1回鼻から息を吸い込んでから口で吐いて。それから一旦瞬きしてから上を向く。太陽の光が雲の上からだけどさんさんと降り注いでる感じで。それのせいで鋭くまた息を吸いながら頭を落として顔を下に向ける。そのまま小刻みに足を動かしてく感じで進めてくけど、その進む早さはだいぶゆっくりになっちゃってた。
でも、肩と腕をおっこしたまま足取りを揺らすみたいに左右へ揺れて進む私に対して、辺りではまばらにだけど人がいる足音とかが聞こえて来てる。私と同じくらいの年齢の子が駆けて行きながら何かを話している高い声だったり、近くを進んでるおばさんがあくびをしてる音。色んな音が交じり合って左右のどっちからも聞こえて来てる。
一度上半身全体を使って振り返ると、太陽の光が奥側から来てるせいでちょっとだけ薄暗くなっちゃってる御鏡の家がある丘の様子が見えて。それから顔を勢いよく振りながら走り出す。一瞬だけ体勢を倒しそうになっちゃうけど、すぐに体を出来るだけまっすぐにしたまま勢いをつけたのをと取りを活かして早さを整えるみたいにしてた。
気づいたら思ってたよりもすぐに御剣の家に到着してて。ずっと顔を下に向けてたのをふっと上にもってくみたいにしながら、ちょっとだけ口を開けてるみたいにしてる。そしたら、家の塀が白い色一色に染まってる状態でただただまっすぐに伸びて行ってるだけなのを遠くに行くまで見せてるだけで。それが両側にずっと続いてて。横を歩いてる人もまっすぐにただ足を進めてるだけにしてる。
一方で、私はこっちの背の倍くらいはありそうな、辺りのよりもさらに一段階背を高くしてる門の様子を眺める。そこは色が濃い木材の色で出来上がってるみたいで、特にその年輪の模様が描かれてる色部分はもう真っ黒って言っていいくらいの感じになってた。
ただ、そこを見てるのもほんの数秒間の間にしてた。一旦口を強く締め付けるみたいにしてから顔を下に向けて。両方の唇に強く力を入れて。それと一緒に手首の辺りで目元を強くぬぐってから小さく「よし……」とつぶやく。親指を握り締めてる状態の両手を体の前に出す感じで斜め前後に動かすまままっすぐに進んだ。
くぐり戸を抜けると一緒に体全体をそこに通すよりも先に首だけを入れるみたいにしながらそこで顔を左右に動かす。それに対して、御剣の家の中では従者の人があわただしく歩いてる足音だったり、それと一緒にやかんか鍋かなんかがぶつかり合ってる音とかが聞こえて来るし、何なのかわからないけど、その中で聞こえて来る声も確かにあって。そんな中で頭を前のめりにしながら戸のはめ込みの部分に両手をくっつけたまま息をまた吐いちゃった。
でも、その数秒後には一旦口の中をかむみたいに動かしてから、出来るだけ胸を張った状態で玄関まで歩いてく。でも、その間誰かと会う訳でもなくて。でも、それでも姿勢はずっと変えなかった。
「ただいま……」
ちょっとだけ顔を斜め上に向けながらきょろきょろ左右を見る。そうしながら家に入ってくる私に対して、玄関には誰もいないみたい。辺りでは相変わらず従者の人たちが働いてるのが聞こえて来るだけ。
ただ、私は体を1回翻してから両方の手で引き戸を締めて。でも、その間もまた首だけだけど家の中の方に向ける。そこから体を伸ばして通路の向こう側を見る感じで体を伸ばし、そのままちょっとだけ体を傾けるまま片っぽの足だけで立つ。結果として、口を開けながら上半身を倒してくみたいに。
一方で、すぐに引き戸は閉まっちゃったみたいでその振動をちょっとだけ体で味わって。それに続けて、傾きを元に戻すと自分の胸とお腹の間くらいの位置で両手を重ねながら靴を脱いで廊下に上った。
「ハレ様、お帰りなさいませ」
急に声が聞こえたからから私もびくっとしちゃって。それと一緒に顔をそっちの方に向けながら足で数歩後ろに下がったら、それと一緒に目線を左右に動かしながら口を横に広げる感じで声を出してた。
ただ、一方でそっちにいる従者の人は、腰のあたりまで伸びてる髪の毛の一部を肩から落っことしてるままにしてて。背中を曲げて私にお辞儀してる状態から全然動こうとしない。その状態を見たまま数秒間だけ時間が続いてたけど、でも、それに対して私はただただ同じ音を声にして出すことしか出来ない。
数秒間そうしてたのから戻って、ちょっとだけ音をまごまごさせちゃいながら軽く「ただいま」って答えたら咄嗟の勢いでしゃがんで靴を拾い、すぐに体勢を戻そうとしたけど、その瞬間こっちの視界に太い腕が入り込んでた。
「あの、靴の整理は私たちの仕事ですので……」
ちょっと早口目のその声がした瞬間、私に覆いかぶさるみたいにしてるその人が両方の手を後ろ側から伸ばしてて。靴の穴の所に手を付けてた。でも、私はそれと自分の体が影で暗くなってる様子を数秒間眺めてからそこから手を離して。すぐに自分の体にくっつけた。
ただ、従者の人は「失礼します」って言いながら下駄箱の中に私の靴を入れに行ってた。その様子に対して私は体を横にするまま、眉を落っことした状態で。体を蟹の横這いみたいに左足をそっち側に伸ばすみたいに。それに続ける感じで右側の足をそこに戻す。その動きを繰り返しながらゆっくりと進んで行った。
向こうの様子が家の壁で見えなくなったところで、ゆっくりと体の向きを変えてから廊下を左側の端の方から右の方、部屋がある側から庭がある方へと蛇みたいに足を進めて行った。そのまま道の端の所で小さく腕を振るみたいにしながら出来るだけ音を立てないで足を進めて行った。
私が歩いてる間、何度か従者の人とすれ違うことはあるけど、でも、その人達がしたのは足を止めながら体の向きを変えるのと、それに続けたお辞儀くらい。それに対して、こっちも歩く早さをちょっとだけゆっくりにしながら軽く会釈するくらいにだけにしておいて。向こうの様子が視界からなくなるのと一緒にまたまっすぐな向きに戻す。
数回それをやったくらいの後には自分の部屋に戻ってて。片方の腕を払うみたいな動きと一緒に障子を開ける。
そのまま体の重さに従わされる足取りで斜めに進んで行ったら、座椅子の上の座布団を枕にするみたいに倒れこむ。自分の顔の少し下の辺りに手首を重ねる感じにしたまま、廊下から入り込んでくる光が背もたれに阻まれたことで出来てる、影の様子だけを見つめてた。
頭だけを前のめりにさせてる感じで立ってる私に対して、目の前の障子には人が細かい足取りで歩いて行ってる影が映ってるみたい。こっちはその様子をちらちら視線を向ける感じで見てた。ただ、その間もそっちからは何度も食器が重なり合う高い音だったり、従者の人や分家の人が話してる笑い声みたいなのが聞こえて来る。
正面がずっとそんな感じなのに対して、後ろからは遠くから蛙が鳴いてるのが聞こえて来るくらいで。それ以外はそっちの方に池や観葉植物があるけど、それが何か音を立てるのが聞こえることは全然なかった。
一方、私も私で何もしないまま自分の指を組み合わせて、上の唇をちょっとだけ前に出す感じのままただただまっすぐに立ってるだけに。その状態でゆっくり息を吐くと、ほとんどが出きった辺りで強く口を締め付けて。きりっとした上目遣いで肩を張った後に体を前に進めたら、両方の手を使って障子を引いた。
私の視界の中では、たくさんの人がたま皿の上に盛られてるお刺身とか大根をつつきながら話してる様子があって。いつの間にか片方の手を障子の側面に添える感じのまま立ってる。そしたら、開いてる私の席の斜め前で座ってるおばさんが、手のひらを下に置きながらお刺身を口の中に運んでってる様子と一瞬だけ目が合った。でも、その人も食べ終わると一緒に開いてる方の手を一度招くみたいに左側に振りながらそっちにいる人と話してた。
こっちもこっちで相手から視線を逸らしたら、またゆったりと円を描くみたいにぐるっと視線を動かしてく。でも、全員が話やご飯に夢中で。唯一視線がぶつかったのは、反対側の端っこに近い辺りで座ってる人くらい。でも、その瞬間向こうは、片方の膝を持ち上げるみたいな体勢のまま、抱えてない方の手で頭を掻いてる。
一方で私は視線を斜め上にもってくみたいにしながら、辺りをまたもう1回見渡しつつ歩いて、自分の座布団に座り込む。続けてすぐに、一旦畳の上に手を突きながら正座してる位置を整える。それから、お尻を1回だけ持ち上げてからちゃんと座って胸を張った。
「ハレ、遅かったじゃない。もう食事始まってるわよ」
私の名前を呼んだ母さまの声が聞こえたのに気づいた瞬間、それが私の名前を呼んだ声なんだって分かったよりも先に、下唇を上のに押し付けるまま、ちょっとだけ息が苦しくなって。鼻から息を吸って、脇を締め付ける感じにしながら肘も体に押し付けた。
ただ、それに続いた言葉を母さまが発してる間、もうお誕生日席に座ってる状態で真正面に体を向けてて。朱色をしてるお椀を手にしてゆっくりとその中のなめこ汁を飲んでる。
だけど、私はちょっとだけ首を上に向ける感じのまま口を小さく開けてそっちを上目遣いに見てることしか出来なくて。だんだんと眉を落っことしてた。そして、それと同じく小さな声で話しかけようと何度かしようとするけど、辺りから聞こえて来る声の中に消えてしまいそうで喉が引き締まってた。その中で、目の所に力を入れちゃいそう。
「あの、母さま……」
ただ、一方でお母さまは白米を箸でつまんでは自分の口の中に放り込むみたいにしながら目線をこっちに向けて来てるだけで。その様子を私は全身の向きでまっすぐに見てるみたいにしてるけど、向こうはその様子を全然変えようとしない。
私はそれに対して下の唇を上のにくっつけながら両方の手を強く握って膝の上に押し付けて。そこの肉がちょっとだけへこんでるみたいな感覚をずっと感じるし、その体の中の骨が硬くこっちを跳ね返してくる。でも、その上にまだ廊下にいた時の、涼しい感覚に晒された冷たい感覚がまだ残ってて。最初はそこをほとんど爪だけで触れ合ってたけど、その奥の指の関節部分でも触れ合った。
「今日、御鏡の家に行ってきました」
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