貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと言われてしまい勇者パーティからは【使えない】宣言されてしまった村娘ですけど仕方がないのでレベルを上げずに最強になります!! 作:カイトGT
「そうですね...、村娘にも一応職業専用の恩恵はありますが...」
相変わらず歯切りの悪い彼女を急かす私。
「なにっ!? 村娘専用の恩恵って!」
もしかしたら強くなれる道筋が立てられるかもと思った私は彼女に問いただしたのだが...。
「ええと...、【村娘】は全ての職業に就ける可能性があるので、先ほど話した【レベル補正】によって全ての能力値が平均的に上がっていくと言うのと、家庭料理が上手になりやすい...と言う恩恵が...」
「...なにそれ...」
「だからまあ...、ケロナの料理が美味しいのはきっと村娘の恩恵が効いているんだと思い...ますよ?」
【レベル補正】は私にとって意味ないし、家庭料理が上手になりやすいなんて戦闘ではなんの価値も見いだせない。
これから先、エルサのように強力な【大帝の眷属】が現れるかもしれない事を考慮すると、やはりいつまでも【村娘】でいる事の無駄さがこの話を通してよ〜く分かってしまう。
一瞬取り乱しそうになった私ですが、どうにか抑えて抜け道がないのか彼女に聞いてみましょう。
「ねぇ...レイナ、本当にレベル20になってギルドで職業に就く以外の方法で別の職業に就く事はできないの?」
「それは...、ギルド内に圧力をかけれるだけの権力とお金が必要ですねぇ...、低レベルで上級職に就いている冒険者の殆どが金持ちのボンボンなのが何よりの証拠です」
「ギルドに圧力をかけれるだけの権力とお金ねぇ...、今の私達じゃあどっちにせよ無理だよね」
私とレイナの話し合いの結果、やはりレベル1のまま転職する事は不可能なようです。
お先真っ暗になった私は大きく「はぁ...」とため息を吐きながら、先に眠りに着く事にするのでした。
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ズルズル...。
私は体が引きずられている感覚で目を覚ましました。
(なに...? この感じ...?)
確かに【木の家】で眠っていたはずなのにベッドの感触が背中にありません。
それどころかこの感触は...。
「痛っ!」
どうやら段差があったみたいで頭をぶつけてしまう私。
「ッ〜...!」
痛さのあまり頭を抑えようとしましたが...。
ガチャ! ガチャ!。
「へっ...?」
私の両腕は金属製の手枷が付けられており、両足には木製の足枷が付けられていました。
「なにこれ...」
私が周りの現状を理解するよりも前に私を引きずっていた少女が振り返ってこう呟きました。
「もう目覚めたんだ...、でも悪いねあなたには生贄になって貰うから大人しく引きずられてちょうだい」
「生贄...? なんの話?」
「私が答える必要はない、あなたはただ死ぬ時を待っていればいい...」
少女の身長は明らかに小さく、サラよりも小さく思える。
ピンク色の髪を後ろで束ねてポニーテールを作り、青い瞳が特徴的だ。
しかし、そんなことよりも彼女の足捌きに全くの気配が感じられない事が驚きである。
これだけ近くにいると言うのに、私は全く彼女の存在をこの目で確認するまでは認識できないでいました。
(なにこの子...、足捌きに全く気配がない! 寝込みを襲われたと言うのに起きられない訳だ...)
ここまでご丁寧に拘束を着けられても全く反応できなかったのは、彼女の忍び足の【練度】が高かったからでしょう。
ここまで見事に気配を消されてしまっては、私でも気がつけない。
それに、さっきから力を入れているのに拘束を破壊できないのは何故でしょうか?。
ならば呪文を唱えようかとも思ったのですが、それはどこに連れて行かれるのかを見てからの方がいいと思いました。
(さっきこの子私の事を生贄って言ってたよね? 何か事情がありそうだし、サラより小さい子を放っておけない)
そう考えた私は大人しく引きずられていくのでした。