地縛(但しARC-Vの)使いでダークシグナー擬き主の5D's   作:クォーターシェル

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第3話

展開される迫力のある遊星とジャックのライディングデュエルを観戦しながら、俺はジラスに話す。

 

「原作の対戦カードを生で観られるのはいいけど何のためにここに連れて来たんだ?」

 

と。ジラスは

 

『お前の知っている物語はこの世界の大舞台だ。それに関わって行った方が色んな相手と戦えそうだろ?それにしてもジャック・アトラスか……いつかリベンジしたいぜ』

 

と戦意をあらわにする。

 

「お前と戦ったジャックはあのジャックとは別人だろ。姿形はそっくりでも中身は違う」

 

と呆れる俺。そうこうしているうちにジャックは自分のエースであるレッド・デーモンズ・ドラゴンと遊星から奪い取ったカード、スターダスト・ドラゴンをシンクロ召喚した。俺は

 

「あれが、本物のシグナ―のドラゴンか……なんか、こうして見てみると纏ってるオーラが違うな」

 

と感想をこぼす。ジラスは

 

『ああ、俺も初めて見たときはビビッたよ。あんなのと戦わなきゃいけないと思うとな。だが、俺は勝つ。どんな奴が来ようともな』

 

と言う。俺は

 

「まあ、頑張れよ」

 

と呟いた。そういえばジラスに聞いた所、ARC-Vのレッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトは少し姿が違うがやはりシンクロ次元におけるシグナーの竜らしい。肝心の赤き竜が休眠状態だったお陰で本領は発揮できていなかったが、それでもオカルト的なパワーが宿っているそうなのだ。

 

そんな事を考えている間にライディングデュエルは決着を迎えようとしていた。

遊星がスターダスト・ドラゴンのコントロールを自分の物にし、レッド・デーモンズ・ドラゴンと対決させていた。その時だ、巨大な龍のシルエットをしたモンスターが出現し、まるで遊星とジャックのデュエルを止めるかのように間に割って入った。あれがこの世界の守護神、赤き竜である。

 

赤き竜から眩い光が放たれ辺りを照らす。そして光が収まったと思うと、機能停止した遊星とジャックのDホイールと呆然としている二人が残されていた。

 

「どうやら終わったみたいだな。俺達の出番はなさそうだけど」

 

と俺が言うとジラスは

 

『まあ、こういうのもありかな』

 

と返した。その瞬間、遊星達や俺の身体を人工のライトが照らした。辺りを見るとシティの治安維持局のセキュリティ達が俺達を取り囲んでいた。

 

「これは一体どういう事ですか!?」

 

と声を上げる。すると、セキュリティ隊員の隊長格が

 

「ネオドミノシティは許可なきサテライト住民の侵入は認められない!治安維持局の命によりその身柄を拘束する!」

 

と俺達に勧告した。俺は思わず「冗談じゃない!」と叫びそうになったが、ジラスに止められる。

 

『ここは大人しく捕まっておけ。下手に抵抗すれば余計に怪しまれるぞ』

 

とジラス。確かに今は状況が悪い。俺は「分かりました」と答え、連行される事になった。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

SIDE:レクス・ゴドウィン

 

「ゴドウィン長官。スタジアム内にいた不審なサテライト住民と思われる男を2人共拘束しました」

 

「分かりました」

 

その報告を聞いた私は、後は任せる旨を伝えてデスクに座りながら思いをはせる。今回拘束された者の1人は不動遊星。不動博士の息子にして赤き竜に選ばれたと思われるシグナ―の1人。いずれ私の計画をうまく運ぶ為に働いてくれるだろう。もう1人は……名は土斬頼。おそらくだが、不動遊星とジャック・アトラスのデュエルの直前に観測された反応から見て袂を分かった我が兄、ルドガー・ゴドウィンの手の者だろう。彼が動きだすのはもう少し先の事になるかと思っていたが、まあいい……兎に角、計画は今のところ順調だ。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

SIDE:ルドガー・ゴドウィン

 

旧モーメントの前に佇みながら私は、先ほど感じ取った気配について、ダークシグナーの同志であるディマクと話していた。

 

「あれは……我々の知らないダークシグナーだと?」

 

「そうだ。あの気配、少し毛色が違うが間違いなく地縛神のもの……冥界の王が新たなダークシグナーを引き入れていてもおかしくはない」

 

「どうしますか?ルドガー」

 

「今は放っておこう……我々が本格的に動き出すまでまだ僅かな猶予がある。いずれ彼の者も我らの為に役立つ日が来るだろう」

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

セキュリティにしょっ引かれ、有罪判決をくらった俺は、顔にマーカーを付けられた。

 

「いてて……」

 

『大丈夫か?頼』

 

「誰のせいだと思ってんだよ……」

 

そもそもジラスが無理やり俺をシティに連れてこなければ、こうはならなかったのだ。そして、俺は収容所に連行された。途中の護送車の中には不動遊星もいたが、特に俺からは話しかけなかった。序盤の遊星って特に無愛想だしな。正直この状況でどう話せばいいか分からん。

 

俺のデッキは没収されると思いきやジラスが裏技と称し、俺の身体の表面に黒い穴の様な物が浮かんだと思うと、デッキがその中に吸い込まれていった。

 

「おい、後で取り出せるのか?」

 

と俺は焦る。

 

『もちのろんよ!』

 

とジラス。その後、収容所にて割り当てられた部屋にいると、部屋のドアが開けられた。この収容所の元プロデュエリスト、氷室仁がこの収容所のルールとやらを新入りの俺達に分からせようってことらしい。

 

というわけで、俺と遊星と矢薙典膳のじいさんが氷室によって体育館に呼び出された、ここで歓迎会(皮肉)を兼ねてデュエルすることになった。遊星は純粋にデッキを没収されており、俺もデッキを没収された態で行くつもりなので、デッキを隠し持っていた矢薙のじいさんがデュエルすることになった。しかし、矢薙は自分の所有するカードの効果を理解しておらず、あっさり氷室に負けてしまった。その後に遊星が矢薙から借りたデッキでデュエルすることになった。

 

遊星は矢薙のカードの効果を使いこなし、

 

「魔法カード、トライアングル-O発動!」

 

「うわあああ!」

 

氷室とのデュエルに勝利した。そして遊星と氷室との間に友情が芽生えたようだ。こういうのっていいよね。その後、遊星が取り調べの為に連れていかれたので、氷室達と話をすることにした。

 

「お前もサテライトからやって来たみたいだが、遊星のことについて何かしらないのか?」

 

と氷室に問われる。まあ知ってるっちゃ知ってるけど……

 

「数年前、チームサティスファクションってグループに居てデュエルギャング達と戦ってたことくらいしか知らないぞ」

 

そう答えると氷室は

 

「ふぅん……そうか。それにしても遊星の奴、所長の鷹栖に酷い目に遭わされてなきゃいいが……」

 

と言った。多分だけど酷い目に遭ってたと思う。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

更にその後、遊星や俺に氷室、矢薙は別の部屋に移された。なんでもここらの部屋は長期収容者の為の部屋らしい。更に氷室が凶器を持っていた疑いを掛けられ、鷹栖達に暴力を振るわれる。これに怒った遊星が鷹栖にデュエルを申し込んだ。そして、遊星はこの収容所の囚人達にカードを託されるのだった。この自由時間、せっかくなので俺も遊星に話しかけることにした。

 

「なあ、遊星。俺は土斬頼っていうんだけど、所長に勝つ見込みはあるかい?シグナーさん」

 

「……お前はあの夜スタジアムに居た男だな。お前もシグナーを知っているのか?」

 

そう問うてくる遊星に俺は

 

「まあ、ちょっとなら知ってるさ。君は厄介ごとの渦中に居る。いずれ否応なしに大きなことに巻き込まれるよ」

 

と答えた。ちょっとミステリアスな感じを演出してみたけど、俺は物語にあまり関わるつもりはない。まあ遊星の活躍を近くで見たい気持ちもあるけどね。それにこの収容所からはとっとと脱出するつもりだ。セクトとあゆみも心配しているだろうしな。遊星は

 

「大きな事だと?」

 

と疑問を呈す。それに

 

「いずれ分かるさ……いずれな……」

 

と返し、

 

「話題は変わるけど、どんなカードが好きだい?俺はやっぱ融合とかEXデッキの花形が好きだけど」

 

と言う。遊星は

 

「……俺は強いて言うなら、レベルの低いモンスターかな……」

 

と答えた。まあシンクロ召喚使いの遊星ならそんな答えかな。そんな会話を俺達はした。その後、遊星と鷹栖のデュエルの時間になった。鷹栖は遊星にダメージが入ると電流が流れるデュエルディスクを装着させ、デッキ破壊とバーンと得意とするC(チェーン)シリーズで遊星を追い詰めていった。しかしデッキ破壊とバーン戦法っていまいち嚙み合わないんじゃ……。だが、遊星はそのデッキ破壊を逆手に取り、墓地にカードが30枚以上ある場合に発動できる罠カード、残骸爆破を使用し、その効果によるダメージで鷹栖に勝利した。

 

「やったぜ遊星!」

 

「おお!」

 

「流石だ!」

 

と歓声が上がる。そしてデュエルの結果を無視して遊星を閉じ込めようとする鷹栖だったが、その場にレクス・ゴドウィン長官が現れ、鷹栖を更迭し俺達に恩赦を与えてくれた。特に俺は遊星と同じタイミングで出所することになった。ゴドウィンが何を考えているか分からないが兎に角、脱獄の手間が省けて良かった。

 

出所した時、俺は遊星に別れを告げた。

 

「俺はサテライトに帰るつもりだけど君はどうする?」

 

「俺は俺のデッキとDホイールを取り戻しに行く。帰るのは多分まだ先だ」

 

「そうか」

 

そう言って俺達は別れた。ジラスが聞いてくる。

 

『おい、ここで遊星と別れちまうのかよ?』

 

「そりゃ、俺がついて行っても邪魔になるだろ」

 

たしか、この後遊星はデッキとDホイールを取り返し、その過程で仲間達と出会っていくんだったか。まあ、取りあえず俺はアジトに帰りたい。今となっては俺の家はあそこだしな。そう思っていると、俺の前にサングラスを掛けた黒服の男が姿を現す。俺は

 

「貴方は?」

 

とその男に問う。その男は

 

「ゴドウィン長官がお待ちしております。私はその案内に来ました」

 

と答える。レクス・ゴドウィンが?なんの用だろう。彼は最終的に物語の大ボス的立ち位置に居るのだが、なんか目を付けられるようなことしたっけ……?取りあえず俺はその黒服の男について行くことにしたのだった。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

ゴドウィンの部下の黒服の男の案内で、俺は治安維持局の部屋に通されそこでレクス・ゴドウィンと対面した。

 

「こんにちは。土斬頼君、でしたね」

 

「どうも、こんにちは。治安維持局の長官がわざわざ何の御用なんです?」

 

「ふっ、貴方には察しが付いているのでは無いですか?」

 

「いや、全然分からないんですけど……」

 

本当になんだろう?そうするとゴドウィンは

 

「ふむ。ではこう言いましょうか。5000年周期で赤き竜と敵対する冥界の王の尖兵、ダークシグナーと」

 

と言った。はい?もしかしてこの人俺をダークシグナーと思っているのか?確かにダークシグナーみたいに片目が黒くなったり赤いマーカーが付いたりするんだけど、俺は別に死んでも居ないし、他のダークシグナーに操られてもいないぞ。

 

「あの……多分人違いだと思うんですけど……」

 

「……あくまで白を切りますか。まあ、いいでしょう。話題は変わりますが、貴方、次のフォーチュンカップに出場する気はありませんか?」

 

とゴドウィン。フォーチュンカップ……5D'sの序盤の山場か。しかし、

 

「なぜ俺を?」

 

「シグナー達の力を解放するためですよ。貴方もシグナーとの戦いを望んでいるのでは?」

 

いやだからダークシグナーじゃないんだけど俺。でもこの世界に生まれ直してこのかた大きな大会に出場したことは無かったので、これはいい機会かもしれない。重要キャラに当たりそうになったらわざと負ければいいだろうしな。

 

「それに、出場に当たってそれなりの報酬も支払いましょう。何ならサテライトにいる伊集院セクトと瀬良あゆみも観客として呼び寄せましょうか?」

 

「えっ、いいんですか?」

 

こうして、俺はフォーチュンカップに出場することにしたのだ。

 

『面白くなってきたが、大丈夫かねぇ……』

 




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