Chippin' In Johnny?   作:止まるんじゃねぇぞ……


原作:推しの子
タグ:R-15 クロスオーバー cyberpunk2077

銀腕の男、死に損なってポツンと一人自分が生涯を過ごした世界とは異なる歴史、異なる発展を遂げた別の地球に放り出された。
まるで場違いなその男は、日銭を稼ぐ為に行ったゲリラライブで一人の少女を魅力し、その未来をほんの少しだけ変えた。

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Chippin' In Johnny?

 

 

 

手にしたギターは自分で選んだが故に音こそそこそこだが安物だ。パンツもホンモノのレザーではない合皮で、左腕もかつての代名詞だった銀腕でさえない。

 

だが、それでも彼はそこに居た。町中でギターを弾き歌う彼は、見た目だけなら時代遅れのロッカーボーイに過ぎない。

 

しかし、圧倒的な存在感と熱量を放ち、どうしようもなく人々を惹き付けて歌い叫ぶ彼は『本物』だった。

 

 

異なる歴史、異なる発展を遂げた別の世界のアメリカで、ミュージシャンが国すらも支配する大企業達に抗う力を持つと実践してみせたナイトシティの『伝説』

 

ジョニー・シルバーハンドはそこに居た。

 

 

 

 

 

 

ジョニーは気がついたら見知らぬ土地の裏路地でぶっ倒れていた。『また』夢でも見ているのかと、ポケットの中に入っていたタバコを吸い、足りてないニコチンとタールを肺に入れてジョニーはようやくそれが現実であると気がついた。さらに言えば、戦場から帰ってきて以降ずっとの付き合いであった自分の名前の元にした銀色の腕__第一世代サイバーウェアである義手が生身の腕に置き換わっていることにもその時に気がついたのだ。

 

 

 

 

(二度あることは三度ある、って事かよ。本当に勘弁してほしいものだぜ……)

 

 

ただでさえ、彼は『二度目』の生に初めのうちは辟易としていた。無理もない。自分を殺した奴に脳みその情報をフォルダリングされるかのように保存され、それから50年以上立って他人の脳みその中に特殊なデータチップとしてぶち込まれ、奇跡的にお互いの自我を保ちながら奇妙な共同生活を送る羽目になった経験は得難い友を得たからこそ、今では悪くなかったと言える。だがそもそも確かに死んだ筈なのに生きているという状況自体、ジョニーはあまり好んだ状況ではない。

 

 

ジョニーは好き勝手に生きて、派手に死んだ。アラサカというかつてジョニーが生きた世界を支配していた大企業に奪われた恋人を取り返す為にジョニーは小型核爆弾を使ったテロを引き起こし、その結果彼は死んだ。

 

ジョニーはかつて兵士だった。かつての若き頃の彼は国の言う建前の正義を信じて軍に入り、そして良いように使われ捨てられた。

そこからなんとか自力で国に帰り、自分の本来の名前を捨てジョニー・シルバーハンドを名乗りクソとしか言いようのない政府や企業の実態を叫び続け、抗い続ける反政府運動にその身を捧げ歌や傭兵として活動を通して人々に伝えようとする破滅的な人生を送ってきた。それ故に生きて来た中で後悔が無かったといえば嘘になる。だがそれでも自分自身の選択に悔いは無いと飲み込んで、世界の支配者たる企業に対して最後までファックサインを掲げながら死ねた筈なのに二度も三度もあの世から叩き起こされるのはふざけてやがると心の底からジョニーは感じていた。

 

そもそもなんで俺なんだと、せめて選ぶなら二度目の奇妙な共同生活を送った親友の方を選べと誰かもわからぬ三度目の生を与えた者に対してジョニーは怒りを抱いていた。

 

 

 

「だが、なんにせよだ。生きてるのならなにかしら飯の種は必要か」

 

 

幸いなことか不幸なことかは分からないが、二度目の奇妙な生を共に送った、自分の事を親友と言ってくれたナイトシティ一のお人好しを自称するアイツの事を考えれば、自分から死のうとする選択をジョニーは選ぶ事など出来なかった。

恋人も、友も、自分が生きていた事さえも残っているのか怪しいこの世界での三度目の生に、たとえどれだけ価値を見出だせなくても親友が求めていた人生を手に入れてしまった以上それを捨てる選択肢を選ぶ事など、こんな自分と最後まで一緒にいてくれた親友を侮辱することに他ならないからだ。

 

 

裏路地から這い出たジョニーは、その足で楽器店を探し、タバコと共にポケットに入っていた薄い財布の中身を更に減らして中古のギターを一つ購入した。

 

 

 

「俺が日銭を稼ぐってんだったら、やっぱこれだろ」

 

 

まるで、軍に捨てられて街に帰ってきた頃のようだと思いながらジョニーは手に入れたギターの調整を行った後、町中でゲリラライブを行った。

 

 

 

 

 

 

 

その人からはあまりにも危険な空気を感じ取れた。まるで爆発寸前のエンジンか、爆弾のような異様な雰囲気に何か大変なことが起きるのではないかと私はその人から目を離せなくなっていた。

 

実際、大変なことは起きた。でも、それは私が想像していたそれとは全くの逆の出来事だった。

彼は手にしたギターを掻き鳴らすと、一瞬空気が重くなったかのように感じそしてそれは彼の歌声とともに一気に爆発したのだ。

 

そうなったらもうこの場は彼の独壇場だった。少し寂れてた筈の公園が、今では沢山の人が集まった彼専用のコンサート会場のように思えた。その場にいる誰も彼もが彼から目をそらすことができず、その歌に魅了されていた。

 

 

「凄い……」

 

 

まるで空に輝く星が降ってきたかのようだと、雄雄しく叫び、歌う彼を眺めて私はそう思った。

一瞬幻か見間違えか、彼のギターを弾く片腕がまるで銀色の金属で出来た腕のように見えたが、その姿はあまりにも様になってた。

 

 

 

私にも、あんな風に輝くことが出来るだろうか?

その疑問が、今思えば私にとっての始まりだったのかもしれない。

嘘と偽りに塗り固めても尚、一番星になりたいと最初に思ったのは__

 

 

そうすればこの人に、光り輝く星のようなこの人を手にすることができるのではないかと、思ってしまったから。

 

 

それはアイではない。それはコイではない。

 

心の底から欲しいと思う__純粋で幼稚な渇望だった。

 

 

 

未来の一番星は、ジョニー・シルバーハンドに出会った。それは、彼女の未来を変える出会いであった。

 

 




アイドルのPV見て思い浮かんだ光景を文字にした物の供養。

推しの子とcyberpunk2077の混ぜ物なんてゲテモノ需要無いっすよね……続きは推しの子への理解度が増えたら書くかもしれない(その前に鉄血の続きを書け)

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