貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと言われてしまい勇者パーティからは【使えない】宣言されてしまった村娘ですけど仕方がないのでレベルを上げずに最強になります!! 作:カイトGT
私達がギルドで馬車の手配をしていると...。
「あの...、ケロナさん」
「なに?」
ギルドの職員からとある物を渡された。
それは綺麗に折りたたまれている手紙だ。
「手紙...? 誰から?」
私達に手紙を送ってくる人物などいるはずがないと思っていたのだが...。
「ツッ!!」
私は思わず手を振るわせた。
なぜなら、手紙の差出人がディール達だったからだ。
しかも職員の人がそれと同時に3種のプレゼント箱を差し出してきた。
「これは?」
「ディール様達が貴方様宛に当てたプレゼントです、貴方達が旅立つ日に手紙と一緒に渡してくれと言われていましたので...」
私は思わず手紙の内容を見ながらプレゼント箱を開けて行く。
ディールの箱からは鋼で鍛えられた片手剣が入っていた。
「あいつ...、自分の持ってた剣より高額な物を他人にプレゼントしないでよ...」
サーシャの箱からは連なったナイフの束が入っていた。
「...サーシャのお陰で投擲の精度が向上したんだよね...」
マーヤの箱にはサラ用の杖と魔導書が入っていた。
「マーヤ姉ちゃん...、毎日サラの訓練に付き合ってくれたんだよ...、途中でサラの方が魔法の威力が高くなっても精度の事について最後の日までつきっきりで教えてくれたんだ...」
そこまで呟くいたサラが急に泣き出す。
「うっ...、またマーヤ姉ちゃんやみんなとお仕事したいよぉー!!」
いつもならそんな状態の彼女を宥めるのは私の役目なのだが...、今はごめん。
私も彼等からの手紙とプレゼントを見て涙を流していたのだ...。
手紙の最後に「またいつか一緒に仕事をしよう」という文章があり、それが一生叶えられないという現実に打ちひしがれてしまう私達...。
「ばかやろう...! お前らが先に死んじまったらこの手紙の意味がないだろうが...!」
手紙がぐしゃぐしゃになってしまいそうな程に力を入れ込みながら、私達はただ死んだディール達と過ごした1ヶ月間の思い出を脳内に巡らせる事しかできないのでした。
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〜後日〜
太陽が真上に立つ丁度昼くらいの時間帯に私達は町を出ようとしていた。
「...そろそろ行こうか」
「うん...」
馬車の準備ができたと報告を受けた私達はすぐさまこの町を後にしようと門の方へ向かう...。
すると何だか門の方が騒がしい事に気がつく。
(何だろう...?)
少しずつ門の方に近づいて行くとなぜそんなに騒がしいのか理解した。
「よう、ようやく来たかケロナ」
ニヤリと笑うのは騎士団長であるグレイブだ。
「どうしてここに?」
私の言葉に彼は答える。
「どうしてって...、町を救ってくれた英雄の出発日を祝福するのは騎士として当然だろう?」
私はその言葉を聞いてふっと静かに笑う。
「まさか、その為だけにこれだけの
私の眼前には100人ほどの騎士達が互いを見つめ合うかのように立っておりグレイブの一声で剣を抜く。
「抜刀!!」
ガチャ!。
騎士らしく整った構えを取り、互いに剣を掲げて私たちの為に門を作ったのだ。
「わぁ...!」
サラもこの祝福振りに目を輝かせている。
「さぁここを潜って行きな、俺なりの祝福だ」
彼は笑いながらそう呟く。
「さぁ! お前ら!! この町を救った英雄様のお通りだ!! 幸先のいい言葉でもかけてやれ!」
彼の言葉と共に次々と言葉が飛び交う。
「ケロナ様ご武運を...」
「蒼き英雄に光あれ!!」
「グレイブ団長を助けてくださりありがとうございます!!」
最後の騎士の言葉でここにいる騎士の全員が彼の部下なのだと思った。
「全く...いい上司に巡り会えたわね...、貴方達は...」
私は騎士達にそう言葉を呟くと、そのまま門の外で待っている馬車の方へと足を進めるのでした。