ハレ~太陽の少女~   作:コンテナ店子@コミケ出ます

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そろそろハレとニニによる、最初の勝負を描いた一連の話が終わります。


第8話 「しんこうの夜想曲」

「ねぇ……」

 

 体中汗だくになったくらいの頃に、両方手を外に広げる感じにしたまま地面の上に体を投げ出してたら、それに遅れて御鏡の子も同じ感じに、体を斜めに倒すみたいにしてこっちへ来てくれた。続けて、何度も肩で口から息を吸ったり吐いたりを繰り返すまま、相手の方に顔を傾けてたけど、御鏡の子はずっとただただ空を見るみたいにしてて。数秒間私だけがじっと見てる間に、なんだか勝手に顔がほほ笑んだ。

 

 一方で、その音にそっちも気づいたみたいで、口がずっと小さく開いてたのを同じ感じで目元も緩めてから私の方を見て来てた。お互いに息をずっと激しくしてるまま、大の字になって寝ころんでる時に、こっちの方から声を出す。

 

 でも、向こうはそれに対して返事もしないでこっちをただただ見てるだけだった。

 

「御鏡の技って、伴天連の人に教わったの?」

 

 その言葉を出し始める時、顔を上へと向ける。そうすると、視界の中に見えているのがわずかな木だったり、葉っぱの間のちょっとだけの木漏れ日の様子だったりだけで、そこが薄くなってるのがわかった。それのせいもあって顔の前に自分の手を持ってくる。

 

 意識が手に引っ張られてたせいかもしれないけど、私の話声の最初の方はゆっくりと出たのに比べて、後半の方は少し早口目に出ちゃってて。でも、それでも言葉を出し続けてたのを一切止めないままさらっと出してた。自分の顔の上の辺りで浮かしたままにしてる手はちょっとだけ震えてるけど、それの位置は大きく場所を変えないまま、目線だけを相手の方に向ける。

 

「ううん、見たことあるけど、お客さんに会って話すのは、お母さんだけ」

 

 さっき話してた声を聴いた時よりも抑揚をよく出してる感じのまま、高い音を出してるみたいに話した御鏡の子。言葉の途切れるところが来るたびに一度呼吸を入れ替え直す感じで数秒間隙間を作ってた。ただ、それと一緒に顔の向きも変えてて、こっちが空を見てるまま変えないのに対して御鏡の子は視線を顔事こっちに向けてた。

 

 

 ほんの少しだけ顔を上にあげたまま小さく息を吐く。そのままほんのちょっとだけ目を細くしてる私に対して、夜の風は涼しい感じで当たってくる。それはずっとゆっくりと1歩ずつ足を動かしても何も変わることなんかない。それのせいもあって、いつも以上に歩幅を大きく開くみたいにしながら1歩ずつ1秒に1回くらい進める感じで歩いてるのは変えなかった。

 

 空の方ではだいぶ雲が減ってきてるみたいで、黒い夜の空の中に場所によって薄いそれが混じるみたいになってる。でも、その色は未だ白がかなり薄くなってて横に広げてく感じで。だんだん外に行くにつれて薄くなってくみたい。

 

 さらに、そっちの方には私の手なんかよりも全然小っちゃい星が光を出してるみたいで。ほんの一瞬だけ手をそっちに持ってくみたいにしたくなったけど、すぐに脇を締めて。力を数秒間経ってから抜いておでこを手首の辺りでぬぐう感じにしてみた。

 

 でも、その間も含めて辺りではもう人は誰もいないけど、建物の中からろうそくの光だと思うのが出てるみたいで。家ごとに光り方が違うけど、窓紙の向こうから薄く確かにそれが見えてる。途切れる時といえば、そこに人が通る影が出来る時くらい。

 

 しかも、その中から明るい声が何度も聞こえてて。止まったと思ったら1秒もしないでまた別の声が聞こえるみたいなのをどこも何回も繰り返してた。ただ、私はそっちを視線だけで見つめるだけにしてて。その数秒後にはほんのちょっとだけ息を吐きながらまたそれを空の方に向けるだけにしておく。

 

 一方で、私のちょっと後ろの方にいるニニをちらっと見るけど、ずっと顔を下に向けたまま口のくっつけてる場所を一切隠さないで、唇を上下に動かす感じにしてる。その上、足取りを朝の時よりも小さくしてる感じでいて、たまに私の方にちらちら視線を向けた。でも、それもほんの数秒後にはまたそれを辞めて。脇を閉めながらお腹の辺りに手の平側をくっつけてたところをちょっとだけへっこませる。

 

 視線をニニの方から前に戻して、また星が並んでる空の方を見つめ始めてから数秒後、後ろで聞こえてた履物が砂の上を踏んでる音を出してたのが止まってて。それに気づいてから数秒後に足を止めてからそれに遅れる感じで体を振り返らせた。

 

「あの……」

 

 ほんのちょっとだけしたみたいな声。周りのに消えちゃいそうな音だけど、ちゃんと私はそれを捉えたと一緒に視線を一気に向ける。そしたら向こうは、顎を自分の方に近づけるような感じにしながら小さく顔を横に向けてて。それから正面に戻すみたいな動きをしてた。さらに、そこからちっちゃく口を開けるけど声を出すようには見えなくて。しばらく数秒間だけ辺りに他の家の中から聞こえて来る色んな声だけが響き渡っている状態が続いてた。

 

「私、こっちだから……」

 

 道とは反対側の手を、ちょっとだけそっちの方に出してる感じにしてるニニ。人差し指だけを伸ばしながら小さく口を開けて肩を私の方へ近づけてる。気づいたらこっちもその光景を見ながらただただいるみたいにしてて、おでこの辺りが周りの空気よりも冷たくなってるみたいなのを感じてた。

 

 はっとしてから手をほんの少しだけ持ち上げてたのをゆっくりと落っことして。それから強く右手をグイっと伸ばして相手の道を指さしてる手のすぐ手前の辺りにくっつける。

 

「また、やろうね」

 

 一度ゆっくりと小さめの声で出してたのをそのまんま終わらせた後、喉を一度きゅっとさせてから、また目いっぱい力を入れて言葉を大きく出しながら言った。でも、それでじっと相手の目を見るみたいにしてる私に対して、ニニは視線を横に向けるみたいにしてるのをしばらく続けてて。気づけば私は肩を使って上半身全体までもそっちの方に傾ける。その状態のまま、相手は言葉になってない声だけをちょっとずつ出すみたいにしてた。

 

「今度はちゃんと、決着つけよ」

 

 その声を聞いて向こうもほんのちょっとだけ息を吸い込みながら顔を上にあげて、視線をこっちに向けてくる。そのまま数秒間私だけを見るみたいにしてて。でも、それもすぐに終わると、人差し指以外の握った指を包んでた私の手を払う感じにしてから、体全体を横に向ける。

 

 でも、その状態から私の前に出してた拳の所に自分の拳をゆっくりと前に出して、一度直前で止めてから続けてぶつけてた。

 

「……うん」

 

 声がしたのに私の意識が取られてるのから元に戻るよりも早く、ニニはその場を去って、辺りの建物にその足音を響かせるくらいの勢いで走り出した。こっちの方を見ないまま体を前のめりにして走って行くその姿。それを私は、いつの間にか勝手に持ち上がっちゃうみたいな頬の感覚だけを味わいながら見つめてる。

 

 でも、その姿は次の最初の曲がり角が来たらすぐに左側に曲がって行ってて。見えなくなっちゃうけど、こっちは小さく声を出しながらちょっとだけ両方の足を地面から順番に離しながら歩く感じで全然まっすぐじゃない道のりを進んで行ってた。

 

 

 ハレと別れたから体を前のめりにしながら何度も手を前後に振るみたいに走って。それに合わせて何度も呼吸するのを繰り返す。一方で、頭を下に向けつつ何度も体が左右に揺れるせいで走る道が蛇みたいに揺れるのを感じる。

 

 それの動きもあって、道の端っこの方に置きっぱなしになってるお店の名前が書いてあるっぽい木箱だったり、水が入れっぱなしになってる桶だったりをすれすれの所で避けていく。でも、それでも辺りが夜な上にいつも使ってる道なんかよりも全然狭くて暗くなってるせいもあって、周囲の様子がとても見えにくいのは一切変わんない。

 

 私のすぐそばの辺りで何度も家の中から人の声が聞こえてるのがさっきよりも大きくなってる気がして。それのせいで体が動く勢いがゆっくりになってくみたいだったけど、でも、体を出来るだけまっすぐにするのを意識してまた走り始めた。

 

 でも、それと一緒に体がもっと火照る感覚と一緒に周囲の空気と私自身の体の温度差をより感じちゃって。出来るだけ口を紡ぎたいけど、体を激しく動かしてる苦しさでまたそれが出ちゃう。なのに、全然走る勢いを止めようとは思わなかった。




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