新・日本国召喚   作:npd writer

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本日(2025/01/21)、ドナルド・トランプ氏が第47代アメリカ合衆国大統領として、4年の時を経て国際政治の舞台に帰ってきました。グロバー・クリーブランド元大統領(民主党)以来132年ぶりという、世界史的にも大きな出来事になるでしょう。

Civil War直前と言っても差し支えないアメリカ政治が、安定に向かうことをとにかく願っています。


第36話 皇国の動揺と世界の関心

中央暦1639年10月18日 パーパルディア皇国第3外務局 応接室

 

「な、なんだと!?来年からは奴隷の献上は行わないだと!?」

 

 遠方から来訪したトーパ王国大使を、応対した外務局の職員は怒鳴りつけていた。トーパ王国は第3文明圏北に存在する、文明圏外国家だ。最高気温が27℃ほどに対して、冬の平均最低気温はマイナス40℃にもなる極寒地に存在している。

 そして、強力な魔物が闊歩するグラメウス大陸と第3文明圏を繋ぐ戦略上重要な拠点であり、列強であろうとも本来は丁重に扱うべき国家だ。

 

 だが、それを理解しているはずの外務局員はおくびにも出さず、強気な姿勢を崩さない。例え国家安全保障上重要視している国家であろうとも、文明圏外国家である以上、皇国人が頭を下げるなど彼らのプライドが許さないのだ。

 

「その通りでございます。我が国の民を、奴隷として貴国に差し出すのはもうやめとうございます」

 

 大使は冷や汗をかきながらも、断固とした口調で返した。圧迫を受けても断固とした態度で通せと王や宰相から命じられていた大使は、言葉を選びながらも屈さない。

 

「ふん!ならば各種技術の提供も、トーパだけ停止させるぞ!」

 

 皇国は、各種技術供与も外交の手段の1つとして利用してきた。皇国が研究・開発した技術は、属国である周辺諸国や文明圏外国家へと提供されている。最新技術は提供せず、旧式となった技術を徐々に開示していく。こうすれば皇国の技術的優位性を崩さず、他国は文明レベルを上げることができる。そして皇国側も技術供与と引き換えに献上される品物や奴隷で潤う仕組みで成り立っており、双方が共に利点があった。

 

 だが相互利益に見えるこの関係では、属国は常に皇国の後追いとなり、その差は縮まることがない、不平等なことに変わりはなかった。

 属国が言うことを聞かなければ工具や釘などの部品や技術供与が停止され、供与を受け続ける周辺諸国に大きく引き離される。これが皇国の恐怖外交であった。

 技術の遅れは国家にとって一大事であり、これを持ち出せば強気なトーパも折れるだろうと、職員はたかを括っていた。

 

 だが、トーパ王国大使はいやらしい薄ら笑いを浮かべ、あっさりと返す。

 

「技術、ですか。たかが技術程度、民の幸せには代えられません。我々は奴隷を差し出さない、皇国は我が国への各種技術供与を停止する。これで結構でしょう」

 

 従来のトーパ王国からは考えられない強気な態度だ。応対する局員は心の内で思わぬ反応に動揺しながらも、尊大な態度を崩さず告げた。

 

「ほう……ならば、今後は武具や生活品、ありとあらゆるものはお前たちで調達するんだな。あとで泣きついても我々は助けんぞ」

 

「ええ、そうさせてもらいましょう。我々はあの国連に加盟しているのですからね」

 

 臆することなく言い返したトーパ王国大使は、そう言い笑いながら去って行った。残された局員は大使が出ていたことを確信した後、疲れきった表情を浮かべながら、食堂へ向かった。

 

 

 

外務局 食堂

 

「最近、やけに蛮国が反抗的じゃないか?」

 

「確かにな。特にここ1ヶ月くらいは顕著だな」

 

 昼食をとりにきた職員たちで賑わう食堂。だが、最近の彼らには疲れきった表情が浮かんでいることが多い。そして彼らの会話から聞こえてくるのは、文明圏外国家に対する愚痴ばかりだ。

 

「以前から要求を簡単に受け入れていたのに。昨日はシオス王国から『我々は、あの日本やアメリカと国交を結んでいる!!』と強気に言われたぞ。たかが、シオス王国ごときに」

 

「それ、さっき俺も言われたぞ!トーパ王国大使に!『技術なぞいらん』とまで言っていた。理由が『国連に加盟している』だったな。ニホンやアメリカ、コクレンについて知っているか?」

 

 トーパ王国大使の対応をした局員の言葉に、周りは知らないと首を横に振るばかりだった。ただ、仲の良い職員と昼食を食べていたライターー7カ国使節団を受付で門前払いしたあの職員ーーは、驚いたように固まり、手に持っていたスプーンを落としてしまう。

 

「お、おい?大丈夫か?……顔色、悪いぞ?」

 

「あ、ああ……。なんでもない」

 

 とんでもない事をしてしまったのではないか、と冷や汗をかいたライタは昼食を急いでかき込むと、即座にデスクに戻った。これから大量の報告書が必要になってくると感じ、冷たい汗を流しながら午後の職務を始めた。

 

 

 

中央暦1639年10月22日 パーパルディア皇国 第1外務局

 

 第3外務局が国連の対応に頭を悩ませる一方、第1外務局の方も混乱していた。それは第二文明圏の列強のうち、レイフォルが詳細不明の国家であるグラ・バルカス帝国に敗れたことにある。

 

 去る9月27日に、パーパルディア皇国駐在レイフォル大使が「レイフォル国内にて非常事態発生、緊急帰国する」と伝言を最後に急遽帰国したことが発端だった。大使が不在の状況が続いていたと思えば、情報局経由でレイフォルが敗戦した上、既に植民地化が進行中であるという報告が届いたのだ。

 

 列強であるレイフォルとパーパルディア皇国は、規模こそ皇国の方が上であったが、海軍性能や装備はよく似ていた。帆船加速のために使用する『風神の涙』の質こそ皇国が優っていたが、それ以外はどんぐりの背比べ状態なのである。

 

 そんなパーパルディア皇国と同程度の国力を持つレイフォルが1国家、しかも超巨大戦艦『グレートアトラスター』1隻に、ワイバーンロードの波状攻撃、艦隊攻撃が阻止され、首都レイフォリアはその戦艦の攻撃で灰燼に帰したという。

 

 規格外の戦艦を有する国家が西の果てに出現したーーひょっとすると、第3外務局所属の皇国監察軍が、東のフェン王国に懲罰的攻撃を行った際に敗戦したのは、グラ・バルカス帝国の息がかかっている国家がいるのではないか。

 第1外務局局長エルトの脳裏を、嫌なシナリオがよぎった。身震いした彼女は、叫ぶような声で周りの職員に指示を出す。

 

「グラ・バルカス帝国について、とにかく情報を集めなさい!外務局だけでなく情報局や、国家戦略局、軍、全ての機関の垣根を越えて調査を行いなさい!」

 

 一通り指示して自身のデスクに戻れば、また新たに増えた書類の束が増えている。捌いても捌いても、次々に書類が運ばれるこの状況に、彼女は思わずため息を漏らした。昨年はまだ休める時間はあったが、今年の後期ごろから外務局は様々な対応に追われている。まだ休めないのかと嫌になるエルトの元へ、『緊急』の判子が押された書類が届けられた。

 

「エルト局長、外3(第3外務局)宛に送られた報告書の中に、奇妙な書類が紛れていたようです。カイオス局長には既に報告済みですが、グラ・バルカス帝国の一件と何か関係があるのではないかと思いまして、お持ちしました」

 

 そこには国家戦略局所属、ヴァルハルと書かれていた。その名は記憶に新しい。彼はクワ・トイネ公国とロウリア王国が戦ったという、ロデニウス沖大海戦に観戦武官として派遣されていた1人だった。確か、謹慎中だったはず、とエルトが興味深しげに書類を開くと、そこには大きな文字で『ワイバーンロード部隊壊滅、及び監察軍敗北の原因には、国連という国家連合があります』と記されていた。

 

 さらに詳細な情報を読み進めていくと、

 

・ロデニウス沖大海戦は実際にはクワ・トイネ公国海軍ではなく、日本、アメリカ、イギリス、フランス、カナダの5カ国による合同艦隊が戦ったものである。

 

・国家戦略局に提出した戦果報告は偽りなく書いたが、その内容は黙殺された。

 

・精神疾患と疑われ現場から離れていたが、皇族レミール閣下の特命を受けて、独自に調査を継続していた。

 

・先の東洋艦隊壊滅には国連主要国である上記5つの何処かが関与している可能性が極めて高い。

 

「っ!?こんな重要な報告書が埋もれていたとは……すぐに国連についても調査を行いなさい!それからこの報告書は厳重扱いとし、皇帝陛下にも注進します。何故国家戦略局がこれらについて黙秘していたのか、こちらも問いただす必要が出てきましたね……!」

 

 ついに皇国上層部が、国連の存在に気付いた。

 ようやく正式に調査を開始した第1外務局は、第3外務局、国家戦略局の職員に加え、独自に情報を入手していたと思われるレミールへの調査を慌てて開始することになる。

 

 

 

神聖ミリシアル帝国 カルトアルパス

 

 第1文明圏、『中央世界』にある名実共々世界最強国家、神聖ミリシアル帝国ーー最も、圧倒的な技術力を誇る日米英仏がいる時点で、時期に取って代わられるだろうーー文明圏の中でも魔導技術が特に優れており、街中には光魔法を使った街灯が立ち並ぶなど、都市部の至るところで魔導技術の産物が見られる。

 

 その帝国の南端、交易の拠点として賑わっているのが港町カルトアルパスだ。年中、商船が行き交い、商人たちで賑わうこの町でやり取りされる情報は、他国の情報局や外交機関からすればみつのようなものだ。そのため、各国の諜報員も商人に扮し、この町で諜報活動を続けていた。

 

「ーーしっかし、最近の衝撃ニュースといえば、やっぱり第二文明圏の列強レイフォルが西の果てに現れた新興国、『第八帝国』とやらに敗れた事だよな」

 

「『第八帝国』っていうのは通称で、本当はグラ・バルカス帝国というらしいぞ」

 

 とある酒場では各国の商人たちが、昨今世界を賑わせているグラ・バルカス帝国の話題で盛り上がっていた。世界の中でも5つしかない列強の一角が敗れたというニュースは、第1文明圏内でも大きな衝撃を与えていた。遠い大陸で起こった出来事と片付ける商人たちが多い中で、ローブを被った男は青白い顔をしながら言った。

 

「俺はレイフォルの首都レイフォリアで香辛料の商いをしていた。あれはそう1ヶ月半前、忘れもしない。ーーあの日、突然首都近辺の警備が厳しくなった。レイフォリアの海岸線に広がる魔導砲に、大量の人員と予備の砲が追加されたんだよ」

 

「あー、あの台場か。列強国に攻め入る馬鹿な国家はいないから、いつもはちょっとした置かれていなかったはずだが?」

 

「ああ。だが、その日はまるで要塞に見えるほど、次々と魔導砲が展開されてな。それに加え、首都近郊にある竜騎士の基地から、大量のワイバーンロードが飛来してきた。一体何が起きているのかと、市民や俺らは疑問に思ったさ」

 

 男の話に周りにいる商人たちは聞き入る。

 

「レイフォル兵に聞いても『今は話せない』の一点張り。何処かの国が攻めくるのではないかと声もあったが、それでも皆レイフォルの勝利を疑ってなかった。そしてあの日が……破滅の日が来たのさ」

 

 商人が奢ったカクテルで喉を潤した男は、恐怖で小刻みに震えながらその時の光景を生々しく伝える。

 

「あの日、昼頃からワイバーンロードが編隊を組んで次々と海へ飛び立っていった。……彼らが帰ってくることはなかった。この時におかしいって気付くべきだっだんだよ。

ーーその数時間後、ヤツが……小山みたいなデカい戦艦が現れたんだ。ヤツは陸からでも見えるくらいバカでかい砲を積んでいたんだ」

 

 戦艦という言葉を聞いて、周りの商人は列強で多用される戦列艦か、ミリシアルの魔導戦艦を思い浮かべた。

 

「戦艦はレイフォリアの沖合約6kmくらいに停船した。完全な魔導砲の射程外さ。……そして、殺戮の砲撃が始まった」

 

 男の顔は恐怖で更に青白くなる。酒を飲んでいるにも関わらず、その恐怖が消えない様子にとある商人は背中を摩った。

 

「1隻の砲撃など高が知れていると思うだろ?ところが、その砲撃は火神でも作り出せないほどの威力で、台場にある魔導砲を一撃で消し去った」

 

 いくらなんでも荒唐無稽な話に、いつの間にか聞き入っていた店内中の商人や各国諜報員はざわつき始めた。中には男が恐怖のあまり、精神的におかしくなったのではないかと疑い始めた者もいる。

 

 続けて行われた首都レイフォリアへの無差別攻撃によって、呆気なく滅ぼされた事を男は告げ、同じ大陸にある機械文明列強ムー、そして世界中の国家がグラ・バルカス帝国にひれ伏すしかないと予言した。だが、あまりに現実離れした内容だったので周囲の商人たちには想像できない。

 

「待て待て。レイフォルに勝ったのは分かるが、流石に魔導超文明を持つ神聖ミリシアル帝国には勝てんだろう」

 

「機械文明のムーも、ミリシアル帝国に準ずる強さがあるからな。永世中立で平和主義を掲げる国家とはいえ、やることはやるのがムーだ。文明圏外国家の蛮族にムーが負けるかね?」

 

「お前たちはレイフォルが列強最弱であるって思ってるからそんなことが言える。だがあの恐怖を知ったら、そんなこと言えなくなるぞ……」

 

 男はそれ以上、グラ・バルカス帝国について語ろうとしなかった。聞いていた商人の1人である、太った男は空気を変えようと、近くの商人たちと話題を転換した。

 

「そ、そういえば、ロウリア王国って知ってるか?」

 

「知ってるってお前、あの東の蛮国だろ?文明圏外にしてはえらく野心的だったな」

 

「そうそう。俺が交易に行った時、隣国のクワ・トイネ公国とクイラ王国に喧嘩売ったんだよ。亜人の殲滅を掲げてな」

 

「亜人の殲滅ぅ?んなもん、無理に決まってんだろ。アイツら、頭がイカれてるのか?」

 

「俺もそう思ったよ。で、その戦争なんだが国連っていう、新興国が集まった国家連合が参戦してきたらな、あっさりとロウリアは負けちまった。その国連が圧倒的に強かったんだと」

 

 国連軍の兵をロウリア王国は1人も殺すことが出来なかった事実は、戦場伝説のように世界を駆け巡った。これに加えて、4400隻の大艦隊も が国連軍50隻に戦力の8割を削られるほどの壊滅的な被害を受け、手も足も出ずに敗北した衝撃的な事実も瞬く間に世界へ放たれた。

 だが、伝説のような戦いを商人たちは信じず、酒の席のネタになる程度だと軽んじながら聞いていた。

 

「兵も1人も倒せなかったとか、たった50隻に4400隻が退けられたとか、どう考えても情報操作だろ。あり得ない」

 

「ロウリア王国が負けた?列強や文明国ならまだ分かるが、同じ文明圏外の国々に!?信じられない、あそこは腐ってもちょっとした大国だったのに」

 

「まあ、いくらグラ・バルカス帝国やコクレンが強かろうと、神聖ミリシアル帝国とは格が違うってもんよ。奴らは絶対に勝てないさ。それこそ古の魔帝が復活しない限り、中央世界は安泰さ!」

 

 酔っ払い達の世間話は夜更けまで続き、酒場は大いに盛り上がった。翌朝に、酔っ払いが店先で泥酔するほどに。

 

 

ムー 統括軍所属情報通信部 情報分析課

 

 世界に3つある大陸文明圏の中で西方に位置する第2文明圏。その文明圏の中で最強を誇る列強国ムーは、魔導文明が主流になっているこの世界において、科学に有用性を見出したほぼ唯一の国だった。国策として機械や科学技術の発展に力を入れているムーの情報分析課は、諜報機関の中で情報分析を専門にしている部署だった。

 世界中の様々な国家の情報が集約され、その道に精通した専門家たちが日夜その分析に明け暮れていた。

 

 この組織に属する情報分析官であり技術士官でもあるマイラスは、レイフォリア襲撃時に撮られた魔撮ーー地球文明のカメラに相当ーーで撮影された、グラ・バルカス帝国の超大型戦艦グレードアトラスターの写真を分析して、冷や汗を流した。

 

「まずいな……」

 

 信じられないが、グラ・バルカス帝国はムーよりも科学文明が進んでいるのかもしれない。だがマイラスは、これの結果を報告しても軍部や政治家の頭の硬さが災いして信じらない事を予見していた。

 

 ムーの最新式戦艦『ラ・カサミ』は甲板上に積んだ回転式大型砲、鉄鋼技術の粋を結集した鋼鉄製の船体、蒸気機関技術を応用した重油で動く内燃機関を搭載している。

 

全長:131.7m

全幅:23.2m

機関:15000馬力

排水量:15140t

最大速力:18ノット

兵装:主砲30.5cm連装砲2基4門

副砲15.2cm単装砲14門ーー

 

 ムー海軍は、神聖ミリシアル帝国の魔道船とも互角に、あるいはそれ以上に渡り合える可能性があると豪語していたし、マイラス自身もそう思っていた。レイフォルやパーパルディア皇国の帆船に圧勝できるほどの性能は、神聖ミリシアル帝国に迫れる唯一の存在として高く評価されていたのである。

 

(しかし……これは一体、どうしたものか……)

 

 グラ・バルカス帝国の超大型戦艦『グレードアトラスター』は、情報によれば約30ノットの速力に、7万tはあると思われる排水量、40cmほどの口径がある主砲、15万馬力を超える機関など、その全てが『ラ・カサミ』を凌駕していた。

 その上、砲数も格段に多い。砲撃の威力は口径の3倍あると言われているが、仮に『ラ・カサミ』と『グレードアトラスター』が撃ち合えば、ほぼムー側が負けることは誰もが分かることだ。奇跡でも起きない限り、確実に叩き潰される。しかも、高度な技術がこれでもかと詰め込まれている戦艦だけに、砲撃精度も高い可能性がある。

 

「写真を見ただけで敵わないと分かるとは……技術水準が50年くらい開いていないか!?」

 

 『グレードアトラスター』の分析に嫌気がさしたマイラスは、資料を机に放り投げて椅子にどっと腰掛けた。背もたれに上半身を預け、ぼんやりと天井を見上げた。

 

「そういえば……」

 

 顔を下ろしたマイラスは机にある資料をいくつかどけて、とある写真を紙の束から引き抜いた。ムーからは遠く離れている第3大陸圏のさらに果て、文明圏外国家ロウリア王国とクワ・トイネ公国およびクイラ王国の戦争にて撮られた一枚だ。誰もが勝利を確信していたロウリア王国の圧勝を覆した国家の主力艦だ。

 添付されている資料によると、アメリカ合衆国という国家の『ミッキーマウス』と呼ばれる超大型戦艦だ。

 

推定であるが

全長:250m前後

全幅:30m以上

排水量:6万t前後

機関:20万馬力

主砲:32.5cm単装砲?と思われる正体不明の大砲

 

 マイラスにとっては煙突がない船体がどんな動力で動いているのかさえ分からなかった。また、これだけ大型にも関わらず、メインウェポンはこれまた原理が不明である正体不明の大型大砲?のようなもののみ。単純に設計思想が理解できない。

 だが、大型の船体を作れるという技術がある分、ムーにとって脅威であることに変わりはない。

 

「コイツもコイツで……設計思想から主武装まで全く分からん。しかし技術は……見た感じだとこちらも50年ほど差はあるか……」

 

 訳も分からない国家が次々現れたな、とマイラスは今後の忙しさを呪いながら集約された情報の分析を進めた。

 

 




Plans are worthless, but planning is everything.
ーー第34代アメリカ合衆国大統領アイゼンハワー
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