを確認した私はすぐさま朝食...もとい朝食用の桃を用意した。
「はいはい2人とも、早速朝ごはんにしましょうか」
綺麗に盛り付けた皿を2人の前に出す私。
「ケロナお姉ちゃん?」
「ケロナお姉様?」
「はいはいはい、取り敢えずこの果物を食べてみて」
私の出した桃を2人とも口に含む。
もにゅもにゅもにゅ...。
「「んっ」」
「美味しい!」
「美味しいですわ!」
やはり子供舌にこの味は効果抜群なようだ。
トロリと舌でとろける柔らかさに甘すぎる程の糖度。
この二つが合わさればどんな子供でも今の2人のような笑顔になってしまうだろう。
私の用意した桃を楽しみながら食べていた2人でしたが...。
急にハッとしたように私の方をみてすごい形相を浮かべてきました。
「ケロナお姉ちゃん! 私達さっき早すぎって言ったよね!? 次からはもうちょっとゆっくり走ってよ! 」
「そうですよ! 私達ちゃんと言いましたし何度も叫びました! どうして止めてくれなかったんですか!?」
2人の凄い迫力に気圧される私でしたが、すぐさま機転をきかせこの窮地を乗り切ります。
「2人とも気がついていないだろうけど、実はあの海域に大王イカよりも大きいクジラがいたんだよ、だからスピードを出してさっさとあの海域を抜け出したかったって訳」
苦しい言い訳かもしれないが、まだ現実味のある言い訳だろう。
2人とも最初は考えていましたが、次第に信じてくれました。
「そうだよね...、そうじゃないとお姉ちゃんが私の話を無視するなんてありえないし...」
「そうですわね、ケロナお姉様にはケロナお姉様なりの考えがあっての行動だったという訳ですね」
2人とも子供だからちょろい。
適当な嘘でも簡単に騙せてしまう。
本当は私がただその時の気分で早く走らせたかっただけだと言うのにね...。
まあ、朝食も用意してあげた事だし本当の事は黙っておいてもいいよね?。