貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと言われてしまい勇者パーティからは【使えない】宣言されてしまった村娘ですけど仕方がないのでレベルを上げずに最強になります!!   作:カイトGT

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玩具箱の家⑯・メイアの過去

 正直言ってメイアの話を信じることはできません。

 

 もしかしたら言葉巧みに私を騙そうとしているのかも知れないし、そもそもそんな話は元々ないのかも知れないからです。

 

 大体【次元龍】が復活すると言うのが本当だったとしたとしも、それが何故ケロナの中にいるのか理由もわからないですしね...。

 

 話が長引けば長引くほど胡散臭く感じてしまうのはわたしだけではないでしょう。

 

 皆は少女の発言を全く信じていない様子でした。

 

「【次元龍リギリアル】って言うのは絵本の中で見たことがあるけど...、アレって確か【大帝】の手下だったんじゃないの?」

 

 そう...、ポピュラーな絵本の中にもその名前は出てきますが、その中で【大帝】と【次元龍】は共闘し【白銀の勇者】や世界の国々を苦しめたと言われています。

 

 絵本の話が本当だとすれば、彼女の話した【次元龍】への恨みという部分について正当性が取れなくなっているように思える。

 

 そこで私は彼女に【次元龍リギリアル】について聞いてみる事にしました。

 

「ねぇメイア...、貴女が過去【次元龍】にされた行為を話してくれませんか?」

 

 私の言葉に彼女はしばらく黙っていましたが、どうやら話してくれる気になったようで...。

 

「良いよ、メイアが【次元龍】にされた事を言ってあげる...」

 

 そう答えてくれるのでした。

 

✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎

 

「メイアとエルサお姉ちゃんは由緒正しい貴族の血筋ザナイン家に産まれたの...、メイアのこともエルサお姉ちゃんのこともその場にいた全員が祝福してくれていました...」

 

 静かにそう語る彼女の表情はどことなく悲壮感が漂っている様に見える。

 

「あれは...そう、初めて【次元龍】が私達の世界に侵攻してきた日...、エルサお姉ちゃんは皆の先頭に立って指揮をしていると言うのにメイアは暗い自分の部屋に閉じこもっていたの...、頑張り屋で率先して行動できるエルサお姉ちゃんは本当に凄くて強かった...、けれど【次元龍】の軍勢の勢いはどんどん増していって、ついに我がザナイン家は数日の攻防で落とされてしまったの...」

 

 拳をぎゅっと握りしめて悔しそうなメイアの表情には、本物の怒りに満ち溢れていました。

 

「メイアとエルサお姉ちゃんは【次元龍】に楯突いた悪君としてかつて仲間だった者達に連れられて処刑台に立たされたのを今でも思い出せる...」

 

 彼女はそう言いながら話を続ける。

 

「エルサお姉ちゃんが名君と呼ばれていた時にはぺこぺこ頭を下げていた連中に私達は裏切られて【次元龍】の軍勢に敗北し、あまつさえ命まで取られようとしていた...、その時に裏切った連中は「悪く思うなよ」とか言ってきたのよ? 本当に笑えるよね...」

 

 あははと笑う彼女の表情は笑っていない。

 

「貴女達には分かる? 信じていた者に裏切られるその心域が...、だからこそ私はあんな連中とはもうつるまないと決めて貴女達のような純粋な子達と友達になりたいと思ったの...」

 

 私の手をぎゅっと握りしめてくるメイアは静かにこう言いました。

 

「ねぇ...、争う事なんかやめてここで楽しく暮らさない? エルサお姉ちゃんは復讐に取り憑かれているけれど、メイアは違うよ? ケロナお姉ちゃんの中にいる【次元龍】だけをこの世から排除した暁には皆で仲良くしようよ...」

 

 そう呟いてくる彼女に私はなんて答えて良いのか分からない。

 

「私は...」

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