貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと言われてしまい勇者パーティからは【使えない】宣言されてしまった村娘ですけど仕方がないのでレベルを上げずに最強になります!! 作:カイトGT
皆がすやすやと眠る中、私は夜が明けるのを待っていた...。
「今夜は月が綺麗ね...」
こうして月を見ていると1人で佇んでいても寂しくない様に感じる。
しばらくそうしていると【魔女】のレイナが私に声をかけてきた。
「眠れないの?」
「レイナ...」
彼女の名前を呟くと私の隣に座り込みました。
「ケロナとは出会ってまだ間もないけれど話したい事があるのなら他人に聞かせてみるのも一つの手ですよ?」
「...」
同じ月を見上げながら私の考えを彼女に伝えます。
「レイナ...、サラを...妹を一人前の【魔女】に育てて欲しい」
その言葉に彼女はキョトンとしていました。
「さっきの話を聞いていなかったんですか? 大丈夫です、私がいればどんな子でも一人前の【魔女】にして見せますよ」
どんっと胸を張る彼女に私は微笑む。
「ありがとう」
と言いつつも不思議な感じがした。
(まだ【洗脳】状態ではない貴女の力も知らないのになんでこんな事を他人に頼んでしまうだろうか...)
そう思っていると彼女はこうも付け加えました。
「お礼なんていいですよ、助けてくれたお礼として当然の事をしているだけですから、ケロナとサラには大きな借りを作ってしまっていますからね」
ウィンクをしながら私にそう返してくる【魔女】の素顔はとても明るく綺麗に見える。
「ああっ、明日から頼む、サラは我慢強い子だからきっといい【魔女】に育つ」
私はレイナの顔を見ながら一人前になったサラの姿を夜空に思い浮かべるのでした。
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私達はガーディンの死体を埋めるとそのままミストレインを後にしました。
盗賊団のお頭であるカイナにはサラが上手く言って私が彼女の団員を30人も殺した事をしっかりと説明した上で仲直りさせてくれました。
まあ、あの時はお互いに知り合いでもなかったし仕方がない事だとカイナは言っていましたし、私もそう思うので互いに一歩引きあった話ができたのはサラのおかげと言えるでしょう。
そして新たな旅に出ている最中にもレイナはサラに魔術を教えていました。
「違います、【火球】の魔法は炎の塊をイメージするのではなく炎を生み出す感じをイメージするんですよ!」
「ええ〜? 絶対炎の塊を投げた方が強いよ?」
ぶ〜ぶ〜文句を言うサラにお手本を見せるレイナ。
「まあ、いいです、実戦で見せた方が早いですよね、サラのやり方だとこうなります」
彼女は【火球】の魔法を岩に向かって投げました。
すると火球は岩を凹ませて消えました。
「ほらっ! 強いじゃん!」
むふ〜と鼻息を出して自慢げに胸を張るサラに今度はレイナ式のやり方を見せています。
「では今度は私のやり方を見せましょう」
そう言って投げつけた【火球】は岩全体に燃え広がってから消えました。
それを見たサラは口をあんぐりと開けて驚いています。
「凄い!! 【火球】が当たった後でも燃え広がった!!」
「でしょう? どっちの方が殺傷力が高いかよく分かったはずです、ちなみにサラのイメージは【土槍】のイメージに向いているのでそちらに応用すればいいでしょう」
私の目から見てもサラのイメージよりもレイナのイメージの方が殺傷力が高いと思うし何よりも副産物の火傷状態が厄介だと思う。
「分かった! 炎が燃え広がるイメージで...【火球】!!」
最初のうちは全く燃え広がらなかったサラの【火球】も徐々に広範囲に広がる様になってきたのを見て私も何か学べるかもしれないと思い始める。
「なあレイナ、水魔法ってどうやってイメージしてるんだ?」
「水魔法ですか? 使いたい魔法にもよりますが生活魔法ならには空きのある瓶の中に注ぎ込む様なイメージがしやすいですね、攻撃魔法なら荒れ狂う波のイメージでしょうか?」
「荒れ狂う波のイメージ...」
彼女の言葉がヒントになって新たな魔法を思いつくのでした。