艦娘になってから早くも3日である。
昨日は何故かびっくりするぐらい疲れが取れなかったのだが、今日は随分と清々しい目覚めだった。…何か忘れているような気もしないでもないが……。
多分問題は無い。
問題を挙げるとするならば、昨日は極限まで疲れていたからか、起きたのが一番最後だったので気が付かなかったが、私はものすごく早起きらしい。
具体的に言うと、起きようと思えば四時前くらいには起きれる。特に何も考えなくても、五時になるかならないかくらいで目が覚める。
これで、家ならば良いのだ。お母さんのお手伝いして風呂入って朝飯食ってってなるだけだから。そう、ここは───……………よくわかんないんだった。
ここどこだ?
まぁ、それはそれだ。
とにかく、暇になってしまうのだ。どうにも、五時起きの人は珍しいらしい。
今は、取り敢えず部屋から出て、建物から出て、建物の周りをぐるぐるしている。…小走りで。
最初は歩いていたのだが、なんとなく手持ちぶたさというかなんとゆーか………。兎にも角にも何となく走り回っているのだ。
やっと休めたと思ったらこれなのである。
………悲しい性だね。
………ん…これは……私の勘が言っている。何かが来ると…。
これは………?
「あれ?君?」
「えっと………どちら様で?」
頭に巻かれた鉢巻き、白い体操服に下は赤い…これ短パンじゃない?おでこが見え…鉢巻きが見えるように真ん中で分けられた前髪。肩に付くか付かないかくらいまで伸びた黒髪をサイドテールにしている。私ほど焼けてないけど、健康的に日焼けした肌。
「初めまして!長良よ!」
「アッハイ。」
長良さん。ほぇ…美人さんだぁ……。
「ね、君さ、今、走り込み…してたよね?」
「え?」
「一緒にどう?」
「あぇ?えと、…はい。」
ハシリコミ?イッショニ…走り込みを一緒に…。
いや暇でなんとなくぐるぐるしてただけなんです…。
鍛えてたとかそんなんじゃ無いんです………。
でも、誘ってもらったし…。
先輩ってことはここの事、質問できる?
どこに何があるかも何となく分かるかも?
「よっし!じゃあ行くよー!長良に着いてきて!」
「はい!」
走り込み、イクゾー!
ふぅ…お風呂はいいなぁ………。
朝風呂は余計に爽快感がある気がする…。
「分かるー…。」
あらー、口に出てたねー…。
「もぉー…リラックスしすぎだよぉー…。」
えへへー…ごめんなさーい……。
「ぜーんぜん良いよー…。」
えへへ…長良さんいいひとー…。
「えへへー…照れるなー…。」
あははー…顔、赤くなりましたー?
「お風呂に入ってるからねー…。」
たしかにそーですねー…。
「そーだねー…。」
「「ふぅ………。」」
やはりお風呂は良い、そう思った私だった。
髪を長良さんと乾かしっこして、一緒にご飯を食べてから気が付いた。
あれ?私、何やるの?何かする事が………。分からぬ……。
「えと、長良さん…その、私…私達って何をするのかなって…。」
「?…さぁ…司令官に呼ばれたら分かるんじゃ無いかなぁ…。」
「?」
???
呼ばれる…呼ばれる?
「えと、それってどうやって?」
「通信だねー。」
「通信…?」
「まあ、すぐに分かるよ。」
「すぐに?」
「すぐに。」
『こちら満潮。提督からの編成をお伝えします。第一艦隊は───』
「ね?」
「ほぇ…。」
満潮ちゃんが…広報みたいなことしてる………。
すごいなぁ………。
「おーい、どしたのー?」
「あっ、いえ、大丈夫です。…多分。」
「あ、長良は今日も遠征ね。じゃあ!また一緒走り込み、しようね!」
「はい!楽しみにしていますね!」
「それじゃあね!行ってきます!」
「はい!頑張ってください!」
「私はー………呼ばれなかったし今日はお暇な日?」
「そうよ。多分ね。」
「………えと、ありがとうございます。………あのー…お暇な日って何するんですか?」
「?なにもする事が無いから暇なんでしょう?」
「???…えと、なにか…することって…。」
「………鍛えたらいいんじゃ無いかしら?」
「鍛える……。」
「あー…それじゃあ行くわね。」
「アッハイ。ありがとうございました。」
見知らぬ方はこちらを見ぬまま手を振り、去っていきました。
こう…靡く長い黒髪が美しい方です。顔はー…えと、もうちょっと顔を上げてればわかったかも……。あとは…赤と白?それはともかく…すること?
すること…うーん……。散策の時間かなぁ………。
ここは食堂。よし、覚えた。
…さぁ、イクゾー!
さてさて、ちょっとばかし歩いてきたが…なんなんだろうね?ここ。…うーん、みたことあるような…ないような………。
うーん………。なんか心の余裕がゼロもゼロの時に見たようなそうでもないような………。
入ればわかるかな?でも…大丈夫なとこかもわかんないし………。
………そー…っとすればどうかな?………とりあえず様子見、耳を扉にペタリとはっつけて…と。
「………ですから……じょは………なぜ………。」
「い……ですから!!!……れい………。」
「……なた……………ない!!…れを…………!!!…うすればこの状況だって!!!」
「……………………………………。」
「……い…………。」
「………は……………とい…………………………。」
こ、これは?………嫌な予感がする………。今のうちに退散しておこう………。
さて、ここは………遠くに見えるは的?
てことは弓道場?
………………誰もいない?
じゃ、次だね。
ここは………あ!明石さんの居るところ!
じゃ、次行ってみよ。
………ん?なにか視線を感じるような?
…これは………あまり悪意はない感じ?ほとんどが興味で、かすかな………下心?
………恐ろしい。これは………逃げる!
お部屋に到着。
ただいま!…ま、誰もいないけど。
なんか去り際に何か言っていたようなきが………。気のせいかな?
まぁ、気のせいってことで…。
みんなが帰ってくるまで何してまとっかなー………。
疲れたような…そうでも無いような………。
あぁ、これは…疲れから…瞼が………。
スヤスヤ………。
「………!」
声?
この声は………満潮ちゃん?
やけに遠くに………。
「……。……………。起きて。起きて!」
「っは!私は今まで寝ていた!?」
「その通りよ…。やけに寝起きがいいわね。」
「えへへ…取り柄の一つです!えっへん!」
「そう…。それじゃあ、お風呂に入って寝たら?私は今から寝るから。」
へ?今、今から寝るって………。今何時!?
「あの、満潮ちゃん…い、今、何時?」
「マルキュウサンマルよ。私の秘書官の任は、昼までだったから、ちょっと早めに寝ようかなって。」
マルキュウ?よく分からない………。それよりも!
「あの!夜ご飯ってまだ食べれますか?」
「アンタ寝起き………多分、食べれるわよ。今日の遠征的に今も食堂開いてると思うし。…運が良かったわね。」
「行ってきます!!」
「………いってらっしゃい。」
マルキュウって…もしかして九時?
「ダッシュで来たぁ!」
「ひゃぇっ!?………えと、いらっしゃい。何にしますか?」
お姉さんが目線を合わせながら応対してくれる。
………驚かせてしまったのが申し訳ない。
「おすすめでお願いします!」
「ふふ、はーい。ちょっと待っててね。」
何あるかわかんないし。これが最善。それに朝ごはんで確信したのだ…ここの料理は全部おいしいと!ちなみに朝ごはんは、長良さんについてきて、長良さんの真似した。
「おまちどおさま。サンマ定食よ。………時期とは少し外れてるけど………。」
「おいしそう!!ありがとうございます。お姉さん!」
「間宮、よ。これからもよろしくね。」
「はい!お願いします!間宮さん!」
「伊良湖ちゃんは今はちょっと手が離せないの、いい子だから仲良くしてあげてね?」
「はい。伊良湖さんですね。わかりました!」
「あっ!ごめんなさい。ささ、冷める前に食べっちゃって。ごめんね。引き止めちゃって。」
「いえ!大丈夫です。それじゃ、いただきます!」
「はーい!」
魚うまうま。米うまうま。みそ汁うまうま。やっぱり全部うまうま。いかん、語彙力が………。ま、いっかぁ、おいしいし!
ふぅ、残らず全部食べた。おいしかった。そう言えば、はじめて食べた魚だったなぁ………。サンマだっけ?また食べたいなぁ………。
「ごちそうさまでした!間宮さん!すごくおいしかったです!」
「ふふ、ありがと。おそまつさまでした。」
「いえいえそんな!すっごくおいしかったです!!」
「?…あ…ふふ、ありがとう。嬉しいわ。」
「はい!また明日!」
「はーい。また明日。」
美味しい料理を食べたらお風呂だー。イクゾー。
ただいま。相変わらず、良いものだった………。
でも、朝のと比べたらちょっとアレだったなぁ…。
やっぱり疲れてからのほうが気持ちいいのかな?
また明日の走り込みが楽しみだなぁ………。
よし、おやすみなさい!
いつの間にか朝潮ちゃんもすやすやしてた。
二人とも可愛い!
お疲れ様でした。