貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと言われてしまい勇者パーティからは【使えない】宣言されてしまった村娘ですけど仕方がないのでレベルを上げずに最強になります!!   作:カイトGT

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【侵食】3〜4

 私の攻撃を受けて激昂したエルサは目を見開いて睨んでくる。

 

「よくも...よくも!! 私の顔に傷をつけてくれたなぁ!!」

 

 彼女は凄まじい剣幕で私の近くまで高速移動を繰り返す!。

 

(速い!!)

 

 目で追うのがやっとの状態では攻撃など当たらない!。

 

 砂鉄水を周囲に広げて反撃を試みるも、少量では簡単に弾かれ、多量だとそもそも当たらない。

 

 ならば範囲攻撃に転じたのだが...。

 

「判断がおせぇ!!」

 

 簡単に近づかれて思いっきり腹パンを貰ってしまった!。

 

「かっ...! ぐっ!!」

 

 腹パンを貰った私は2歩ほど下がりながらも砂鉄を周りに撒き散らし反撃する!。

 

「また砂鉄か、ワンパターンだなぁ!」

 

 大量の砂鉄を扱いながら彼女の猛攻に耐え忍んでいた私ですが、だんだんと押され始めているのが分かってしまいました。

 

(やっぱりダメ...、このままじゃ押し負ける!!)

 

 砂鉄だけではなく水の性質を扱って剣の形に変えて投擲してみてもやはり簡単に弾かれてしまいます。

 

「はっ! 強い能力を持っていても所有者がヘボだとそんなもんかよ! 【次元龍】様はよぉ!!」

 

 むしろ放った剣が跳ね返されて私の腕に突き刺さる!。

 

「ぐっ...!」

 

 私は自分の血が巻き散るのを阻止しようと水の魔法で血を拾い体内に戻します。

 

 そして剣を引き抜いて水の魔法で傷を癒しました。

 

 回復魔法を使えばいくらでも回復できますが、消耗が激しいのでそう何度も使える代物ではありません。

 

(ダメだ...、やっぱりこのままじゃジリ貧で負ける...!)

 

 最悪自分が死ぬのはまだ良い。

 

 死ぬのは良いがサラを守らなくてはならないと言う使命感が私の心を強く保つ!。

 

 だから私は死ねないのだ!。

 

「がぁ...! ああっ!!」

 

 魔力を振り絞って様々な形のナイフを作り出して奴に投擲する!!。

 

 水の性質を扱い形取られた砂鉄のナイフが次々に彼女へと向かっていくのだが...。

 

「効くかよ!! こんなもん! ガキの遊びじゃねぇんだぞ!!」

 

 全て火炎魔法で蒸発してしまったのを見て私は内心焦りだす。

 

(まずい...、本当に負ける!!)

 

【負ける】と言う文字に頭の中が支配され始めた時でした。

 

 あの声が再び聞こえ始めたのは...。

 

✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎

 

 凄まじい戦闘により擦り減った精神へと何者かが侵食してきました。

 

『このままじゃあケロナ死んじゃうねぇ...、速く入れ替わった方がいいんじゃない? 貴女はまた私に体の一部を捧げてくれたんだよね? だったら速く入れ替わろうよ、でさぁ、この苦しみから解放されよっ』

 

(黙れ...!)

 

『私は黙らないよ? せっかくケロナが【砂鉄】を使ってくれているんだからさぁ...、私ならケロナよりも砂鉄を上手く使いこなすことができるからきっと目の前の敵を消す事だってできる!』

 

(黙りなさい!!)

 

『お〜怖っ! でもさぁいいの? 【砂鉄】を使っているのに対価を完全には支払ってないよね? 【目】だけを支払ってくれてもそこまでの力は貸してあげられないよ? だからさぁ...、全身を...髪の毛先から足のつま先までぜ〜んぶちょうだい...、そうしたら目の前のあいつくらい一瞬で消し去ってあげるよ?』

 

(...)

 

 確かに彼女の言う通りです。

 

 私は対価を支払うと言っておきながら、今現在左目だけしか支払っていません。

 

 エルサは倒したいけれど、得体の知れないこいつに私の体を明け渡すのは怖いと感じているのだ。

 

 しかし、彼女の甘い声は余裕のない私には魅力的に聞こえてしまうのも事実。

 

『サラったら可哀想に...、姉がこんなに不甲斐ないばかりにあんなに血をこぼして...、早く助けてあげないと死んじゃうかもしれないよ?』

 

(サラ...!)

 

 私の弱みに漬け込んでくる辺りが本当に汚い。

 

『さぁどうする? 体を開け渡すの...? それとも死を選ぶの...? 答えがこの2つしかないのなら答えはもう決まっているのでしょう?』

 

 まるで私の心の中を見透かすかのような言葉使いを続ける彼女。

 

(卑怯な取引ね...)

 

『なんとでも言いなさい』

 

 しばらく考えた後に私はこう答えるのでした。

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