皆さまは、どこに投票するかもう決められましたか?
選挙当日に用事がある方は、期日前投票がございますので、必ず投票しましょう。
ちなみに、私自身は日曜日に東京競馬場に行きますので、既に期日前投票を済ませてあります笑
国連を巻き込む大規模な紛争になったロウリア王国との戦争は、ロウリア条件付き降伏ーー実質的な無条件降伏という形で幕を下ろした。国家主権の存続と国民の生命の保障を引き換えに、王国が降伏を受け入れたことは周辺諸国、そして列強を大きく動揺させることになった。
パーパルディア皇国 国家戦略局
「ーー以上、ロウリア王国は日本、アメリカ、イギリス、フランス、カナダが連合した国連軍と思われる軍隊に敗北しました。幸い国王ハーク・ロウリア34世はまだ在位しているものの、国連による統治が始まり次第、退位させられるものと思われます」
ロウリア王国にとって少なくない金・物資を援助していたパーパルディア皇国にとって、ロウリア王国降伏という知らせは、耳を疑うものだった。
「簡単に言ってくれるな!ロウリアに一体いくら投資したと思ってる!?もちろん隠蔽工作はするが、皇帝陛下のお耳に触れたら国家戦略局そのものが危機に晒されるんだぞ!!そうなればお前も私もタダでは済まん!!」
「も、申し訳ございません!」
「今回のロウリア王国支援は我らの独断だ!上手く運べばロデニウス大陸の資源、権益を一気に掌握し、その手柄をもって陛下にご報告する予定だったが……。他官庁も黙らせることができ、予算獲得等我らの評価も相当なものとなっていたはずだった!……今となっては、自分の命を考えなくてはならなくなってしまったが」
上司の高圧的な物言いに対して部下はただ頭を下げるしかない。それも地面に頭がつくほど。
「しかし、ロウリア王国ほどの規模の国が、我々の支援もあったのに文明圏外国家なぞに降伏するとは。信じられないことだ、敵はどのような兵器を使うのだ?」
「それが……諜報員には国連軍の調査を命じていたのですが、命じたその日に戦闘に巻き込まれて死亡した模様です。残念ながら敵の詳細については不明のままです」
「戦闘を見ていた王国民がいるだろう?彼らから情報の一部は訊き出せないのか?」
「はい……民間人から聴取もしたのですが……その、一様にあまりに現実離れした意見しか出ないそうで」
部下が生き残ったロウリア王国民から聴取した内容を読み上げる。
ーー曰く、国連軍の空中戦力は音の速さを超える鉄竜が主で、ワイバーンを一撃で落とす。
ーー曰く、地上戦力にも鉄の獣を使用し、そのブレスは平原を走る騎兵を薙ぎ払う。
ーー曰く、空飛ぶ鉄の羽虫による光の矢が、平原に大爆発を生じさせる。大爆発の威力は数万の兵が埋め尽くす大地を抉り、大魔導師一万人を投入しても不可能な程の破壊力を持つ。
「敵の情報操作が入っているではないか。国連軍は民間人を黙らせるため、何らかの情報統制と操作を行っているのだろう。小賢しい連中だ」
「我らが得た情報は、外務局に報告した方がよろしいのでしょうか?」
「馬鹿者!自ら死地に飛び込むような真似をしてどうする!?国連軍の情報とロウリア王国支援の記録は全て抹消しろ!我々の関与を示す証拠を残してはならん!
ーー国家戦略局と自分、そして家族を守るためにもな!」
ロウリア王国を支援していたパーパルディア皇国国家戦略局は、ロウリア王国が引き起こした侵略戦争に関する記録を徹底的に隠蔽することに奔走する。
同国 レミール邸
「レミール様。本日、ロウリア王国は国連に対して正式に降伏を宣言しました」
「……そうか。やはり想像通りの結果だったな」
国家戦略局のヴァルハルより報告を受け取ったレミールは顔色一つ変えなかった。国連がいた地球から見て、中世初期相当の技術を持つロウリア軍に、21世紀の技術を結集した連合軍が負けるはずなどない。初めからロウリア王国の圧倒的不利を予測していたレミールにとって、この結果は驚くものでもなかった。
「ロウリア王国の敗北は周辺諸国を動揺させると共に、皇国の外交戦略にも小さくないダメージを与えています。既に私が所属する国家戦略局でも、文明圏外国家への対応について再検討が行われているとのことです」
「だろうな。今ごろ、ロウリア王国支援に関する証拠隠滅に躍起になっている頃だろう」
レミールは控えていたメイドに地図を開くよう命ずる。テーブルに開かれた地図はフィルアデス大陸、ロデニウス大陸、そして複数の島が描かれた海洋地図だ。
「ここが我々が統治するフィルアデス大陸、そして今回の戦場となったロデニウス大陸はここだ。そして国連軍を成した日本、アメリカ、イギリス、フランス、カナダはこれよりも東に位置していると仮定しよう」
前世の記憶を頼りに、握った指示棒で地図をなぞっていくレミール。そして手元に置かれた箱から旗のオブジェを取り出し、二箇所に置いた。
「ヴァルハルくん。ロデニウス大陸の間接統治に失敗した皇国は、今後ロデニウス大陸およびその周辺の文明圏外国家を直接支配するため、軍事侵攻に踏み切るだろう。だがその前に、足場となる箇所を圧える必要がある。それがこれらだ」
「アルタラス王国、そしてフェン王国ですか……」
「アルタラスはロデニウス大陸とフィルアデスの中間に位置している、謂わばチョークポイント。軍事基地化するには好都合だ。同様にフェンもだ。そして、ロデニウス大陸を事実上の保護化においた国連も、大陸進出の足がかりとして両国に対するアプローチを強化するだろう。ここでの衝突は避けられそうもない」
前世で欧米についてそれなりに研究していたレミールは、彼らが権益確保のためにとってきた手段を知っている。時代こそ違うが、彼らも皇国と同じ帝国主義国家として、多くの植民地を保有していた歴史があるのだ。
それは時が進むにつれ、経済圏へと姿を変えて維持されてきた。そして彼らは自国の繁栄を守るため、時には戦争も厭わない。また、非欧米国家である日本も、ロデニウス大陸へ莫大な投資を行っていることが予想され、その権益が侵害されることに対して抵抗を強める可能性が高い。
各国が国益を追求する限り、そしてお互いが歩み寄れぬと分かった時点で、あとは血で血を洗う力による殴り合いが始まる。衝突を避けるには、力ある国家の軍門に下るしかない。レミールは国民の猛反発を受けようとも、欧米的な価値観を受け入れることで来る皇国の崩壊を避けようと考えていた。
「ヴァルハルくん。国家戦略局、そして第三外務局の動きに目を光らせておけ。奴らが異世界転移国家と接触次第、すぐに私に報告するように」
「分かりました」
レミールの密使として暗躍するヴァルハル。レミールは彼女の支持者を巧みに使い、より外交に奔走していく。
第三文明圏近郊 文明圏外国家 シオス王国
「大変です!大変です!!」
第三文明圏の外側にある島国、シオス王国の王の謁見室に文官が息を切らして転がり込んでくる。
「何事じゃ、そんなに息を切らして」
謁見の手間を省く文官の慌てふためきように、その状況が緊急事態であると王は判断した。
「我が国最大の貿易国であるロウリア王国が、クワ・トイネ公国とクイラ王国の二国を相手に戦争を開始した件は国王陛下もご存知のはずです」
「ああ。ついに両国を征服してロウリア王国がロデニウス大陸を統一したのか?三ヶ国とも我が国の大切な貿易相手国じゃというのに。悲しいことじゃが……」
「陛下違います!ロウリア王国が敗れたのです!あのロウリア王国が負けたのですよ!!」
文官の言葉に王は耳を疑い、思わず立ち上がった。その表情には驚愕が浮かんでいる。
「そんなバカな!戦力比を考えれば、ロウリア王国は攻めることに苦労することはあっても、負けることなどありえんことじゃ!そんなことは戦争素人でも分かること!しかもロウリア王国の戦力は、明らかに国力を超えていた。あれは他国の支援がなければ到底実現できない規模じゃぞ!」
ここ数年のロウリア王国の動きは、シオス王も注視していた。周辺国を次々と武力で併合していくロウリア王国の勢いは凄まじく、開戦数ヶ月前になるとクワ・トイネ公国とクイラ王国にいつでも宣戦布告できるようになっていたことは、第三国から見ても明らかだった。
「それが、新たに参戦した日本、アメリカ、イギリス、フランス、カナダの介入によって、ロウリア王国は手も足も出ずに敗走を繰り返すハメになったと、現地の外交官が申しております。各国と決して敵対してはならず、とも。国王陛下、各国に使節団を派遣し彼らがどのような国家であるかを探る必要があると具申します。国益になるのであれば、国交開設も視野に入れるべきです」
「力ある国家の突然の出現……列強パーパルディア皇国のような国じゃったら、使節団派遣そのものが藪蛇になるのぉ……」
「それはそうですが……いずれにせよ、ロウリア王国は国連に対して降伏しました。最大の貿易相手国が落ちたのです。どのみち、接触する必要があるでしょう」
ある意味、まだ手の内が分かるロウリア王国が勝っていれば御しやすかった。しかし、相手が未知の国家連合だとすれば話は別。友好国であれば良いが、覇権国家であればシオス王国はどうなるか。シオス国王は頭を悩ませることになる。
クワ・トイネ公国 マイハーク
神の導きとも言える奇跡で、国力で劣勢だったロウリア王国との戦争に勝利したクワ・トイネ公国。民たちが戦勝気分に皆が浮かれる中、政府は次なる大イベントの用意に明け暮れていた。
というのも、ロウリア王国の降伏を受け、戦後処理を決定するため、全交戦国の首脳たちがクワ・トイネ公国のマイハークに集まることになっていたのだ。講和会議と、大高が提案して開催されることになっているこの国際会議には、多くの要人が出席予定だ。
そのような会議開催のノウハウなど当然クワ・トイネにはなく、右も左も分からない状態のまま、カナタやリンスイら首脳部は額を寄せ合っていた。
「うむ……これほどの列強相当の国家の要人が集まるとは……。我が国の威信にかけて、必ず無事に成功させねば」
カナタの手には、主要出席者の一覧が記された紙が握られている。
日本政府代表団
大高大統領、木戸外務大臣、安倍海外協力庁長官、池田勇人工業型生産大臣
アメリカ政府代表団
リーガン大統領、ローディ国務長官、レッドフィールド商務長官
イギリス政府代表団
サッチャー首相、ディズレーリ外務・連邦大臣、レイチェル・アトリー国際貿易大臣兼通商会議議長
フランス政府代表団
ミッテラン大統領、リシュリュー外務大臣、マクロン経済・財務・産業およびデジタル主権大臣
カナダ政府代表団
マクミラン首相、ゴールド外務大臣、マルシ・キング輸出促進・国際貿易・経済開発大臣
クワ・トイネ公国政府代表団
カナタ首相、リンスイ外務卿
クイラ王国政府代表団
シンザン宰相、トキノミノル外務卿兼大蔵卿
国連本部
リチャード・ホフマン国連事務総長
間違いなく神聖ミリシアル帝国の港町カルトアルパスで定期的に開催されている、「先進11カ国会議」に匹敵する会議だ。それを文明圏外国で開催するのだから、クワ・トイネ側が右往左往するのも無理もない。
また、ロウリア王国からも代表団が派遣される予定となっていたが、まずは国連としての意見を一致させるべきとのリーガンの主張により、戦勝国側の意見を取りまとめることになっていた。
マイハーク国際空港
クワ・トイネ公国はどうにか会議開催当日までに、会場準備から食事のメニューまで、必要事柄の準備を終わらせることができた。全ての準備が完了した時、不眠不休で準備をしていたカナタは、その場で思わず眠り込んでしまうほどだった。
急遽整備された空港にはリンスイを筆頭に外務関係者一同が歓迎の準備を終え、各国首脳の到着を待つ。
マイハークに最初に到着したのは日本国政府代表団だ。政府専用機から最初に降り立った大高は、いつもの茶色のスーツに黒の蝶ネクタイという出立ちで姿を現す。続けて木戸、安倍、池田が姿を現し、4人は公国側の歓迎を受けた。
その際、クワ・トイネ公国内の新聞記者の取材を受けた大高は短く答えた。
「クワ・トイネ公国の皆様、こんにちは。日本国大統領の大高春嶽であります。我々、日本国政府はこの戦争の全ての犠牲者に哀悼を捧げるとともに、これ以上ロデニウス大陸で戦争が起きないよう、全力をかけて取り組む覚悟をもってやって参りました」
日本国は、第三次世界大戦前に制定された『大高憲法』に則り、ロウリア王国へ領土不拡大の明確化、ロデニウス大陸市場の全面開放、国連加盟と世界標準憲法条約批准をロウリアに求める事を決めていた。ただこれ以上の要求はせず、あくまでロウリア王国が大国に干渉されることがないように配慮する事も事前に決めてあった。
大高の受け答えの後、日本代表団はすぐに会場に向かって移動する。日本国政府代表団が空港に降り立った2時間後、続けてアメリカ政府代表団が到着した。エアフォースワンから降り立ったリーガンは、紺色生地のスーツに赤いネクタイという、いかにもアメリカらしい格好で報道陣の前に現れた。続けてローディ、レッドフィールド両氏も機体から降りてくる。
「この素晴らしきクワ・トイネ公国の地を訪れることができて、本当に嬉しい。合衆国は、ロデニウス大陸に自由で開かれた民主主義を根付かせ、人々が圧政から解放されることに全力を注ぐ。そしてこの戦争で生まれた多くの悲劇に、心から哀悼の意を示したい」
アメリカの立場は、明確かつシンプルだ。自由選挙の実施、そしてアメリカ企業の投資を受け入れさせるための大陸市場圏の全面開放である。特に日本とも共通する大陸市場圏の全面開放は、優先順位第一位に挙げられるほど、アメリカが注目している議題だった。中間選挙や大統領選挙を意識するリーガンは、アメリカ国内で発生しつつある余剰資本をロウリアに向けるため、関税なし・経済特区創設を求めることを決めてあった。
リーガンが空港を去ってから30分ほど経った時、次にイギリス代表団を乗せた政府専用機が着陸した。夫を連れ立って姿を見せたサッチャーはトレードカラーである青生地のスーツとスカートに身を包んでいる。
「再びクワ・トイネに戻れて、とても嬉しいです。本日から開催される国際会議にて、我々連合王国政府は恒久的な平和追求と、侵略者に対する厳罰を求めるつもりですわ。同時に、我々は未来に向けての姿勢も示すべきであり、自由貿易体制の構築、そして新たな安全保障体制も追求する所存です」
イギリスは、ロウリア王国に対するスタンスこそアメリカや日本に近いが、同時にロデニウス大陸の北に位置するフィルアデス大陸に目を向けていた。同大陸を一極支配するパーパルディア皇国は、まさに目の上の瘤であり、軍事衝突の可能性もクワ・トイネ公国外務局から情報を得ていた。これを良しとしないイギリスは、明確に脅威を示すことで戦争に消極的になるであろう日本やフランスを関与させることも目論んでいた。
サッチャー以下、イギリス代表団が空港を離れて1時間半後。フランス政府専用機が到着する。灰色のスーツを着て機体から出てきたミッテランには、サッチャーやリーガンのような派手さはない。
「クワ・トイネ国民の皆さん。我々フランス政府は、日本やアメリカ、イギリスとは異なり、唯一敵国によって全土が占領統治を受けた国家であります。故に、皆さんが再び覇権主義によって平穏な生活が奪われることを、少なからず心配していることも心得ております。我々は、侵略者に対して容赦は致しません。必ずツケを払わせる覚悟です」
だが、集まった報道陣に語った文言は最も過激だった。フランス代表団にとって、ロウリア王国に対する民主主義の普及や自由貿易体制の構築も重要であったが、何よりも侵略者に対する厳罰化が最優先事項だった。
ハーク・ロウリア34世の即時退位、国境線から20キロの非武装地帯化、ロウリア王国軍の軍備制限、クワ・トイネ公国及びクイラ王国に対する明確な謝罪と被害に見合う賠償金の支払いなど、最も強硬な要求をフランス政府は示した。ミッテランが所属する社会党内でも意見を二分させたこの主張は、一種の暗雲をも会議に呼び込むだろう。
そして最後、カナダ政府専用機がフランス代表団到着から70分後に姿を現す。グレースーツ、青色のネクタイを身につけたマクミランは、先に到着して強烈な爪痕を残しであろうミッテランの姿を想像して苦笑いすると、タラップを足早に降りていく。
「カナダ政府としまして、ロデニウス大陸における自由・民主主義の確立、不可侵条約を含めた恒久的な戦争阻止を訴えます。それ以上の要求は、後の世に禍根を残すかもしれませんので控えるべきでしょう。私は、全ての交戦国が納得がきる講和を目指すべきだと考えます」
空港到着が最後になったマクミランは、集まった報道関係者の取材に時間をかけて応対した。本戦争ではカナタば他の4カ国と違い、それほど印象を残したわけではない。そのため、マクミランとしては要求を強要するようなことはせず、あくまで全ての国が納得できる講和を目指すべきだと訴えた。
こうして無事到着した5カ国の代表団は、会場である公爵邸に移動する。また、陸路でやってきた隣国のクイラ王国代表団は、道中で報道陣の取材に応じることはなく、そのまま会場に向かった。公爵邸に到着した代表団は会場付近にもマスコミがいたことに驚いたが、不必要な取材を受けることなく足早に会場に入場したため、彼らの主張は憶測レベルで囁かれる程度だった。
「我々クイラ王国政府は、ロウリア王国によって国土が犠牲になったわけではありません。故に、我らから要求するようなことはせず、他国の意見の中で尊重できるものを尊重したいと考えています」
唯一短く答えたシンザン宰相の言葉だけが、大手メディアの新聞に載った。当然、マスコミの扱いも小さくなる。だが、あくまで講和交渉に来たのであり、マスコミと戯れるために来たわけではないと突っぱねたクイラ王国の姿勢に共感する人々も少なくなかった。
最後に代表国の一角であり、この度の戦いで唯一本土が戦場となったクワ・トイネ公国代表団が会場入りする。
「我々は求めるものはただ一つーー平和、平和なのであります」
ワンフレーズを印象付けたクワ・トイネ公国は何よりも平和を重要視した。この戦争で勝利したとはいえ、それまでの幾度と発生した戦争や軍事衝突で公国は何度も被害を受けてきた。特に人権の分野で。
だからこそ、クワ・トイネ公国はこの会議で恒久的な平和と確固たる安全保障を国連加盟国からいただく方針だった。
役者は全て揃った。これからの会議でロウリア王国の運命が決まるだけでなく、周辺諸国や列強の外交方針に大きな影響を及ぼす内容が決定される。
公爵邸から少し離れた場所に設けられた仮説の報道センターには、各国のメディア関係者が詰めかけ、会議の様子を見守る。更に会場周辺には超文明国家の首脳たちを一目見ようと、公国民たちが多数押しかけていた。
皆が、会議の一挙手一投足に五感を集中させた。
「一つの冷静な判断は、千回のにわか会議ほどの価値がある」
ーーアメリカ合衆国第28代大統領ウッドロー・ウィルソン