貞操逆転世界で地味根暗系目隠れ天才美少女幼馴染にツバをつける話   作:鵺丸

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進路相談

――食べた、赤い影。喜ぶようにふるふる震えた。

 

 

 

 

「はい、では皆さんお疲れさまでした。気を付けて帰ってくださいね」

コーチの号令で、今日の練習の終わりが告げられる。

 

 彼女愛用のサングラスには沈みかける夕日色に染まったトラックが反射している。

 

 

 

 みんなで息を揃えて、ありがとうございました。と声を出してから各々がバラバラに帰り支度を始める。

 俺も今日のマッサージに想いを馳せながら同じようしていると。

 

 

「太陽くん、ちょっといい?」

 と、俺をコーチが呼び止めた。

 

「はい?大丈夫ですけど……」

 

 なんだろう?ミヤにマッサージを変わってもらってからは今日まで練習の後に呼ばれたことなんてないのだが。

 

 

 なにかあっただろうか?と疑問に思っていると

 

 

付いてきてくれる?、と言って歩き出したコーチの背を追う。

 

 

――ポニーテールがゆらゆら揺れる

 

 

 

 

 

 

着いた先は、指導者用の部屋だった。

コーチはドアを広げて、どうぞと手で入口を指し示す。

 

 

「失礼しまーす」

 一応、そういって促されるままに、歩を進めると制汗剤の香りに気が付いた。よくコーチが使っている少し甘いにおいのやつだ。

 

 部屋の内装はシンプルで、俺が横に寝れるくらいの大きさの黒いソファーが2つ対面にあってその間に背の低いテーブルが1つ。

 あとは隅に学校の担任の先生が使うような大きな机、椅子があるだけ。

 その大きな机にはコーチのであろう荷物が置いてあるのが見える。

 

 カチャリ

 

「どうぞ、座って座って」

 

 ドアを閉めながら、立ったまま内装を見回していた俺に気づいてソファーに目線を向けそう言ってくるコーチ

 

 お言葉に甘えてぽふんと尻を落ち着ける、うわーふっかふかだぁ、と思っていると、対面にコーチが座る。

 

「ごめんね、練習で疲れてるとは思うんだけど、ちょっと話したくて。

 あなたの将来について」

 

 将来?ああ、つまりは中学校のことだろうと当たりをつける。

今年で小学校は卒業だからだろうか?

 

「中学校のことですか?」

そう聞くと頷くコーチ

 

「中学校ってどこいこう、どこいきたいとか、決めてる?」

 

「とくには、決めてませんねぇー。強いて言うなら、ミヤと一緒ならどこでも……あとはあいつらと一緒なら」

 ミヤと⋯⋯そして山田たちの顔を思い浮かべる。

 

「そう……。単刀直入に言うとね帝王附属中学校に入る気はないか、ということなの」

 テーブルに肘をつけてゲンドウポーズで聞いてくるコーチ、サングラスもしてるしぴったりだな、とか考えながら俺も神妙な顔をしておく。

 

 

「帝王……」

 

「そう、あの……帝王よ。」

 

「……って、どこですか?」

 

 

 

ずるっ――

 

 

あ、お笑い芸人みたい。崩れたコーチを見て思った。

 

 

 

 

 へー、コーチの説明では、日本あるいは世界でも屈指の名門らしい。

 

 陸上競技だけではなく、野球、サッカー、テニス、バスケなどの大会でも毎年優秀な成績を収めているらしい。数多のプロも排出していて、帝王出身のプロスポーツ選手は47%も占めているらしい、凄すぎだろ。

 敷地面積は東京ドーム50個分。いやもうわかんねえよ、すごいのかそれは。

 各競技の設備が日本トップレベル、全員が寮生活、成績優秀者には補助金もでる、あと飲食無料、飲食無料!?!?!?!?

 

 ほかにも色々あるらしいが、少し聞いただけで凄まじいのがわかる。

 

 正直、心が揺れる。

しかも俺に陸上の道を示してくれたコーチがいる……か。

 

 コーチはその学校の外部顧問として所属していて推薦枠を数枠もっているらしい。その推薦枠に俺をいれてくれる、ということなのだ。

 

 短距離部門では俺の他にウラという男の子と、アタラという俺以上の記録を持った海外の女の子、が推薦されているという。どっちも知らん。

 

「普通に一般受験、となると」

 そういってソファーに深く座りなおしてこちらを見るコーチ。

 

 

 

「――倍率は3000倍……くらいでしょうね」

 

 

 

「コーチって算数苦手ですか?」

 

「うん」

 

 

そっかぁ……。

 

 

「ちなみに、ミヤも一緒に推薦してくれる、

 なんてことはできませんよね?」

期待を込めて聞いてみる。

 

「無理ですね、私の推薦枠は陸上専用なので」

サングラスをくいっ、としていうコーチ。

 

陸上専用推薦ってなんだよ。かっこつけんな。おバカのくせに。

 

「でも、ミヤは体術の天才ですよ他の競技だってすぐにマスターできますが?」

わかんないけど。

 

 

「柔道とかはあるけど⋯⋯そう、美夜子ちゃんはやる気はあるの?」

 

 

……。

ミヤの事を思い出すと、スポーツに熱心なタイプとは到底思えない。合理的に自分に吸収してあとはぽいっみたいなやつではある。

 

「ないかもしれません。」

 

「美夜子ちゃんと一緒に入りたいならとりあえず競技は決めておくことね、帝王はアスリートのための学校だから。」

 

「わかりました。」

 

 

 

「とりあえず、そういうことよ。考えておいてね」

言いたいことは終わったらしい。

 

 気を付けて帰ってね、あ、そうそう、明日体験入学があるから、迎えに行くわ。家で待ってて、そう言葉をかけられながら俺は部屋を出た。

 

 

……帝王か⋯⋯。どうしよう。

ん?体験入学?

 

 

 

 

 

 

 

「では、先生うちの子をよろしくおねがいします」

ニッコニコの父ちゃんがぺこりとお辞儀する

 

「はい、太陽くんのことは私にどーんとお任せください!」

そういって胸を張ってその大きな胸を叩くコーチ

 

 

いや、昨日の今日で普通に話が通ってるのおかしいだろ。

てか、父ちゃんデレデレしすぎ、美人に弱いのは父ちゃん譲りらしい。でもこの人、頭陸上だぞ。

 

「はぁ……、まあいいや、それで先生言っておきますけどオレ車むりっすよ?」

何で行くつもりだろうか。

 

「だいじょーぶ!」

なぞに自信満々なコーチ

 

とりあえず二人で駐車場に移動する。

 

 

「見て驚かないでね?じゃじゃーん!!」

じゃじゃーんって……

 

 ゑ⁉

「うわッ‼ニンジャじゃん‼」

 そこにあったのはninja250というバイク、ボディの黒に緑のラインがはいっているのがさらに俺の厨二心を刺激するバイクがどっしりと佇んでいた。一回乗ってみたかったんだよなぁ!

 

というか。

「コーチバイク運転できたの⁉かっこいい!」

 

ふふん、これが大人ってやつぅ?と、のたまうコーチ、いやでもかっこいい!すごい!昨日おバカとか言ってごめんなさい!

思わず目をキラキラさせてコーチを見てしまう。

 

「ヘルメットかぶってねぇー」

興奮が止まらない俺に、そういってこれまた黒に緑のラインがはいったフルフェイスヘルメットを手渡してくる。おいおいおい、センスが止まらねえな!!

 

しっかりとヘルメットを被って先生の後ろに乗り込む。

 

「んじゃ、しっかりつかまってねぇ~!安全運転でいくよー!出発しんこー!」

 

「おーっ!」

コーチの身体にぴったりと抱きついてコールする。

 

 

うおおおおおおおおおおおおおおッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

「フォーーっ!!!!」

「コーチもう一回もう一回‼ぶーんってブーーンって!」

 

「もう着いたよ?また帰りにね?」

 

「えー!もう一周しようよぉー!」

駄々をこねてコーチの服を摩る俺。

 

「目的変わってるって、いいから行くよ」

 

けちーッ!はぁ……でもいっかまた帰りもあるし。

仕方なくヘルメットを置く。

 

同じくヘルメットを外したコーチは苦笑している

「こんなにバイクが好きな男子も珍しいね」

 

「バイクは男のロマンです!」

胸を張って言う俺

 

 聞いたことないなぁ…と首を掻きながらいうコーチに続いて帝王附属、いや帝国の領土に踏み込む。

 

 

 

 歩いていると、ちらほらと親と一緒にきている小学生であろう子供の姿も見えてきた。

 

 

 

 

 

 

「ここが帝王附属中学校、その学び舎だよ」

そういってズんと居を構える白亜の建物を差すコーチ。

 

おぉ~!真っ白。それが感想です。でもまあ正直普通。

今まで見てきた中学校とさして変わりはない、奇麗ではあるけど。

 

そんな俺の顔見て察したコーチが言う

「まあ勉強は最低限程度、ここはアスリートのための学校。そう言ったでしょ?」

 

付いてきて、そう言ってまた歩き出すコーチ。

 

 

 

 歩いて数分程度の間にもいろんな施設があった、野球、サッカー、テニス、そのスタジアムやコート等、土曜日だというのに、あるいは土曜日だからだろうか活気にあふれ、熱がこちらまで届く少年少女たちの掛け声がいたるところから聞こえてくる。

 

 ただ歩いているだけで、俺の中に流れる血がたぎってくるのがわかる。

 間違いない、ここがアスリートのいるべき場所だ。プロを育てる場所だ。

 

 そう、確信できる――できてしまう。

 

コーチが立ち止まる。目の前には大きな建物

 

 そして帝王附属 その陸上競技場だよ

そういって両手を広げて少し誇らしげに見せる。

 

――その気持ちがわかる。たしかに。ついこの間走った県営競技場、それに勝るとも劣らない競技場がそこにあった。歴史を感じる外壁だが行き届いた整備のあとの調和には安心感すら感じてしまう。

 

 

 俺はその中に外灯に誘われる蛾のように進む。

 

 

 通路をぬける間にもさっき通った野球やサッカーの活気や声に負けない掛け声が聞こえてくる。

 

 そうして通路を抜けフィールドに入る。

 明暗に瞼をしばたたかせること数度、その全体を把握できるようになる。

 

 

――うわぁ……。つい、声が漏れる。

 

後ろから付いてきていたコーチの微笑んだ音が聞こえた。

 

 

 インフィールド、アウトフィールドには走高跳、棒高跳、走幅跳、砲丸投のフィールド競技。トラックにはトラック競技をしている。中学生だと思われる少年少女、それよりも身体つきが大人に近い高校生だと思われる男女、みんながバラバラに、でもどこか整然に自分の競技に熱を入れている姿が見て取れた。

 

 

 クラブよりも多く、熱心な姿に心が動く。

 

 

 みんな、これが好きなんだ、勝ちたいんだ、負けたくないんだ。その一人一人の目が雄弁に俺に語り掛けてくる。

 

 「あれ、北じゃね?」「うわ、まじじゃん。うちくんのかな」「大きいな」「あぁ。」「足なっが」「かっこいい」

 

 あ、なんか視線がこちらに来ているのも感じたので

お辞儀をしておく。

 

 

「おら、お前ら自分の練習にもどれぇー」

手を払ってコーチが言うと、視線が切れる。

 

 

「ごめんね、太陽くんは帝王でも結構有名なんだ」

そう申し訳なさそうにこちらに話しかけてくるコーチ。

 

「いえ、寧ろ邪魔してしまったみたいで」

 眉を下げて謝っておく。

 

「それはないわね、えーっとウラくんとアタラくんも来ているはずだけど……」

 そう言ってあたりを見渡すコーチ

 

 同じ推薦枠の子たちだっけ、第一印象よくしないとなぁ、と思って自分の身だしなみを整えていると――。

 

――もにゅん、背中に柔らかい感覚。後ろから抱きしめられるような感覚。

 

 そして首筋、あるいは耳元に「すーっ」――空気を吸うような音。

 

 

 

「良い香りですね、興奮する」

――耳に吐息と一緒にかかる声

 

 

「ッ――‼‼」

 慌てて振り返ると派手で主張の強い赤髪、その垂れた前髪の隙間から見せる――ルビーよりも輝いて、血よりも深い赤い大きな、艶やかな瞳。

 

 

 それが俺の目を釘付けにする。

 

 

 

 

 

「ああ、来たか。紹介しよう。同じ推薦生の――」

 

そう言うコーチの口を手で遮って彼女は口を開く

 

「あたしはアタラ。アタラ・レイチェル・ラドクリフ・月」

「アタラでも月でも、好きに読んで、私の旦那様?」

 

 




バイクエアプ、でも(ry
■赤い影
なにかを食べて喜んでるよ‼︎かわいいね‼︎

■アタラ・レイチェル・ラドクリフ・月
12歳、赤目赤髪、身長170㎝ほど。デカい(確信)。ハーフ。
好きなものは日本アニメ

■コーチ
グラサン、ポニテ、デカい。趣味でバイクも好き。お前陸上だけじゃなかったんか⁉

■幼馴染
靴ひもが切れた。小さい。

■ウラ
謎の関西弁、糸目男。名前だけ登場。
なんや、声かけづらいなぁ……。


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