私のおじいちゃんはとても変だった

不思議なお化けが見えるし、お父さんが言うには超能力が使えると言ってた

そんな嘘つきおじいちゃんが、蔵の中だけは大事にしろって言った


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おじいちゃんについてるモノ

 

幼い頃からそうだった。私は変な事によく巻き込まれる。

一番最初に巻き込まれたのは、小学5年生のときだった。

私にイタズラをした男の子が、怪我をした。転んで。

でも、男の子は転んだんじゃない転ばされたと激しく言った。

何かが足を掴んで、激しく引っ張ったせいで自分は転けたのだと。

 

みんな信じなかった。でも、私はその子の言うことを信じた。

と言うか、信じざるを得なかった。みんなは気付きてない、というか、見えてないんだろうけど、男の子の足にはハッキリと手型が残っていた。夢だと思って両手でパンパンと頬を叩いて、目を擦って再確認すると、そこには最初から無かったみたいに、手型は消えていた。

 

そのことをおじいちゃんに伝えると、おじいちゃんはとっても怪訝な顔をして。一言いった。

 

あいつらめぇ〜

 

あいつら?と私が聞き返すと、おじいちゃんは笑った。

 

あぁ、気にする事は無いよ。おじいちゃんの独り言だ。

 

おじいちゃんはそう言って私の頭をわしゃわしゃと撫でた。

とっても大きくて、ゴツゴツしてて、優しい手だった。

おじいちゃんは田舎で暮らしてた。元々はマシュおばあちゃんと暮らしていたんだけど、マシュおばあちゃんは身体が弱かったらしくて、私が生まれる前には既に死んじゃってた。だから、私が知ってるおばあちゃんは遺影の若くて笑った時のまま。

 

おじいちゃんは自慢のお嫁さんで、後輩だった。

そう、いつも自慢している。後輩だから、おじいちゃんはマシュおばあちゃんにとって先輩だったみたい。とても仲が良くて、一緒に大冒険をしたんだっていつも言ってる。でもね、私知ってるんだ。そんなのは嘘だって。だって、大冒険したのに写真も無いんだもん。

 

だから、おじいちゃんは嘘つきだ。

 

 

 

あ、でも子供の頃は騙されちゃったけどね。

 

 

 

でもね、おじいちゃんって冒険好きだったんだなって思う。

山で会ったイノシシに向かって魔獣だ!とか言っちゃうし。

でも、本当に変なことがあったんだよね。おじいちゃんがね、熊をその辺の木でボコボコにして追い返しちゃったの。おじいちゃんこんなに強かったの!?と疑問に思ったけど、熊は何かに怯えて直ぐに逃げた。

 

 

はっはっはっー!見たか!ワシの剣さばき!

 

 

とおじいちゃんは言っておじいちゃんは木の棒を掲げた。

おじいちゃん、熊は臆病な生き物だからびっくりしたんだよ、それ。

そう、思ったけど言わなかった。言うと、おじいちゃんの長い長い冒険の作り話を聞かされるからね。それで、その日はおじいちゃんからお守りをもらった。変な見た目のお守りだったよ。

 

何でも、特別な力が込められたお守りだとか。

確かに古いお守りだったけど、そんなの嘘っぱちでしょ。

そう思いながらも受け取ったけど、おじいちゃんは珍しく真剣な顔で言った。

 

 

いいか、肌身離さず持ってろ。いつかお前を助ける日が来る。

 

はいはい、といつものように聞き流そうとすると、おじいちゃんは今度はもっと真剣に言った。

 

絶対に離すな

 

その、真剣な眼差しと気迫に私は飲まれた。

ごくり、と生唾を飲んで、私はうなづいて首からお守りをかけた。

不思議と、あったかい気分になる……なってるよね?

 

よし、今度はおじいちゃんが楽しいお話を聞かせてあげよう!

 

こうして、またおじいちゃんの長話が始まった。

 

それから暫くして高校生の時かな?私、学校の皆と廃校に入って肝試ししたの。ちょうどネットで有名になってたスポット。んで、そこにはお化けが出るって聞いて。んで、入ってみたら本当にやな雰囲気でさぁ。もう敷地内に入った瞬間からズン!って空気が重くなるような?

 

私は途中気分が悪くなって、気を失っちゃった。

皆倒れた私を介抱してくれたんだけど、不思議なことを言ってた。

 

 

狐が出たと

 

 

狐?何をそんな馬鹿なことをと思った。田舎ならまだしも狐が出るような土地じゃないし、廃校になっただけで周りには人は沢山住んでる。

でも皆は言うんだ。狐が部屋の中に現れて、オバケをやっつけたと。

ホント、みんな怖くて幻覚を見たんだなぁと思った。そんな幻覚見るくらいならば、倒れていてよかったと思う。

 

それから暫くして校舎は完全に取り壊されたらしい。

 

 

 

そして、大学へ上がる頃、おじいちゃんは倒れて病院で寝たきりになった。今夜が山だと言われる中、家族みんなですっ飛んでおじいちゃんの元へ向かうと、おじいちゃんは独り言をぶつぶつと言っていた。

 

もうすぐ、マシュに会えそうだよ

 

おじいちゃんは寂しそうに、嬉しそうに、懐かしそうに言った。

 

ん?俺か?俺はなぁ、英霊にはなれないなぁ

 

ははっ、確かに一度は世界を救ったがそれだけじゃあなぁ…

 

俺は何もしてないだろう。みんなが居たからだ。あぁ、みんながいたからだよ

 

ドクター、マシュ、ダヴィンチちゃん。数え切れないなぁ

 

おいおい、向こうでも追いかけ回すつもりか?勘弁してくれよ、辛い

 

それを見た看護師さん、お医者さん、お父さんお母さん。皆もうおじいちゃんは長くないんだなと、悟って泣いた。私も、悲しかった。

しばらくして、みんなでおじいちゃんとお話をした。

でも、おじいちゃんは最後に私一人を残して話したいと言った。

他ならぬ最後の願いということで、皆言うことを聞いて私は1人残った。

 

ワシが死んだら、蔵の中にあるものをお前にやろう

 

蔵?なんの事?と聞き返した

 

あれは大事なものだ。おおっと、売ってはくれるなよ?おじいちゃん、向こうでドヤされちゃうからなぁ

 

なんのことか分からずに居ると、おじいちゃんはそっと私も頬に手を当てた

 

きりえ、あぁ、きりえ

 

おじいちゃんは私の名前をそう何度も読んだ。

マシュおばあちゃんの名前からとったと、聞かされていた。

 

本当に、本当にあのころのマシュみたいだ

 

私はおじいちゃんをそっと抱きしめた。

おじいちゃんも驚いたけど、強く抱き締め返してくれた。

 

ありがとう、もういいよ。くれぐれも、蔵の中の物は頼んだからな

 

そう言っておじいちゃんは布団に入った。そして付け足すように

 

エッチな本は棺桶に入れてくれと、そういった。

 

もう!おじいちゃんったら!と一発かましてきた。

おじいちゃんはげらげらと笑いながら、早く帰って寝ろと言った。

そして、次の日。おじいちゃんは死んだ。死に顔は安らかで、満足したような優しい顔で。葬式の時は数え切れない程の人が参列した。

おじいちゃん顔が広いなんて知らなかった。

 

えーとなんだったかな?魔術師、協会?時計塔?の人達が来てるらしくて、ホント、危ない宗教にまで手を出していたんだと、家族は騒然としていた。そんな中で、おじいちゃんよりもおじいちゃんの人が、泣きながら棺桶にすがりついていた。

 

私より先に逝くなんて……君はなんと許し難い男だ!全く!

 

そう、棺桶に向かって言ってた。名前は確かえーとゴルドルフ?さん?

おじいちゃん、外国の人とも仲良かったんだなぁって。

そういえば、おじいちゃんが持ってる若い頃の写真って外人の人とよく写ってたな。

 

やがて葬式が終わると、私はある事を思い出した。

 

蔵の中の物を大事にしろと、そう言ってた。

おじいちゃんには悪いけど、納骨が終わって直ぐに蔵に向かった。

なんだか、行かなきゃ行けない気がして。家の隅っこにある大きな蔵へ。

 

ここ、だよね

 

なんだかんだ中に入ったことがなくて、前に立ってみると不思議な感じがする。それで、もっと不思議な事に鍵、開いてたんだよね。

中をそっと開けると、埃っぽい匂いがした。奥に行けば不思議なブローチが置いてある。

 

なにこれ?そう思い手に取ってみた。緑色の大きな大きな宝石で、えーっと確か……スカラベ?ってやつか。エジプトだか、あっちの方の。

そして、暗闇に目が慣れてきた中、よくよく見渡すと周りは宝石まみれだった。そして、一つだけ気になるのは壁に立て掛けられた大きな大きな盾。人が使うには大きすぎるし、重すぎるでしょ。

 

そう思って触れると、突如盾が光った。私は驚いて尻もちをついたが、何も起きない。光ったように見えたのかな?と思ったけど、目がチカチカしてるし、ホントだよね。と確認できた。でも、その後は本当に何も無いから蔵から出ようとた時、外から唸り声が聞こえた。

 

ぐるるるるるるる〜

 

なに、何この声。

 

ぐるるぅ

 

人の声じゃない。でも、ケモノ……でもない。

ゾンビみたいな声だった。私が怖くて動けずにいると、ソレは中へと入って来た。

 

ひっ!

 

私は怖くて声すらあげれなかった。

溶けたような身体に、暗闇で真っ赤に光る瞳。

そして歯茎をむき出しにしたまるで怪物のような見た目。

人じゃない、ケモノでも無い。私の表現は正しかった。

 

でも、、、それじゃあ、あれは何?

 

怯えて動けない。明らかに人外な何かが襲ってきている。

こわい、こわい、こわい。恐怖が心を身体を、支配する。

それは何体も何体も集まってきて、蔵の外を覆い尽くした。

もうダメだ。ここで死ぬんだと、そう思った時、お守りが光っていることに気づいた。

 

もうなんでもいい!助かるなら何でもする!そう思ってお守りを取り出すと、お守りは光を放って、そこから着物の綺麗なお姉さんが飛び出した。

 

みこーん!マスターの危機とあらば即推参!

 

な、何……これ

 

あらら?アナタは確かマスターの……ふーむふむふむ、なるほどぉ?

 

べたべたと私を触って確かめる女の人。

 

ふーむ、確かに、マスターの匂いがしますね。ついでに、マシュさんとっても似てますしー

 

ぶすっ、とした態度で言った。よくみれば、ケモ耳がついていたり、しっぽがあったりこの人も人じゃないんだなと分かる。

 

さてさて、それはさておき私の大切な人のお孫さんを傷付けたこの下郎共は片付けちゃいますか♡

 

ぐるあああああああああああ!

 

えーい、みこーん☆

 

そう言いながら、札を取りだして何かを唱えると、怪物達は消え去った。目の前の、ケモ耳お姉さんは残して。

 

ふぅ、片付きましたー。どうやらここの霊脈が突然目覚めてしまって、それに釣られたようですねー。今後は気をつけてくださいまし?

 

は、はい

 

それじゃ、私はこの辺で

 

そう言って淡い光を纏ってゆっくりと足から、消えてしまった。

なんだったんだろう?今のは。夢?幻覚?

ほっぺをつねってみる。痛いなぁ。太ももの裏。もっと痛い。

肘は……ここは……痛くないね。私は抜けてた腰が元に戻って、動けるようになって、とりあえず蔵を出た。

 

不思議な出来事だったけど、なんだったんだろうね。あれ。

そういえばおじいちゃんって、蔵の中についてはなーんにも教えてくれなかったなぁ。

 

やっぱりおじいちゃんって嘘つきだ。

 

今でもたまにあの蔵は掃除に行く。するとね、毎回なんだか楽しそうな声が聞こえるの。おじいちゃんと、沢山の人が笑うような声がね。

 

ホント、私って不思議な体験ばっかするなぁと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





つづく




かも

続くか続かせないか

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