クッソ難産ンン……………………。
お別れシーン構想はあったが、そのさらに前のシーンまで考えてなかったぁ…………。
正直もう一度推敲したいが、現状作者にこれ以上は書けそうにない。
後、そろそろペーパームーンクリアして、サバフェス2023に備えて、詰んでるゲームして、読まずにいるネット小説も読破したいぜ。
まあそんな作者の都合はともかく、未だ読んでくださってる皆様いつもありがとうございます。本文をどうぞ。
カフェでの話し合いの結果────俺は、夏休みが終わるまでにおじいちゃんたちの住む、そして母さんの生国であるイギリスへと渡ることを決めた。あちらの学校に通うのは少し後になるだろうが、少しでもあちらの生活や風土に慣れるためだ。
両親、というか母の知りたくなかった新事実を知り、正直「これ以上知るのはちょっと怖いなぁ」とか思いもしたが、なんとか最初の決心を鈍らせることなく祖父母と暮らすことを選択した。
…………了承する時にちょっと声が震えてたとか、冷や汗が出てたとか、そういう事実はない。ないったら、ないのである。いいね?
二、三度、先生とおじいちゃんが、本当にいいのか、その選択を後悔しないか、と問うてきたが、俺の決心が堅いものであると知るとそれ以上は何も言わなくなった。
細々と決めるべきものはまだあるが、今回の目的である『おじいちゃんからの謝罪』と『これから先の俺の進路』の大枠が決まったことで、今回の話し合いの場もお開きとなる。
全員でカフェから出て、夏の日差しの下に戻ると、黒塗りの外国車がおじいちゃんの送迎に来ていた。…………マから始まる職業の信憑性が上がる代物に、内心震えているとおじいちゃんが近寄ってきて、こう言った。
『あちらでの生活に不自由しないように、諸々の手続きや手配はこちらで進められるところは進めておこう。……それと、カフェの店主には言い含めておいたから、ここには自由に出入りして構わないよ?』
『いやぁ、流石にあのお値段はちょっと厳しいかなぁ……』
『支払いは気にしなくていいさ。立香と、あと一緒に来た友人の飲食代は私宛に請求するようにしてあるからね』
『うん、そこではなくて。いや、そこも大事なんだけど、そもそもこんな高級そうなとこに何度も出入りするのは』
『立香』
『うん?』
『…………私は、美味しいものを食べるのが好きだ』
『うん……?』
『……………………孫とのティータイムなら、普段より少し羽目を外して食べてもいいと思わないかな?』
『先生ー、さっきのおじいちゃんの摂取カロリーは大体、如何程ー?』
『ん? そうだねぇ、大体『ストップだドクタァァァ!!』うぉおお!?』
その発言で大体の事情*1を察した俺が先生に話を振ると、全力で先生を羽交い絞めにして妨害しようとする我が祖父。そうこうしているうちに迎えの車から、おじいちゃんよりちょっと年上くらいの人物が出てきた。
その人────シルバーブロンドの長髪を軽く結わえた中性的な雰囲気の男性は話が聞こえていたのか、あるいはおじいちゃんの行動からある程度の事情を察したのか。何やらおっかない笑顔を浮かべておじいちゃんの襟首をとっ捕まえると、おじいちゃんが溢す苦し気なうめき声に構わず車へと引きずっていき、後部座席へと叩き込んだ。
『では、我々はここで失礼させて頂きます。何かあればこちらにご連絡を。──後、先程の醜態についてはお忘れくださいますよう』
『『『アッハイ』』』
丁寧かつ礼儀正しい所作と言葉とは裏腹の有無を言わさぬ声音に一同、異口同音にそう答える。それを聞き男性はにこやかに微笑んで運転席に乗り込むと、そのまま走り去っていった。…………死にはしないだろうが、思わずおじいちゃんの冥福をお祈りした。どうか、(酷暑に負けず)安らかに眠るといい。
最後に微妙な空気は残されたが、雲一つないカンカン照りの中、屋外で佇む理由はない。コインパーキングに停めておいた車に乗り込み、施設への帰途についた。
こちらの俺と
行きは裾を掴むか、手を握って離さなかったアイは、おじいちゃんとの話し合いの中で何か思うところがあったのか。考えこむようにうつむいたままで。
最初は軽快に「いやー、良い店だった。次も行くなら私が送迎しちゃうぞぅ!」とか言ってた先生も、空気を読んで運転に集中し始めて。
…………帰りの車中には、沈黙が満ちていた。
施設に戻り、先生が職員さんたちに報告を済ませた、その日の夕食の時間。施設の子たち全員に、俺がおじいちゃんに引き取られること、そして夏休みの終わりを待たず施設を出ることが伝えられた。
一瞬の沈黙の後に響く、驚きの声。懐いてくれた年少の子達は泣き始め、特に仲の良かった男子からはどうして教えなかったと怒られた。
夕食の最中も、その後も、一人一人に慰めの言葉をかけ、宥めながら、感謝を伝え、いつしか去年のクリスマス会や体育祭などの思い出話に花を咲かせて笑いあう。
しかし、それでも泣き止まない子もいる。
なので、今日は大部屋に集まって皆で雑魚寝しよう、という思い付きが誰かの口から上がる。
丁度、廊下にいた施設長に直談判してみたら、『おk把握』の一言で許可が得られた。軽すぎでは? と疑問が浮かぶが、『どうせそんなこったろうと思いました』という回答が先んじて返ってきた。普段から騒がしくて申し訳ございません。
ということで年少の子達を中心に、皆で大部屋に布団と毛布を運び入れて寝っ転がる。直後、寝っ転がった頭の方から爪先の方まで幼子たちに囲まれた結果、子供特有の高い体温によって蒸しあげられ汗が止まらない。
『わぁ! 私、これ知ってるわ。ええっと、たしか『オシィクラ・マンジュー』って言うのよね!』
茹だる脳裏に顕現したイマジナリーゲルダちゃんが面白そうに言うが、蒸し暑い日本の熱帯夜におしくらまんじゅうはシャレになってない。ミツバチがスズメバチを多数で囲って包み込んで蒸し殺すヤツみたいになってる。『蜂球』とかいう自衛手段だったかな?
このままでは脱水症状で医務室行きになりそうだ。流石にそれは避けておきたい。進路を決めた翌日に医者にかかるとか、縁起が悪すぎる。
年少組が寝静まった頃を見計らって、忍術スキルを最大限活用。縄抜けの要領でTシャツをその場に残して脱出だ。その時には既に寝汗でベタベタである。
足を踏み入れたことで音を鳴らしたり、振動で起こさないように両手をついて四つ足で移動。体重の分散のさせ方に少しコツがいるが、そこさえ押さえれば無音のまま移動が可能な歩法の一つを使いながらドアを目指す。
なんとか扉にたどり着き、最低限扉を開けて身体を滑り込ませる。部屋に熱気が入らないように素早く、しかし静かに扉を閉めてスニーキングミッションは完了だ。まぁ、帰りもあるけど。
とりあえず自室に戻りタオルと着替えのTシャツを入手。相部屋だった子は二年の内に、親族に引き取られ実質一人部屋状態だ。なので気楽に出入りできる現状はありがたい。
シャワーを浴びたいのだが…………浴室はもう電気が落とされているので、食堂へと進む。タオルを水で濡らして汗を拭きとるのと、一緒に水分補給を済ませてしまおうという算段だ。
途中、見回りの職員さんに出くわしたので、事情を説明。「終わったら、風邪をひかないようにしてから早めに寝るように」とお小言は貰ったが、許可も下りた。そういえば、まだ半裸だったよ俺。
(…………あまりの暑さにローランが乗り移ったかな? なーんて)
【とある
…………ダメだ。熱気にやられているのか、どうも思考が浮ついている。さっさと汗を拭いて寝よう。
そんな風に思っているところで丁度、食堂に着いた。周囲を見回してみるが、誰もいないようだ…………………………脱がないよ?
とはいえ人がいないのであれば、すぐに着る必要もない。適当な椅子の背もたれに着替えを置いて、タオルだけ持ってシンクの前に立つ。
蛇口から水を出すと、流れる水に頭から突っ込み背中にほど近い首筋までを濡らしていく。最初はぬるかった水が次第に冷たくなっていくのに合わせ、溜まっていた熱が流水に浚われていく感覚にしばし陶酔とする。
ほどよく熱が抜けたところで水を止め、顔を上げてタオルで軽く拭っていく。その間に頤や髪から滑り落ち、胸や背中を濡らす感覚すら心地良い。
最後に水に晒して作った濡れタオルで全身の汗をさっと拭き取ってやれば、不快なべたつきが消え、先ほどよりは随分と清涼な気分だ。
近くにある備え付けの冷蔵庫を開き、他の人たちの個人のタグが取り付けられたペットボトルや名前の書かれたお菓子を無視して、自分の麦茶が入ったペットボトルを取り出す。行儀は悪いが、このまま飲もうとしたところで────
「…………立香?」
「アイ?」
ふらり、と現れたアイの声に阻まれた。
Tシャツにショートパンツ、という極めてラフな寝間着姿。しかし、当人の幼くとも端正な顔立ちと、僅かに、しかし確かにつき始めた女性的な柔らかな曲線が何とも背徳感のある色香を放つ。
…………正直な話、最近は彼女をそういう風に見てしまって落ち着かない。無邪気に慕ってくれているからこそ、そういった気配はおくびにも出さないようにしているが、それでも無頓着にこちらにくっついてくるのはそろそろ、その、色々と、まずい。
だというのに、子供から大人の女性へと変わる過渡期特有の、青い果実のような艶姿から目が離せない。具体的に言うと、日焼け一つない白い太ももが大変眩しいです。
「え、えっと。……ちゃんと服着ないと風邪ひいちゃうよ?」
「あ、うん。ゴメンね? 変な物見せて」
数秒ほど見つめ合い、困惑したようにアイが目を逸らす。
急ぎ、背もたれにかけておいた替えのTシャツを被る。ちなみに最近のお気に入り、【えくすとら あたっく】Tシャツである。
「……………………」
「……………………」
「………………麦茶飲む?」
「………………うん」
蒸し暑い夜の空気が頭の回転を鈍らせるのなら、どうにも落ち着かない
グラスを手渡した後も無言のまま。乾いた喉に一気に流し込んでしまいたいが、同時に
「夏休みもあと半分、かぁ。今年は宿題ももうすぐ終わるけど、もっと、っていうかずっと夏休みにならないかなぁ」
「宿題かぁ。…………ってそういえば、俺もう片付けちゃったんだけど。数日分の労力と時間、無駄になっちゃったんだけど」
「ぷぷー。急いでやるからそうなるんだよ。もっと私みたいに余裕を持ってやらないと」
「ほほう。去年泣きついてきた小娘が言って良い言葉じゃないなぁ。そんな戯言を口にするのは、この口かなー」
「ふぉらー。ほっへをひっぴゃるなー」
ムニムニと柔らかな頬を両手でつまみあげると抗議の声が聞こえてくる。が、今回は無視。
俺の気が済むまでつまんだほっぺを上下左右に動かした後、目を逸らせないように真っ直ぐこちらを向かせるために頬に手を添える。
「…………夏休みが終わる前に、俺は施設を出る」
「…………うん」
「……………………こうやって話せるのも最後になるかもしれない」
「……………………うん」
「だから――――言いたいことは、ちゃんと言って欲しい。…………君の本音を聞かせて?」
そう言って何秒経っただろうか。或いは数分は見つめ合っていただろうか。
「―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ゃだ」
星の瞳に浮かぶ、宝石のような涙。
「行っちゃやだぁ…………!」
ポロリ、ポロリと零れ落ち、雫が手を濡らす。
「いなくならないで…………、そばにいて…………! 私が呼んだら、すぐ来られるところにいてよ…………! …………寂しいのは、もうやだよ…………!」
耳を震わせる切実な嘆願。胸を抉る少女の懇願を、その姿を余さず脳裏に焼き付ける。
――――しかし、それでも、俺から返す言葉は決まっていた。
「…………ゴメン。それはできない」
拙作の立香、なんかアイを泣かしてばっかいるな…………湿度ばかり上がってくんじゃがどうすればいい? (無自覚)あまいちゃ日常編とかいる?? 書ける自信以前に、そもこの二人付き合ってさえいないよ???
とりま次回アイ視点で書いて、次々回でお別れ(恋の自覚)かな。その辺りで一度アンケートでも取ってみるか?
評価・感想は随時受け付け中!
あと拙作には無関係だが、ト ネ リ コ は 良 い ぞ ……!!
よくやってくれた型月! よくもやってくれたな型月! そーれ、貰った石+諭吉さんたちだっ暑中見舞い代わりに持って行けチクショウめ……!