貞操逆転世界で地味根暗系目隠れ天才美少女幼馴染にツバをつける話 作:鵺丸
◇
バイトの帰り原付バイクに乗っていた俺氏、反対方向からくる自転車に跨った女子高生のスカートが風で捲れるのをうっかり目で追って、脇道から飛び出す車に気付くのが遅れ無事死亡。
辞世の句――
――素晴らしきかな、黒パンツ、この世に一切の未練なし
◇
呆気なく命を落として、この世界が前の世界と違うことに気づいたのは、小学校に上がって数年たった日の事。
幼稚園では性差などなく皆分け隔てなく遊んで寝て、食って遊んでの繰り返しで俺も前世の記憶を吹っ飛ばして毎日楽しく遊んでいたわけなのだが(此方も遊ばねば、無作法というもの)。
小学校ではそうはいかず、ついに勉強が始まった――とはいえ流石の前世持ち、家族や幼馴染には低学年で九九すら披露した神童の俺である、最初のうちは勉強をせずともよかった、のだが。
状況が変わったのは社会の授業が始まった中学年の頃。
◇
「――聖徳太子はこの厩戸で生まれたことから、厩戸皇女、とも言われており――」
「――父の間人皇子は西方の救世観音菩薩が皇子の口から体内に入り、厩戸皇女を身籠もった――」
「――遠い昔でも人々は集団で行動していました、女性は狩りに出かけ男性はきのみなどを採取――」
うん、男女の役割が入れ替わった、つまり貞操逆転世界に転生したと言うことがわかりました。
確かにそれまでに違和感はあったのだ。
ポケモンの主人公はサトシじゃなくてカスミだし。ドラえもんの主人公はのび太じゃなくてしずちゃんだし。クレヨンしんちゃんはしんこちゃんだし。ぷりきゅあは男の子だ。野獣先輩は男だった。
父ちゃんは専業主婦だし、電車には男子専用車両なんてものもあるし。
いや、気づけよ。と思うかもしれない
でも仕方ない、遊ぶのに夢中だったから‼︎
貞操逆転世界は俺にとって夢の世界だ。
◇
――と言うわけで、小学生でこの世界の真理に気づいた俺はその日の放課後、幼馴染のミヤの部屋にいた。
「ど、どうしたのいきなり?」
勉強椅子にぎこちなく座っているミヤはそのつぶらで綺麗な青の瞳を前髪で隠してキョロキョロと落ちつかない様子で動かしながら言った。
低学年のうちは毎日のように遊んでいた俺らだが、中学年から陸上をやり始めた俺は最近はあまりここに来れなかった。
久しぶりミヤの部屋。あ、窓際に俺とミヤが写った写真ある。あとで貰お。
すーーーーッ‼︎
はぁーーーーーッ‼︎
よしッ!ミヤニウム補充完了‼︎眼鏡地味系無自覚メカクレ美少女の部屋の匂いはたまんねぇぜ‼︎
俺はミヤのベットに勝手に無許可で横になりながら答えた。
「俺さ、気づいちゃったんだこの世界の
「こ⋯理とか、また難しい言葉知ってるね、た、ターくんは天才だねえ」
「ふふんッ‼︎実のところそうなんです‼︎俺天才です‼︎
ってちがーう、違わないけど、そう言う話じゃなくてさ
俺異世界転生者だわ‼︎なんかクラスで浮くなって思ってたんだけど理由がはっきりしたわ」
「あ、そうなんだね」
「うん、そうなんだワ」
⋯⋯よし。帰るか。言いたいことを言ってスッキリ
そう思ってベットから立ちあがろうとすると、いつのまにか近づいていたミヤに両肩を掴まれてベットにぽふっと押し倒された。
小学生の男女、こちらの世界では男子の方が成長が早いのでミヤは俺より頭一個分小さいから押し倒すのは難しいがミヤは力の使い方が上手い、流石だ。
仰向けになった俺の顔にミヤの髪が触れてくすぐったい。
重力で垂れ下がったミヤの前髪が顔にかかると言うことは、隠された蒼い瞳が俺の眼前にあるということである。
あふんッ(失神)相変わらずマジで綺麗な目してるわ。舐めたい。俺だけが見れる秘密の花園⋯⋯ちょっと語弊があるか。
「そんなことよりなんで、うち最近来てくれないの?
な、なんか私しちゃったかな?ダメなとこ改善するから、またあそぼ?」
若干ハイライト消えてる気がしなくもない。こわい(小並感)
「陸上始めたって言ったでしょ〜?そんな遊んでばっかもいられないってワケ
俺ってもう大人の仲間入り、忙しいんだワ
てか、学校で毎日会ってるし登下校も一緒じゃん」
ミヤも合気道?だかなんだかやってるじゃん
「もっと一緒にいたい、ターくんと離れるの嫌だ」
あー、今年n回目のぐずりですね、クォレハ
まあ育成途中の美少女に何されても俺にとってはご褒美です、感情表現が苦手でどこでも俺の後ろについて回るミヤ可愛いよミヤ。
ちょっと依存させすぎかなーとは思う、ミヤの成長にも良くないよねぇ〜、ま、今だけは甘やかすんですけど。これも最終目標の為です。
いつもの如く泣きそうになってるミヤの後頭部に手を回して俺の胸に引き寄せる、泣くなら俺の胸で泣け。無料で貸出中です。
グリグリと胸に顔を擦り付けてくるミヤ頭を撫でてやる。
あ〜^全身にミヤを感じてる、髪サラサラ〜いい匂い〜至福です。
一生この時間が続けばいいのに。
◇
そうして15分ほどして、ミヤが離れる。
残念。
いつのまにか体勢が変わってお互い横になって向かい合う形になる、あ、綺麗な目。
「ご、ごめんね、こういうのがダメなんだよね。
き、気をつけるから!⋯⋯ごめん。」
という割に顔を染めてチラチラと名残惜しそうに胸を見るな胸を。
小さな子でも男の胸で安心するのかね、変な世界。
「あはは、甘えん坊だねミヤは。
でもそんなミヤも好きだよ?俺」
垂れた目元の髪を左右にかき分けてミヤの目を見る
「相変わらず、綺麗な目だよね〜キラキラしててお星様みたい」
「べ、べつに、綺麗じゃない。ターくんの方が⋯⋯」
「綺麗だよ?」
「そうかな⋯⋯」
「うん」
食べたい。
ゴーンゴーンとチャイムが鳴り響く。
「あ、やべ。5時だ」
「あっ⋯⋯」
壁に掛けてある時計を見ると午後5時を指し示すところだった、陸上の練習に行く時間である。
ちゃっちゃとベットから起き上がって帰る支度をする。まあなんも持ってきてないから乱れた服を手でさっさと伸ばすくらいだけど。あ〜ちょっと涙が滲みてる⋯⋯最高だぜ‼︎
「んじゃ、また明日ね!」
「う、うん、また明日」
玄関で見送られながらミヤ家を後にしてすぐ隣の自分の家に帰還する。
貞操逆転世界、とはいえそんなに大きな違いはないよなぁ〜と陸上の準備をしながらふと気づいた俺氏であった。
◇
ガチャリ
玄関が閉まるのを確認し太陽が無事帰宅するのを窓から見届けてから
急いで自分の部屋の部屋まで戻る。
よし、ちゃんと映ってる。
部屋の隅に設置してあるカメラの映像をパソコンで確認すると、次はベットにゆっくりと身体を委ねる。
太陽の匂いだ〜蕩ける⋯⋯。
私の幼馴染の無自覚筋肉色黒イケメンがマジでやばすぎる件について。
あんなんもうセックスだろ、とかぱぱぁとか、誘ってんのかとか、言葉が浮かんでは消える。
いやホント私の理性強すぎる。自画自賛が止まらない。
クラスで浮いてる?いやそりゃ浮くでしょ天使なんだから。
あああああ、胸の感触を思い出すだけで抜ける。太陽の服にヨダレついてないよね、大丈夫だよね?
天然なようでしっかり自分の考えがあって、でも天然で優しくて、でもちょっと厳しさもあって、快活で明るくて笑顔が素敵で誰にでも優しいけど、私にはもっと優しい。スラリと伸びた手足に黄金比率でついたしなやかな筋肉は芸術、彼の目を見ると全生物が心を委ねてしまうような魅力がある。
まさに天使の降臨。
太陽のお父様お母様、この地に彼のような男神を降臨させてくれてありがとうございます。私が
異世界転生?いいえ貴方は神様の生まれ変わり、神様転生です。
そこまで考えて太陽の匂いに包まれて私は眠りについた、抗うことは愚かなことである。幸せを享受するのが私の仕事。あ、動画を二重保存――
◇
これは、貞操逆転世界に転生した男の物語
そして、それを愛する女の物語
■主人公 北(キタ)太陽(タイヨウ)
小学生中学年で155cmの恵体(メグタイ)足めっちゃ速い
好きなもの:ミヤ、父ちゃん、母ちゃん、弟、ミヤの妹、遊ぶこと、走ること、食べること、寝ること、バイク
苦手なもの:勉強、仕事、車、ピーマン
■ 南(ミナミ)美夜子(ミヤコ)
幼馴染、身長140cmほど、眼の色で幼稚園の頃いじめられてたが主人公に助けてもらってそれからずっと一緒、これからはどうだろう?
好きな者:太陽、妹、お父さん、お母さん、御義父様、御義母様、御義弟君