地縛(但しARC-Vの)使いでダークシグナー擬き主の5D's   作:クォーターシェル

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今年のアニメーションクロニクルにて地縛がOCG化されるそうなので、先走ってしまいました。


ダークシグナー編
第1話


「どうだぁ、セクト?目ぼしいパーツとかあったか?」

 

と俺、『土斬 頼(つちきり たよる)』はネオドミノシティから見捨てられた地、サテライトのスクラップの山から同行している2つ年下の少年、『伊集院セクト』に呼びかける。それに対してセクトは

 

「駄目だよ頼。今回は全然アリなパーツが見つからねえ……」

 

と零す。するとその言葉を聞いた俺は思わず苦笑してしまう。まあ無理もない。何せこの辺にはもうほとんど価値のあるパーツがないのだ。

 

『ネオドミノシティ』と呼ばれるこの世界でも有数の都市で暮らしていた俺だが、今はそこから遠く離れたサテライトにいる。理由は何というか実家が没落したからだ。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

俺は所謂、『転生者』と言う奴っぽい。死んだ覚えはないのだが16年前、気が付いたら赤ん坊になっていた。最初はそりゃあ驚いたよ。社会人やってたはずが、いきなり赤ちゃんになってるんだもの。でもさ、すぐに開き直ったね。だって考えてもみろよ。こんな体験滅多にできないぜ?折角だし楽しまなくちゃ損ってもんでしょ!

 

でもって2~3歳くらいになって俺はこの世界の事を少しずつ知っていった。まずピンときたのが人々の話題によく上る『デュエルモンスターズ』の単語だ。もしかしてと思って住んでいる街の事を聞いたらネオドミノシティだって言われて確信したよ。此処は遊戯王、それもバイクに乗りながらデュエルすることで話題になった遊☆戯☆王5D'sの世界なんだって。

 

それからはずっとワクワクしっぱなしだったよ。だって自分があの主人公の不動遊星と同じ世界で生きているんだぞ!?俺もここ最近はマスターデュエルでしか触ってなかったがOCGプレイヤーの端くれ、早くデュエルしたいなぁってずっと思っていた。

 

でもって5歳の誕生日にカードを買って貰ってデッキを作ったんだ。実家はそれなりに良いところの家柄で、強力なテーマとはいかずとも中々有用なカードで固めた、所謂【スタンダード】のデッキだった。EXデッキのカードはあんま無かったんだけどね。それでも当時の俺は満足していた。

 

お次はデュエルの相手だ。カードショップで同年代や年上とデュエルしたり、いいとこの家同士の付き合いで他の家の令嬢ともデュエルした。まあ、色んな相手が居た訳だが特筆すべきことはその中に5D'sのメインヒロイン、十六夜アキが居た事だ。その時は俺が6歳くらいで大体、同年代のアキも同じくらいの歳だ。つまりロリである。

 

アキはこの頃には既にサイコデュエリストの片鱗が目覚めていた様で、立体映像の筈のソリッドビジョンが実体化していた。ギガプラントの直接攻撃を喰らった時は死ぬかと思ったが、その時、なんと俺にも何かが目覚めたらしい。攻撃を喰らうと思った時、遊☆戯☆王ARC-Vで初登場したモンスター、地縛戒隷 ジオグラシャ=ラボラスをマスターデュエルのメイトみたいに縮めた感じのキャラクターが俺の身体から出てきて俺を守ったのだ(しかしライフポイントは減った)。

 

その時は幻覚か何かでも見たのかと思ったが、アキとのデュエル後、俺の所有するカードの中にセルゲイ・ヴォルコフの地縛シリーズが確かにあったのだ!しかもOCGには無かったカードも混じっていた。俺はこの地縛シリーズが地味に好きだったのでこれは僥倖だった。しかし、なぜARC-V出身のカード達がこの世界にあるんだろうと、当時の俺は疑問だった。

 

それはそれとしてアキとのデュエルでアキの不思議な力に怖がらなかった俺はこの一件でアキと仲良くなり、何度もデュエルした。

 

そんなこんなでしばらくは楽しくやっていたのだが、俺が10歳になった時に実家の稼業の雲行きが怪しくなった。何でも俺の父さんと母さんの祖父にあたる人がとんでもない浪費癖の持ち主らしく、事業に失敗して莫大な借金を抱える事になったそうだ。そしてその負債の返済の為に俺は家を追い出されてしまった。何とかデッキやら手放したくないカードやらは持ちだせたが極貧生活を送る事になったおれは当然の如く、サテライトに流れ着いた。

 

しかし、マーサさんが営む孤児院マーサハウスに身を寄せ、しばらくは其処でお世話になった。セクトと知り合ったのもそのくらいの時期だ。こいつはマーサハウスの子供達の中でもそこそこデュエルの腕の立つ奴で、将来の夢はDホイーラーらしい。こいつとも何回ものデュエルを通じて語り合ったものだ。

 

「来い!俺の切り札、ポセイドン・オオカブト!!」

 

「特殊召喚?じゃあ漆黒の落とし穴発動ね」

 

「アリッ?」

 

そしてマーサさん達に別れを告げ、マーサハウスをセクトと共に出た俺はサテライトの廃墟の一部を改装してアジトにしている。でもってセクトはDホイーラーになる為にDホイールのパーツを集めてるんだが……

 

「お前もそろそろ諦めたらどうだ?Dホイーラーはプロでも難しいって聞くぜ?第一、Dホイールなんてそう簡単に手に入るもんじゃないんだろ?もうちょっと現実的な目標にした方が良いんじゃねえか?」

 

「うーん……」

 

と、俺は苦笑しながら言う。実際問題、このサテライトにはDホイールの材料になりそうなものは殆ど無い。スクラップ置き場でも見つかれば良い方だ。

 

しかし、セクトも引く気は無いようだ。まあ、まだ時間もある事だし、ゆっくり探す事にしよう。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

結局良いパーツを見つけることが出来なかった俺達は、そのままアジトに帰った。アジトに帰ると、

 

「お兄さんたち、おかえりなさい……」

 

と、黒髪の小学生くらいの少女が出迎えてくれた。彼女の名前は瀬良あゆみ。俺達の妹分のようなものだ。あゆみは元々は鉱山を複数保有するほどの大富豪の娘だったが、両親が事業で失敗し、家族が散り散りになってこのサテライトに来たらしい。その話を聞き、他人事には思えなかった俺は、彼女を引き取って面倒を見ている。

 

彼女の両親は相当あくどいことをしていたようで、サテライトでも嫌われているらしい。セクトの奴も最初は

 

「極悪人の娘なんてほっとけばいいじゃねーか」

 

とあゆみを敵視していたが、俺は

 

「子供に罪はないだろ。それに、両親と違ってあゆみは良い子じゃないか。こんな小さい子が辛い目に合うのは間違ってる!」

 

という俺の言葉に感銘を受けたのか、今ではすっかりあゆみにデレデレになっている。……ロリコンではないと思いたい。まあ現在サテライトの片隅で俺達3人は懸命に日々を過ごしている。あゆみは

 

「今日はセクトさんのパーツ探しどうだったんですか?見つかったんですか?」

 

と言ってくる。俺は少し考えてから、

 

「いや、見つからなかったよ。明日また行くつもりさ。だから心配しなくていいよ。」

 

と返す。すると彼女は

 

「分かりました。頑張ってくださいね。私、応援しますから!」

 

と笑顔で言ってくれた。セクトは

 

「ありがとうあゆみ!いつか凄腕のDホイーラーになって、2人を楽させてやるぜ!」

 

と調子の良い事を言っている。全く……。

翌日、セクトは

 

「俺は昨日見つけられなかったけど、きっとどこかにあるはずだ!絶対探し出してみせるぜ!待っててくれよな、俺の愛機!!」

 

と言いながら意気揚々と出かけていった。相変わらず元気な奴だ。俺はあゆみに留守番を頼み、セクトを追った。しばらくセクトの行った方向へ歩いていると、

 

「うわぁっ!?」

 

とセクトの悲鳴が聞こえたのでその方向へ駆け出す。すると、セクトがデュエルに敗れたのか、2人組の強面の男の前に倒れ伏していた。俺は

 

「セクト!」

 

と声を掛ける。すると2人組の内の1人が、

 

「ん?お前こいつの仲間か?」

 

と聞いてきた。俺は

 

「ああ、そうだ。」

 

と答えると、男は

 

「このガキ、俺達のあさりの邪魔をしやがってよ、少し痛めつけてやったんだ。とっととこいつを連れて失せな」

 

と言った。俺は

 

「おい、あんまり無茶するんじゃないぞ。」

 

とだけ言い残し、セクトを背負ってその場を去った。

その後、アジトに戻った俺はセクトに説教した。

 

「お前、何であんな危ないことしたんだよ。あの連中はサテライトの中でもかなり評判の悪いグループなんだろ?下手すりゃ殺されてたかも知れなかったんだぞ?」

 

するとセクトは

 

「だってあいつら、俺のDホイールのパーツを盗んで行きやがったんだ。このままじゃ俺の夢は叶わないどころか死んじまう。そんなの嫌だよ。だから……」

 

と言った。俺は

 

「あー!しょうがないな!じゃあ俺が連中をデュエルでとっちめてくるからさ、取りあえずお前はあゆみと此処で待機だ」

 

とデュエルディスクを背負い、さっきの場所へ行くことにする。セクトに聞いたところでは、奴らは『赤き目の狂戦士団』と呼ばれるデュエルギャング集団らしい。何でも奴らはサテライト各地で盗みを繰り返しており、デュエルの腕もそこそこ立つらしく、デュエルで負けた奴は容赦無く身ぐるみを剝がされるという。俺は奴らのアジトを探し出し、侵入する事に成功した。俺の姿を目視したギャングのリーダーと取り巻きたちは、

 

「ああ?なんだてめえは?」

 

「ここがどこだか分かってんのか?」

 

「俺達に喧嘩売ろうってなら覚悟出来てんだろうなあ!?」

 

などと口々に喚いている。俺はそれを無視してデッキを取り出した。そして俺は、

 

「数が多めなんで強引に行かせてもらうぜ……」

 

と言う。そして、俺の片目が黒くなり、俺の顔に赤いマーカーの様なものが刻まれる。それを見たギャング達は、

 

「なんだ?いきなり目が……」

 

「なんかの演出か?」

 

と戸惑っている様子だ。そして、

 

「へっ、どんな小細工しようが関係ねえよ!」

 

とリーダーらしき男が言うと同時に、俺達は一斉にデュエルを開始した。

 

「俺の先攻!まずはモンスターをセット!カードを2枚伏せ、ターンエンドだ!」

 

「俺のターン。ドロー!俺は通常魔法、ハーピィの羽根帚を発動。相手の魔法・罠カードを全て破壊する!」

 

「羽根帚だとぅ!?」

 

「レアカードじゃねえか!!」

 

そして――

 

「俺は魔法カード、『異界共鳴-シンクロ・フュージョン』を発動!」

 

その言葉とともに俺のフィールドに2体のモンスターが現れた。

 

「「う、うわああああああああああああああああああああああ!!?」」

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

気絶させた『赤き目の狂戦士団』の連中をセキュリティの事務所の前に置き去りにして俺はセクトとあゆみの元に帰還した。俺が

 

「ただいま。」

 

と言うと、あゆみがおかえりなさいと言ったがセクトは黙ったままだった。俺が

 

「どうしたセクト?」

 

と尋ねると、セクトは

 

「俺、やっぱり諦められないよ。俺のDホイーラーになる夢は、こんなことで潰えるもんじゃない。だから……お願いだ。また俺と一緒にパーツ探しに行ってくれないかな?」

 

と言ってきた。俺は

 

「分かったよ。俺も一緒に行くよ。この近辺のギャングは当分務所行きだろうしな」

 

とセクトの肩をぽんっと叩いた。その後、俺はセクトとあゆみと共にパーツ探しに出かけるのだった。

 




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