~ぼっちな俺の家にロボットの女の子が来た結果、その女が想像以上のやべーやつだったため、最悪の陰謀に巻き込まれます~機械創世記・MaKina 作:ハーレム好き男
「いっ、いたっ……」
「くっ……」
2人はいじめっ子らに暴行を受けていた。
「最近、あのガイジンとめっちゃ仲良くしてるじゃーん」
「生意気なんだよッ!」
男の蹴りが寝そべるミカの腹部に直撃する。
「かはっ」
「ミカッ!」
「うるせぇ!」
アンの顔が男の足の下敷きになる。
「ぐっ……」
ミカとアンは、いじめられっ子だった。
2人は仲良く友達同士だったが、あるきっかけから差別を受け始め、中等部の初めからいじめの標的となってしまった。
その日も、埃まみれの床に転がされ、いじめっ子達に酷い暴力を振るわれた。
「……なにを、してらっしゃるの?」
すると、通路の方からこちらを見る少女が居た。
その名は、ペトラ・アルバート。
「あ?ガイジンさんじゃーん」
いじめっ子どもが詰め寄っていく。
ペトラは身長が低く、なめられやすかった。
「……なんですの」
「いいのかい?そんなちっこいのに俺らに絡んじゃってさぁ」
「ほんとちっせぇなぁ。チビガイジン」
「……そんなことより、何をしているのか仰ってくださいませ」
「あ?ちっちゃくて聞こえねーなぁ」
「その子たちを虐げるなと言っているのです!」
その時は、ミカとアンがペトラと仲良くし始めた頃。
鎖国政策をしている現代日本には珍しい在日外国人だということと、日本最大の海外資本の令嬢ということから来る、差別と特別扱いの毎日を送るペトラにとって、ミカとアンの2人が初めての友達だった。
彼女は、大切な2人が虐げられている所を見て、我慢ならなくなったのだ。
身体が小さいから、大きないじめっ子を目の前にするのは本当に怖い。
しかし、ペトラはそれを無視できるほど、2人のことを愛していた。
「わたくしに危害を加えればこのデバイスがそれを検知し、すぐに家の者がこの学校に突入することになっていますわ。したがって、わたくしに暴力を振るうのはおすすめしませんわ」
腕につけている時計型の装置を、彼ら目の前に出してそう言った。
「それでも、この2人を手放す理由にはなんねーだろうよ。ガイジンさん」
「……その2人は」
この時のペトラから出た言葉は、思いもよらないものだった。
「この2人は、わたくしの従者ですわ!これ以上危害を加えれば、家の者に連絡をします。それでもよろしくて?」
「……はっ」
その時、2人の目には救世主が見えた。
「ちっ……」
アルバートの令嬢であるペトラのことは、学校中に知れ渡っていた。
だからいじめっ子達も、下手なことはできない。
「萎えちまったわ、いこーぜ」
そう言い残したいじめっ子たちは、2人のことを諦め、その場から姿を消した。
「大丈夫ですのっ!?」
「……大丈夫っ、だよ」
「ペトラちゃんこそ……それ、ただの時計でしょ……?」
ペトラが着けていた装置は、本当にただの時計だったのだ。
「もう、わたくしの心配なんて、この期に及んでやめなさい……。ほんとに心配したんだから……」
2人を小さな両手で抱きしめ、そう言った。
「ごめん、ね……」
「今日からミカとアンは、私の従者なのですから、以後気をつけてくださいまし……?」
「はい……承知致しました……」
「「お嬢様……」」
そうして、2人はペトラの従者となり、今に至る。
その事件以来、2人にふたたび危害が加えられないよう、ペトラはわざと尊大な態度を取るようになった。
「わたくしを誰だと思ってらっしゃるの?そうですわ。わたくしは、アルバート家令嬢。ペトラ・アルバートでございますわ!オーッホッホッホ!」
その効果はてきめんだったが、同時にペトラへの差別を加速させる結果となってしまった。
3人に危害を加える者が居なくなっても、3人とも、特にペトラは、全くと言っていいほど学校で孤立してしまったのだ。
その恩を返すために、ミカとアンは友達をやめ、現在はアルバート家から正式に雇われた従者として学校での自己犠牲の職務を全うしている。