貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと言われてしまい勇者パーティからは【使えない】宣言されてしまった村娘ですけど仕方がないのでレベルを上げずに最強になります!! 作:カイトGT
〜翌日〜
私達は出来るだけ村に残っていた物資を集めて旅の支度をしていた。
前日の騒動で殆ど荒れ果ててしまってはいるのだが、まだまだ使えそうな物も多数残っているのでありがたく使わせて頂こう。
...どうせもう私とサラ以外に生きている村人はいないのだから。
しばらく物色をしながら私は彼女に声をかけた。
「本当にいいんだよね? サラ」
「うん! ケロナ姉ちゃんと旅するの今から楽しみだよ」
この数日間サラの笑顔を見ていなかっただけに、今の彼女を見ていると少しだけ安心する。
(よかった、ちょっとだけ元気になってくれてる)
私は静かに笑みを浮かべると彼女と自分の服を新調していた。
今までは村で生きていくために充分な布で作られた服だけを着用していたのだが、流石に旅に出るとなるとそれだけでは
なので子供用の旅服と私が流れ着いた時に着ていた合羽を着用する事にする。
「お姉ちゃん...、まだその服持ってたの?」
ジト目で古くなっている私の青い合羽を見て不満そうな声を垂れ流す彼女。
「別にいいでしょ、これくらいしか記憶喪失前の私が持っていた物なんてないんだから」
そこまで自分で呟いた瞬間に思い出す。
「おっと、もう一つ私が身につけてた物があったね」
サラと私の住んでた家の残骸から赤いマフラーを見つけ出して首に巻きつけた。
大分痛んでしまっているかと思っていたのだが、まるで新品同様な清潔感に驚く私。
「うん! やっぱりこれを首に巻きつけてるだけでなんとかなりそうな気がしてくる!」
そう言って片手でガッツポーズを決める私を見て2度目のジト目を繰り出すサラ。
「ケロナお姉ちゃんって意外と過去に縛られるタイプだよね...」
「うるさいなぁ、サラは」
「あっ! お姉ちゃんが怒った!」
きゃっきゃっと騒ぐ彼女との旅立ちは意外と明るい物になるのでした。
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「じゃあまずは【城塞都市クレイトン】を目指してしゅっぱ〜つ!!」
とはしゃぐサラに私は言葉をかけた。
「まずはその途中にある村にいくつか寄ってからね、急ぐこともないしその時々に仕事を見つけながらゆっくりと進んでいけばいいさ」
「うん! 分かった、けどスラナ村から街道を1時間くらい歩き続けてるけど近場の村すら見当たらないね」
彼女の言う通り、私たちはスラナ村から1時間ほど歩き続けているのだが未だに人っ子1人見つかってはいない。
「まあ、スラナ村自体が辺境の村だって事は知ってたけど、まさかこれほどまでに他の村々と離れているとは思わなかったな」
そりゃあ他の村との交易だって月1程度の比率になるわなと今にして感じる事もある。
「サラはそろそろ疲れてないか?」
私はそう聞いたのだが彼女はブンブンと首を横に振った。
「ううん! お外の世界新鮮で楽しいからまだまだ大丈夫だよ!」
何もない平坦な道を歩いているだけだと言うのにこのはしゃぎ様...、本当に外に出た事がないんだな。
と言うかこの元気さを見ている限り、サラは子供のわりに体力がある方だと思う。
この年の子供なら普通は一時間も歩けないからだ。
しかし彼女は疲れるどころかケロッとした顔で走り回っている。
まあ、彼女が元気な娘である事は百も承知な事実ではあるのだが、やはり気を配るべきであろう。
そうこうしていると最初の村が見えてきたので再びはしゃぐ彼女。
「あっ! お姉ちゃん! 最初の村が見えてきたよ!」
「ああ、あそこが最初の目的地であるミジカ村に違いない、あそこで馬車を借りて3日ほど進めば【城塞都市クレイトン】に着く」
初めて違う村に着いた私たちは急いで馬車を拝借しに向かうのでした。