貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと言われてしまい勇者パーティからは【使えない】宣言されてしまった村娘ですけど仕方がないのでレベルを上げずに最強になります!! 作:カイトGT
「私達が生贄を作り出したのはあの時からでした...」
「あの時...?」
「そうです、憎き【雷鳴蝶】が現れてからの私達ホビット族は旅人を襲う野蛮な種族になって行きました」
「【雷鳴蝶】?」
聞いた事のない種族名に私は興味を持ちます。
「はい、数十年前に現れた【雷鳴蝶】は私達ホビット族に半年に一度生贄を差し出すように促してきました」
「ふ〜ん...、なんでプラル達はその【雷鳴蝶】と戦わなかったの?」
彼女くらいの実力があるのなら、その辺の魔物なら簡単に狩れると思います。
しかし、私の言葉に彼女は首を横に振っていました。
「【雷鳴蝶】と始めて出会った時、奴のレベルは200を超えていました...、しかも奴はあの【大帝】の残党だと言うではありませんか!! あの時の私はまだ弱く【限界突破】もしていなかったのでただただ条件を鵜呑みにするしかなかったのです...」
「レベル...200! それに【大帝】の残党...!」
【大帝の眷属】がまさか【聖典】や祭壇を介さずに復活しているとは思いませんでした!。
確かにそれだけ強力な魔物がいたとすれば彼女らではどうにもならないでしょう。
「最初は私の父上と母上が生贄になりましたが、その辺りから次の生贄は私になりそうでした...、死ぬのが怖くなった私はこの森に入ってくる人間を捕らえて【雷鳴蝶】に差し出す方法を考えついたのです」
「...」
なんだか胸糞悪くなっていく話に私は吐き気を催してきました。
「私は自分が生き残る為に他者を捕らえて身代わりにしているのです...、勿論貴女もその1人...、自分が生き残る為に他者を殺す...、それが皆から英雄視されているホビット族の姫【プラル】の実態です...、笑えますよね? 自分が生きる為に見ず知らずの他人を身代わりにしているのですから...」
乾いた笑い声をあげる彼女を見た私は...。
「違う...!」
と静かに切り返す。
「えっ?」
突然の切り返しに彼女は驚いていました。
「プラルは悪くない、だって【雷鳴蝶】がきた時の貴女はまだ子供だったんでしょ? 王族が民を守るためにその身を捧げるの分かるけれど、自分が生き残る道があるのならそれに縋り付くのは決して悪い事じゃない、それに...【木の上】から私だけを連れてきたって事は無駄に人を殺したいって訳じゃないって事だよね?」
だってそうだろう? 最効率を求めるのならば全員捕らえて手足を引きちぎって喉を潰して吊るしておけば良い...。
そうすれば私達4人を捕らえて2年間一族を存命させる事ができたのにそれをしないという事は彼女なりに命の尊さを知っていると言う事の裏付けに他ならない。
しかし、彼女は私の喉を潰す事も手足を切り裂く事もしていない。
それくらいの時間と余裕はあったにもかかわらず、今もこうして面々と五体満足のまま話してくれている辺り、彼女の本質は優しさでできていると言って間違いないだろう。
そんな彼女に私はこう呟きました。
「ねぇ...私に提案があるんだけど乗ってみない?」