特に何もしゃべらないまま、太陽の光が斜め上から降り注いでる縁側を歩いてる私たちは、障子がまとまってる場所や柱の内側を歩いてる間だけ日の光を浴びないけど、それ以外の時はずっとそれの温かさを感じながら歩く。割とニニが早歩きなせいもあって、周囲から聞こえる音の中で自然の中にないのは私たちの足音だけ。それが等間隔に聞こえてるのをずっと感じながらいたせいもあって、向こうが止まったのに気づけなくて体を前のめりにしちゃいそうになって。強く目を締め付けながら体の勢いを殺す。
でも、その瞬間、部屋に繋がる障子の方にまっすぐ体を向けてるニニと体がぶつかりそうになっちゃって。それとすごく体が近い位置に来ちゃってるのに気づいて数歩足取りを作りながら後ろに下がった。
「どしたの?」
上瞼を平たくする感じのまま背中を回して私の方に視線を向けてくるニニが、すごい早口で私に話しかけてる声が聞こえる。そして、数秒間だけ私たちがどっちも何も発しない時間が過ぎた後、向こうが両方の口の先端辺りを伸ばしながら歯を見せて笑う。
でも、それを見てた私も両方の手の指を落っことしてはいるけど、それを胸よりも少し上の辺りに持ってきてる感じでいたから、ほっぺを使って口を引っ張って、笑い声を小刻みに切りながら出してく。それと一緒に視線を斜め上の空の方に持っていってた。
「別に?」
すぐに終わったその声を出してる所で、太ももの辺りを撫でる感じで手を落っことしていくのが終わると一緒に、視線をまた相手の方に戻す。そしたら、向こうはさっきみたいになってた口元を縮めながら舌の範囲を小さくしてる。でも、それもすぐに体と一緒に顔も障子の方に向けるせいで見えなくなっちゃってた。
ただ、ニニは続けて両方の手を使って引き戸を開けた後、一緒に両腕を上に持ち上げながら背中を大きく伸ばす動きをしてて。大きく深呼吸をしてた。続けて、足を動かして部屋の中に入って行くと、ろうそくや舞の灯りがないせいもあって、障子の開いていることで入ってる光の白い部分とそうじゃない影になってる黒い部分が別々に出来上がってる。
さっきに入って行った向こうの姿がお尻に近い辺りで両手を組み合わせながら足を動かしてるけど、それに対して私は廊下と部屋の境目の辺りでまっすぐに立ってるだけ。向こうは部屋の真ん中あたりに向けて歩いてくけど、それでも部屋の中で太陽の光を浴びて床が白くなってる部分と黒くなってる部分が交じり合うことはなかった。
「ここ、ニニの部屋?」
ゆっくりと歩いて行ってるまま視線を動かしてる私が一度途中で止めるところ以外にはほとんどちょっと早口なくらいですぐに言い終わる感じで話してるのに対して、足を動かしているのを向こうは止めてる。
少しの間だけだけど、誰も話さないでいる時間があって。それのせいで私も向こうも静かにずっといるだけの時間が過ぎる。視線を上に向けるような動きをしながら顎もそっちに持っていってるその姿を見える間、辺りからは風が植物を揺らしてる音だけが聞こえて来てた。
「寝室みたいな感じ。いつも1人で寝てる」
ニニがそう言ってる間、視線を私がいる方とは反対側の斜め上に向けながらそっちの方にある背の低い押し入れの方を見つめてる。そのまま視線を左右に転がす感じで首元を同じように動かしてた。ただ、私はそれに対して逆の方の下側に視線を向けながら「ふーん」って声だけ出してるだけにして両方の手を腰に当てて。肘を左右に広げる感じのままいた。
私の替えの服をハレに渡すと一緒に部屋を出ると、そのままそっちに背中を向けたまま障子を閉めて。またそこに後頭部をくっつけて重さを押し付ける感じにすると、そこがほんのちょっとだけへっこむのを感じる。そのまま息を吐くみたいにするけど、その冷たさを感じることしか出来ない。でも、それでも目を細く開けたままにしてるのを全然変えられなかった。
視界の中では中庭側の縁側の天井部分が薄暗い状態で、先に行くたびに黒い色をより濃くしている様子をわからせてるのが大半を占めてる。でも、その状態のまま出来るだけ視線をその向こう側にある空の方へと向けて。でも、そっちもそっちでまだ青空を隠しちゃってる雲の白いの中にちょっとだけ灰色が混じるみたいになってる。
ただ、そのまま同じ場所で同じ姿勢でいると、辺りを温かく照らすみたいな太陽のあったかさはどこにも感じられなくて。それに照らされてるせいかもだけど、私の方よりも中庭の方は色がより見やすくなってる。
ただ、そのままの体勢でいたら向こう側の廊下をお母さんがまっすぐに歩いてる様子が見えるけど、それの音とかは全然聞こえなくて。私の方から体を障子から離して手を伸ばそうとした。
でも、指と手の甲側が平行になるくらいの位置になったところ、背中がちょっとだけ丸くなって。後ろ側と離れるかのすれすれのところでそれを戻す。瞼もゆっくりと落っことしてからもう片方の脇で抱えてたハレの服を胸全体で押さえる感じに変えたまま、ちょっとだけ体を前のめりにしながら口を紡いで先へと向かって進んでいた。
ニニがいなくなった部屋の中で一旦借りた学校指定の制服をゆっくりと畳の上において。首を上に向けながら両方の手を落っことした状態で強く息を吐く。体の全部を重力に従わせるみたいにしてるけど、それでも視界の中に広がってその色をどこでも全然変えない天井の様子をうっすらと眺めてるみたいにしてた。ただ、私がなにもしないせいなのかもしれないけど、風景も風景で全く動く様子を見せないままただただ私の上で広がってるだけ。
ちょっとだけ開けてた口を閉めるために下唇を上に持ってくるみたいな動きをさせてる間、だんだんと上唇の勝手にへっこんで硬くなってるみたいな形をしてる場所が、平たい形に戻って行くみたいな気がして。そこに周囲の冷たい空気が入り込んでいく感覚を味わう。
小さく目を開けたままただただ正面を向けてる私に対して、辺りからは自然が風に揺れる音だけが耳をくすぐるみたいな気持ちがして。それのくすぐったいのを感じてたら、自然とお尻から体が畳に向かって落っこちて。膝を上にちょっとだけ持ち上げてるまま足を延ばしてる体勢に勝手になってた。
「ハレ、着替えまだ?」
その声を聞いた途端、視界が薄くなってたのに気づいて、慌てて体を前に倒すみたいな動きと一緒に四つん這いになって。そこで膝と手を使って前に出ながらニニが用意してくれた服を手に取る。その瞬間、それの匂いがして。小さく口を開けたまま息を吸ってて、脇をいつの間にか開けてる感じにしてたのに気づいて。すぐにそれをまとめながら体を勢いよく立ち上がらせる。
でも、一旦それらを畳の上に戻すと、ほとんど畳んであった形がそのままになってるのを確認したら、すぐに自分の着てた服を次々にあっちやこっちへ放り投げるみたいに脱いでいった。
「ごめんまだ!」
そう言いながら、慌てて履物に足を通しながら何度も体の均等を保つために片方の足で繰り返し小さく飛ぶみたいな動きを繰り返す。続けて言葉が終わったのに合わせて視線もそっちに戻すともう片方の足もそれの間に通して、勢いよく足を落っことす。ぴったりとくっつくその服を1回だけ指を使って体から離してからもう一度勢いよくそれを自分の元に戻す。
手を元の位置でちょっとだけ上に持ち上げるみたいにしてたまま、ほんのちょっとだけ息を吐くと、わずかに瞬きだけしてて。すぐに割烹着にも頭を通して。間髪入れずに部屋の外にいるニニの方に行こうとした。でも、そっちに行くのは脱いだ自分の服をまとめて畳んでからにした。
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