航海を無事に終え、ラゴスの港に着いた僕たちは、街道を東へと向かった。
途中、いくつかの村があったが、よそ者の僕たちは警戒され、とても受け入れてもらえるような雰囲気ではなかった…。
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「…なかなかむずかしいね」
「まあ予想していた通りだよ。
…仕方ない、次の街へ向かおう」
再び海沿いの街道を歩く。
ドンレミ村は内陸にあるから、ジャンヌも僕も今まで海を見たことがなかった。
アキテーヌへの赴任中に僕は初めて海を見たけれど、南地中海の明るい海は、フランスのそれとは違うものに見える。
「海って本当に素敵だね!
ずっと見てても飽きないな」
海風に髪をなびかせているジャンヌはずっと上機嫌だ。
聖女という重荷を下ろし、久しぶりに普通の少女に戻った。
それからは言葉づかいも足取りも……、すべてが軽やかになったようだ。
「ねえ、ミカエル。
私………できたら、海沿いの村で暮らしたい。
海の近くの村って、みんなどんなことをするのかな?」
「そうだな…。
地中海は交易が盛んだから、いろいろな商店があるみたいだよ。
陶器やガラスを作ったり、
果物や野菜を育てたり、
さっきの村では石鹸を作っていたみたいだよ。
………まあ、とにかくいろいろじゃないかな?」
「そうなんだ!
すごいな…楽しみだなぁ…」
「そうだね。
僕も海沿いに来てよかったと思うよ」
「やっぱりそう思う?」
「うん。
ドンレミ村とは全く違う環境だからこそ、僕たちの新しい生活を始めるにはぴったりだと思うからね」
「うん!
次の村はいいところだといいね」
僕たちは、海風に吹かれながら東へと進む。
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その日の夕方ごろ、アルトゥーラという村に着いた。
小さな村だけど、周りに大きな農園を有していて豊かで美しい村だった。
村には宿屋がなかったため、外れにある教会を訪れて一夜の宿を求めた。
「……それはそれは。
こんな遠い村まで大変だっただろうね。
たいしたもてなしはできないが、好きなだけ休んでいくといい」
教会の神父さまは、こころよく僕たちを迎え入れてくれて、手厚くもてなしてくれた。
話を聞いた村人たちも教会にやって来て、毛布や食べものなどを差し入れてくれた。
「よかった…。
とても優しい人たちだね。
明るくて平和で、美しくて……すごく素敵な村。
ここに落ち着けるといいなぁ…」
「そうだね。
明日、さっそく頼んでみよう」
しかし、その安心もつかの間………………
その夜、ジャンヌは急に体調を崩した。