僕たちジャンヌ隊はいよいよトゥーレル砦に到着した。
「第一隊は、私と共に正面より進軍!
第二隊は、砦側面から攻略を開始せよ!
神のご加護は、我々のもの!
誇り高きフランスの兵士たちよ、いざ進め!」
ウォーッ!
ジャンヌの呼びかけに兵たちが奮起する。
僕が所属するのは第二隊、トゥーレル砦を側面から攻撃しなければならない。
(これまでのジャンヌの協力に報いるためにも大活躍してみせる!)
「攻撃目標は砦の守備隊だ!」
第二隊の隊長が叫ぶ。
「フランス軍め!
我らイギリス軍の力に敵うわけがない!
気高きイギリスの兵士たちよ、我らの王のためにこの砦を死守するのだ!
神は、我々とともにある!
恐れを捨てて、立ち向かえ!」
イギリス軍の司令官だと思われる人物の声が聞こえる。
やはりトゥーレル砦には精鋭が揃っている。
しかし、ここで倒れるわけにはいかない。
――――――――――――
守備隊に切れ間ができた。
隊長の声がした。
「よし、今だ!
それぞれの持ち場につけ!」
僕たち第二隊は、敵の守備隊を蹴散らすと、さらに隊を分けて開門のための攻略を進めた。
敵の大隊もジャンヌたちに押され側面への救援が出せずにいる。
オルレアンからの増援もまだ到着する気配もない。
そして第二隊はいち早く東門を破り、砦内部へ侵入。
内部の守備隊を打ち破ると、続いて正面の南門を開錠した。
それを見た第一隊は流れるように砦内に侵入を開始。
ここにトゥーレル砦は陥落した!
見事砦を落としたフランス軍は大きな歓声をあげていた。
僕はこの喜びを共有したくて、第一隊の中にいるはずのジャンヌを探すが………。
「すいません、ジャンヌ隊長は………?」
第一隊の兵士から彼女が負傷したことを知らされた。
「隊長は、今あちらで治療中です」
――――――――――――
治療を受けたジャンヌは、砦内の個室をあてがわれ休んでいた。
「ジャンヌ!大丈夫か!?」
「………大丈夫よ、たいした傷じゃないから」
彼女は、包帯を巻かれた自分の肩に手をやった。
「この傷………大丈夫なわけないだろう!?」
「大丈夫だって…。
…それより……ミカエルも無事だったのね。
よかった……本当に……」
彼女の目は潤んでいた。
「ジャンヌ……」
青ざめた顔で僕の無事を喜ぶジャンヌ。
「……ダメだ……、やっぱりこのままじゃダメだ!
君のそばにいても守れない。
傷ついた君の前にいても、何もできない!」
「ミカエル……」
不甲斐なさを痛感した僕は、さらに強くなる意思を固めた。