貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと言われてしまい勇者パーティからは【使えない】宣言されてしまった村娘ですけど仕方がないのでレベルを上げずに最強になります!!   作:カイトGT

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骸骨剣士ザラン6〜7

「ぁああああ!!!」

 

「ぐぅ!?ぅあああ!!」

 

 2人の悲鳴が私の耳をつんざいてくる。

 

 その声を聞いていると私も戦わなくてはいけないと言う使命感を感じるのだが...。

 

 いざ立ち向かおうとすると少し怖くなってしまう...。

 

(くそっ!! 動け! 私の足!! 動け!!)

 

 私の中で1番強い魔法が効かないという事実は、決定打を失ってしまったと言う事に相違なく、そんな精神状態でどうやって目の前の強大な敵に挑めばいいのか全く分からない。

 

 呼吸が荒くなり、どうにかしようと頭の回転速度早めるが解決策が思いつかない。

 

 しかし、そんな状態のわたしにも奴は攻撃を繰り返す。

 

 大きな手を握りしめて思いっきり殴りつけてくる。

 

「あがっ!!」

 

 私は簡単に飛ばされてしまい咳をこむ。

 

「ゴホッ!! ゴホッ!!」

 

 無様な私の姿を見て嘲笑するザランはこう呟いた。

 

「俺が怖いか? 人間、頭を下げて命乞いをするのならばお前だけは助けてやるぞ?」

 

 奴の甘い声に私の思考は揺らぐのだが、やはりサラを見捨てる訳にはいかない。

 

「ケロナお姉ちゃん...」

 

 力なく私の名前を呼ぶあの子の前で情けない姿を見せる事だけはできないのだ。

 

「ぐっ...ぅぅ...」

 

 私が立ち上がるとすぐさま奴の拳が飛んでくる。

 

 何度も...何度も...。

 

 私は殴られ続けた。

 

 全身に痛みが走る度に思考がぼやけてくる...。

 

(あれっ? 何で私はこんな思いしてまで立ち上がってるんだろう...?)

 

 そんな思いに頭の中が支配されてしまい、ついに立ち上がれなくなってしまった。

 

 ようやく動かなくなった私を満足そうな表情で眺めているザラン。

 

「おねえ...ちゃん...」

 

 どんどん声が小さくなって行くサラを見ている事しかできないという無力感に打ちひしがれていると...。

 

『無様だな...それでも我らを滅ぼした1柱か?』

 

「だ...誰?」

 

 私の中に声が響いてくるのでした。

 

✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎

 

『私だよ...、まあもっともお前は覚えちゃいないんだろうがな...』

 

 全く聞き覚えの無い声に戸惑う私。

 

「...誰か知らないけど邪魔しないで、私は目の前のこいつを倒さなくちゃいけないの」

 

『ハハッ!! 目の間のこいつを倒すだって? 以前のお前ならいざ知らず、今のお前がこいつに勝てる見込みなんざこれっぽっちもない! 力の使い方もろくになっちゃいない今のお前なんざただの雑魚当然だ』

 

 謎の声は私の事を笑いながらも交渉してきた。

 

『ところでどうだ? 取引をしないか?』

 

「取引?」

 

『ああ、私がお前の体を使ってやる、そのかわりお前は自分の体の所有権を少し譲れ、なぁに全部譲れって言うんじゃ無い、ほんの少しでいいんだ』

 

 私は少し考える...。

 

「お前に体を渡せばサラを救えるのか?」

 

『それはお前次第だ、思ってた以上にお前の体が消耗していたら厳しいかもしれないが、この程度の相手なら恐らく大丈夫だろう』

 

 ...。

 

「どちらにせよ、この状況じゃあお前を信じるしかない...か」

 

 どちらにせよこのまま放っておけば全滅だ。

 

 ザランはマーカイルよりも遥かに強いし、マーカイル戦の時のように蒼いオーラも感じられない。

 

 勝ち筋が完全に閉ざされてしまう事の方が今の私にとって問題なのだ。

 

「いいよ、私の体の所有権とやらを少しあなたに譲る」

 

『...ハハッ、その言葉もう取り消せないからな』

 

 しばらく沈黙が続いた後、いきなり全身に私では無い者の感情が溢れ込んでくるのでした。

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