セリム・ブラッドレイの許婚   作:クラレントブラッドブラッドレイ

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何かが違うハガレン


第一章 「M」
取り付く島もない


 おはようございます、と彼は礼儀正しく挨拶をしてきた。だから私もおはようございますと返す。

 それだけなのにざわつく校内。何にざわついているのかは知らないけれど、私の心もざわめいていることを忘れないでほしい。

 

「どうしましたか、レイゼン。僕の顔に何かついていますか?」

「いえ。相変わらずの容姿端麗さで目を奪われていただけです」

「君のお世辞はいつも心が籠っていませんね」

「お世辞ですから」

「あはは、それもそうだ」

 

 軽口。軽口だ。

 そんなものを叩けるのは、恐らくこの国立中央学院においても私だけなのだろう。初めは失礼がないようにないようにとしていたけれど、いつしか彼の方から「もう少し砕けてくれていいですよ」とのお達しがあったのでこうしている。

 

 彼。だから。

 

「時に、レイゼン。知っていますか? 一昨日の話です。なんでも軍の国家錬金術師制度に、最年少で合格した錬金術師が出たとか」

「申し訳ありません。錬金術に関してはとんと疎く……よろしければ、あなたの口から、どのような方なのかお聞かせ願えませんか? ()()()()

 

 セリム・ブラッドレイ。

 彼がセリム・ブラッドレイで。

 私がその許婚で。

 

 いやこの立ち位置でどないせーっちゅうねん!

 

 

 

 

 レイゼン・M・ダッドリー。

 軍でアメストリス式剣術の剣術指南を行っているダッドリー中将の孫娘。……が、私。父親、長兄、次兄がアメストリス式剣術を習い、じゃあ私も、と剣を取らば、やれお前は女だからだのやれお前は美しいのだから傷を作ってはいかんだのと追いやられ、いつしかセリム・ブラッドレイの許婚になっていた。

 いやいや。

 なーにがいつしかじゃ。いつしかいつしかにも程というものがあるだろう。でも私に決定権とかないのよね。

 

 で、だから、まぁ、セリムと同じ学校に通っている。

 ……セリムってちゃんと学校行ってたんだなぁとか、何がどうあったらキング・ブラッドレイ大総統がウチの爺さんと許婚の約束を交わすのかとか、あと()()()()()的にはもうすぐで消えてなくなる私達なのに、なにをさせたいのか、とか。

 色々考えた結果、色々考えを放棄した。

 

 や、だって私何もできないし。

 子供も子供。もしこれが1900年頃にベテランと言われる程の実力をつけた錬金術師、とかだったらわからなくもないけど、既に1911年時点でキッズもキッズな私に何ができると。

 せいぜいがセリムと軽口を叩いて、彼の偽りを彩るくらいだろう。

 

 セリム・ブラッドレイ。

 紛う方なき化け物。私がどうこうできる相手じゃない。というか私がどうこうできる相手が存在しない。どうでもいいけど私は転生者なので鋼の錬金術師の粗方を知っている。その上で言う。私はヨキにも勝てないのでもうどうしようもない!! ……あ、いや、策を弄せばワンチャンはあるかもしれない。そうじゃなくて。

 OK、どうしようもないことがわかったから次に行こう。

 

「レイゼン。経済学は苦手ですか?」

「私には必要のないことだとは思っています。けれど、どうして?」

「ずっと上の空でしたから。しかし、必要のないこととはどういう意味でしょう。いずれ僕の伴侶となる君が経済に無知ではよろしくないと思いますが」

「私はまだお爺様のことも大総統のことも疑っていますので。セリム様の許婚など、子供の内だけでしょう」

「相変わらずレイゼンは悲観的ですね。僕も他人の事はとやかく言えませんが、そこまで目に光の無い子供は君くらいだ」

「最初に会ったころのセリム様の目には光がありましたよ。何かにつけて凄い凄いと大はしゃぎで」

 

 そう、今のセリムはもうなんかちょっとプライドみが強い。一人称こそ違うものの、普通の子供を演じているはずの、「わーすごーい!」とか「鋼の錬金術師にあってみたいです!」とか無理してる時のセリムは鳴りを潜め、明らかに子供らしからぬ理知的なアレソレを醸し出している。

 ……私と二人きりの時だけ、な気はしないでもないが。

 

「君といる時にお坊ちゃんぶっても仕方がないでしょう。ああいういい子を可愛がってくれる人柄でもないですし」

「そうですね。子供は苦手なので」

「面白いことを言いますね。自分も子供なのに」

「だからですよ。生まれた時から私の周りにいるのは大人でした。お爺様の剣術を習いに来る大人。長兄の友人、次兄の友人。私は彼らとの付き合い方は覚えましたが、子供との付き合い方は知りません」

「僕のように可愛らしく振舞うのはどうですか? 友人ができますよ」

「セリム・ブラッドレイの許婚に友人が必要ですか?」

「おや、僕の許婚であるのは子供の内だけなのでは? なれば大人になった時、君は孤独となってしまう」

「心配ありがとうございます。ですが、構わないでしょう。剣に生き、剣に沿い、剣に死ぬのがダッドリー家。私は剣を授かっていませんが、血は変わらない」

 

 セリムはそう言い放つ私に、そうですか、と呆れたような溜息を吐いて……では、と。手を差し伸べて来た。

 

「レイゼン。僕のお父さんにあってみませんか?」

「会ってみるもなにも、ご挨拶に伺った時に一度会いましたが。そもそも何がどう"では"と?」

「僕のお父さんも剣の達人ですから。ダッドリー中将が教えてくれないのであれば、僕のお父さんに頼んでみるのも一興でしょう」

「……結構です。ブラッドレイ大総統の剣術は以前見たことがありますから」

「一度見れば十分だと?」

「いえ、無理だとわかりました。アレは驚異的な反射神経による"その場しのぎの剣"。勿論アメストリス式剣術が源流にあるのは間違いありませんし、達人であることに口を挟むつもりはありません。ですがこの通り、私の腕は非力で、私の目はそこまで良くありませんから。……だからどの道、お爺様からも剣は授かれないのですが」

 

 彼の口が「ほう」と動く。

 言い過ぎたか。だけど、原作を見ていても思う所はあったんだよなぁ、とか。

 アレは最強の眼があるからこそできる"その場しのぎ"。それはコンマ単位の間隔で行い続けている、つまりアドリブの剣だ。最強の眼。蓄積された経験値。積み重ねられた練度。

 すべてが揃ってようやくアレになれる。

 

「……いいですね。今の言葉、ともすれば悪口です。今度お父さんに報告しておきましょう」

「どうぞ。それによって許婚が破棄されようが、ダッドリー家が没落しようが、私には関係のないことですから」

「ダッドリー家に愛はないのですか?」

「お爺様も長兄も次兄も強い。強さ以外の評価軸が必要ですか、今のアメストリスに。隣国三つに対する戦場へ、国家錬金術師とてそう易々と投入できるわけではないでしょう。銃が主力の現代において"銃に勝てる剣技"を持つ家を捨てるのはリスクがあり過ぎるのでは?」

「君だけが切り捨てられる、という可能性は?」

「それが最も良い結果でしょうね。アメストリスは貧富の差が激しいですから、孤児などいくらでもいますよ。ダッドリー家には何もなかった。ただ一人の少女がセントラルからいなくなって、そうですね、ラッシュバレーあたりに住むのかもしれません。あるいは辿り着けずに野犬にでも食われて死ぬか」

「悲観的ですね。僕に頼み込んで今言った言葉を無かったことにしてもらう、くらいは考えないのですか?」

「そもそもセリム様がこの程度の些事を大総統に告げ口するとは思っていませんからね。それに、"その場しのぎの剣"を悪口だと、陰口だと捉える程度の方がトップの国に未来はありません。少なくとも私は褒め言葉として使いましたから」

 

 それができるのは、最強の眼を持つ彼だけだから。

 

「レイゼン。僕が君を好いていると言ったら、それら厭世的な考え方は変わりますか?」

「誰が私を好いていても、嫌っていても、変わりはしませんよ。──この国に未来があると、欠片も思っていませんから」

「へぇ、それはまた、どうして?」

「地力の差です。国家錬金術師が自らの錬金術を秘するせいで、有望な後継者が生まれ難い。研究結果を隠す以上、そして弟子を取りたがらない研究者気質である以上、減っていく戦力はいずれ覆されます。アエルゴ、クレタ、ドラクマ。喧嘩を売り過ぎましたね。今は拮抗状態が続いている……いえ、何故か均衡が保たれている、という状況ですから問題ありませんが、五年、十年後にはもうアメストリスは無いのでは?」

「そうですか。ではもう一度言いますよ、レイゼン。僕が君を好いていて、君を守りたいと思っているとして──君の考えは変わりますか?」

「では保留にしておきます」

「保留? 期限は?」

「1915年の春。私達が中等部へ上がる時に、答えを」

 

 それまでにアメストリスがあれば、だけど。

 というかナニ? このアピール。人間を見下しているから傲慢(プライド)なんでしょ。好いているだの守りたいだの、私の前では猫被りを辞めるんじゃなかったの。

 

「……成程、手強いですね。つまりその日までに君を振り向かせる必要があると」

「セリム様に振り向かせる気がない以上、無理な話でしょう」

「こうも言葉として表しているのに好意が無視される、というのは中々辛いものがありますね」

「愛も恋も知らぬ子供の身空ですからね。許婚に吐く甘い言葉の教育は中々だとは思いますが」

「過去に何かあったのではないかと疑うほどに悲観的ですね、君は」

「過去には何もありませんよ。未来を憂いているだけなので」

 

 では、と立ち上がる。

 すっかり話し込んでしまったけれど、まだ次の授業がある。あまりにも濃すぎる休み時間ではあったけれど、何も毎回がこう、というわけではない。

 ただ──エドワード・エルリックが国家錬金術師に合格したことで、思う所でもあったのかな、とかは。

 

 そう。

 物語が動き出した、刻限への思いが……みたいな。

 

 

 

 で。

 

「久方ぶりだね、レイゼン・M・ダッドリーくん」

「……はい。お久しぶりです、ブラッドレイ大総統」

「それで、剣術指南をしてほしいとのことだったが」

「いえ、言っていません。セリム様の妄言です」

「はっはっは、妄言と来たか」

「実際妄言でしょう。ご子息の許婚、政治的な繋がりのある家の令嬢を剣で傷つけようものなら、たとえ大総統といえど外聞が悪いのでは?」

「ふっふっふ、そんな醜聞など握り潰せば良いが……ダッドリー中将があそこで見ている手前、大切な孫娘を傷つける、というのは確かにできそうにないな」

 

 何故か今中央練兵場なうで、遠くの方でお爺様が腕を組んですんごい怖い顔をしていて、目の前には大総統がいて。

 

「さて、どうしましょうか、大総統。この場、どう落ち着けるのが収まりの良い結果になると思いますか」

「私としては可愛い可愛い息子の頼みを聞いてやりたいところなのだがね。ふっふっふ、食事の時に話してくれたよ。レイゼンくんと仲良くなりたいのだが、取り付く島もないと」

「それも妄言でしょう。聞き流してくれて構いませんよ」

「なるほど、これは取り付く島もない。……さて、しかしこうして練兵場を貸し切ったのだ。少しばかりの打ち合いはしておくべきだろう。案ずることは無い。君に一切の傷を付けずに相手になることを誓う」

「お忙しいのでは?」

「なぁに、時には休暇も大事であろう」

 

 ということで、剣が渡された。

 ……まぁ。

 

 絶対に殺されない、なんなら傷つけられることも無いとわかった上で、キング・ブラッドレイに挑める、というのなら──それはまたとない機会ではあるか。

 

「一つ、前置かせてください」

「なんだね?」

「私はお爺様から剣を授かっていません。故にこれは我流であり、アメストリス式剣術からも外れるもの。ご容赦くださいませ、ブラッドレイ大総統」

「楽しみにさせてもらおう」

 

 姿勢は低く、剣と鞘を両手に持って、まるで獣のような姿に。

 右手の鞘。それを大総統へと投げる。非力な子供の肩による投擲だけど、鞘の端を持てばそれなりの速さで飛ぶ。

 

「陽動か、目くらましか。──いや」

 

 次の瞬間、私の身体は大総統の左側にあった。投げた鞘の真下を通って来たのだ。その姿勢のまま、大総統の膝裏めがけて左手の刃を振るう。それはヒョイと足を上げられたことで避けられたけれど、狙いがそれなのだから狙い通りだ。左肘を軸に身体を走らせて、地についている方の右足を蹴る。

 

「ほう、中々」

 

 が、バック宙で避けられた。片足浮かせた状態からバック宙ってどういうバネしてるんだ。

 

「む?」

 

 気付かれた声が聞こえたけれど、まぁいい。左肘を軸に身体を走らせたのだから、そこには円ができる。そこへ落ちてくる、先ほど投げた鞘。円を描き終わった足で鞘を捉え、円周に引っ掛けるようにして大総統の方へと蹴り飛ばす。

 

 走るは、青い錬成反応。

 

「なんと」

 

 埒外の速度で射出された鞘。それを真っ二つに切り裂く大総統。果たしていつ剣を抜いたのか。わからないが、わかる必要もない。

 鞘を切ったことで内部に詰まっていたものが大総統を襲う。黒い砂だ。

 

 上段からの斬り下ろし。これはアメストリス式というよりは日本の剣道の剣だ。柄を引くことで支点力点作用てーんで速度を出す奴。剣速や威力を目的としたものではなく、この小さな体躯でまっすぐに剣を振るための剣。

 

「目くらましのつもりかね?」

「いいえ」

 

 決して速いとは言えない、というか遅すぎる剣は、けれどしっかり大総統が受け止めてくれる。だから私は柄を捻る。捻るというか回す。左手で基軸を作って、右手でぐりっと。起きるのはそう、微かな傷がつくくらいだ。

 剣──いつのまにか円柱状になっている剣に、円の傷がつく。

 走るのはまた青い錬成反応だ。大総統と撃ちあった箇所から先の剣がバラバラに崩れる。サラッサラになる。

 

「……これは!」

 

 周囲に漂う黒い砂と、今まさに粉末状になった銀色。

 そこへ最後のスパイス──何の捻りもない、ライターを一つ!

 

 直後起きる大炎上。爆発というには威力が足りないし、焔というには指向性が足りない。

 ただそこで炎が上がっただけ。

 

 ……というのを、大総統に首根を掴まれて、遠くから見る。

 今まで、ついさっきまでそこにいたはずなのに、現場を眺めているという異常。

 

「流石です。私には傷一つつけない、という約定でしたからね。あのままあそこにいれば、大総統は無事でも私は巻き込まれて火傷を負っていたでしょう」

「反省の言葉はあるかね?」

「ごめんなさい。ただ、大総統に挑むとなれば、いつもはできないことをしたくなるというものです。国家錬金術師には遠く及びませんが、民間の錬金術でもこういうトリッキーさは出せますからね」

「どうやら反省は無いらしい。今鬼の形相でこちらに向かってきているダッドリー中将に引き渡すとしよう」

「まずセリム様を叱るのが先では? 私とてダッドリー家の人間。戦となれば自らの身を省みないことくらいわかっていたでしょう」

 

 そう──ドタドタとこちらに向かってきているお爺様。

 彼の右足は機械鎧だ。イシュヴァールの内乱で失ったらしい。喪うほどの怪我を受けて尚敵を斬り殺したとか。国家錬金術師投入後の話だ。つまり、あちらこちらで爆発だの炎だのが上がっている中で、銃ではなく剣で行ったと。

 正直言って考えなしだとは。ただまぁ血筋は争えない。

 私に剣を授けてくれないというのなら、それ以外の手法で強くなるしかない。なにせキッズだから。しかし、これでセリムに対して嘘を吐いていたことがバレてしまった。何がとんと錬金術には疎いだ。鋼の錬金術師の世界に転生しておいて錬金術を学ばない理由がないだろう。

 

「しかし、その歳で錬金術を戦闘に組み込むとは。成長が楽しみになるな」

「……ここで頭打ちでしょう。どの道非力な身。初見の相手を驚かせる程度に終わります」

「十分ではないかね? 今、やろうと思えば私を殺せただろう。あのような目くらまし程度の錬金術ではなく、もっと凶悪な錬金術を使えば……」

「今のは錬金術というよりただの化学反応ですが、まぁそうですね。老齢の男性一人を昏倒させることくらいはできました。ただその場合、私も昏倒、悪ければ意識が戻らない所まで行きかねませんからやりませんが」

 

 なんなんだ。

 セリムといい、大総統といい。

 

 まるで私に未来があるみたいな言い方をする。わかっているはずだ。1915年には終わる。終わる予定なのだろう。少なくともエドワード・エルリックに阻止される、なんて未来予想図は描いていないはずだ。計画は恙なく進行し、アメストリスの国民5000万人は全て「カミ」を抑えるための賢者の石になる。

 それは私も多分に漏れず。

 だというのに、未来だの成長したらだの大人になったらだの。

 

 ……いや、子供に対して吐く言葉として考えたら妥当か。

 今は夢見る子供。セリムと許婚、なんて思い上がる立場に至り、そうして大総統からこんな言葉を貰えば舞い上がるのは確実。

 

 いやでも私を調子に乗らせてどうするんだ。

 

「レイゼン!!」

「む、ダッドリー中将が来たようだな」

「今すぐ私を練兵場の外に放り投げるとかできませんか」

「なんだ、ダッドリー中将が怖いのかね?」

「声が大きいので」

「ふっふっふ、良い理由だ」

 

 

 

 その後。

 ……まぁ、危ないことをするな、とは怒られたけれど、そもそもの経緯は大総統から聞いていたらしく、よくやった、頑張ったな、そしてけがは無いか、と抱きしめられるに終わった。

 いや終わらなかった。家に帰ってすぐ長兄と次兄、母にも「大総統相手に善戦した」と喧伝し、普段は家にいない父にまで手紙を出して……恥ずかしい限りである。

 

「レイゼン。お前に剣は合わぬと儂は今でも思っている。……だが、錬金術の素養はあると見た。それならば家庭教師をつけてやることも吝かではないぞ?」

「結構です。私が前に出ることなどないでしょう。お爺様、お父様、お兄様方が守ってくださると信じていますから」

「そうか。……そうだな。うむ」

 

 お爺様。

 ダッドリー中将。原作には出て来なかった名前ではあるけれど、顔自体はモブとして見たことがあるような気がする程度の人。

 だとすれば、もしかしたら不老不死の法……賢者の石の話に関わっている可能性はゼロじゃない。上層部の腐敗と言われていたほどの、だからレイブン中将あたりと付き合いがある可能性は。なんならその計画を推しているかもしれない。

 ……ああ、だからか?

 だから、自分たちは不老不死になれると思っているから、未来がある、とか。そういう話をするのだろうか。

 

 だとしたら。

 ……どうしようもないか、変わらず。

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