貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと言われてしまい勇者パーティからは【使えない】宣言されてしまった村娘ですけど仕方がないのでレベルを上げずに最強になります!! 作:カイトGT
宿屋で一夜を明かして次なる旅路に出ようかと思い出した頃...。
私達に会いたいと言う人が部屋に入ってきました。
それは勿論...。
「エリーゼ?」
でした。
彼女は私の顔を見てほっとしたように一息つきます。
「よかった、ケロナお姉様がもうこの町から出て行ってしまわれたのではないかとと心配していましたから...」
そう言いながら用件を述べる彼女。
いろいろ話していたが結局の所、重要なのはこの部分だろう。
「お願いです、私と共にこの町に滞在し教師としてこれからも色々と教えてください、勿論給料ははずみます」
「はいっ?」
彼女の話を聞けば聞くほど悪い条件ではない事がわかるのだが、私は首を横に振り続ける。
「何故ですか? どうしてここまでの条件を出しても私の
彼女の表情から読みとれる感情は焦りと不安だ。
「悪いなエリーゼ、私は冒険者だ、パーティのリーダーとしてサラとレイナも食わせて行かなくちゃならない、金になりそうな仕事が無くなった以上ここにとどまる必要はないんだよ」
そうやって話を流そうとすればするほど、彼女の表情は険しい物に変わっていく...。
「分かりました! ではお父様に頼み込んでサラさんとレイナさんも私の家庭教師として雇って貰えるように頼んでみます!」
彼女の目は本気だったが、多分失敗に終わるだろう。
なぜなら、家庭教師など3人もいらないし、もう優秀な教師が彼女にはついていると思うからだ。
そもそも冒険者の教師などエリーゼの父さんが雇うはずがない。
そんな雰囲気が実際に【シュライン】公爵と対面していた時にとても充満していたからである。
娘を大切に思うあまり、私達のような野蛮な冒険者などとエリーゼを同じパーティにしたくないと言う本心がみえみえだったのを今でもよ〜く思い出せます。
しかし、今の彼女の発言にはそれよりも気に食わない部分があったので、私はそこを突いてみる事にするのでした。
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「エリーゼ、あなたはさっきからお父様お父様って父親の財力を振りかざしているよね?」
私の低いトーンの声に彼女は焦り始める。
「は...はい」
「それってさ、
私の言葉に彼女はコクリと頷く。
「そう言う部分をあたかも自分の力のように振る舞うのは感心しないなぁ...、少なくとも私はね」
眉をひそめ、威圧感のある表情で彼女を見つめる私。
「うっ...」
明らかに分が悪くなった事を確認したのか、エリーゼはだんだんと静かになって行く。
完全に意気消沈したのを確認した後に私はため息を吐いた。
「あのねぇ、エリーゼ、別に親の財力を振りかざすのも悪いことじゃない、悪い事ではないんだけどそれをあたかも当然のように行使しようとするのはやめておいた方がいいよ、その結果私は今あなたという人物を見誤っていたと感じているからね」
今まで彼女に向けたことのない残念な気持ちを彼女に送る。
「あうっ...」
私の残念そうな表情を見た彼女は、返す言葉もないように黙りこくってしまう。
そんな彼女には悪いが私なりの言葉の刃を突き立てた。
「今私は本当に残念な気持ちでいっぱいだよ、あなたは自分の力でなんでもやろうとする子だったのに、最後の最後で他人の力を借りようとする姿勢が強く見られてしまった...、私は自分の足で立とうとしない人間に何かを教える気はないの」
静かな空気の室内に私の言葉が浸透して行く...。
私のの持論を突き立てた結果、彼女はギュッと拳を握りしめてこう叫んだ。
「私だって...、私だって! こんな綺麗なお屋敷の中で静かに余生を暮らしたいわけじゃない! もっとハラハラドキドキする私だけのすっごい大冒険をしてみたいの!」
自分の中の溜まり込んでいたストレスのような物を発散させてくる彼女の姿を見ていた私は静かに笑うのでした。