鼻から息を吸って。それを音もさせないままただただ繰り返してて、顔を外へと向けた状態でいる。でも、視線はそっちの方を向けずに、斜めに向ける感じで先生が正座して机の前にいる様子へと投げるみたいにしてた。
一方で、そっちにいる先生は私たちのことを順番に視線を向ける感じで、言葉が切れるたびに顔や目の向きを変えながら話してる。その声は、いつも以上に声を張りながらも、それが大きくなりすぎない感じで。言葉の終わる所で音を持ち上げてるけどそれに対して伸ばすみたいなことはせずにすぐに切ってた。
ただ、先生の背中側の方は、私がそっちに焦点を当てないでいるせいもあって、体とちょっとだけ交じり合いながら霞んでるみたいな見た目をしてる。でも、それのせいもあってそっち側の薄暗い色だったりとか、相変わらず読めないままの達筆すぎる障子の様子はわかる。その他にも、黒っぽい色の模様がある濃い茶色の骨組みとか、白い引き戸とか土壁で出来上がってるその中で、すごく目立ってる水色の壺がほんのちょっとだけある光を一か所反射してるみたいになってるのもあった。
ただ、私はずっと片方の手で頬杖を突きながらそこの握りこぶしでほっぺを強くへっこませてたのを一切変えないで。もう片方の手で机にほんのちょっとだけ出来上がってるその面がへっこんでるのの段差に指を引っかけてはそこを勢いよく爪で引っ掻く感じにしてて。勢いで空中に浮かんだ指をまた元に戻すと同じ場所に引っかけながら、指のお腹がへっこむ感じで強く力を押し込んだ。でも、それも数秒間続けるとまたそれが空中に投げ出されるみたいな動きをすることになる。ほんのちょっとだけ痛みを感じたけど、また同じ動きを繰り返す。
一瞬だけそっちに視線を向けそうになったけど、でも、瞬きを1回だけした後、またすぐにお腹の少し上の辺りで両方の手を組み合わせるまま話を進めてる先生の方に、視線だけを向ける感じに戻した。
「いよいよ、2週間後に今年の舞踏奉納が近づいています。今年こそは皆さんの元にオオヒメ様を下りて来てくれることを期待しています」
急に声を大きくする感じで話し始めた先生に対して、視界が広がる感じで頬がつぶれてる範囲が狭まる動きをしそうになるけど、それに気づいたのと一緒にすぐに元に戻す。上の唇を下のに押しつぶす感じにしたまま、ただ周りの家具と同じようにまっすぐに背中をぴんと伸ばしたままにしてるだけの先生を見てた。
息を口から吸いこむみたいに動きそうになったのを、すぐにかき消す感じで強く口を締めたら、また指のお腹を引っかける動きの所に目線を戻した。
「オオヒメ様に選ばれるために何よりも大事なことは、誠実であること。ただ、純粋にオオヒメ様のことを想う、これに尽きます。正直に生きる正しい心を持っている御巫だけがオオヒメ様に選ばれることが出来るのです」
言葉を話し始めるたびに単語1つ1つを何度も強調する話し方をしている先生は、それを言い始める所で立ち上がり、ゆっくりと教室の間を行き来する感じで歩き始めてて。私は足音だけで動きを追ってく。
一方先生は、一切進む早さを変えないまま一番奥にある机の後ろ側まで行ったところで九十度曲がって、教室の中を横向きに進みだしてた。ただ、それでだんだんこっちから距離が離れて行ってると思った数秒後には、またこっちの方に戻ってくる感じで、また声の大きさが戻ってくる感じ。そしたら、自然と私の真横の所に戻ってきてて。向こうの列の机を挟んでるけど、でもさっきと声の聞こえ方は全然変わんないままだった。
先生の挨拶に続いて他の生徒たちもどんどん挨拶してる。それを私も無意識に真似するみたいにしてるけど、気づいたら体がお辞儀してるつもりだったのに、首だけが傾いてるだけな感じになってて。慌てて背中全体を曲げる。それから、小さく背中を縮める感じにしながらほんのちょっとの声を出すけど、すごい早口になっちゃって。それのせいで上瞼を下ろしながら両方の唇を押し込みつつ潰すみたいにしてる。
でも、それに対して辺りではみんなが色んな声を上げてて。文字の1つ1つの間を細かく開けるみたいな話し方をしてる子もいれば、ゆっくりと伸ばすみたいにしてる子もいて。もうすでに立ち上がって足音を聞かせてる子もいればそうじゃなくて机に体を伸ばすみたいにしてる姿まであった。
誰かが早々に校門につながってる方の障子を開けたみたいで。そっちの方に広がってる太陽の光が私の方にも入ってきそうだったけど、そんなに大きくは広がってないみたいで。上半身だけをひっくり返して後ろの方を見たら、ニニが小走りくらいの早さで外へと向けて走ってってる様子が視界に入ってくる。ちょっとだけ声を出しながら膝立ちになって背伸びする私だったけど。でも、その様子もまた他の子が前に来るみたいな感じになっちゃうせいで、見えなくなってた。ただ私は小さく口を開けるままそっちを見てるだけになる。
「ハレ? どうしたの?」
「早く帰ろ?」
左手の先端だけを机にくっつける感じで落っことしてるのに対して、もう片方のは自分の胸の少し下の辺りで甲側を上にするまま握り締めず、指をちょっとだけ浮かす感じのままいた。ただ、それに対してそっちにいる2人の子は日向になってる場所に体の後ろ側を入れてる位置で立ってるままにしてて。そっちの方を見てたら私も小さな声を伸ばす感じのまま視線を横に反らす。
ただ、そっちの方、誰もいなくて私が一番近い位置になるそこは椅子の影になってる上に、さっきはできてなかったはずの影が出来上がってて畳の上をより暗くする感じに斜め前に伸びてた。
「ごめん、ちょっと考え事してた」
鼻と口の両方から息を吐きしながら頭を斜め横に向けるまま肩を持ち上げて。続けて目を細くしつつ抑揚を大きくして話す。でも、それと一緒に2人ともこっちに背中を向けながら歩き出そうとしてる姿を見ることになった。でも、そのまま私は両方の手を胸の前に持ってきて手の平を胸の前の辺りで前に出してる感じにしてた。
そしたら、向こうも向こうで、他の子も集まってる所に戻ってったら「ハレ呼んできたよ~」って言ってて。その他の子たちも「やっぱもうすぐ奉納の日だから緊張してるのかな」とか「去年の今頃もそうだったよね」って言ってたりとか。勝手に盛り上がってる様子を体と違う向きに向けた顔で見てた。
でも、1回だけ顔を下に向けた瞬間にそこに強い力を入れながら立ち上がって。続けて一度肩を持ち上げながら胸を張って。それから目と頬を使って顔の表情を一周させてから体を前のめりにしつつそっちへ向かった。
「今年こそはハレさんがオオヒメ様をその身に宿せそうなので、期待しています」
みんなの所に着く前に先生が後ろから数歩前に出てくる動きと一緒に話してるのが聞こえてきて。それと一緒に振り返ったこっちは数歩後ろに下がりながら両方の手を斜め下に広げる形で伸ばしてる。
一方で、先生はまた自分のお腹のちょっと下の辺りで両方の指を組み合わせたまま体にくっつけてて。足を畳の上で滑らせながらこっちの前の前まで来たら、言葉の抑揚をちょっと強めにつける感じで話してて。その声を聞いてたら、私は息を吸い込みながら口を閉じるだけにしてる。それのせいもあって、唇がいつの間にかくちばしみたいな形になっちゃってた。
ただ、私はそれを一切隠さないまま目の中を上に向けて相手の様子をじっと見つめる。
「オオヒメ様が下りないとまたお母さんが不機嫌になっちゃうから、頼むよ。ハレ」
私の後ろ側から背中を軽く叩くみたいにしてるのに気づいたのは、それの勢いのせいで体が前のめりになっちゃうまま、先生の方に体を預ける態勢になっちゃった後。それからすぐにそこから距離を取ろうとするけど、でも、それよりも早く、みんながゆっくりとだけど私の後ろ側に来ちゃってた。
ただ、私は先生の胸の辺りに両方の腕を折り曲げた状態で前腕と手とおでこをくっつけるままいることになって。ただ、そこで顎をひっこめたら先生のそこのふくらみが下がって行くようになってる様子とお腹だけが視界に入ってる状態で、下の唇をただ限界まで強く力を入れる状態にしてた。
一方で、相手はそのまま私の肩に手を置いてたけど、そこに力を入れることは全然しないで。ただ「あなたみたいな立派な御剣の生徒を持てて先生は嬉しいです」とだけ言ってた。
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