貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと言われてしまい勇者パーティからは【使えない】宣言されてしまった村娘ですけど仕方がないのでレベルを上げずに最強になります!! 作:カイトGT
私がエリーゼの父さんの部屋に赴きダンジョン内で起こった事情を話しました。
「【シュライン】公爵殿! 今日正午頃、例のダンジョンを踏破いたしましたが、既にダンジョンは一度踏破されておりました! あのダンジョンは貴公の所有物だと事前に聞かされていましたので、この件について何か知っていませんか?」
私は自分にできるだけの丁寧な言葉を選びながらエリーゼの父さんから真実を聞き出そうとしていると...。
「そうか、攻略してくれたか、これで満足しただろう? エリーゼ」
私の言葉など微塵も聞く気がないような素振りを見せる【シュライン】公爵。
「お父様...?」
「そんな顔をするなエリーゼ、大丈夫だ今回の件はちゃんとエリーゼとその仲間達が未開のダンジョンを踏破したと言うことにしておくから問題ない、お前はど〜んと構えているだけでいいのだ」
「どう言う事ですか...?」
エリーゼはワナワナと体を震わせながら父さんの言葉を聞いている。
「知れた事よ、私が先に他のパーティに踏破させておいてから新しくお前にパーティを組ませただけだ、可愛い一人娘に本当に危険な作業をさせるわけにはいかないだろう?」
その言葉にエリーゼは膝から崩れ落ちた。
「そんな...酷い...、私は本当に自分の力であのダンジョンを踏破したと思っていたのに...」
今にも泣き出しそうな彼女を見ていると、かける言葉すら失ってしまう私。
でも...。
今のエリーゼの父さんの発言には違和感しか感じていない私なのでした。
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私達はエリーゼの父さんから報酬を受け取ると家から追い出されてしまいました。
「報酬はしっかり渡したんだしもういいだろう? あのダンジョンはこれから一般公開もさせるし調査がしたいなら好きなだけするといい...」
彼の最後の言葉がそれだったのもなんだかモヤモヤな気分を増長させる。
「ねぇレイナ、なんだか違和感を感じない?」
私の言葉にレイナも同意してくれた。
「はい、100歩譲って娘のために先にダンジョンを踏破させていただけならばまだ分かるのですが、それを私達に伏せていた意味がわかりません」
その後も彼女は疑わしい部分を的確に指摘する。
「それに踏破した割にはきちんと高レベルの魔物がいましたし、あれではエリーゼさんにもしもの事がある可能性も否定できないのという所が甘いというか...」
そう、一時的にだがダンジョンは完全に魔物を消滅させることもできる。
ダンジョンの奥にあるコアを破壊すればダンジョン内にある魔素が完全に消失しどんなダンジョンでも魔物は一時的に消え去るのだ。
ただし、1ヶ月もすればまた魔素が充満して新たなコアが生まれるので、完全に魔物を消滅させる事はできないらしい。
まさに違和感の正体はそれだった。
私達が奥地にある祭壇に行った時にはちゃんとコアが存在していたのだ。
「本当の意味でエリーゼを守りたいなら私たちを雇った上で予めに【ダンジョンコア】は破壊しておくよね?」
「私ならそうしますね、ですがそれだとエリーゼさんに不振がられると思ったのではないでしょうか? やはり魔物が1匹もいないダンジョンを高レベルと偽るのは流石に無理があると思います」
確かに、レイナの言い分には一理ある。
エリーゼがいくら初心者だと言っても流石に魔物が1匹もいないダンジョンを踏破して満足するだろうか? と言う点を考慮したのかもしれないが、それをしてしまうと最後の最後で締まらなくなるのは明白だろう。
事実、それをしてしまった結果、エリーゼは満足するどころか心に深い傷を負ってしまったと思うし...。
無論、エリーゼの父さんの視点からしてみればそういう手に出てしまうのも無理はない。
無理はないのだが、恐らく彼はエリーゼの実力を自分の目で見たことがないのだろう。
だから彼女のことを信用できないし、してないのだ。
「エリーゼならいい冒険者になれたと思うのに...、勿体ない」
私はそう吐き捨てると、宿を探しに町の方に向かうのでした。