災いの子   作:猪のような

6 / 16
祝、日間ランキング入り!いやー日間ランキングにあるの見た時はビビったー…これも何時も読んでくださる皆さんのお陰です。ありがとうございます!


第六話 入学

 

 

 

 

 

「えっと…取り敢えず話を整理致しましょうか…」

 

「ああ」

 

前回、何故かアクアから恋愛リアリティショーに出るように頼まれたクリス。ことの経緯はこう…

 

「先ず、打ち上げで鏑木Pと話し、母上の男性関係に繋がる話が出て来た」

 

「ああ」

 

「兄上は情報を聞き出す為にその話題に踏み込み、鏑木Pから母上の男性関係について知る代わりに、恋愛リアリティショーに出るように交換条件を持ち出されたと…」

 

「そうだ。けど偶然そこで…」

 

 

 

 

 

「そういえば、君と同じ苺プロに所属している…クリスタル君。彼にも出て欲しいんだよね」

 

「…クリスにですか?」

 

「ああ。彼もまたアイ君に似て非常に美しい、特にあの長い黒髪は瓜二つだ。もし彼が出てくれるならありがたいんだけどねぇ…」

 

 

 

 

 

「で、私に出て欲しいと…いや、出る必要ありますか?」

 

「仕事増やしたいんだろ。俺も正直恋愛リアリティショーとか精神的にキツい部分あるからお前がいてくれるとありがたいんだけど…」

 

「私も色恋沙汰には大変疎いのですが…」

 

「頼む、お前が出ると鏑木Pから何か追加の情報貰えるかもしれないしさ」

 

「…分かりました、引き受けます」

 

こうして、クリスはアクア共々恋愛リアリティショーに出る事になったのだった…

 

 

 

 

 

「という訳でして…」

 

『………』

 

「私、生まれてこの方恋愛のれの字も知らずに生きていたので。正直不安な部分もあるのですが……不知火さん?」

 

クリスが電話で不知火フリルに自分が恋愛リアリティショーに出る事を伝えていると、先程からフリルは黙ってばかりで反応が無い。

 

「あの、どうかされましたか?」

 

『………出る』

 

「え?」

 

『私も出る』

 

「何を言っておられるのですか…?」

 

フリルがとんでもない事を言い出し、クリスは若干呆れながらフリルを諌める。

 

「不知火さん、恋愛リアリティショーは次世代のスターが多くの人に知ってもらう為の謂わば登竜門とお聞きしました。不知火さんは既に世間からの認知度は高いでしょう?出るのは問題があるのでは…」

 

『出る、絶対に出る。推しと合法的に触れ合える機会を逃す訳にはいかない』

 

「不知火さんって本当に強かですね…」

 

『それに普通なら確かに問題だけど…今回はクリスタル君が出るなら話は別』

 

「私が?」

 

『クリス君だって武道関連で何度もニュースで報道されたり、特集を組まれてる。暗黒騎士シュラムも人気高いし…知らない人はあまり居ない程の有名人』

 

「そうなのですか…?」

 

『…少しは自分を客観視してみるべきだと思う。それで、今の状況は男性側にだけ認知度が高い芸能人が居る状態なの。つまり、女性側にも認知度が高い芸能人が居た方がバランスを取れる』

 

「なるほど…ですが不知火さんは元々お忙しいでしょうし、そもそも事務所が許すのですか?」

 

『……………が、頑張る』

 

「そんなに出たいのですね…取り敢えずは承知しました………今日はもう遅いですし、この辺りで終わりに致しましょう」

 

『ん、分かった。じゃあ、おやすみなさい』

 

「はい、おやすみなさい」

 

『ん゛推しからのおやすみなさい最こ(ピッ)』

 

最後に何かを言いかけたフリルとの通話を切り、クリスは電気を消して自室のベッドに横になる。

 

「……私が、有名人…思えば前世もそうでしたね…」

 

クリスの前世…夜叉を知らぬ者は日本には居なかった。あの時代、人々は夜叉を常に怯え、終わらぬ恐怖で苦しんでいた。だからこそ今の今までその存在は知れ渡っている。

 

「……私は…災い…」

 

クリスはそう呟きながら目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───何故だ、夜叉よ

 

ふと、クリスの耳元に何かの囁きが聞こえ始める。

 

───分かっているのだ、お前は災い、あらゆる人間に等しく降りかかる恨みなのだと

 

クリスはその声の正体を知っている。それは誰も知らない歴史に存在する者だった。

 

───だが、恨みで人を殺しているのならば、お前はあまりにも優し過ぎる…

 

夜叉にソレを殺める理由は無く、ソレらは夜叉に対して深い尊敬の念を抱いていた。

 

───夜叉よ、教えてくれ。無くなった群れの為に生きる必要が、どこにある?

 

夜叉はその問いに対して「自分がやりたいだけだ」と言った。

 

───……ならば夜叉よ、群れを作れ。お前を率いた群れでは無く、お前が率いる群れを作るのだ。

 

夜叉はそう言われると、ただ一言「断る」と言った。

 

───何故だ…?分からない…分からないのだ、お前はそんなにも………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間を、愛しているのに。

 

 

 

 

 

 

「………ふぁ…」

 

ソレが最後に言った言葉を聞いた瞬間、クリスは目覚めた。カーテン越しの光から外は既に明るくなり始めているのが分かる。

 

「……確かに、私は人として生まれた…だが……人として生きた事など、一度も無い。そう答えたら、あなたは益々不思議そうな顔をしましたね」

 

昔を懐かしむように穏やかな表情で、クリスはそう言った。

 

「今は、どうなのでしょうか。災いでありながら、人として生きるなど、出来ますか?平等に愛していながら、特別な一人など、出来るのでしょうか」

 

少なくとも夜叉は不可能だと言う。そしてクリスもそう思っていた。母が刺された日から自身に変化が起きているのは分かっていた。

 

「あなたはどうなのですか?もし、私のような事になっていたら…あなたにも変化が起きるのでしょうか?」

 

 

 

 

 

 

 

陽東高校の入学に近づくにつれてクリスの身の回りで色々な事が起きた。一番大きな出来事は出演していた聖騎士戦隊シュヴァリエジャーが終了した事だろう。映画化は確定らしいが取り敢えず唯一の仕事が終了し、クリスは達成感を得た。

 

クリスが通う中学での卒業式。クリスは殆どの部活で結果を出して来た存在。もはやこの中学校での伝説となっている。卒業式が終わった後、クリスは武道のある高校に進む同じ卒業生や、後輩達から手合わせを願われた。クリスは大勢の挑戦者に嫌な顔一つせず受け入れた。最後の手合わせが終わった時には既に夕暮れ時で、夕陽に照らされた挑戦者達の顔を見て、武道界に必要なのは自分では無く、この挑戦者達なのだと確信し、この道を進まない事が正しかったと確信した。ついでに告白も沢山されたが丁重にお断りした。

 

そしてある日…

 

『やったよクリスタル君。私も恋リア出る事になった』

 

「本当にやりましたよこの人…」

 

不知火フリルが恋愛リアリティショー番組…『今からガチ恋始めます』に出演する事になってしまったのだった…

 

そして迎えた入学式当日……

 

「おい、まだ掛かるのかルビー?」

 

「もぉー、ちょっと待っててばお兄ちゃん!この制服可愛いけど複雑なんだもーん…でもホント可愛い♪」

 

「初日から遅刻は勘弁してくれよ…」

 

「まぁまぁ兄上…」

 

「…っていうかスカート短過ぎないか?」

 

「お兄ちゃんって昔からおっさんくさいよね…」

 

三つ子が玄関に揃い、クリスが扉を開ける。

 

「では、行きましょうか」

 

 

 

 

「えーこれからの三年間、お互いに…」

 

入学式の途中。クリスは話を聞きながら周囲を観察するがフリルの姿が見えない。

 

(お仕事でしょうか)

 

入学式が終わり、それぞれの教室に向かう為に体育館から退場する。

 

「芸能科はF組だっけか」

 

「うん、途中まで一緒に行こ!」

 

三人で並んで歩いていると、クリスが背後に人の気配を感じ振り向く。

 

「おや、有馬さん」

 

「入学おめでとうアクア、クリス!あとルビー」

 

(姉上はおまけみたいに言いましたね…)

 

「ここ陽東高校は他の高校と比べて授業日数の融通が利くけど、普通に赤点取ったり出席日数足りなかったら留年もするしカリキュラムもそんな違いはない。でも!」

 

ルビーは振り返って歩いている他の生徒たちを指差す。

 

「あの子は俳優、あの二人は最大手アイドルグループの子、あそこの胸がでかい子はグラビアモデル。あれは声優と配信者、ファッションモデルに歌手、ベンチに座ってるのは歌舞伎役者と女優…みんな芸能人。ここは日本で一番観られる側の人間が多い高校でもあるわ 歓迎するわよ後輩……芸能界へようこそ」

 

かなにそう言われたアクアとルビーの表情は強い決意を持った人間の表情だった。そこから教室に向かう途中までかなも同行する事になる。

 

「緊張してきたー……クリスは?」

 

「私は特に…」

 

「すごー……やっぱ私より慣れてるよね、クリスは…私は緊張しっぱなしだよー…」

 

「そんな必要無いわよ。ここは養成所でも撮影所でもなくて普通の学校なんだから普通にしてればいいのよ」

 

そして四人がそれぞれの教室に向かう為に別れ、クリスとルビーは共に1ーFの教室に着き、扉の前に立つ。先ほどかなはああ言っていたが、ルビーは扉を前にして未だ緊張している。

 

「姉上、私が開けましょうか?」

 

「ううん大丈夫!よし……!」

 

ルビーは意を決して扉を開けると、そこには既に同い年の芸能人達が会話を弾ませていた。

 

(うわぁ…!右見たら美人、左見たらイケメン。地元の中学校とは、明らかに別物!)

 

「…あの、姉上?」

 

「あ、ご、ごめん!じゃあ入ろっか!」

 

ルビーが慌てて教室の中に入り、クリスもそれに続くように中に入ると、視線がクリス達の方を向き、ルビーは困惑する。

 

(え、な、何?何でこっち見てるの?)

 

「あれもしかして、星野クリスタル?」

 

「うわ、背たかっ、顔よ…」

 

「てっきり剣道が強い高校に行ったと思ってた…」

 

「一緒に入って来た子誰?どういう関係?」

 

どうやら有名なクリスが入って来たので視線が集中したらしい。

 

(ひぇ〜…まぁ、とはいえ?ママの遺伝子を受け継いでる私も顔では負けてないわけで…呑まれてなるものか!)

 

(不知火さんは……やはり来てませんね。私の席は…姉上からは少し離れていますね…)

 

二人が自分の席に座り、ふとルビーが隣の席を見ると…

 

(!凄い子おる!!)

 

そこには、制服の上からでも圧倒的な存在感を放つ胸部を持った桃色の髪の女子生徒がルビーの顔をじっーと見ていた。そしてルビーもマジマジと彼女の胸を凝視するが、視線を上げると目が合う。

 

「すんませんジロジロ見てもうて…めっちゃ美人おるやんおもて…やっぱ芸能科ってすごいわぁ」

 

「いやいやあなただって…モデルさん?」

 

「せやね一応。うち寿みなみ言います、よろしゅ〜」

 

「寿みなみ…あぁ、グラドルやってるんだ!」

 

「目の前でググるんは、非人道的やない…!?」

 

「ひぇ〜G〜?えちえちじゃ〜ん…」

 

「やめて〜!」

 

名前を聞いた瞬間にスマホでスリーサイズまで調べていくルビーをみなみが赤面しながら止める。

 

「リアル関西弁初めて聞いた!大阪の人?」

 

「いや生まれも育ちも神奈川。喋り方はなんていうか…ノリ?」

 

「エセ関西弁だった!?……あ、私星野ルビー、よろしくね!」

 

「ルビーちゃんね、覚えたで……ん、星野?もしかしてルビーちゃんって、星野クリスタルの……」

 

「ああ、クリスは私の同じ日に生まれた弟なの。後、私の上にお兄ちゃんが居て、私達は三つ子なんだ〜。あ、お兄ちゃんは一般科にいるよ!」

 

「へぇ〜三つ子って珍し〜……」

 

「姉上、もう隣の方と友達になられたのですか?」

 

クリスが仲良さげにしているルビーとみなみが気になったのか近づいて来た。

 

「あ、クリス!紹介するね、この子はグラドルの寿みなみちゃん!」

 

「初めまして、寿みなみさん。私、星野クリスタルと申します、どうぞ気軽にクリスとお呼びください。姉上共々、今後ともよろしくお願い致します」

 

「あ、うんよろしゅうな、クリス君」(うわっ目の前で見るとホント大人びててスタイルええな〜)

 

 

 

 

 

「っていう感じで友達になったみなみちゃん」

 

「どういう感じだよ……」

 

入学初日の為新入生は午前中に終わり、ルビーはみなみと共にアクアと合流していた。

 

「どうも〜」

 

「まぁ友達できたようで何よりだよ」

 

「お兄ちゃんは友達できた?」

 

「…… いや別に友達作りにこの学校入ったわけじゃないし…」

 

アクアは顔を逸らしながらそう言った。

 

「あっ…これできなかったやつだ… ごめんね辛い事聞いて…もう教室での話ししなくていいから…」

 

「話し相手くらいは出来たっつの。男子はいきなり友達認定とかしねぇから。元より一般科はそっちと違って中高一環だからそれなりに友達関係完成してて交友深めるの時間がかかるんだよ。別に入学ぼっちとかじゃねぇし。分かる?」

 

「アクアがすごく饒舌に喋ってる… みなみちゃんアクアとも友達になってあげて…」

 

「あはは、ええですよ〜」

 

「友達をお裾分けすんな…… 俺はいいから自分の心配をしろ。特殊な環境だし勝手も違うだろ」

 

「そうなんですよねぇ周りもプロだと思うと結構緊張しちゃうっていうか」

 

「そんな必要ないわよ。ここは養成所でも撮影所でもなくて普通の学校なんだから普通にしてればいいのよ」

 

「ルビーちゃん…!」

 

「どっかでまんま聞いたセリフなんだが」

 

かなのセリフをまるパクりしてあたかも自分の発言であるかのように言うルビーにアクアが呆れる。

 

「まぁ入学式見た感じ容姿の整ってるやつは多いけど媒体で見たことあるやつはほとんどいなかったから緊張する必要はないんじゃないか」

 

「…んーん、居たの凄い人……」

 

そうそれはLHR(ロングホームルーム)が終わり、物品購入に移ろうとしていた時の事……

 

「それではこの後教材などの物品購入がありますので……」

 

ガラッと扉の音が響き、教室に居た全員が不意にそちらを見ると、そこにはクリスが良く知る人物……そう、不知火フリルが居た。

 

「すみません 今日番宣で朝の生放送あって…入学式くらいは出たかったんですけど…」

 

「不知火フリル……」

 

「不知火フリルだ……」

 

クラス全体が不知火フリルという存在に目を奪われた。

 

「ああ不知火さん、良かった。取り敢えず席に着きましょうか、えっと………そこ、星野君の隣ね」

 

「えっ」

 

フリルが先生の言葉を聞いて自分の席を見ると、確かに隣にクリスが座っていた。フリルはクリスをジッと見ると、クリスはフリルに向かって微笑んだ。

 

(あ、しゅき……じゃなくて)

 

フリルは平静を保ちつつ、ゆっくりと自分の席に向かって歩く。そして自分の席の隣に立つと、再びクリスを見て固唾を飲む。

 

「失礼します」

 

「え、あ、はいどうぞ」

 

何故かクリスに礼しながらも自分の席に着いたフリル。生徒達はフリルに視線が釘付けになっているが今のフリルにはそんな事はどうでもいい。今最も重要なのは…

 

(最推しと席が隣とかホント最高過ぎる。ありがとう席を決めてくれた人、産んでくれてありがとうお母さん、そして今日も存在が眩し過ぎる若返るわこれありがとうクリス君)

 

そう、クリスと隣同士になった事であった。周りからしてみればフリルは真顔で変なところは見えないが…

 

(……不知火さん、鼓動が恐ろしいくらい早いのですが…大丈夫でしょうか)

 

クリスにはバレバレであった……

 

 

「不知火フリルが居たんだよ!」

 

「ウンウン!」

 

フリルが内心とんでもない事になっていたのも知らずに、ルビーはフリルの事を興奮しながら語る。

 

「月9のドラマで大ヒット!歌って踊れて演技もできるマルチタレント!美少女といえばほとんどの人がまず思い浮かべる不知火フリル!」

 

「いや当然知ってるけど。お前そこまでご執心だったのか」

 

「今最推しだよ!」

 

「ふーん…」

 

「ふーんて、あの不知火フリルだよ!?」

 

「いやまぁ、それはそうなんだけどな…俺の推しは今も昔もアイだけだし…」

 

「そりゃあ私もそうだけど…それはそれ これはこれ!」

 

(まぁそれに…不知火フリルも恋愛リアリティショー出るし…)

 

そう、実はアクアは恋愛リアリティショーのPV撮影で既にフリルと面識があるのだが、ルビーはまだ知らなかった。すると少し離れたところにフリルの姿が見えた。しかし…

 

「あっほらあそこに実物!はぁ~遠目でもかわい~…って、あれ?」

 

「マジでただのファンじゃん…どうした?」

 

「不知火フリルの隣にいるの、クリス?」

 

フリルは一人では無く、クリスと一緒に居た。

 

「……そういえばさっきからいねぇなと思ってたよ…」

 

「ちょっと用があるから先行っててって言われたけど…不知火フリルと話してる…!?って、お兄ちゃん?」

 

アクアは二人に近付いていくと、クリスが気付き、フリルもクリスに教えられてアクアに気付く。

 

「こんにちは、不知火さん」

 

「アクア君。この前のPV撮影以来だね」

 

「ああ。そういえばクリスもだけど、妹もクラスメイトなんだ。仲良くしてやってくれ」

 

「ちょっとお兄ちゃん!?」

 

「それは勿論将来的に家族になるんだし……さっきクリス君からも言われたから…そういえば、今日あま観たよ」

 

「ホントに見たのか…」

 

「うん、アクア君の演技、良かった」

 

「ありがとう」

 

フリルはアクアとの会話を終わらせるとみなみを見る。

 

「そちらの方はミドジャンの表紙で見たことあります。みなみさんでしたっけ」

 

「はい!」

 

アクアとみなみがフリルと会話しているのを見てルビーは固まってしまう。

 

(すご、二人とも不知火フリルから認知されてる…もしかしてクリスも?)

 

するとフリルはルビーの方に視線を向けた。

 

「あなたがルビーさん?クリス君とアクア君からお話は伺っています。えと、それで…ごめんなさい、何をしてるのか教えてもらっていい?」

 

「あ」

 

フリルがルビーにそう質問したのを聞いてクリスはしまったと思った。

 

「私はその…今のところ特に…」

 

「…そう…えっと…頑張って」

 

苦しい表情を浮かべながらそう言ったルビーに対してフリルは励ましの言葉をかけ、その様子をクリスとみなみは苦笑し、アクアはため息を吐きながら見ていた。

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁん!!ミヤえもーん、早く私をアイドルにしてよぉぉぉ!!」

 

帰って速攻ルビーはミヤコにそう言って泣きついていた。

 

「急かさないで。アイドルグループ作りますはいオーディションってわけにもいかないの」

 

「でも、このままじゃ…」

 

ルビーの脳内に悪い予想が展開される。

 

「あの子、特に仕事無いらしいよ」

 

「えっ、一般人じゃん」

 

「何か一般人が紛れ込んでる」

 

「厄介なミーハーじゃん」

 

という他の生徒からの心なき想像の口撃がルビーの心に突き刺さる。

 

「このままじゃいじめられる!」

 

「大丈夫です、姉上は私が守りますから」

 

「あ、なら大丈夫かってならないよ!」

 

「そうですか…」

 

「はぁ…ちゃんとしたグループ作るにはちゃんとしたスカウト雇ったり手続きもいるのよ。そうそう可愛い子なんて見つからないんだから。意欲のある子は大手のオーディションに粗方持っていかれちゃうし…」

 

「芸能科に寿みなみちゃんっていう胸バカでかくて可愛い子がいるんだけど」

 

「他所の事務所の子でしょダメ!」

 

ルビーがみなみを推薦するが即却下され、項垂れる。

 

「フリーの子ならまだしも…事務所間の揉め事は御免よ」

 

その言葉を聞いてアクアの脳内にある人物が浮かび上がってくる。

 

「フリーなら、いるじゃん」

 

「「「?」」」

 

三人が一斉にアクアの方を向く。

 

「フリーランスで名前が売れてる割に仕事がなくて…顔が可愛い子…」

 

「……あ、有馬さんですか?」

 

「え、ロリ先輩!?」

 

「ああ…有馬かなならどう?」

 

「そうね…確かに彼女なら見た目も問題無いし、良いんじゃない?」

 

「ええー…いやまぁけど確かに…」

 

ルビーは暫く悩むと、突然「あっ!!」と声を出してアクアとクリスを見る。

 

「そういえば思い出したけど、二人とも何か不知火フリルと仲良さげだったよね。何で!?」

 

「二人が今度不知火フリルと一緒にある番組に出るからよ」

 

「ええっ!?」

 

ルビーの疑問にミヤコがそう答えると、タブレットを操作して画面を見せると、そこには男4人女4人の計8人の男女が映っており、その中にはアクアとクリス、そしてフリルの姿があった。それだけでも驚いたのだが、更にルビーを驚かせる事実が画面に映っていた…

 

「こ、これ、恋愛リアリティショー…!?」

 

「そうよ」

 

「ふ、二人が、恋愛ぃぃぃぃぃぃ!!?」

 

ルビーは叫びながらまるであり得ないものを見るかの様な表情になり、画面を食いつくように見ていた。

 

 

 

次回 恋愛リアリティショー編、開幕。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




圧倒的やっちまった間。かなり無理があったと思っている。けど作者はこんな展開しか思いつかなかった、許してください…よければお気に入り、高評価、感想よろしくね!作者のモチベに繋がるから!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。