いつもの日常ものです

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呪われし未来姫

某所、インヴェーダーの2人が話をしていた。

1人は上官のように綺麗な兵服で、もう1人はローブに身を包んだ魔術師のような姿をしていた。

 

「カンタベリーの残党どもが我らに反抗しているようだな」

 

上官のインヴェーダーは魔術師に言う。

 

「ご安心をすでに対策は出来てます」

 

「対策?どのようなことをするのだ?」

 

「私が魔術で内側から崩壊するようにほんの少し背中を押すんです、それでターゲットは」

 

「勿論、憎きガーディアンで」

 

「宜しいでしょう」

 

魔術師のインヴェーダーは念を込め始めた。

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり浮遊城。

今日は甲冑ではなく私服で散歩をする女騎士、遠くで未来姫の姿が見える。

女騎士が手を振ると、こちらに気付いたのか未来姫も手を振りかえす。

 

 

「…!?」

 

未来姫はその時気づく、ヘラヘラした顔で手を振る女騎士の頭上に魔法陣が形成されている事を、そしてそれは徐々に魔力が高まっているようだ。

 

 

「危ない!」

 

走り出した未来姫は女騎士を突き飛ばす、それと同時に魔法陣から放たれた魔力を浴びてしまった。

 

 

「ううっ…ガーディアンは無事!?」

 

起きあがろうとする未来姫、体は特に痛みとかは無いようだ。

 

ふにょん

 

そんな音が聴こえるように未来姫の手に柔らかい感触が広がる、感触の正体、それは未来姫の右手が女騎士の胸を掴んでいたからであった。

 

 

 

 

 

再び某所

 

「よし!上手くいきました!」

 

「良くやった!…で、具体的にはどんな効果なんだ?」

 

「ふっふっふ…詳しい効果はこれを参考にしました」

 

魔術師のインヴェーダーは1冊の本を渡す。

 

「どんな魔術書だ、どれどれ…」

 

上官は渡された本を読み始めた。

 

その内容は1人の主人公がある日、他の世界からやって来た美少女と出会い、クラスのマドンナや委員長などとドタバタな日常を送るちょっとエッチな漫画だった。

 

「…何だこれ、渡すものを間違えてないか?」  

 

「いえいえ、間違えてなどいません、今回の魔術はずばり!エッチなハプニングで好感度爆下げ作戦!素敵な作戦でしょう?」

 

「まさか…この為に貴重なリソースを使ったのか?」

 

「ええ!だってラッキースケベが常に起きていたら戦いどころではではないでしょう?まあ羨ましいといえば羨ましいですが、ちなみに私はメインヒロインが好みでして」

 

「…衛兵、こいつを連れてけ」

 

上官は急に早口になった魔術師を独房に入れるように部下に指示をした。

 

「えっ!何でですか!?ちょっと離して」

 

上官は独房へと連れてかれた魔術師を横目に落ちた漫画を拾い、読み直す。

 

「ふむ…私は委員長の方が好みだな」

 

 

 

 

 

 

 

場所を戻して浮遊城。

 

「あっ…ご、ごめん…」

 

パッと手を離す未来姫、2人に気まずい空気が流れる。

 

「貴様ら、こんな真昼間から何を盛りあっているんだ」

 

酒瓶片手にベスが近づいてきた。

 

「別に、ただ転んだだけよ」

 

 

「こいつを押し倒して胸を揉んでいたのにか?むっ?お前から何か…同胞の魔力を感じるな、見たところ殺傷力は無さそうだが…ん?」

 

「何よ」

 

「何だこれ、どんな術式だ?というかそもそもこんな事をする意味がわからん」

 

ベスは未来姫をジロジロと見るとそう呟いた。

 

「何か分かるの?」

 

「ハッ!!教えてやってもいいがそれじゃあつまらん、精々自分で解決するんだな」

 

「貴方ね…!」

 

鼻で笑うベスに未来姫が掴みかかろうとしたその時。

 

どこからか現れたコーギー犬が走ってきて未来姫に体当たりをした。

 

「わっ!」

 

バランスを崩した未来姫は伸ばした手でベスの胸当てを掴んでしまう。

掴まれた胸当てはずるりと落ち、ベスは往来で上半身丸出しの状態になった。

 

 

「き」

 

「き?」

 

「きゃああああああ!!」

 

ベスから出て来たのは可愛らしい悲鳴だった。

 

 

 

 

 

 

「…で私達のところに来たわけ」

 

ソヒとマリアンの2人のところへやって来た女騎士と未来姫。

 

 

「ふーん…まあ確かに貴方の周りで色々起きているのは謎ね、飲んだくれ(ベス)の発言も気になるし調べてみましょう」  

 

ソヒとマリアンは頷くと女騎士と未来姫を見る。

 

「それじゃあ2人とも…抱き合いなさい」

 

「…はぁっ!?」

 

ソヒの発言に驚愕の声を上げたのは未来姫。

 

「そんなに驚く事ないじゃない、話を聞いた限りだと貴方が誰かに触れると不思議な事が起こるから抱きしめてみてって言ってるの、まあ別に触れるだけでもいいけど」

 

「あっ…そういう事」

 

理解したのか赤面する未来姫、女騎士は未来姫を不思議そうに見る。

 

「コホン…何でもないわ、とりあえず触るわね」

 

未来姫が女騎士に近づくと突如、研究室の机の上に置いてあった1枚の書類が風もないのに未来姫の足元に落ち、未来姫はそれで足を滑らせた。

 

「「「あっ」」」

 

3人が声を上げた時には、転んだ拍子に掴まれた女騎士のズボンがそのままずるりと脱がされた。

 

あはは…照れながらいそいそとズボンを上げ直す女騎士。

 

 

「なるほどね、貴方が何かを行うと因果律が操作されて所謂ラッキースケベな状態になるのね、しょうもないけど」

 

「運命を操作するなんて芸当、敵ながら流石と言わざる負えないわ、しょうもないけど」

 

 

「そのしょうもないのに困ってるの、何とならない?」

 

 

「簡単よ、呪い(のろい)の類なら呪い(まじない)のプロを呼ぶなよ」

 

 

「プロ?」

 

 

 

 

 

「それで私ですか」

 

暫く待っているとミヤがやって来た。

 

「ふむふむ…高度な術の割には杜撰と言いますか、出来なくもないですね」

 

「何とかなるの!?」

 

「しかし、事前準備が必要かと」

 

「準備?」

 

「いやぁ…まぁ…ねぇ?」

 

言葉を濁すミヤ、何かを察した女騎士がミヤに小さな箱を渡す、開けるとそこには女騎士の虎の子である青い宝石がいくつか入っていた。

 

「急に陰陽パワーがみなぎってきました!はあぁぁぁぁ!!!」

 

お札を取り出すミヤ、呪文を唱えるとお札が煌々と輝き始めた。

 

「今です!」

 

天にお札を掲げると、未来姫の体から呪詛を含んだ魔力の煙が現れ、お札はそれを吸収した。

 

 

「ふぅ…呪いの除去完了でーす、是非またご利用下さい、私は今からカジ…コホン、寄るところがあるので」

 

騎士から受け取った箱を大事そうに抱え、ミヤは夜の街へと駆けて行った。

 

 

 

 

 

-翌日-

 

 

 

「まぁ、解決してよかったわ」

 

あれから不思議な現象は起こる事なく、女騎士と未来姫はカフェで昨日の事を話す。

 

 

「しかしインヴェーダーも何だってあんなのを貴方にしようとしたのかしら」

 

全くわからないと言うように女騎士は肩をすくめる。

 

(最初のドタバタで気づいたけど、相変わらずお腹がぷにぷにだった)

 

なんて事を思い出していると背後から恐ろしいほどの殺気を感じた。

 

「誰!」

 

振り返るとそこにはプレデターを担いだベスがいた。

 

「ようやく見つけたぞ、よくも私をあそこまでコケにしてくれたな…許さん!」

 

「貴方、普段から裸みたいな格好じゃない」

 

「黙れ!あのような辱めは初めてだ!裸は大切な人以外には見せるなとおかあさ…母にも言われたのによりによって貴様なぞに…」

 

すっかり忘れていたベスを見ながら、姫様も大変だなと女騎士はコーヒーを啜る。

 

 

「殺してやる…殺してやるぞガーディアン」

 

 

まさかの粛清対象が自分だった事を知り、女騎士はコーヒーを吐き出しのだった。


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