この常識の通用しない世界に祝福を!   作:仲美虚

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第十二話『この仮面の悪魔に不意打ちを!』

突如として起こったモンスターの大量発生。その出所はなんと以前カズマたちが探索したキールダンジョンであった。

垣根は出入口にワイヤートラップ――ワイヤーにより誘発する罠でなく不可視のワイヤーによって切り刻む罠の意――を仕掛けてからセナに報告に戻る垣根。セナとめぐみんを引き連れて現場に戻ると、正体不明の人型モンスターが列を成して次々とワイヤに―切り刻まれて爆散し続けていた。

 

――以上、前回までのあらすじ。

 

 

当然、容疑はカズマを筆頭とするパーティ一行にかかる。

セナは軽い調査の後カズマに説明を求めるため衛兵を引き連れダスティネス邸へ赴き、垣根はめぐみんの介抱をしつつその帰りを待っていた。

 

そして日も落ちてきた頃――

 

 

 

「――お、戻ってきたか」

 

 

セナが街の冒険者たちとカズマ、アクア、そしてダクネスを連れて現れる。

どうやら見合いの件は丁度解決したようで垣根は胸を撫で下ろすが、安心も束の間。アクアが涙目で頭にコブを作っているのを見て全てを察し溜息を吐いた。

そんな垣根と目が合ったカズマもまた同様に溜息を吐いて肩をすくめる。そしてキールダンジョンの方に目を向けると同時に、モンスターの爆発音に「うわっ」と声を上げて驚いた。

 

 

「なあ帝督、あれは一体何が――」

 

「ああ、悪い。一旦解除するか」

 

 

垣根は未元物質(ダークマター)を操り、罠を解除する。そして障害が無くなったことでモンスターたちはダンジョンの外に溢れ出し、周囲を彷徨き始めた。

 

 

セナの説明によると、中に術者がいて召喚の魔法陣から謎のモンスターが発生しており、術者を倒して魔法陣に封印の札を貼る必要があるとのこと。

 

カズマはセナから件の札を受け取り、パーティメンバーの方へ向き直る

 

 

「それじゃあ作戦会議といこうぜ。まず、悪いけどめぐみんには例によって待機してもらって……」

 

「そうですね……狭いダンジョンの中では爆裂魔法も使えませんし、まだ魔力も回復しきっていないのできっと足手纏いになってしまいます」

 

 

バツが悪そうにめぐみん向けて軽い謝罪のジェスチャーをするカズマ。その横からアクアが声を上げる。

 

 

「それじゃあ私も――」

 

「おいお前は一緒に来るんだよ!」

 

 

今回の騒動はアクアがダンジョンの最奥に魔除けの魔法陣を設置した事によるものだそうで、当事者であるアクアが留守番など勿論許される筈もなくカズマに一喝される。するとアクアは絶句してその場に蹲り、カタカタと震え出した。

 

 

「――い、嫌! もうダンジョンは嫌なの……! きっとまた置いていかれるわ!」

 

 

虚な目でうわ言のように「嫌」だの「怖い」だのと繰り返すアクア。カズマも流石に申し訳ないと思ったのか、結局探索メンバーはカズマ、垣根、そしてダクネスの三人という形に落ち着いた。

 

 

「お、男二人に女が一人……私としてはそちらの方が心配なのだが……」

 

「なあ、やっぱダクネス一人で行かせないか?」

 

「バカ、気持ちはわかるがお前が同行しなきゃ誰が案内するんだよ。それよりあのモンスター……人形か? 散り際に爆発したところを見るに自爆能力があると考えていい。この変態を盾にしてとっとと進もうぜ」

 

 

二人は頬を染めて妄言を垂れる女騎士に呆れ返り、その背中を押してダンジョンに足を進めた。

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

ダンジョンの内部はカズマとアクアが以前探索した時と異なり、ここの主人の存在を示すように薄らと灯りが灯っていた。

 

結局監視役として雇われた冒険者が数名同行する事となった。

しかし入り口付近で人形たちに纏わり付かれ足止めを喰らったのをいい事に、アクアの魔法陣をこっそり消す為に垣根たちは彼らを置いて先にダンジョンの奥へと駆けて行った。

 

そしてカズマの案内の元魔法陣のある隠し部屋、その手前の曲がり角に差し掛かったところで垣根たちは足を止めていた。

 

 

「うーん……どうしたもんかなぁ……」

 

 

曲がり角から件の隠し部屋がある場所を覗き込むカズマ。その視線の先には地面にあぐらをかいて座り込み粘土を捏ねる、奇妙な仮面を付けた正装の男がいた。

 

 

「どう見てもアイツが製造元だよな……さて、どう仕掛け――」

 

「貴様が元凶か!」

 

 

垣根が言い切る前にダクネスが仮面の男の前に躍り出る。当然静止も間に合わず、致し方なしと垣根とカズマもその背後に姿を現した。

 

 

「ん……? ほう、よもやここまで辿り着くとは……」

 

 

言いながら仮面の男は捏ね上げた粘土から丁度人形を完成させ、その腰を上げて先頭のダクネスを見据える。そして姿勢を正しつつも大きな身振りで仰々しく名乗りを上げた。

 

 

「我がダンジョンへようこそ冒険者よ! 吾輩こそが諸悪の根源にして元凶。魔王軍の幹部にして悪魔たちを率いる地獄の公爵。この世の全てを見通す大悪魔――バニルである」

 

 

魔王軍の幹部。その言葉を聞いたカズマに戦慄が走る。

 

いくら同じ魔王軍幹部であるベルディアを倒した実績を持つ垣根がいるとはいえ、ウィズの例からしてもその実力はピンキリである。万が一目の前の相手が上澄みだった場合、苦戦を強いられる可能性は十分にある。カズマの脳は咄嗟に撤退の判断を下した。

 

 

「「おい、逃げるぞ!」」

 

 

カズマに被せて叫んだのは垣根。普段であれば自信満々に向かっていくタイプの人間である為カズマも面食らう。しかしその表情にはカズマからも見て取れる程の、いかにも『嫌な予感がする』と言わんばかりの焦りが出ていた。

 

 

「女神エリスに仕える者が悪魔を前にして引き下がれるか!」

 

「ほう、魔王より強いかもしれないバニルさんと評判の吾輩を……?」

 

 

尚も引き下がらないダクネスと、更に明かされるバニルの実力にカズマと垣根は歯噛みする。

 

 

「まあ落ち着くがいい。魔王軍の幹部と言っても城の結界を維持しているだけの、謂わばなんちゃって幹部でな。魔王の奴にベルディアの件で調査を頼まれたのだ。ついでにアクセルの街に住んでいる、働けば働く程貧乏になるという不思議な特技を持つポンコツ店主に用があって来たのだ」

 

 

バニルの口から語られる知った名と、知り合いと一致する人物像の話に垣根たちは顔を見合わせる。

そんな彼らの事情を知ってか知らでかバニルは続けた。

 

 

「……そして、吾輩は世間で言うところの悪魔族。悪魔の最高の御飯は、汝ら人間が発する『嫌だな』と思う悪感情だ。汝ら人間が一人産まれる度、我は喜び庭駆け回るであろう!」

 

 

つまるところバニルは人間に直接危害を加えるつもりはないと言いたいのであろうが、実際に彼が造った人形のせいで迷惑をしているカズマは足元の人形を指差して抗議の声を上げる。

 

 

「ダンジョンからこの人形がポコポコ出てきて、その人間が難儀してるんだが?」

 

「なんと。此奴らを使いダンジョン内のモンスターを駆除していたのだが……外に溢れ出しているという事はもうモンスターはおらんのだな。ならば――次の計画に移行するとしようか」

 

 

そう言ってバニルが手を翳すと人形は色を失い元の土塊に戻る。

この様子では恐らく外の人形も同様に土に還ったと考えられるが、バニルが溢した言葉にカズマは警戒の色を見せる。

 

 

「何を企んでいるんだ……!」

 

「失敬な。鎧娘が数日帰って来なかっただけで自室を熊のようにウロウロして心配していた男よ」

 

 

「なっ――」

 

 

いきなり語られた個人的な事情に、当のカズマは赤面して声を上げた。

 

 

「おぉいやめろよ! なんで見てきたみたいに――」

 

 

 

 

――ドゴォォォン!!!!

 

 

突如響き渡る爆音と舞い上がる土煙。

垣根の翼が先程までバニルがいた場所を貫き抉った事によるものである。

 

狙われたバニルはすんでのところで回避したものの、突然の事に受け身が取れずに背中を打ってよろめいていた。

 

 

「お、おのれ……予備動作も無しにノータイムで殺しにかかるとは……品の無い男め……!」

 

「そりゃ悪かったな。だが下品なのはお互い様じゃねえか? 人の頭を覗き見るなんてセコい真似してよくもまあ自分の事を棚上げできたもんだ」

 

 

土煙の中から垣根の声が響く。やたらと濃くなかなか消えない煙幕をバニルは不審に思いながら周囲を警戒する。しかしこれ以降特に不意打ちを受ける事なく煙幕は徐々に晴れ、やがて先程と同じ立ち位置から垣根一人(・・)が姿を現した。

 

 

「……貴様一人か。他の者はどうした?」

 

「先に逃した。テメエなんざ俺一人で十分だ」

 

「可笑しな事を。他の者が居ると困る(・・・・・・・・・)の間違いであろう?」

 

「チッ……どこの世界でもこの手の能力者は性格が悪くて敵わねえな。それどころか雰囲気や目付きまで同じときたもんだ」

 

 

垣根はバニルが名乗りを上げ、『この世の全てを見通す大悪魔』を自称した時からずっと警戒していた。もし大言壮語でなく本当に読心や千里眼のような力を持っているのだとしたら、自分の前世の事を暴露される可能性がある。その為じっと目立たないよう会話に参加せず様子見に徹していたが、カズマのプライベートが暴露された事で予感は確信に変わった為強硬手段に出たのであった。

 

初見では人間かもしれないと考え手を出さなかった垣根だが、はっきりと悪魔である事が分かった上自らの立場を脅かす存在に容赦する理由はもうどこにも無い。無言で翼を広げて目の前の敵を細切れにせんと大きく振り上げる。

 

 

「待て待て待て待て!! 吾輩は貴様の事情を暴露する気など毛頭無い!!」

 

「そんな命乞いが通用するとでも? 魔王軍ってのは随分と平和ボケした組織のようだな」

 

「いいから聞け! ――吾輩にはな。とびきりの破滅願望があるのだ」

 

「は?」

 

 

バニルの突拍子も無い話に垣根はつい固まってしまう。バニルはその様子を話を聞く意思と解釈して続けた。

 

 

「――まずダンジョンを手に入れ、各部屋には悪魔たちを待機させ罠を仕掛ける。挑むは歴戦の凄腕冒険者たち! やがて苛烈な試練を潜り抜け、勇敢な冒険者が最奥の部屋に辿り着く! 待ち受けるのは勿論吾輩!!

 

『よくぞここまで来たな冒険者よ! さあ我を倒し、莫大な富をその手にせよ!』

 

ついに始まる最後の戦い……! 激戦の末、とうとう討ち斃された吾輩の背後には封印されし宝箱が現れる。苦難を乗り越えた冒険者がそれを開くと中には……!

 

 

 

 

『スカ』と書かれた紙切れが。

 

 

 

 

それを見て呆然とする冒険者たちを見ながら――吾輩は滅びたい……!」

 

 

仮面に隠れていても尚わかる程の恍惚とした表情で語るバニル。きっと彼の脳内には先程の語りと同様呆然とする冒険者の姿がくっきりと浮かんでいる事だろう。

 

――現実に、眼前の垣根もまた翼を振り上げたまま呆然と固まっていた。

 

 

「……いや何の話だおちょくってんのかコラ」

 

「わからんか。吾輩が欲する至高の悪感情とは、謂わば『ムカつく』だとか『やられた』だとかといった――そう、今貴様が言ったような『おちょくり』によるものだ。だが貴様の事情を暴露した事で吾輩が得られる悪感情は? 食えなくはないが、吾輩からすれば下手物食いもいいところ。しかもその後何の情緒もなく一瞬で吾輩は消し炭にされるであろう。そんな最期は御免だ」

 

「随分と解ったような口を利くじゃねえか」

 

「言ったであろう? 吾輩は全てを見通す大悪魔。それに貴様の思考は随分と整理されていて読みやすい。本当に人間か?」

 

「読みやすい、か。――だがこうなる事は読めなかったようだな」

 

 

瞬間、バニルの腹部を未元物質(ダークマター)の翼が無音で貫く。

そのままバニルは文字通りその場に崩れ落ち、仮面を残してその身体を土塊へと変えた。

 

 

「生憎、並列思考もお手のものでな。事情がどうあれテメエみたいなのを見逃すわけねえだろうがボケ」

 

 

バニルだったものを背に、垣根はカズマから聞いていた手順通りに隠し扉を開ける。そして中に入ってアクアの魔方陣を消し、出口へ向かおうと扉の方へ向き直った。その時であった。

 

 

「――フハハハハ! よくぞ厄介な魔法陣を消してくれた……!」

 

「……っ! この声――うああっ!?」

 

土塊に埋まっていた仮面からバニルの声がし、ひとりでに動き出す。仮面は不意を突かれた垣根の顔面に飛びつきその眼前を覆った。

 

 

「て、テメエこの……! ぐああっ!」

 

「おっと、抵抗すると痛むぞ。それにしても先程はよくもやってくれた。が、詰めが甘かったようだな」

 

 

取り憑いた垣根の口を借りて喋り出すバニル。言葉通り垣根の全身に激痛が走る上思考も乗っ取られて演算がままならず、垣根は仮面を引き剥がす事ができずにいた。

 

 

「先程魔法陣を消す貴様の頭を覗かせてもらったが……あの魔法陣は貴様の仲間のプリーストが描いたようだな? たっぷり礼をせねばなるまい。なあに、人間は殺さんのが鉄則の吾輩だ。人間は殺さんよ。――人間は(・・・)な」

 

(こいつ……!)

 

 

バニルは垣根の記憶からアクアが本物の女神であると知っている。つまり人間ではないアクアを殺す腹積りでいるのだ。

しかし身体は普通の人間である垣根にはもう抵抗する力は残っていない。徐々に意識を手放し、やがて完全にバニルに乗っ取られてしまった。

 

 

「……ふん、漸く静かになったか。さて、あの忌まわしいプリーストを手にかけるにしても、この身体は多少鍛えてはいるものの全くステータスの補正が入っていない貧弱そのもの……吾輩では此奴の能力も使えぬし……そうだ。このまま外に出て油断を誘い、あの鎧娘にでも取り憑くとしよう。あの娘のフィジカルなら外で待機している冒険者共では取り押さえられまい。フハハハハ……!」

 

 

良からぬ計画を企て意気揚々と出口に向かって駆け出すバニル。今このダンジョンには冒険者はおろかモンスターもいない。邪魔する者は誰もおらず、どんどん進んでいく。やがて最後の曲がり角。そこを曲がればあとは出口まで一直線という所に差し掛かったその時――

 

 

「よう」

 

「な――!?」

 

角で待機していたある人物に出会い頭に額を小突かれ、バニルはよろけながらも急停止する。そして信じられないものを見たかのような目でその人物を見据える。――いや、実際にバニルにとってそれは信じ難い光景であった。何故ならそこにはいるはずのない人物が立っていたからだ。

 

 

「つ、つつ――翼の男(・・・)……!? な、何故貴様が」

 

「おいおい、その呼び方はねえだろ。俺には垣根帝督って名前があるんだからよ」

 

 

そう、そこに居たのは紛れもない『垣根帝督』その人。今バニルが身体を乗っ取っている筈の人物である。

 

困惑するバニル。そんな彼の額を『垣根』は指差した。

 

 

「セナから貰った封印の札だ。これでテメエは別の身体に移る事もできねえ」

 

「なっ、先程の出会い頭に……! い、いや。それよりもどういうことだ。確かに貴様は――この身体は一体……!?」

 

「その様子じゃ上手くいったみてえだな。俺の未元物質(ダークマター)は今や自分自身のコピーを作れる程に進化してんだよ」

 

 

その言葉でバニルは理解した。あの異様に濃く晴れない土煙。あれは垣根がコピーを作り出す時間を稼ぎすり替わるために意図的に起こした煙幕。バニルが心を読める事を確信した垣根は洗脳の類まで警戒し、コピーを置いてカズマやダクネスと共に逃げ仰せていたのだと。

 

 

「し、しかし吾輩が視たのは紛れもなく貴様本人の記憶……! それにコピーを作れるという記憶も経験も――」

 

「そりゃそうだ。なんせ用意したコピーには俺自身の記憶を持たせていたからな。『コピーを作る事ができる』という記憶だけ欠落させてな」

 

「……は?」

 

「正直細かい所まで手が回らなかったから記憶の矛盾からボロが出ないか心配ではあったが……囮には十分だ。つまりあのコピーはテメエが意識を奪うまで自分の事を本物の垣根帝督と思い込んでいたって訳だ」

 

 

バニルは内心恐怖していた。あんな短時間でここまでの仕込みをした目の前の人間に。自分の似姿を――いや、自分自身(・・・・)をも殺す事に何の躊躇もない目の前の怪物に。

 

 

「貴様……本当に人間か?」

 

「テメエよりはな。あばよクソ悪魔」

 

 

垣根が手を翳すと、バニルの身体――未元物質(ダークマター)のコピーが崩壊していく。バニルが自らの人形にやったように。

 

やがてカラン、と軽い音を立てて仮面がその場に落ちる。文句を言いつつも抵抗できないそれを垣根は拾い上げ、出口へと歩き出した。

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

その後、仮面もといバニルの本体はダンジョン前の平地に投げ出され、アクアの浄化魔法や爆裂魔法のリンチを受け、セナにより討伐が確認されたのであった。

 

 

そして後日ギルドにて、カズマたちパーティ一行は魔王軍幹部を討伐した事で街からの感謝状と、一連の嫌疑に関する正式な謝罪を受けた。

 

さらにデストロイヤーとバニル討伐の報奨金から、今までの借金及び領主邸の修繕費を差し引いて四千万エリスもの進呈をも受ける。これにより魔王軍のスパイ容疑、警察の監視、借金と今まで彼らを縛っていた全てからついに解き放たれたのだ。

 

お祝いムードに盛り上がるギルドの冒険者たち。まるで当事者のように喜び、乾杯する。もしかしたら単純に祝い事に託けて騒ぎたいだけなのかもしれない。そんな彼らを背に、カズマは静かに外に出て天を仰ぐ。そして涙を流し、高らかに歓喜の声を上げた。

 

 

「――ついに自由という名の翼を手に入れたんだぁ〜!!!!」

 

 

 

「今俺の翼の話したか?」

 

「おわっ!? いたのかよ帝督。……違うからな? あの、本当に違いますからね?」

 

「くく……冗談だよ。今日くらいは飲もうぜ。アクアが宴会芸やってんだ」

 

「ったく、あの宴会芸の女神は……」

 

 

また調子に乗って一瞬で金が尽きる心配をほんのりと抱えながら、カズマは垣根と一緒にみんなのところへ戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 




前回からめちゃくちゃ間が開いてしまいました。申し訳ありません。
なんか綺麗な終わり方しましたがまだ続けるつもりです。
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