貞操逆転世界でも陰の実力者になりたくて!   作:あああ

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なんでこんなの日刊ランキングに挿入れちゃったんですか……?


ドスケベテロリスト制圧RTA

 

 もうすぐ夏がやってくる。

 

 そんな感じの天気の下、僕は元気に木剣を振っていた。現在は午後の実技科目の最中、アレクシアから解放された僕はヒョロやジャガと一緒に授業を見学している。

 

 そうだ、言い忘れていた事がある。ゼノン先生のことだ。彼はあの後なんやかんやで、衛兵の所にぶちこんでおいた。

 

 最初は普通にぶっ殺しても良いかな、と考えていたが彼のせいでアレクシアと付き合う事になったので、その腹いせにである。犯罪を犯した男の死は、少なくともこの世界においては慈悲なのだ。

 

 ここで一つ補足しておこう。王国において、国家転覆なんて大罪を犯した男性は、()()()()()()()()に監禁され()()()()()に従事させられる。

 

 つまりそういう事だ。彼は犠牲になったのだ。国の出生率に貢献してもらおう。南無三。

 

「そろそろ武神祭の季節ですねぇ」

 

 そんな感じでゼノン先生に合掌していると 、ジャガが話しかけてくる。

 

「そうだな」

 

「そうだねえ」

 

 武神祭っていうのは2年に一度ある剣のでっかい大会。国内は当然として、国外からも名のある剣士が集まるのだ。で、武神祭には学園枠があって、その枠を決めるのが選抜大会だ。ブチン祭ではない。

 

 ちなみに男が出場して負けると大体エロい目に合う。実質、公開処刑みたいなもんだ。

 

 当然平凡なモブである僕はそんなものに出場して注目を集めるつもりなど全くない、あり得ない。

 

「僕は出ないよ」

 

「ああ。こっそりお前をエントリーさせようと思ったが、さすがに男は本人が出さなきゃ駄、ブフゥッ!!」

 

 大会の出場システムに感謝するんだな。もし出場する事になってたら、僕のアトミックが火を吹く所だったよ。

 

「ヒ、ヒョロ君ッ!! 突然どうしたのですか!」

 

「だめだ、完全に失神してるな。保健室に運ぶから手を貸してくれ」

 

「あ、ヒョロ君泡吹いてますね」

 

 突然の発作でヒョロが倒れたということで、先生に許可を貰って保健室に運ぶ。 ちなみに、先生はテ○ノブ○イクを疑っていた。そんなわけないだろ。

 

 その途中。

 

「なんだあれ」

 

 僕は校舎に入っていく物々しい集団に気づく。

 

「あれは……アイリス王女もいますね」

 

 ついでにアレクシアもいた。アレクシアは僕と一瞬目が合うと、フンッと逸らした。

 

 僕は彼女が乱心して痴女になったことをまだ誰にも言っていない。彼女が僕に関わらない間は、あの事件は誰にも言わないつもりだ。相互不可侵条約、彼女は彼女でエッチな事を楽しめばいいさ。最近かなり調子いいみたいだし、()を磨くのは良いことだと思う。僕を襲わなければ。

 

「そういえば、アイリス王女からミドガル学術学園の方に何か調査の依頼をしているとか聞きましたね」

 

 ジャガはこう見えて情報通だ。僕らが通っているミドガル魔剣士学園は馬鹿でかくて、同じ校舎内にミドガル学術学園があるのだ。そっちは学問とか研究とかやってるらしい。どうせエロ目的だろう。

 

「ふーん」

 

 そういえば新しく部隊を作るとか言ってたっけ。

 

 僕とジャガは騎士団の連中を見送って、ヒョロを保健室に放置して、そのまま授業をサボった。 襲われないように祈るぐらいはしといてやろう。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「俺がいい店紹介してやるよ」

 

 そろそろ帰るかと帰り支度をしていると、ヒョロが話しかけてくる。

 

「最近話題のT○NGA商会って所だ。何でも目新しい物を扱ってるらしくて、中でもチョコレートだかって菓子が甘くてクソ旨いらしいんだ」

 

「甘いお菓子ですか、いいですねぇ」

 

 はっきり言って、もう嫌な予感がする。いつだかの事業計画書にのっていた企業名と、似たものを感じたからだ。だがこの世界のチョコとやらにも少し興味があるのは事実である。

 

「よっしゃ、行こうぜシド」

 

「行きましょう、シド君」

 

 目を輝かせる2人。

 

「わかった、行くよ」

 

 僕は溜め息と一緒に言った。

 

 杞憂であることを祈ろう。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 僕の目の前にはガンマがいる。予感は的中、やはりこの商会は彼女が立ち上げたものだったらしい。あの後、ヒョロたちと一緒にこの商会にやって来た僕は、アンケートの名目でここまで連れ出されたというわけだ。

 

 ここでガンマについて説明しておこう。アルファ、ベータに続く3人目の古参メンバーで、聡明な顔立ちと理知的な青い瞳、こいつ絶対頭いい奴だって一目で分かるシャドウガーデンの頭脳である。 ちなみに大体エロ目的でその頭脳は活かされる。運動神経はめっちゃ悪い。

 

「永らくお待ちしておりました、主様。あっ♡」

 

 僕が座る巨大な椅子の前で、彼女はまるで女優のように跪く。後ちょっとイクな。何やってんのほんとに。

 

 まあそんなことは置いてといて。

 

「ガンマ……」

 

 良いぞこれ。

 

 巨大な吹き抜け空間、天窓から降り注ぐ茜色の陽、レッドカーペットの脇に跪く美女たち。

 

 まさに王、陰の世界の王になった気分だ。

 

 ガンマもよくここまで金のかかったセットを用意してくれた。

 

 僕は感動に心を震わせた。そして足を組み、左手で頬杖をつき、右手を掲げる。そしてその右掌に()の魔力を集め、天に放った。

 

 白色の光はそのまま天井近くまで打上がり、そこから無数に分裂し室内へ降り注ぐ。

 

 ちなみに本来は青紫にしたかったのだが、何故かどうやっても白にしかならなかったのだ。最悪である。

 

「褒美だ、受け取れ……」

 

 それは光の雨。

 

 雨は跪く彼女達に当たり、その身体を一時白濁色に染めた。本当に最悪である。

 

「今日という日をっ、ふぅ……致します。」

 

 震える声で言うのは、傍らに跪くガンマ。多分本当に喜んでいる。本当の本当に最悪である。後、致さないで。

 

「ところで、この商会について聞きたいんだけど……もしかして昔僕が話した知識使ってる?」

 

 話を戻そう。そう、この商会だ。どう考えても僕の知識が使われているように思えるのだ。ガンマはよく僕に話を聞きに来ていたからな。『陰の叡智』をだ。決して『陰のH』ではない。

 

「はい、主様よりお聞きした神の如き知識のほんの一片を微力ながら再現させていただきました」

 

「そ、そう……ちなみにアルファとか、みんなも知ってるの?」

 

「はい、勿論でございます。ここから発売された新商品D○LDはシャドウガーデンでも大人気でございます。」

 

「………………」

 

 君たち、ほんとに遠慮がなくなってきたね。

 

 

 

 

 

 

 その後、商会の規模を聞いたり、金貨をパクったりと色々やって、そろそろ帰ろうかなと考えているとガンマが話しかけてくる。

 

「主様が本日来訪された理由は察しております。当然、例の事件についてでしょう」

 

「ああ」

 

 僕は頷いた。例の事件って何だ。

 

「申し訳ありません。現在、捜査を続けていますが、未だ犯人はわかりません。しかし、今しばらくお待ちください。王都に現れた()()()()。漆黒の衣を纏い、シャドウガーデンの名を騙る愚者は、このガンマが必ず仕留めてみせます」

 

「ふむ……」

 

 初耳である。痴女なんてしゅっちゅう現れるからね。気にしたことなかったよ。

 

「なるほど、そういうことか。心当たりがある。一度、探ってみる」

 

 だがとりあえずカッコつけてみる。そうしていると、

 

「ニュー、来なさい」

 

 ガンマが僕を案内したダークブラウンの髪の女性を呼んだ。

 

「この子はニュー。13番目のナンバーズです」

 

「ほう」

 

「まだ入って日が浅いですが、その実力はアルファ様も認めています。雑用や連絡員として自由にお使いください」

 

「ニューです。よろしくお願いいたします」

 

 どうやらお付きの者的な人を用意してくれたらしい。彼女の声は興奮で震えているようだった。正直言っていらない。

 

「用ができたら呼ぶ」

 

「はっ」

 

 近寄らないで欲しいので、とりあえず下がらせる。

 

 とにかく今日は疲れた。もう帰って休む事にしよう。

 

 

 

 

 

 

 あ。チョコくれたのだけは感謝しておくね。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 見られている。

 

 クラスに入って感じたのは、複数の視線だった。

 

 みな僕を見てヒソヒソと話している。

 

 ここであの後のことを話しておこう。あの後、陰の実力者プレイが出来そうな気配を感じた僕は、ヒョロとジャガにウ○コとことわって裏路地に向かった。そこでアレクシアを助けたり、よくわからん変態をニューに任せたりして帰ったというわけだ。

 

『彼が……』

 

『野外プレイがお好きなんですのね……』

 

『ス○トロ……』

 

 最悪である。特に最後のやつ。

 

 ヒョロとジャガを睨むと、二人とも目を泳がせた。

 

 

 

 

 

 

 まあそんな感じで、そろそろ武神祭だなあなんて事を考えつつ日々を過ごしていくのだった。ちなみにチョコはたまたま近くにいた桃色の髪をした子にあげた。

 

 よく考えたら何入れられてるかわからないからね、しょうがないね。なんかパッケージも店にあったやつと違ったし。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 武神祭もつつがなく終わり、夏休みまで後少しといった頃。蝉が鳴き始める頃だ。ちなみに変態は年柄年中ないている。うるさい。

 

 授業は少し早めに終わったが、生徒会選挙だかなんだかで待たされている時だった。生徒会長を含む二人に女生徒が入ってくる。どうやら選挙の説明に来たらしい。

 

 彼らの話を適当に聞き流しながら、魔力制御の訓練をしていると、

 

「あれ?」

 

 魔力が練れなくなる。なんとかすればいけるか? そんなことを考えていると、何かが近づいてくる気配がする。

 

「来るッ!」 

 

 そんなことを言った直後、大きな爆発音とともに、抜剣した黒ずくめの女たちがなだれ込んでくる。

 

「全員動くな! 我らはシャドウガーデン、この学園を占拠するッ!」

 

 そう叫ぶ女たち。

 

「嘘だろ……」

 

 僕の呟きは周囲の悲鳴にかき消される。

 

 どうする? どう動く? 

 

 そんなことを考えている間に、生徒会長に剣がつきつけられていた。どうやら突っかかっていったらしい。

 

 待て。

 

 そう。学校にテロリストが攻めてきた時、最初にやられるのはモブの役目なのだ。決してメインキャラではいけない。

 

「やめろおおおおおおおあああああ!」

 

 魂の咆哮と共に、僕は二人の間に割り込んだ。

 

 よし。後はタイミングを見計らって『モブ式奥義十分間の臨死体験』 を行えば……。

 

『よくもシド君を!』

 

『魔力使えないのがなんぼのもんじゃい!』 

 

『ぶっ殺してやりますわ!』

 

 あれ? なんか勝てそう……い、意識が……。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 あの後のことを説明しよう。テロリストは制圧された。

 

 もう一度言おう。テロリストは制圧された。 

 

 どうやら魔力使えないのに、ゴリ押しで勝ったらしい。ここの生徒強すぎワロタ。

 

 『叛逆遊戯』の○ックスも倒したらしい。その遊戯、絶対夜の遊戯だろ。

 

 後、首謀者のルスラン副学園長も捕らえたらしい。あ、この人は男ね。

 

 そうそう、首謀者はルスラン副学園長だった。驚きである。きっと彼も、この国の出生率向上に貢献してくれるだろう。南無三。

 

 総括すると、今回僕は何もできなかった。陰の実力者プレイもアトミックも何も、である。

 

 ほんとにみんな強すぎワロタ。

 

 ワロタ……。

 

 ふぁっきゅー。




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