「め〜がねくんっ♪」背後からおどけて呼びかけ、目を手で覆って視界を奪ってみた。メガネくんは口をパクパクと開け閉めして、やっとこさ声を絞り出すようにして正体を当ててきた。
「凄いっ♪正解だよ〜!メガネくんは頭いいね〜」とからかえば、「そんなのしてくるの君しかいないよ…」と、妙に真面目な反論が返ってきて、
「くすくす」思わず笑っちゃった。このメガネくん、他の男子と違って、反応が面白いんだよね♪こうして遊べるのも今だけかな?
そんな彼と遊んでいる時間は、まるで小さな冒険のようだった。
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「メガネくん、放課後はいつもひとりぼっちなの?ずっと本ばっかり読んでないで、たまには遊ぼうよ♪」私が提案すると、彼は戸惑いつつも抗う力はなさそうだった。
彼の手を掴んで、廊下を走り抜ける。教室や廊下にはもう誰もいない。部活の声もほとんど聞こえなくなり、校舎は静寂が広がっていた。夕日が窓から差し込み、金色の光が私たちを照らす。
私たちは今まで経験したことのないような、一夏の冒険を始めることになる。彼は少し戸惑いつつも、それでも私と一緒に過ごす時間を楽しむようだった。
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「ほら、見て。先生たちが仮眠室にゲーム機を置いてる。見回りが来るまで2人で遊ぼ♪」私が小声で囁くと、メガネくんはいけない雰囲気を感じ取り、うつむくように頷く。
部屋の中に入ると、古びた家庭用ゲーム機が置かれていた。そして、コントローラーもちゃっかり2つある。いつも教室の隅っこで黙々と勉強してるメガネくんには、こんな遊びの世界は未知の領域だったみたい。
「わぁ、色んなゲームがたくさんある…」メガネくんが驚いている姿を見て、私は心の底から微笑む。純真無垢な彼の反応を見ていると、愛おしさや好意が心からわき上がってくるのを感じる。それは、ただの友情以上のもので、私はほんの少し胸をときめかせていた。
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私たちはレースゲームを選んで楽しんだ。次は負けないよ。そんなやり取りをしていると見回りの足音が聞こえてくる。「やばいよ、先生来てる。早く隠れないと!」焦るメガネくんをひっぱってロッカーに隠れる。狭い空間に2人きり。ドキドキ。
ロッカーの狭い空間で、私たちはぎゅっと身を寄せ合って息を殺す。密閉された空間で響くメガネくんの急な息遣い。心拍数が上がってきて、自分でも驚くほど私はドキドキと高鳴る心臓を感じる。
私の頬がメガネくんの肩に触れ、彼の温もりが伝わってくる。少し甘酸っぱい香りが漂い、ふと彼の横顔が目に飛び込む。目を閉じた彼は、ほんのりと赤く染めた頬も相まっていつもより大人びて見えて、私は思わず見惚れてしまった。
そのまま時間が止まればいいと思うほど、素敵な瞬間だった。でも、足音が遠ざかり、危険が去ったことを確認した彼は、やっとのことで呼吸を整える。狭いロッカーから出る時、メガネくんと目が合って、少しだけ赤くなっていた彼の顔を見て、私はにっこりと笑った。
メガネくん、ドキドキしたね。手を繋ぎながら見つめて言うと、熱に浮かされた瞳と目が合う。私たちはそのまま数秒固まるが、忘れ物しちまった〜!と遠くから駆けてくる先生の声を聞いて、慌ててその場を離れた。繋いだ手は離さない。彼を引き連れて、仮眠室を後にする。彼の手は冷たくて、ちょっと緊張しているようだった。でも、絶対に離さない。その証として手をきつく握りしめる。
階段を下りて外に出ると、すでに夕暮れが迫っている。あたり一面はオレンジ色に染まり、二人の影が伸びていく。遊んだ時間は短かったけど、とても楽しかった。そして、それ以上に思い出深かったのは、ロッカーの中で過ごした一瞬。それが私にとっては何よりも特別な時間だった。
メガネくん、楽しかった?彼の顔を見つめながら、微笑んで問う。その顔には照れくさそうな笑顔が浮かび上がり、嬉しそうにうなずく。これからも遊ぼうね、と言って手を握りしめる。今日の一件で、メガネくんとの距離がぐっと縮まった気がする。とても幸せな気分だ。