貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと言われてしまい勇者パーティからは【使えない】宣言されてしまった村娘ですけど仕方がないのでレベルを上げずに最強になります!! 作:カイトGT
私達はヒツジの銅像があるという高台にやってきました。
「へぇ、これがこの町の観光スポットかぁ」
「おっきいねぇ!」
サラの言う通りなかなかの大きさだ。
全長4メートルはある巨体にはどことなく雄大さを感じる。
この町を発展させたのはヒツジの素材らしく、この町を歩けば右を見ても左を見ても確実にヒツジに関連した店があるのもそれを裏付ける証拠だろう。
私達が大きなヒツジの銅像に目を奪われていると、レイナが辺りを警戒し始めていた。
「ねぇケロナ、気がついてる?」
「ええ、勿論」
サラには気がつかせないように小声で呟くのには理由がある。
せっかくの休日を邪魔されては堪らないからだ。
「どうしたの? ケロナお姉ちゃん」
「へっ? いや何でもないよ、ちょっとトイレに行きたくなっちゃったから行ってくるね、レイナにサラを任せます」
「ええ、私が見ておきましょう」
「...変なお姉ちゃん」
そう妹に言われながらもこの場を去る私。
しばらく歩いて裏路地に立つと明らかに冒険者っぽい男達に囲まれた。
「ヘッヘッへッ...」
舌を出して私の事を眺めてくる表情はガーディンに似ている。
「朝からつけ回して...私に何かよう?」
そう聞いてみると、体格のいい男はこう呟いた。
「決まってんだろ? お前達がやっているギルドでの不正を暴いてやるんだよ」
「ギルドでの不正? なんの事?」
ギルドで不正を働いた事など、全く身に覚えがない。
「とぼけるな!! お前達のような娘3人組がワイバーンなんて倒せる訳ないだろうが!!」
「はい...?」
そこまで聞くと何故彼らが私達の事を不正呼ばわりしたのか理解できました。
こう言う輩は一度黙らせてしまえば後は意気消沈するだけと相場は決まっているのでちゃっちゃと片付けましょう。
「そこまで言うのならかかってきなさい、ワイバーンを倒せるだけの実力が私に備わっていればいいんでしょ?」
「ふっヘッヘッ...、そうこなくっちゃな!」
私の煽りにまんまと引っかかったのには笑えますね。
私は身構えながらさっさと終わらせることだけを考えるのでした。
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「不正を働いていた女の実力なんてしれてるんだよな!」
そう言いながら容赦なく斧を振りかざしてくる冒険者の男。
「お前たち如きがAランク!? ふざけるな!! さっきから逃げ回っているだけじゃねぇか!」
確かに彼の言う通り、私は逃げ回っています。
というのも彼が弱すぎてどれくらい加減をすればいいのかわからないからでした。
(流石に殺しちゃうのは悪いし...、かといって攻撃を弱めすぎちゃうと一撃で倒せないし...)
というジレンマのせいでなかなか攻撃できません。
私の動きを全く捉えられていない相手の方が先に息を切らし始める。
「はぁ...はぁ...、くそちょこまか動き回りやがって!」
(ちょっと動いただけであんなに息を乱して...、こいつら本当に冒険者なのか?)
冒険者と言えばクレイトンでディール達を見ていたけれど、目の前にいる男よりかは僧侶であるマーヤですら体力があったように思えた。
それを見て考えたことを口にしてしまう私。
「それだけの実力しかないから私達を妬んだんだね...」
哀れな人でも見ているかの様な視線を送ると男がブチギレた。
「なんだと!! 不正のくせに!!」
大きく振りかぶった斧で私に一直線に向かってくる姿がもう...ね。
「隙だらけ」
私はそう呟きながら彼のお腹に蹴りの一発をお見舞いするのでした。