仕事とゲームと積んでたラノベの消化に勤しんでました。
それはともかくとして、今回はマルオさんと楽しい食事会です。
「よう、待たせたな」
「遅いぞ」
仕事帰りの勇也が店に入ると、既に約束の相手はカウンター席に腰を落ち着けていた。
その隣に同じように座り、適当に注文する。
普段なら隣席を取ったことを邪険にされそうなものだが、今回呼び出したのは相手側だ。
不機嫌そうな態度ではあるものの、特に何か言ってくるようなことはなかった。
「つっても、別に時間を決めて待ち合わせてたわけじゃねぇだろ」
「ふん、お前は相変わらず大雑把が過ぎる」
約束の相手――中野マルオは鼻を鳴らして吐き捨てた。
勇也からすればそちらが細かすぎるという話なのだが、ここで議論しても平行線を辿るだけなのは火を見るより明らかだった。
学生時代にも似たような事でしばしば口論になり、第三者によって両成敗されていた。
今となっては懐かしい記憶だが、今や二人は立派な大人だ。
当時のように、すぐに感情的になることは少なくなった。
「そもそもお前はいつも――」
「あー、はいはい、その通りだな」
だからか、こうして勇也に対して今のように小言を繰り返してくるのは珍しい。
いつもなら、極力言葉を交わすのを避ける傾向すらあるというのに。
マルオの手にはウィスキーグラスが握られていた。
普段から酒の類を飲まないと言っているマルオではあるが、例外があるとすればそれは祝い事の際か、そうでないとすれば自棄酒だろうか。
とにかく、今は飲まずにはいられないようだった。
余程何かに気を揉んでいるのだろう。
『上杉、お前と話したいことがある』
つい昨日の話だが、珍しく電話をかけてきたかと思えばマルオはそう切り出した。
たまに顔見せに行けばすぐさま帰れと突っぱねるのが常なため、意外も意外である。
ともかく断る理由もないため応じたのだが、会う約束を取り付けてまでする話とは何なのか。
実のところ、勇也にはその心当たりがあった。
その心当たりとは先日の学園祭での出来事であり、両者の息子娘達の関係についてだ。
勇也の息子である風太郎は、どうやらマルオの娘である五つ子と恋愛関係にあるらしいのだ。
家庭教師という仕事上、一緒に居る機会が多いためそう噂されることはあるだろう。
かつての恩師、とは口が裂けても言いたくない無堂が切り出した時は、その程度に考えていた。
しかし、当事者である風太郎や中野姉妹がそれを否定することはなかった。
もちろん年頃の男女が多くの時間を共にする以上、そのような関係に発展してもおかしくない。
現に勇也は、息子が五つ子の内の誰かとそういう事になってる場面で気を利かせた事もある。
当然親として暖かく見守るつもりでいたのだが、まさかの五人全員とは寝耳に水である。
元々勉強以外に興味を示さないことに心配していたのだが、大人になってから罹患する麻疹みたいなものだろうか、いざ目覚めるとすごい事になってしまっていた。
これには色々レクチャーしていた勇也も流石に責任を感じざるを得なかった。
「……有り体に言って、僕はお前の息子が嫌いだった」
「だった、ね」
それは風太郎自身の問題か、それとも勇也の息子だという事情からか。
傍から見れば相性は悪くないように思えるが、良い感情は持っていなかったらしい。
もっとも表現が過去形なので、何らかの変化はあったと見るべきだろう。
「だが、不本意ながら彼は結果を示した」
「俺の目に間違いはなかっただろ?」
「うるさい、茶々を入れるな」
「あいあい」
睨みつけられて勇也は口を引っ込めた。
鉄面皮は相変わらずだが、目が据わっていた。
アルコールの影響が出ていると見るべきだろう。
あるいは、酒にでも頼らないと吐き出せないのかもしれない。
そういう不器用な所は学生時代と変わっていない。
何をするにしても、理由を探すような性分だったのを思い出した。
「二乃君……娘が意中の相手だと紹介してきた時も、特に反対しようとは思わなかった」
「そうかい」
「だが、事もあろうに娘達全員と……一体、君の息子は何を考えているんだ……!」
「あー……」
空になったグラスがテーブルに置かれる際に、一際大きな音を立てた。
アルコールで自制が弱まっているとはいえ、叩きつけなかっただけ我慢が効いているだろうか。
突き刺さるようなマルオの視線に、言葉を濁す他ない。
それが勇也に父親としての責任を追求するものだとするのなら、何よりも不甲斐なさを感じているのは自分自身だからだ。
「まぁ、俺の至らないとこは否定しようがねぇよ。あいつらには苦労させちまってるしな」
現に風太郎には経済面で負担をかけているし、らいはには家事を任せっきりだ。
自分なりに気をかけていたつもりではあるが、それでも見落としていた部分もあるだろう。
「でもな? こんな情けない親父でも、自分のガキのことは信じてーと思ってるわけよ」
「……お前は今のままでも構わないと言うのか?」
「それを決めるのは当人同士だってことだよ」
何をするにしても、まずは本人達の納得を優先するべきだろう。
急を要する事態にでもならない限り、勇也は静観を貫くことに決めていた。
もちろん、向こうから助けを求められればその限りではないが。
(……ま、あそこまで言われちゃあな)
しかし結局のところは私情だ。
自分の真似をして髪を染めた、幼い頃の風太郎を思い出す。
世間一般では不良と呼ばれるような素行だが、向けられた無邪気な憧れが嬉しかった。
時が経った今では、そんな様子もすっかり見られなくなって久しい。
しかしそれは形を変えて見えなくなっただけで、なくなったわけではなかった。
先日の学園祭で無堂はマルオを糾弾し、中野姉妹を、そして風太郎を哀れんだ。
その言葉に終始無言を貫いていた風太郎が、父である勇也を馬鹿にされて初めて怒りを見せた。
無堂に掴みかかるその姿に、息子が単純な見た目ではなく、もっと深い部分で自分を尊敬してくれていたことを知った。
単純だと思われるかもしれないが、勇也はそれに報いたいと思っている。
他人の目から見れば無責任な父親に映るのを承知の上で、息子を信じると決めたのだ。
「全く、ふざけている……お前は昔から大雑把で、いい加減で……」
「かもな」
「……だが、自分の子供を信じる……少し、耳に痛い言葉だ」
片や学内でも有名な不良として、片や不動の学年トップの生徒会長として対立していた。
そんな学生時代の関係を引きずるように、大人になってからもマルオの態度は強硬なままだ。
今こうして勇也の言葉に感じ入っているように見えるのは、酒が心をふやかしているからか。
「風太郎も風太郎だが、俺からしたらお前も大概ブッ飛んでたぜ?」
「身に覚えがないな。一体何の話だ」
「零奈先生にイカれてたって話だよ」
校内でも有名な美人女教師、しかも夫がいる。
そんな相手に横恋慕していたのが、中野マルオという生徒だった。
ファンクラブの会長として精力的に活動していたのを、勇也はよく覚えていた。
そして紆余曲折があったにせよ、十数年越しに想いが報われたのだから感服するしかない。
たとえそれがどんなに短い時間だったとしてもだ。
「……一緒にするな。僕はあの人に一途だっただけだ」
「なら、あいつも嬢ちゃん達に一途なのかもな」
「馬鹿馬鹿しい、矛盾も甚だしいじゃないか」
「ガハハ、飲め飲め! マスター、こいつにもう一杯頼むわ」
「やめろ、背中を叩くな」
不器用な父親同士の、喧嘩じみた語らいはしばらく続いた。
次の日、マルオは頭痛を堪えながら仕事をする羽目になった。
もう二度と飲まないという決意の言葉は、秘書の江端しか知らない。
「旦那様、到着いたしました」
「ああ、いつも済まないね。これからまた出るから、少し待っていてくれ」
「かしこまりました」
車から降りると、マルオは目の前の建築物を見上げた。
高層マンションのペンタゴン――最上階には娘達のために用意した部屋がある。
マルオ自身の住居でもあるのだが、あまり帰る機会がないためその意識は薄い。
とはいえ、それも徐々に変わっていくだろう。
学園祭での出来事を経て、マルオは娘達と向き合うことを決めた。
今日は仕事を早めに終わらせて、一緒に夕食に出かけるために帰ってきたのだ。
父親同士の語らいの後も考えは変わらない。
風太郎自身から話を聞き、必要とあらば諭して正す。
万が一にでも無責任な考えでいるのなら、糾弾することも辞さない気でいた。
もっともその場合、糾弾で済むかは怪しいところだが。
ただ、その前にもう一度娘達と話す必要性を感じただけだ。
対話に臨む前に、相手の情報を集めるのは基本だ。
現状、風太郎と関わりが深いのはその家族か、そうでなければ娘達だろう。
自分の子供を、延いてはその選んだ相手を信じる。
決して気に食わない相手の言葉に心を動かされたわけではないが、一理はあるとも言える。
信じるためには、まず知らなければならない。
無知のまま無闇な信頼を寄せるのは、ただの盲信だ。
今日は土曜で学校も休みのはずだ。
更に長期撮影の最中である一花も、今日は休みで家にいることは確認が取れている。
内容はどうあれ、久しぶりの家族水いらずの団欒だ。
口元がわずかに緩んでいるのを自覚しつつ、マルオはエレベーターに乗り込んだ。
少しばかりの緊張はあるが、それは父親としての経験の少なさからだろう。
悔しいことに、この道において勇也は確かに先達だ。
しかし、いつまでも大きな顔をさせておくわけにはいかない。
少々浮ついた気分で玄関を抜ける。
普段通りだったら、この時に靴の数に目が行ったかもしれない。
果たしてリビングのドアを開けたマルオの目に飛び込んできたのは、床の上に仰向けに倒れた風太郎と、その周囲を取り囲む娘達の姿だった。
どっちがどっちとは言わないが、肉食獣に捕食される寸前の獲物を彷彿とさせた。
予想外の光景に一瞬空白が生まれるが、それでも気を取り直してマルオは口を開いた。
「……君たちは何をしているのかな?」
声をかけられてようやく気付いたのか、六人の体が一瞬だけ震えて硬直した。
単純に驚いたのか、それとも何か後ろめたい行為に及ぼうとしていたのか。
マルオは別段、高校生同士の恋愛に否定的な考えは持っていない。
ただしそこには、節度だとか常識の範疇という言葉が付随する。
しかしどうにもこの状況は節も度も越え、そもそも一人に対して五人の時点で常識の彼方だ。
中野姉妹は一卵性の五つ子ではあるが、その個性は五者五様である。
その決して一緒くたに出来ない五人に対して一途とは、やはり大きな矛盾と言わざるをえない。
「とりあえず、彼を解放してあげなさい」
娘達は素直なもので、マルオの言葉に即座に従ってくれた。
残る問題は、リビングで仰臥する男の存在だ。
理性は穏便に帰せと声を上げるが、感情は父としての怒りを訴えていた。
要するに、人の家で娘に何しようとしてやがる、ということである。
むしろ風太郎が捕食されかかっているような状況だったのだが、頭から抜け落ちていた。
鉄面皮は相変わらずだが、着実に冷静さは失われつつあった。
(……やはり、一度じっくりと話し合う必要があるようだ)
そしてたっぷりと己の立場を分からせなければならない。
マルオは静かに決意した。
「さて、上杉君。これから時間はあるかい?」
「そ、それはもちろんっ」
「良ければ二人で食事でもどうかな。君とは色々と……本当に色々と話したいことがあるのでね」
幸い、娘達とは一緒に食事を取る約束をしていたわけではない。
食事の相手がこの不埒な男に変わるだけである。
話し合いの内容如何では、実に楽しい食事会になることだろう。
「……」
「……」
どこぞの料亭の一室にて、俺は中野父と対峙していた。
彼我を隔てる座卓の上には、何だか高級そうな和食が並ぶ。
その上では、なんとも気まずい沈黙が蟠っていた。
話があると連れてこられたのだが、これは何の試練だろうか。
空腹は感じるものの、食欲が湧いてこなかった。
今まで散々中野姉妹から無神経さやデリカシーのなさを詰られてきた俺だが、このプレッシャーの中で平然と食事ができるほどの豪胆さは持ち合わせていない。
あるいは家庭教師の件や恋人の父親だという事情がなければ、話は違うのかもしれないが。
「すまないね。君のような年頃なら、もう少しボリュームのある料理の方が良かったかな?」
「い、いえ! お気になさらずっ」
「そうかい」
料理に手を付けないことを心配されてしまった。
むしろボリュームの少ない食事には慣れっこである。
問題はそこではなく、このシチュエーションに起因しているものだ。
苦手なものはあるが、ご馳走してもらっているという手前、食べないのも失礼に当たるだろう。
煮物のしいたけを箸で掴み、白米と共に口に運んでから味噌汁を啜る。
うん、味が良くわからん。
「さて、上杉君。先日の病院での事は覚えているかい?」
「……はい、もちろん」
中野父が言及しようとしているのは、二乃との一件についてだろう。
学園祭二日目の終了後、俺は二乃を連れて中野父を訪ねた。
言ってしまえば不器用な親子の仲立ちだが、そこは割愛しよう。
ここで重要なのは、勢い余った二乃が俺達の関係(の一部)をバラしたことだ。
かねてから中野父には、要約したら娘に手を出すなという釘刺しを頂いている。
それに照らし合わせれば間違いなくギルティなのだが、何故だか許されてしまった。
「度々娘達への接し方について釘を刺していたが、なにも意地悪でやっていたわけではないんだ」
「それは心得ています。娘さん達の心配と、家庭教師の業務に支障が出る事への懸念、ですよね」
「その通り。後は単純に、君の事が嫌いだったというのもあるが」
「えぇ……」
いくらなんでも歯に衣を着せなさすぎるというか、なんとも大人気なかった。
以前にも五月に対して同じようなことを言っていたが、今度は面と向かってである。
意地悪ではないと言っているが、やはり私情は少なからずあったようだ。
ここでそんな感情まで明かしてくれるのだから、腹を割って話すつもりがあるのだろう。
ならば俺は、出来うる限り誠意を持って応じるだけだ。
どの道避けられないのだから、この場で踏ん張るしかないのだ。
「しかし君は娘達の成績向上のみならず、各々が抱える問題に関してもケアしてくれた」
「勉強を教える上で必要だと判断したまでです」
中野姉妹の赤点脱出までの道程が難航したのには、様々な理由がある。
その中で最も大きなものと言えば、やはり俺自身への不信感だろう。
無論、五つ子の基礎的な学力やモチベーションという点も大きいが、全員に腰を据えて勉強を教えるという態勢に素早く移行できなかったのは痛かった。
ともかく、俺はまず第一に個々の信頼を得るために動かなければならなかった。
そのために、必然的に内面に踏み込まざるを得ない場面もあったのだ。
「その事に関して改めて礼を言わせて欲しい。君のおかげだ、ありがとう」
「俺だけの力では到底無理でした」
「勿論、娘達の努力があってのものだとも認識している」
「……あいつらは、本当によくやってますよ」
調子に乗ると良くないので、本人達の前ではここまで開けっ広げに褒めたりはしない。
だがしかし、依頼主である父親に言うぐらいなら問題ないだろう。
勉強に関しては俺からしたらまだまだだが、その努力が形になったことは認めてもいいはずだ。
「私は君への評価を改めた。二乃君との仲に口出しをしなかったのもその為だ」
「は、はい……」
「しかしどういう事だろうね? 次の日には五月君が将来の相手として君を紹介したわけだが」
中野父は表情と口調こそ変わらないが、言葉の端々に威圧感が滲み出してきた。
肌が粟立つのを感じるが、これは予想していた展開だ。
だから俺は慌てたりなどしないのだ。
「……ところで、味噌汁が醤油で黒く染まっているが大丈夫かい?」
「お、お気遣いなくっ」
前言撤回、俺は非常に動揺している。
俺は刺身用の醤油の投入先を間違えて、味噌汁が醤油汁に変貌していた。
そもそも最初から小皿に分けられているものであり、漬けるものであって掛けるものじゃない。
「……話を戻すが、単刀直入に聞こう。君は娘達の事をどう思っているのかな」
「愛しています」
最早怯んでいても仕方ない。
いずれにしても、いつかは伝えなければいけないことだ。
この場で誤魔化そうとしたのなら、それは相手が不信感を抱く事態につながりかねない。
動揺を飲み込んで、俺ははっきりと言い放った。
即座の返答に、中野父は目頭を瞼の上から揉みほぐしていた。
眼精疲労だろうか?
昨今、デスクワークにおいてはブルーライトが目の負担になると聞く。
やはり仕事が忙しくて疲れが溜まっているのかもしれない。
「すまない、聞き方が悪かったね。君は異性として――」
「娘さん達を全員、女性として愛しています」
「……そうかい」
食い気味に答えたら、今度は額に手を当てたまま俯いてしまった。
よっぽど疲れているのだろうと思いたいが、どう考えても俺の返答が原因だ。
自分でも常識外れなことを言っている自覚はあるが、これが包み隠さない本音なのだ。
異様に長い沈黙が続く。
これはまた相対性理論が悪さをしているかもしれない。
果たして実際はどれぐらいの時間が流れたのか……中野父は、大きく深呼吸してから顔を上げた。
「僕は君と比べたら古い人間だが、自分の世代の恋愛観で君達を縛ろうとは思わない」
「あくまで自由恋愛だ。学生の内ならそんな関係もあるのかもしれない」
「しかし、余りにも常識の範疇から外れてると言わざるを得ないね」
「君達が大人になって社会に出たらどうなる? 結婚をしたくとも、この国の法律が認めない」
「もし子供が生まれたらどうする? 籍を入れられない以上、全て父親がいない私生児扱いだ」
「あるいは一人とだけなら可能だが、それは彼女達の中に明確に差を生む行為だ」
「同じ籍に入ることで得られる恩恵が、一人に集中する事になる」
「そして当人同士の納得と、外からの評価は間違いなく食い違うだろうね」
「既に女優として知名度を高めつつある一花君や、教職を目指している五月君には足枷になる」
「君を解雇するだとか娘達との関係を断てだとか、今更そういった事を言うつもりはない」
「だが悪いことは言わない、せめて彼女達の中から一人を選んで欲しい」
「辛い選択だろう。しかし、それが君達の将来のためには最善だと断言する」
「どうか、考え直してくれないか?」
言い終わると、中野父は静かにこちらを見つめてきた。
この人からすれば俺は娘を誑かしたロクでなしであり、怒りは当然あっただろう。
中野姉妹に対しても、どうしてそんな男を選んでしまったのかという嘆きもあったに違いない。
しかし並び立てられた言葉から感じたのは、俺達の将来を案じる気遣いだった。
この人はこの期に及んで、自分の感情よりも娘達への心配を優先したのだ。
怒りに任せてくれれば、あるいはこちらも心情的には割り切りやすかったかもしれない。
大人として、父親として向き合おうとしてくれているこの人に、適当な返答だけはできない。
「……最初は彼女達をそんな目で見る余裕はありませんでした」
人と接することを切り捨ててきた俺への家庭教師の依頼。
相場の五倍という賃金に釣られて引き受けたものだが、慣れない事ばかりで余裕は皆無だった。
そんな状況に一区切りがついたのは、学年末試験を乗り越えた時だろう。
俺は自分の成績を落とす羽目になったが、中野姉妹は赤点から脱した。
「立て続けに想いを告げられて、自己嫌悪で逃げ出そうとしたこともありました」
しかし、そんな俺達の関係に変化の楔が打ち込まれたのもちょうどその頃だ。
二乃からの告白、更にその後の温泉旅館での出来事を経て、俺の心身にも変化が生じた。
それが良いものであるかどうかはともかく、伴って中野姉妹との関係も変わってしまった。
二乃との行為や、一花を抱いてしまったのはその最たるものだ。
自分の欲望も抑えられない人間が、こんな良い奴らの人生に関わっていいのか。
俺はそんな思いを抱き、卒業と共に関係を断とうと考えた。
まぁ、結果的には強烈なビンタに打ち砕かれたわけだが。
なんにせよ、自分を正してくれる存在がいるというのは、一定以上の心の支えになった。
「一人一人と向き合って、傲慢にも選ぶという行為に悩み続けて……結局答えは出ませんでした」
逃げ出さないと決めたところで状況が好転するわけではない。
修学旅行以降、流されるままに俺は中野姉妹と関係を深めていった。
正直に言って、その関係が一人とだけならば答えの出しようがあったのだと思う。
責任を取るという大義名分が出来るからだ。
もっとも、そんな回答にあいつらが納得するかは別問題だが。
解法のわからない、そもそもとして正答があるかどうかすらわからない。
この長くはない人生において最大と言える難問に、俺は答えられなかった。
「……あの三日間、学園祭では本当に色々とありました」
家族……父との絆を求めた二乃。
俺のみっともない部分を包み込んでくれた一花。
自分の殻を破って前に進んだ三玖。
迷いを振り切って進むべき道を定めた五月。
そして、全てをさらけ出してくれた四葉。
五人との触れ合いの中で、俺はようやく答えを見出した。
それはきっと、もっと前から自分の中にあったものだ。
自覚して、恥も外聞もなく掲げてやると決意したのが後夜祭での出来事だ。
「これからの人生をあの五人と歩んでいきたい……それが偽らざる俺の答えです」
「……」
静かながらも力強く答えた風太郎の目を、マルオは無言で見つめ返した。
正直に言って気に入らない。
親の存在、過去の無遠慮かつ無礼な言動、そしてこちらの企てを尽く台無しにしたこと。
問題点を並べ立て始めたら枚挙に暇がないが、これらは最早然程の問題ではない。
家庭教師業務における有能性、模試で叩き出した文句なしの成績、夏休み中に娘のために奔走していたこと、そして先日の学園祭における立ち回り。
風太郎に対するプラスの評価は、マイナスの評価をとっくに上回っていた。
それこそ娘の交際相手として認めてもいいと思うほどに。
だが一夫一妻の決まりと考えが浸透したこの国では、恋人関係も一対一が常識だ。
だというのに五人全員というのは、むしろ喧嘩を売っているのかと尋ねたくなる。
本人にそんなつもりがないのは重々承知だが、それが父親の心境というものなのだろう。
まだまだ初心者ではあるが、マルオは父としての自覚を強めつつあった。
このまま怒鳴って叱りつけるのは簡単だった。
しかし、大人としての義務感が激情を抑え込んだ。
だから諭すような言葉を投げかけたのだが、提示した問題に対する答えはなかった。
しかしその言葉には並々ならぬ決意が感じられた。
無言の中で、マルオは風太郎の目を見定めるように見続ける。
忌まわしくも懐かしい顔つきだった。
それこそ、学生時代に毎朝鏡で見ていた程度には見覚えがある。
『なら、あいつも嬢ちゃん達に一途なのかもな』
そんな言葉がマルオの頭を過ぎった。
馬鹿馬鹿しいと思うのは今も変わらない。
しかし、一方で納得が生まれ始めているのも無視できなかった。
「……少し、答えを急かしすぎていたようだ」
ゆっくりと息を吐きだして、置いていた箸を再び手に取る。
話してばかりではせっかくの料理が冷めてしまう。
そのまましばらく、無言の食事会は続いた。
「それじゃあ、俺はここで失礼します」
「まだ君の家は先のはずだが」
「少し腹ごなしに歩きたい気分で」
「そうかい」
家から少し離れた公園の前で、黒塗りの高級車から降りる。
もう日が暮れて久しく、街灯の光が辺りを照らしていた。
夕食のお礼に頭を下げてから、運転席に向かって会釈する。
ハンドルを握っている男性は確か、江端という名前だっただろうか。
中野父の秘書という立場らしいが、中野姉妹の面倒も見てきたらしい。
俺自身も何度か世話になった覚えがある。
こちらに穏やかな笑みを向けてくれた。
「上杉君……僕の話を無理に聞き入れろと言うつもりはないが、今一度よく考えてみて欲しい」
最後にそれだけ言い残して、車は走り去っていった。
少し前なら娘に近づく不埒な男として、問答無用で制裁を下されていただろうか。
こうして五体満足で家路に着けているのは、幾らかは認めてもらえたということか。
それにしても……
「い、胃が痛かった……」
話の内容も然ることながら、それ以外の沈黙の部分も辛かった。
そもそもとして俺の苦手分野なのだが、会話の糸口が全然見つからなかった。
共通する話題は必然的に中野姉妹関連になるのだが、流石にあの状況で口に出すのは憚られた。
そうなるとひたすら受けの姿勢を取らざるを得ない。
中野父から積極的に話しかけてくることもないため、気まずい食事会の出来上がりだ。
「ただいま……」
「あ、おかえりー」
「らいは……!」
俺の帰りを笑顔で迎えてくれた天使を抱きしめる。
プレッシャーでゴリゴリと削られた精神の回復を図らなければならないのだ。
「どしたの?」
「持つべきものは可愛い妹だな」
「もー、そういうのは五月さんに言ってあげなよ」
軽く小突かれてしまった。
らいはの中で、俺と五月はすっかり恋人同士のようだった。
俺達の関係を特別話した覚えはないが、間違いではない。
ただそこには、五月以外の四人も含まれるというだけだ。
「おう、帰ったか」
部屋の中では親父が寛いでいた。
今日も仕事を終えて気を抜いているようだった。
同じ父親ではあるが、あの中野父が同じように寛いでいる姿は想像し難かった。
そもそも、俺はあの人についてほとんど知らないのだから当然か。
そういえば親父とは同級生だったらしいのだが。
「親父、学生時代はやんちゃしてたんだよな」
「ん? ああ……まぁ若気の至りってやつよ」
当時を思い出しているのか、親父はしみじみとしたり顔で頷いた。
しかし、その若気の至りから未だに抜けきれていないように見えるのは俺の気のせいだろうか?
素行はともかくとして、見た目は髪を染めた不良中年である。
「聞きてーのはマルオのことか?」
「うっ……まぁ、そうだが」
外見は大人気なくとも、重ねた年輪は伊達じゃない。
徐々に話題をスライドさせていくつもりだったが、あっさりと見破られてしまった。
中野父については学園祭の最中にも聞いたのだが、如何せん端的に過ぎた。
どのような人物か理解を深めるのには、情報が足りなさすぎる。
「隠すことでもないから別に構わねぇが、何が聞きたい?」
「なんでもいい。どんな人なのかを知りたい」
「お前と同じように成績は良かったな。堅物の真面目野郎だったが、生徒会長もやってた」
ここまでは以前に聞いたのと同じだった。
学年トップの成績で、それと並行して生徒会長も勤めていたという。
さぞ非の打ち所のない立派な生徒だったのだろう。
その両立には素直に賞賛するしかない。
「だがまぁ、俺から言わせれば、お前もあいつも大馬鹿野郎よ」
「なんだと」
「あれであいつ、美人女教師のファンクラブの会長なんてのもやってたからな」
「……は?」
今までの情報とまったく別方面の新情報に、頭の中に宇宙が広がった。
理解が追いつかないので、とりあえず分解して噛み砕いてみることにした。
美人女教師……読んで字のごとく、美人の女性教員。
ファンクラブ……特定の個人、または団体を応援する有志の集まり。
会長……端的に言えば組織のトップ。
つまり中野父は、美人の女性教員を応援する集まりの頭を張っていたことになる。
噛み砕いたところで理解が及ばないのは変わらなかった。
とてもじゃないが、今のあの様子からじゃ想像できない。
「相当にお熱だったぜぇ? 当時相手には夫もいたってのによ」
「わ、情熱的だー。それでどうなったの?」
いつの間にか親父の話に、らいはまで興味を持ち始めてしまった。
しかも話題の中心が中野父の恋愛話にシフトしている。
俺としてはそこまで深掘りしたいわけではないが、人となりを知る一助にはなるかもしれない。
しかし普通に考えれば生徒と教師、しかも既婚者ともなれば成就するはずがない。
現実的に成立し得ない恋。
先ほどの食事会での言葉が、頭の内で反響した。
俺と中野姉妹の関係は自分達が認めていたのだとしても、世間の仕組みや常識と食い違う。
決まりを守っていたのだとしても、それ以外の障害は決して少なくないだろう。
「卒業してから十数年越しにめでたくゴールイン! ……惜しいことに亡くなっちまったがな」
「あ、じゃあその人って……」
「ま、そういうこった」
らいはが察した通り、その女教師はきっと中野姉妹の母親だ。
当時はもしかしたら無堂という姓だったのかもしれない。
一瞬ハゲでヒゲのおっさんの顔が過ぎったが、すぐに頭から締め出しておいた。
あいつの事を考えるのは最早時間の無駄だ。
そもそもこちらからしたら赤の他人だし、中野姉妹にしても既に決別は済ませている。
「とまぁ、あいつは普通じゃ叶わないようなもんを叶えちまった大馬鹿野郎だ」
親父の目が俺を真っ直ぐ捉える。
お前はどうするんだと、そう問われた気がした。
「風太郎、お前はお前の好きなようにやれ。他人に迷惑がかからん内は、俺から言う事はねぇよ」
「……ああ、そうさせてもらう」
とりあえずは見守ってくれるらしい。
らいはは事情が飲み込めないようで、首を傾げていた。
きっといつかは俺達の関係を話さなければならない。
その時は呆れるのか怒るのか軽蔑するのか、それとも祝福してくれるのだろうか。
なんにしても、まずは自分達のことだ。
どんな風に話したとしても、暗い影が落ちていては祝福がもらえるはずがないのだから。
「――旦那様、旦那様」
「ん、ああ……済まない、少し考え込んでいたようだ」
江端の呼びかけで、自分の内に向いていたマルオの意識が外に向けられる。
気づくと車は既に自宅のマンションの前に停まっていた。
考え事に没頭しすぎていたようだ。
「明日は出かける予定はない。君も自由にしてくれ」
「かしこまりました」
急な呼び出しがなければその限りではないが、久しぶりの完全な休日だ。
今日は急な予定変更があったが、改めて娘たちと過ごすのも悪くない。
途中でお土産に買ったケーキを持って車を降りようとしたところで、江端から声がかかった。
「旦那様、少々お時間をいただきたく」
「どうかしたのかい?」
「差し出がましいとは存じますが、面白い動画を見つけたもので」
マルオが渡されたタブレットに目を向けると、どこか屋内の様子が映し出されていた。
人が集まっているのか、小さくも雑多な話し声が広い空間内を満たしているようだった。
外部の光を遮断しているのか、または照明を落としているからか全体的に薄暗い。
一番奥ではステージがライトに照らされていた。
「これは?」
「お嬢様方が通う旭高校で先日開催された学園祭、その後夜祭の様子だそうです」
「音が少し小さいようだ」
「音量はそのままの方がよろしいかと」
どうやら生徒がSNSに投稿した動画のようだ。
江端がどのようにして見つけてきたのかはともかく、今の所興味を惹かれるような要素はない。
ステージ上には男子生徒が立っているようだが、遠すぎて何をやっているのか不鮮明だった。
この動画に何があるというのか。
マルオが再度尋ねようと顔を上げようとすると、唐突にマイクで増幅された音声が響いた。
『――――好きだぁぁああああっ!!』
ステージ上の男子生徒が、恥ずかしげもなく誰かへの想いを叫んでいた。
興味深いことに、この告白はどうやら複数人に向けたものらしい。
何故だか娘達の姿がマルオの脳裏に浮かんだが、それもそのはず。
動画の中で叫んでいるのは、上杉風太郎その人だった。
「甚だ軽々な行いだ。若気の至りとでも呼べばいいのかな」
「ええ、青春ですね」
「愚かにも程がある」
「そうかもしれません」
「……彼は、大馬鹿者だ」
しかしマルオは、自分の過去にもそんな愚かな大馬鹿者がいた事を覚えている。
同志をまとめ上げ、憧れの対象の一挙手一投足に一喜一憂し、日々の情熱の糧とする。
他ならぬ、学生時代の自分自身だった。
「成程……一途、か」
切ろうとしても切れない腐れ縁の言葉が、すとんと腑に落ちた。
「お、おかえりなさい……お父さん」
「ああ、ただいま」
無言でリビングに入ってきたマルオに、一花が恐る恐る声をかけた。
家族に似つかわしくない、ギクシャクしたやりとりだった。
それも自分がすべきことを怠ったせいだとマルオは受け止めた。
娘達は夕刻に帰宅した時と同様、リビングに集まっていた。
ただテーブルの上にはノートや問題集が広げられていた。
どうやら自主的に勉強していたようだ。
受験も近いので当然ではあるのだが、思わず感心してしまう。
家庭教師の効果は、確かに出ているようだ。
「えっと……風太郎君は?」
「彼なら家に帰したよ」
「そ、そっか……」
これまたぎこちない言葉の応酬だ。
もしかすると、叱られるとでも考えているのだろうか。
そうではないと即座に伝えようとして、マルオは口をつぐんだ。
これも長年の怠慢の積み重ねとでも言うべきか、自分の言葉が予想以上に深刻に受け取られているのには流石に薄々気づいていた。
テーブルに着いてペンを握りつつも、横目でこちらの様子を伺う五月に目を向ける。
サンドイッチを頬張った際の、なんとも幸せそうな顔が浮かんだ。
「良ければケーキでもどうだい? 食後のデザートというには少し遅いかもしれないが」
すると五月が顔を輝かせて、マルオからケーキを受け取って台所へ持っていった。
他の姉妹も顔を見合わせると、小さく笑みを漏らしてその後を追った。
どうやら飲み物の用意もするようだ。
そんな娘達の姿を見守ると、マルオは階上の自室へ足を向けた。
「どこ行くのよ」
「僕のことは気にせず、ゆっくり寛ぐといい」
「座って」
「いや――」
「いいから座って」
二乃に背中を押され、マルオはとりあえず従った。
以前のような遠慮はなくなっていた。
戸惑いつつも、僅かに口元が緩んでしまう。
「大変です! ケーキの数が……!」
血相を変えた五月が、台所から戻ってきた。
開けられた箱にはケーキが五切れ……ちゃんと買ってきた個数と相違ない。
姉妹で一切れずつ食べる分には問題ないはずだ。
「う~ん、やっぱ一人分足りないよね」
「君達の分はちゃんと用意してあるはずだが」
「お父さんの分がないよ」
四葉の言葉で、マルオはようやく娘達との齟齬に気がついた。
娘達は、父親である自分も勘定に入れていたのだと。
気にせず食べろと言っても難しいだろうか。
かといって今更この席を立つのも気が引ける。
つくづく、経験の不足が身に滲みていた。
「あ、それなら折角だしアレ焼こうよ。ほら、パンケーキ」
「どうせあんたは食べる係でしょ」
「うっ……まあそうだけどさ。三玖、どう?」
いきなり一花に水を差し向けられた三玖だが、ゆっくりと思案して頷いた。
そして袖をまくると、自分用のエプロンを身につける。
「お父さん、ちょっと待ってて」
そうして焼きあがったパンケーキが三枚。
キリがいいところまで材料を使い切ったのだろう。
一人で食べるには少々量が多い。
フォークを差し入れて、一口分だけ口に運ぶ。
「ああ……これは懐かしい味だね」
ポツリとそんな言葉が漏れた。
エプロンをつけたままの三玖が、照れくさそうに笑った。
「君達、お腹に余裕はあるかい?」
マルオの問いかけに、一人を除いて姉妹は首を傾げた。
二乃は院長室での約束を思い出して、そっと頷いた。
「せっかくの機会だ。全員で食べよう」
「一先ず、君達の関係について口を出すのは控えようと思う」
静かな団欒の中で、マルオが口を開いた。
風太郎との話し合いで何があったのか。
認められたのか、それとも……
「上杉君には、伝えるべきことを伝えたつもりだ。その上で君達の選択を見守りたい」
勇也が言った、自分の子供を信じるという言葉。
それに倣って、マルオも自分の娘達を信じてみることにした。
完全に放任するわけではなく、助けを求められれば手を差し伸べる。
勿論、誰かが泣くようなことがあれば容赦はしない。
守り導くのが親の役目なら、信じ見守るのもまた親の役目。
学園祭の最中に二乃や五月が見せた成長は、期待を抱くのには十分だった。
「そしていつか、君達六人で導き出した答えを僕に聞かせてほしい」
マルオの言葉に姉妹は静かに頷いた。
娘達の顔を見回して、そっと席を立つ。
「ごちそうさま。楽しい時間だったよ」
階段を上がり自室へ。
帰ってくること自体ほとんどないため、生活感というものが抜け落ちていた。
デスクチェアに腰をかけ、何をするでもなく天井の照明を見上げる。
見守るという選択が間違いかどうかはまだわからない。
ただ、父として歩み寄れたことが誇らしかった。
ほとんど飾りと化しているワインセラーを開ける。
埃の一つも積もっていないのは、江端が気を利かせてくれているのだろう。
普段から酒の類を避けて進んで購入もしないマルオだが、例外がある。
それは何らかの記念だ。
愛する人と結ばれた日だとか、単純に娘達の誕生日だとか。
そういった思い出深い日の記念として、ワインを購入するのだ。
セラーの中から一本取り出す。
この一本は、姉妹を引き取って初めての誕生日に密かに購入したものだ。
当然、未開封だ。
オープナーを取り出してコルクに埋め込んでいく。
「ああ……今日は良い日だった」
こうして禁酒の誓いは早々に破られたのだった。
というわけで、ロクにフー君と姉妹が絡まない話でした。
まぁ、絡ませるとヤるかヤらないかのバトルが勃発するんでたまにはいいかなと。
タイトル通り、二人の父親がメインでした
比重で言うとマルオさん寄りですが。
描写されてない部分も多いから捏造が入ってますけど、そこはご勘弁を。