旅をしたいのに周りが許してくれない!   作:どこにでもいる名無し

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 ある程度齧ってるつもりですが、設定に間違いがあるかもしれませんのでそこはご容赦を。


崩壊:スターレイル
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 彼は律者ではない。ましてや、崩壊に対する免疫力など皆無だった。思えば、彼の人生は報われない偽善で成り立っていた。

 

 生まれ持って課せられた『役目』

 何故自分なのか、どうやって誕生したのか理解していない頭の中で、強く刻まれた神聖な任務を遂行する意思は数えるのも気が遠くなる年代まで進む。

 人の願い、星の願い、果ては神の願い。虚数の樹から逸脱した生命は悠久の時を役目に費やした。ボロ雑巾になろうとも、他者から利用され蹴落とされようとも、その笑顔が絶えることはなかった。

 B.C2000年、その10年前、そんな彼が星々を巡るにつれ、訪れた先は地球だった。

 『崩壊現象』

 宇宙に課せられた災厄、地球そのものに害を与える自然災害によって衰退の一歩を辿る人類は、願いとして崩壊の消失を願った。

 人は人類の存続、星は人類の文明の死滅、そんな二律背反とも言える二つの願いに彼は悩んだ。相容れない人と星はまさに水と油、その地で長い年月をかけて答えを得る選択を取る。

 

 地球での生活は悪くなかった。

 崩壊による減退を受けた人類はそれでも強く生き、皆それぞれの考えを持って人生を歩んでいる。美しい部分もあれば醜い部分もある、それは長年生きてきた彼は知っていた。

 聖フレイヤ学園で過ごす彼は親友とも言える人物がいた。名は『キアナ・カスラナ』過ごす中で友達は沢山いた彼だが、問題児同士気が合うのだろう、二人が一緒にいることは珍しくなかった。

 学園で過ごす日々は本当に楽しかった。役目を持つ彼は今まで利用されるだけだったために、共に笑い合える時間というのは儚く尊い時間だった。

 「人は好きだ。ありとあらゆる可能性を見せてくれる」とは彼の言葉だ。どれだけ虐げられようと本気で向き合う彼はいつしかこの星の問題に答えを出した。

 

「崩壊という概念をこの世から消し去る」

 

 言うは易し行うは難し、そもそも崩壊エネルギー自体有害だ。人間ではない彼でも多量に浴びてしまえばどうなるか。

 だが歩みは止まらなかった。願われたなら叶える、例えその過程でこの身が滅んだとしても、役目の為に死ねるなら本望。

 

「俺という存在を以て、この世界は完璧となる。心臓は地球の核となり、滅びの一切合切を断絶する」

 

 選んだ道は命を代償としての等価交換。崩壊そのものを身に宿し、この世から消え去ることだった。

 完璧、例え様もなく完璧な案に彼は実行したが、そこにイレギュラーが生じた。

 

「最後にお前が立ちはだかるとはな…キアナぁ!!」

 

 崩壊が抵抗するのは目に見えていた。だが崩壊では彼を止められなかった。そうして取り込むことに成功したが邪魔者が入ったのは予想していなかった。

 一人の命で人類が助かる。星が助かる。俺を知ってるみんなが生きる。躊躇う理由もない彼自身を苛んだのは、他でもない親友の彼女だった。皮肉なことに、互いを思い合う心が弊害として生まれたのだ。

 頑固者同士の戦い。一人の命を失いたくない彼女と自分のことなんざはなからどうでもいい彼の結末は彼自身の機転によって起こったキアナの介錯で決まった。

 親友の腕に抱かれて消えゆく彼は最後まで笑いを絶やさず言葉を残していなくなる。

 

「お前は悪くないよ。ははっどうやら俺の勝ちみたいだな」

 

 崩壊は消えてなくなった。終わりの見えない道に終止符を打った彼の存在に心を痛めるのは彼を知る人達だったが、それ以上に悲しんだのはキアナ・カスラナ本人だった。

 地球という人類が最も栄える星は彼の心臓を永久機関の核とし、人類の進化と共に自然を育ませる。きっと人間の中から悪は生まれるだろうが大丈夫、その時は戦乙女の皆が解決してくれるだろう。

 

 幸運を、死にゆくものより敬礼を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …ちなみにだが、彼はまだ生きている。

 生きている彼をキアナが見つけた場合。それはそれは凄い形相で、過剰とも取れる手段で拘束し、既成事実を作りにかかるので当の本人が知らないのは不幸中の幸いか、それとも知らぬが仏が正しいか。どちらにせよ彼の行く旅先に女難の相が出ているので強く生きて欲しいものだ。





 時系列
 彼、1990年頃に地球に降り立つ。→学園で青春を謳歌する。→キアナが薪炎の律者として目覚める頃に行方不明になる。→崩壊3rdが行き着く先、三人の律者が崩壊に立ち向かう先で彼は自らの体内に崩壊そのものを取り込んで死亡。→そして崩壊スターレイル世界へ。

 キアナ
 初期と今を見比べると別人かと見紛う程成長した戦乙女、学園に入学した頃から彼とは仲良くなり、一緒に悪さする悪友に。姫子とはまた違った意味で好意的な関係で続いていたが、ある時を境に彼が行方不明になりその中で崩壊と戦う。
 終焉の律者として目覚めた頃、崩壊を取り込んで自死しようとする彼を見つけ必死に止めたが、最終的に自らの手で殺したせいで頭がバグる。
 
 彼
 虚数の樹、量子の海、そのどちらでもない領域から生まれた存在。
 自らが持つ役目を『神聖な任務』と称しており、どんな時でも笑顔を絶やさない奇人。
 キアナとは仲良し。

 自分自身、崩壊3rd世界はホヨバースの中で一番の魔境だと思ってます。

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