貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと言われてしまい勇者パーティからは【使えない】宣言されてしまった村娘ですけど仕方がないのでレベルを上げずに最強になります!! 作:カイトGT
「お姉ちゃん! それディールから貰った剣だよね!?」
すごい剣幕で私に言いよってくるサラに私は驚きました。
「そうだけど...、なに?」
「それはお姉ちゃんがディールから貰った大切な剣だ! それをエリーゼにあげるのはなんか嫌!」
そう叫ぶ妹を見て察してしまう私。
妹からしてみれば死線を共にくぐり抜けてきたディール達から貰った物を他人に譲る私の気がしれないと言った所なのでしょう。
しかし、私は剣を使わないし、このままではせっかく貰った良い道具を使わないままアイテム袋にしまい続けてしまうと思います。
端的に言えば良い道具という物は使われてこそ真の価値を発揮する物なのだと思う私と、他人から貰った物は大切にしないといけないというサラの考え方が今ぶつかり合っているのである。
その事が分かった私は微笑みながら静かにこう呟きました。
「サラの言いたい事は分かる、けどお姉ちゃんの言うことも聞いてほしい」
むすっとした表情のまま私の事を見つけめてくる妹に私はそう答えます。
「サラ、私が剣士じゃない事は知っているよね?」
「...うん」
妹は静かに頷く。
「だったらさ、ディールから貰ったこの剣が可哀想に見えない?」
「剣が...可哀想に?」
「そう、本来の用途で使われず朽ちていくなんて本当に勿体ないしこの剣も本望ではないと思うんだ、だったらエリーゼに使って貰って剣としての仕事を全うさせてあげたくならない?」
「剣としての仕事...」
彼女はしばらくの間私の剣をじ〜っと見つめる。
そしてこう呟いた。
「うん...、ケロナお姉ちゃんのいう通りなんだか可哀想に見えてきた...、エリーゼ! この剣を大切に使ってね!」
私と一緒にエリーゼにディールの剣を手渡す妹。
ディールの剣と私達のただならぬ関係を察したのか、先ほどよりも引き締まった顔で剣を丁寧に受け取るエリーゼ。
「はいっ...! 大切にします!」
そう力強く答えながら剣を受け取った彼女の表情は、非常に凛々しいものになっているのでした。
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ディールの剣を受け取った彼女は昼食後からの戦闘に精を出していた。
「凄い! あっさりと肉が斬れる!」
先ほどまでよりも短時間で魔物を倒せるようになっている事に気がついてからは一層楽しそうに剣を振り続ける彼女。
昼と同じくらいの死体を積んだらまた解体作業に移る。
ダンジョンの探索具合も悪くないペースで順調に進んでいた。
この調子なら早い段階でこのダンジョンを踏破してしまうだろう。
そう思いながらも全員でゆっくりと進んでいるのには理由があった。
(もしもここが【大帝】の残したダンジョンだったら...)
その事がまだ頭に残っているからだ。
このダンジョンも【クレイトン】であったのと同じようなダンジョンなので油断ならない。
勿論ダンジョンなんて大体全部同じような物なのだが、なんと言うか空気感が【クレイトン】であったダンジョンと同じように感じていました。
出てくる魔物の平均レベルもどんどん高くなっていき、今では大体50〜60レベルがそこらへんにたむろっています。
ここのダンジョンから魔物が溢れ出したら大変だと思いますが、どうやらダンジョン内から魔物が出てくるのは稀な事だとレイナが言っていました。
というのも、ダンジョン内では大体の食物連鎖ができていて、魔物達がダンジョン外に出る必要がないらしいのです。
その言葉を聞くとダンジョンの外に出ていった【赤目の白豹】がいかにイレギュラーな存在だったのかを再確認しました。
その後もパーティ内のレベルと練度を上げながらダンジョンを進めていると...。
ついに最奥への大きな扉を見つける事に成功したのでした。