新・日本国召喚   作:npd writer

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遂に平和な時代は終わり、各国は戦乱の時代に突入した。

各国は接近するロウリア海軍を撃退するため、最新鋭の艦船をクワ・トイネ沖合に集結させる。

激突の日は近い。


第9話 戦線

 

クワ・トイネ公国 政治部会

 

 ロウリア王国から宣戦布告を受けて開催される会議は、ピリピリした空気とともに始まった。

 彼らが喉から手が出るほどに欲しがった力ーー永世中立国である東方エルサレム共和国とアイルランド共和国を除く、日米英仏加の5カ国がロウリア王国に対して宣戦布告を行ったのだ。

 5カ国は第3文明圏を超越する技術・軍事力を持った国家であり、仮に公国が戦争を吹っ掛ければ、忽ち滅ぼされてしまうような他の追随を許さない力を持っている。1国でも列強と渡り合えるような実力を持った国々の連合軍が、敵に対して牙を剥く。

 政治部会に参加する面々の中には、畏怖の心情をも持っている者もいた。

 

「現状を報告せよ」

 

 首相カナタの命令に、軍務卿が答える。

 

「はっ。現在、国境周辺にてロウリア王国の大群を確認。先遣隊だけでその数は2万を超えており、諜報部の報告では作戦兵力は50万に達する模様です。

また、パーパルディア皇国が軍事支援を行なっているとの未確認情報もあり、多数のワイバーンの存在も確認しております。また、陸の動きに合わせ、4千隻以上の艦隊が港を出港したと報告がありました」

 

 想像を絶する様な数の軍。それが、国境沿いに展開されいつでも侵攻してくる恐怖があるという事実は、カナタら公国首脳陣に息を呑ませた。

 50万というのは、予備役動員を含めたクワ・トイネ公国総兵力の10倍の数。しかも、おまけとしてワイバーンと4千隻以上の艦隊もついてくる。間違いなく、ロウリア王国は公国を取りに来ている。誰もがそう感じていた。

 

「外務卿、国連より通達事項が有れば報告願いたい」

 

「はい。我が国及びクイラ王国が国連の安全保障理事会に提出した緊急支援要請は可決され、40年ぶりに結成される国際連合軍が派遣されるとのことです。また、太平洋防衛機構及び北大西洋条約機構に提出した要請についても、各国の賛意を集めており、我が国の要請は受諾される見込みです」

 

 そんな中、リンスイの発言に疑問を持った参加者の一人が手を挙げて発言の許可をカナタに願い出る。彼が発言を許可すると、その人物はリンスイに質問した。

 

「外務卿、1つ聞きたい。今仰ったことですが、40年ぶりとはどういうことです?彼らの世界は戦争のない、楽園のような世界だったと言いたいのですか?」

 

「彼らの世界は、約60年前に行われた世界規模の大戦争によって、殆どの国家が焦土と化したそうです。各国に赴いた使節団が当時の映像を視聴したところ、それは我々の世界では神話となっている「古の魔法帝国」との戦いに酷似していたとのことでした。

そのような戦いを経て、各国は戦争に頼らない外交を展開することを義務付けており、戦争を行うことは殆ど無くなったそうです。ただ、例外もありまして、軍事侵攻を行った独裁国家への制裁として結成された時には、解決策として戦争が行われたそうです」

 

「なんと……。では、彼らは殆ど戦争を経験していない軍隊ということではないですか。平和ボケした彼らが良い働きをしてくれるといいのですがね」

 

「彼らは我々のために謂わば掟を破る形で協力している!その彼らに向かって、何たる言種か!」

 

 あまりに失礼な言葉に外務卿ではなく、軍務卿が立ち上がり抗議する。リンスイも非礼な発言に眉を顰めざるを得ない。

 

「しかし、5カ国連合軍とて十分な戦力でなければロウリアには勝てませんぞ!その力の差は軍務卿、そしてリンスイ殿も理解されているはず!私は、ロウリアの前に臆病風に吹かれた彼らが我々を助けることなく撤退する、その様な事態にならないか心配しているんです!」

 

「今の発言、外交の場で発言されていれば外交問題になっておりましたぞ。この場に、国連や各国関係者がいなくてよかったですな」

 

「リンスイ殿はよく余裕でいられますな!史上最大の軍勢が国境沿いに展開される、正に国家存亡の事態だというのに!」

 

「彼らは必ず約束を守ってくれます。私にはその確信があります。その証拠として、現在進行形でギムからの大規模退避が行われているとの事ですが。

ーー内務卿、違いますかな?」

 

 リンスイから話が振られるとは思わず、油断していた内務卿は一斉に目を向けられたことで慌てて立ち上がる。

 

「え、ええ。日米英仏の輸送機?と呼ばれる飛行機械、輸送船などを使用した大規模避難を我々と共同で行なっております。既にギムを含めた国境周辺の街では72%の住民が、公国全体では40%の国民が、国連加盟国である日本、アメリカ、イギリス、フランス、カナダ、アイルランド、東方エルサレム共和国へ避難しております。

私もその現場を視察してきましたが、ワイバーンが収まりそうな巨大な箱のような飛行機械が、ひっきりなしに離着陸を繰り返しておりました」

 

 内務卿が見た輸送機とは、星間輸送機としても運用されているアメリカ宇宙軍の「ヴァルキリー輸送機」とのことである。戦後の宇宙開発競争において、日米の共同開発で生み出されたこの輸送機は、VTOL機として運用することも可能だ。

 広い飛行場がないクワ・トイネ公国においても使用できる機体であることから、特にロウリア王国が集中攻撃を行うと見られるギムからの退避に使用されていた。

 

「この作戦は我々にとって有益なことでも、彼らにとっては一つの利益も出ません。それにもかかわらず、我々が本来行うべき責務を彼らは行なってくれているのです。私個人の感想ですが、私も外務卿や軍務卿とは同意見で、彼らは我々を見捨てないと思います」

 

「し、しかしですな……」

 

 尚も納得いなかい様子の参加者であったが、カナタがスッと手を上げたことで発言を押し込め、着席する。

 

「“彼らが我々を見捨てるのではないか”。その気持ちは分からなくもない。何せ、彼らにとっては一利もない作戦を善意で行ってくれているのだ。その見返りに何を求められるか、不安な者がいることも承知している。だがーー、」

 

 言葉を区切ったカナタ。一度深呼吸して、呼吸を整える。

 

「それでも私は彼らを信じたい。文明圏の追随すら許さない強大な力を持った国々であるが、その本質は多大な犠牲の上に成り立った覚悟と良心に満ち溢れていると私は信じている。現に、彼らは決して我が国とクイラ王国を見捨てないとの宣言を発出している。

それに、我々が敗北することで、独裁国家が彼らの眼前に出現することを良しとはしないだろう。其方の心配も国を思ってのことだと思う。だが我々単独では、死への時間を引き伸ばすことしかできない。ならば、自由と平和の旗の下に集う彼らに、運命を託すほかないだろう」

 

 既に各国から武器支援を受けているが、それでも心許ないのが今の公国軍の現状だ。

 ならば、彼らに国防の手助けを願うしかない。カナタは5カ国を信じ、公国の未来を預けることにしたのである。

 彼にとって、それがベストな選択であったことを知るのはまだ先の話である。

 

 

 

 クワ・トイネ公国からの要請を受け、国連安保理は国連軍派遣を決定し、第一段階として、日米英仏加の艦隊が前線基地である那覇港に集結していた。

 

 その内訳は、

・高杉秀作中将率いる日本海軍第1連合航空機動艦隊

・アーネスト・ニミッツ海軍中将を司令官とするアメリカ海軍第7艦隊

・ハワード・ネルソン中将率いるイギリス海軍空母打撃群

・アンリ・ミュズリエ少将率いるフランス海軍航空打撃艦隊

・ラノフ・ペティクリフ中将率いるカナダ太平洋海上軍

 であり、どの国も国家の威信をかけて精鋭を派遣している。

 

 この後には各国の艦隊を合流させ、国連軍連合航空機動艦隊として再編成されることになる。一方はロウリア王国を迎え撃つ艦隊、もう一方は公国を防衛する艦隊の2つに分けられるのだ。

 

 このうち、ロウリア海軍を迎え撃つ艦隊には

 日本からは、

・最新鋭の量子電算機を搭載した、全長330mを誇る建御雷級戦略原子力空母「建御雷」

・イージス戦艦として生まれ変わった金剛型1番艦「金剛」

・同じくイージス戦艦として改装された長門型2番艦「陸奥」

・ミサイル巡洋艦2隻

・ミサイル駆逐艦3隻

・補給艦2隻

 

 アメリカからは、

・全長が340mあるアイゼンハワー級原子力空母「ハリエット・アイゼンハワー」

・イージス戦艦であるミッキーマウス級1番艦「ミッキーマウス」

・アイオワ級1番艦「アイオワ」

・サラトガ級潜水戦艦7代目「サラトガ」

・ミサイル巡洋艦4隻

・ミサイル駆逐艦8隻

・トリウム攻撃型潜水艦4隻

・潜水母艦1隻

・海洋観測船1隻

・貨物弾薬補給艦3隻

 

 イギリスからは、

・全長300mのクイーン・マーガレット級原子力空母「クイーン・マーガレット」

・イージス戦艦ヴァンガード級1番艦「ヴァンガード」

・ミサイル駆逐艦2隻

・トリウム攻撃型潜水艦3隻

・補給艦1隻

 

 フランスからは、

・全長280mの原子力空母「ジャン・ド・ゴール」

・ミサイル駆逐艦2隻

・トリウム攻撃型潜水艦3隻

 

 カナダからは、

・ミサイル駆逐艦1隻

が投入される。

 

 5カ国の連合艦隊は、イージス戦艦5隻、原子力空母4隻、ミサイル巡洋艦6隻、ミサイル駆逐艦15隻、トリウム攻撃型潜水艦11隻、貨物弾薬補給艦3隻、潜水母艦1隻、補給艦6隻、総隻50隻からなる大艦隊だ。これほどの大艦隊が結成されたのは、第三次世界大戦以降初めてである。

 補給基地の那覇港に来航した艦隊は、そこで食糧・武器・弾薬等の補充を終える。迅速な補給によって、僅か2日で作業を完了させ、那覇を出撃すると、クワ・トイネ公国沖を目指して船を進めた。

 

 

マイハーク港

 

 ついにロウリア王国が4000隻以上の大艦隊を出撃させたという情報を受けて、マイハーク港に基地を置いていたクワ・トイネ公国海軍第2艦隊は艦船を集結させていた。

 各艦は、帆をたたみ、来るべき決戦の備え、敵船に打ち込む火矢と点火用の油を次々と船に運び込んでいる。そして敵の矢の来襲を防ぐ木盾が等間隔に並べられ大型弩弓が船横に配備される。

 

 その数、50隻。

 

「壮観な風景だ……」

 

 第2艦隊司令官のパンカーレ提督は、眼下の海を眺めながら呟いた。

 

「しかし、敵は4000隻を超える大艦隊。対して我々はたったの50隻……。彼らは何人生き残ることができるのだろうか……」

 

 思わず側近に本音を漏らす。ロウリア王国の圧倒的物量の前に、彼の心にはどうしようもない気持ちが込み上がる。

 

「提督、海軍本部から魔伝が届いております」

 

「読め」

 

「はっ!『本日夕刻、国連より派遣される国連軍連合航空機動艦隊50隻が、援軍としてマイハーク沖に到着する。彼らは我が軍より先にロウリア艦隊に攻撃を行うため、観戦武官1名を彼らの旗艦に搭乗させるように指令する』……との事です」

 

「何!?たったの50隻だと!?500隻か5000隻の間違いではないのか!?」

 

「間違いではありません」

 

「彼らはやる気があるのか?……しかも観戦武官だと?たったの50隻しか来ないのなら、観戦武官に死ねと言っていることと同じではないか!?明らかに死地と解って部下を送るような真似は出来ないぞ!!」

 

 5カ国の艦隊の詳細を知らされていないパンカーレは、国連軍からの要請に応じられないと言わんばかりに吠える。彼らからの常識から見れば船がたったの50隻では両軍で足しても100隻だ。ロウリア王国海軍とは40倍以上の差があるこの状況で、パンカーレが部下を観戦武官として送り込むことは苦渋の決断と言っても大差ない。

 

「……私が行きます」

 

「……しかしだな、ブルーアイ……」

 

「私は海軍において剣術は一番と自負しています。一番生存率が高いのは私です。それにあの鉄竜を飛ばしてきた日本の事です。アメリカやイギリス、フランス、カナダについて私は詳しく知りませんが、もしかしたら勝算があるのかもしれません」

 

「鉄竜一匹のみで国力を判断するのは危険だが、現状で我々が頼れるのはこれだけか……。すまないが、頼んだぞ」

 

「はっ!」

 

 

 

同日夕刻 マイハーク港

 

 国連軍連合航空機動艦隊の到着を待っていたマイハーク港は、蜂の巣をつついたような大騒ぎになっていた。軍人から整備員、市民、更には旅の途中で偶然マイハークを訪れていた旅人……老若男女問わず、マイハークにいたほぼ全ての人が港に集まり、港は集まる人でもみくちゃとなっていた。その誰もが目を見開いている。

 パンカーレ提督や観戦武官であるブルーアイでさえ、目を疑う事実に唖然と立ち尽くすほどだ。

 

 彼らの彼方ーーマイハーク沖合には100m前後の大型船がこれでもかと浮かんでおり、その中には300m前後の巨大船、更に300m以上の超巨大船が沖を埋め尽くさんと大量に浮かんでいる。島のレベルを超え一つの大陸が存在しているように見える。

 

 ブルーアイは海軍が200mクラスの船を臨検したという話は聞いていたが、自分たちの仕事を誇張するために嘘をついたと思っていた。

 しかし今、マイハーク港にやってきた船たちは、沖合にいるにも関わらずとてもつもなく巨大で、船を進めるための帆も付いていない。見たことのない艦影にブルーアイは困惑以上に興奮していた。

 

 やがて一際大きな船から羽を広げた一騎の鉄竜が飛来してくる。ブルーアイはその物体の中に人がいるのを見た時、それは乗り物の一種であろうと推測した。

 事前に迎えが来るという連絡は受けていたが、全く未知の乗り物の登場に

ブルーアイは若干の恐怖を覚える。

 やがて青い炎が噴射される音と共に機体後方部からの地を揺らすような轟音が響き渡り、周囲には猛烈な風が吹き始め、近くにいると吹き飛ばされるような感覚に陥る。

 ブルーアイの目の前でゆっくりと回転したその乗り物はゆっくりと地面に着陸すると、後方の扉が開き1人の男が現れた。ブルーアイが歩み寄るとその男は背を正し敬礼する。

 

「こんにちは!我々はクワ・トイネ公国の要請を受け派遣されました、国連軍連合航空機動艦隊です!観戦武官1名様をお迎えに上がりました!」

 

「は、はい!この度はよ、よろしくお願いします!!」

 

 そして男に案内され乗り込んだブルーアイは、横付けされた席に座りシートベルトを装着させられる。

 

「では離陸します。少々揺れますのでご注意ください」

 

 男の声と同時に今まで開いていた床が閉まり、ゆっくりではあるが浮遊感も感じ始める。窓の外から見える地上の様子が完全に見えなくなると同時に、少しずつ乗り物が揺れだしたかと思うと、まるで身体を押し付けられる未知な感覚にブルーアイは襲われた。

 やがて窓から見える景色が変わっていく事から、上昇しながら飛行しているとブルーアイは勘づいた。

 飛行中はほとんど揺れずに「それ」はどんどん進んでいく。ワイバーンより早い速度で進むこの機体はアメリカ空軍が開発した新型輸送機「クインジェット」と呼ばれ、数年前から実戦配備されている最新の輸送機だ。

 

 案内人から簡単な挨拶を受け、窓を眺めていると先ほどは小さかった船たちの全貌が明らかとなっていく。やがて沖合に停泊中の母船が見えてくるにつれ、ブルーアイはその大きさに唖然とした。

 

(一体何なんだ、この大きさは!?そうか、これだけの大きさなら人員も大量に輸送でき切り込みの際には、中から大勢の人が出てきて一気に1隻ずつ制圧していくのだろう。他の艦も同様ならば、確かに一隻あたりの戦力が大きいはずだ)

 

 彼は自分の常識の範囲で、これから乗るであろう巨大船を理解しようとしていた。

 彼が乗り込んだのは第2・第3次世界大戦で日本海軍の主力艦として活躍し、現在は原子力空母として大規模改装された戦略原子力空母「建御雷」だ。

 

 全長330m、基準排水量10万2000t、搭載機数約70機。

 日本海軍が誇る主力空母の一つであり、アングルド・デッキ化された船には54口径127mm単装砲やレーザー砲などの対空火器が搭載されている。また、艦内には本国の情報部に匹敵する高速電算機が積まれており、電子作戦艦としての力を持っていた。

 正に日本の技術力が結成された要塞空母であり、世界最強の空母の一つと言っても過言ではなかった。

 

 ブルーアイは騎馬戦が出来そうなほど広い原子力空母「建御雷」の甲板に降り立ったのち、案内係に案内され明るい艦内を歩く。

 

 どうやってこの巨大な鉄の船が作られたのか。なぜ浮いていられるのか。艦内を照らす明かりは何かを燃やしているのか。それとも光の魔法か。

 

 頭に浮かぶ多くの疑問を解決できないまま、ブルーアイはただ案内係についていく。彼が案内したのは、デッキ上層。艦隊指揮を執る艦橋だ。

 そこには、白い制服に身を包んだ数人の男たちがおり、やってきたブルーアイを敬礼で迎える。

 

「初めまして。私はこの度、クワ・トイネ公国救援のため編成された国連軍連合航空機動艦隊司令長官の高杉秀作です。

こちらは副司令兼アメリカ艦隊の司令官であるアーネスト・ニミッツ海軍中将、そして英国艦隊司令長官パワード・ネルソン海軍中将、フランス艦隊司令官アンリ・ミュズリエ海軍中将、カナダ艦隊司令ラノフ・ペティクリフ海軍中将です」

 

「アーネスト・ニミッツです。お目にかかれて光栄です」

 

「ハワード・ネルソンと申します。よろしくお願いします」

 

「アンリ・ミュズリエです。この度の任務、全力で貴国をお守りします」

 

「ラノフ・ペディグリフです。初めまして」

 

「クワ・トイネ公国観戦武官のブルーアイです。この度の援軍感謝します」

 

 簡単な挨拶を終えた後、彼らによって会議室に通されたブルーアイはそこで作戦の概略についての説明を受ける。

 

「ではブルーアイ殿もお越しになられましたし、簡単ではありますが本作戦の概要を、私高杉から説明させていただきます。

現在、クワ・トイネ公国はロウリア王国より二方面からの脅威に晒されていることはご存知かと思います。その中で、我々は経済都市としての機能も持つマイハーク防衛を主軸した作戦を立案しました。

我々は既にロウリア王国海軍の位置を既に把握しています。ここより西側500kmの洋上を約5ノット程度と非常に低速でありますが、こちらに進行中です」

 

「我々は明日の朝出航し、ロウリア海軍へ直ちに引き返すよう警告します。彼らが従い、撤退を開始すれば攻撃は行いません。が、警告を黙殺した場合は当艦隊の全火力を以ってロウリア海軍を殲滅します。明日までどうぞこの「建御雷」でお過ごしください」

 

 ブルーアイは彼ら指揮官の言葉に驚いた。彼らはクワ・トイネ公国海軍の協力を得ずに、ロウリア王国海軍4400隻を殲滅すると宣言したのだ。

 いくら船が巨大とはいえ、彼らはたったの50隻。しかもその内の数隻は補給艦という非戦闘用の船だ。にも関わらず、4400隻の大艦隊を相手にするのは自殺行為だとブルーアイは思っていた。

 

「すみません。失礼を承知でお尋ねしますが、ロウリア王国海軍の隻数はご存知でしょうか?いくらこの船が巨大とはいえ、此方はたったの100隻ですが……」

 

「ははは、ご心配には及びませんぞ、ブルーアイ殿。あなたの安全は我が艦隊、いえ国連が保障します」

 

「そう神経質になるものでもありませんよ、ミスター・ブルーアイ。当艦隊は既に臨戦態勢をとっています。明日のこの時間帯には必ず我々は勝利している事でしょう。合衆国の名にかけて必ずや敵を撃退します」

 




筆者はあまり艦船について詳しくもないので、wikiや書籍等で得られた知識のみを使用しております。なので、専門家よりはかなり劣ってしまうことをお許しください。

米英仏海軍の艦船については、『艦隊』シリーズ内の情報があまりに少ないことから、史実世界の艦船を参考に後世世界の技術を取り入れた船が登場しています。

各国の艦船はほぼ現代の艦船と同等、もしくはそれ以上の性能を発揮できます。各国は因みにトリウム炉の小型化に成功しており、これにより各艦船は電磁推進で航行します。
また、サラトガはレーザー方式核融合を成功させているため、高速航行を可能にしています。

これら艦船の主武装はレールガンと極超音速誘導ミサイル、対空兵器はレーザー砲や短SAMなどです。

因みに、後世日本の艦船はこの性能を上回っています。 

以下、各国のモデルと大雑把な性能です。

アメリカ海軍

アイゼンハワー級原子力空母→ジェラルド・R・フォード級航空母艦の発展型。フォード級空母が持っていた課題をほぼ解決している。世界最強空母の一角。
トリウム攻撃型潜水艦→ノーチラス号の技術を活かした巨大潜水艦。コロンビア級原子力潜水艦がモデルの潜水艦が一部いるが、それを上回る潜水艦もいる。
ミサイル駆逐艦→アーレイ・バーク級は勿論、ズムウォルド級、デューイ級(正式名称がないため仮称、DDG級のことである)がモデルとなっている。後世アメリカはコストの問題を技術面でカバーすることが多く、その結果前世アメリカよりも早くにズムウォルド級やデューイ級駆逐艦の導入に成功した。
サラトガ級潜水戦艦→アメリカ海軍最強の潜水艦。日独には技術面で追いついていないものの、その性能は化け物クラス。恐らくミ帝の地方艦隊程度なら単艦で沈められる。

イギリス海軍
クイーン・マーガレット級原子力空母→史実におけるクイーン・エリザベス級航空母艦。だが、その性能は完全なる上位互換。史実では果たせなかった原子力を搭載している。
ミサイル駆逐艦→45型と83型がモデルとなっている。
トリウム攻撃型潜水艦→トラファルガー級とアスチュート級がモデル。

フランス海軍
ジャン・ド・ゴール→シャルル・ド・ゴールがモデル。だが、その能力は上位のもの。クイーン・マーガレットの影響を強く受ける。
ミサイルフリゲート艦→アミナル・ロナルク級がモデル。
トリウム攻撃型潜水艦→シュフラン級潜水艦がモデル。




ここでみなさん、疑問に思ったことでしょう。
「あれ?紺碧艦隊や旭日艦隊は?「須佐之男」や「日本武尊」はどこいったの?出てこないの?」と。
安心してください。彼らもしっかり登場します。ただ、彼らは国連軍には所属せず日本政府、否、大高大統領の特命によって動いています。

「存在しない艦隊や船」を態々、リストに加える愚か者はいないでしょう?
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