古代王三人衆に転生した男3人の日常   作:金属粘性生命体

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お馬鹿は神話と相対する:4

 

 

 

 

 

 

 クトゥルフ神話、小説家のラヴ・クラフトが手掛けた有名なクトゥルフ神話TRPGの大本であり数多くの作家が手を加え続けてきた現代の神話。未だその人気は翳りを知らず、ネットの一部では常に投稿され続ける人気コンテンツ。海外だとキチンとしたホラー系TRPGなのだが、日本人の手にかかるとギャグオチしてしまうシナリオもあり、多種多様な姿を見せる神話。

 だがその大本たるクトゥルフ神話がこの世界に存在する以上、クトゥルフ神話TRPGは存在せず、尚且つ遥か昔から存在する神話としてこの世界には現れている。

 

 どういう事かというと、最も古いクトゥルフ神話の記述は東南極に存在する巨大な山脈──の麓にある小規模な洞窟の中央に存在していた石碑に記載されていた古のものについてである。

 内容は至って単純で、地球が出来てからおよそ36億年経過した頃に天より古のものが降り地上を支配していた、というシンプルな記述。

 

 1911年に南極へ向かった南極探検隊3つの内1つが発見したが言語が不明なので存在のみ報告。その後再度部隊編成、地質学者に語学学者等多くの学者を引き連れ調査が行われた。

 結果としては上記の記述および、地質、物質的に10億年以上前の物であり、尚且つ現行人類が扱う6900以上の言語全てに共通するものが無いと判明し、遥か昔に人類とは全く違う種族が地球を支配していた事を科学的に証明するだけであった。

 

 その事実を国連は暴動や一部宗教の暴走を懸念して隠蔽、各国の国家主席及びその関係者のみが知るようになった。しかし人々はその存在を知覚し始めている──インターネットという巨大な情報共有が可能な場のせいで。時折人とは違う存在がまことしやか囁かれるようになった……まぁ元より喰種とかいう人外が居たり、不思議な都市伝説由来の存在等は知覚されていたので今更宇宙人がでてきたとしても「やっぱいるじゃねぇか」となっただけだが。昔から神秘に触れてきたが故に人類はその許容量が上がっているのだ。

 

 

 とまぁ長々と語ったが、要は「宇宙由来の化け物」が人々を恐怖のどん底に叩き落とすのがクトゥルフ神話というお話だ。

 

 それを踏まえて、である。今目の前に浮かぶこのカタツムリのようなエビのような不思議な存在であるユゴスよりのものとも呼ばれるミ=ゴと呼ばれる存在。知識のみで言うならばクトゥルフ神話TRPGにおいて定番の存在であり、高度な科学力を持つゴ=ミと呼ばれている生き物(だいたい日本人のせい)。

 

「……」

「Jtomdwpjw.@tsustststmw......」

 

 そんな存在だが、言語が分からない。如何に情報に関して強くあろうとも、全能に匹敵するであろう宝具の数々ですらも敵わない。

 超然的な知能であろうとヒントの一欠片もなく、宝具を使用しようにも、人類が開発した過去未来現在全ての莫大な宝具が収められてようとも中身全てを知らぬが故に使えず。

 

 あとそれはそれとしてちょっと殺意を覚える程度にはギルガメッシュの肉体がキレ気味である。

 

「……貴様らなら日本語くらいわかるだろう、何故我が合わせねばならぬ」

「──確かに、こちらが合わせるのが道理か」

「戯け、ここは日ノ本だ。郷に入っては郷に従え、という言葉があろう」

「む、諺は知らないぞ。例えられても知識になくば合わせられん」

「これだから研究にしか能がない阿呆は困る」

「ふむ?随分と敵対的だな?確かに人という種は好戦的ではあるが我々がそちらに手を出したことは無いぞ?」

 

 ビキリ、額から血管が浮かび上がるような音が漏れる。過去未来現在、地球全てを己の庭と称するギルガメッシュの肉体が勝手に反応する。

 オジマンディアス曰く、魂だけでサーヴァント3騎分の出力を持ち、ある少女に力だけ使われても乗っ取ることすら可能であると聞く。ならばその肉体そのものも自我が強すぎるのだろう、()の意思を無視して勝手に動きそうになってしまう。

 

 ミ=ゴにその意思がなくとも害虫とも呼ぶべき存在が無作為に地球へ訪れては荒らしていく。そんな存在がいるならばキレるのも仕方がないと思うが、俺自身もこいつらの生態……いや性質を知っているが故にイラつきがある。

 

「ふん、それを理解できぬから貴様らは獣畜生にすら劣る」

「──さすがにそれは流せないぞ、神気取りの人風情が」

「……我を神に例えた事を撤回せよ、一度ならば見逃してやろう」

「いいや、貴様が神の如く天より罰を下していたのは見ていた。撤回する理由もなかろう、人とは時に神すらも凌駕しようと──」

「一度のみ見逃す、と言ったはずだが?」

「っ──」

「だが我は寛大でな、今一度チャンスをくれてやろう。撤回せよ、蟲」

 

 ミ=ゴの直上より結界宝具を降らせ、ミ=ゴを囲う。今ミ=ゴは空間干渉系の道具を持っているが、次元ごと封鎖する事で空間干渉を封じている。他にも何やら鎧を纏っていたり、銃を所有しているようだがそれら全ては物理法則の物。権能≧神秘>魔術≧物理法則の順で世界に与える優先度が高い、それがこの世界そのもののルールだ。

 神秘の塊である宝具に物理法則が勝つには圧倒的な出力か、圧倒的な技量で用いられた『技術という神秘』を含まなければならない。だがミ=ゴはその鎧や銃に使う圧倒的な出力を維持する発電機等がなく、画一的であり量産されているであろうただの装備ではこの結界を超えることは不可能であり、今尚全身で抵抗を続けても微動だにすることすらできていない。

 

(これが神秘──科学や魔術と違った概念か)

「そういえば貴様らも魔術を扱えるのだったな、魔力を使わず精神を代償として使う魔術。あまりにも歪だが神秘に勝つ事が可能性だけで言うなら微レ存、と言うやつだ」

「無理だろう、私らに魔術を扱う技能は無い」

「……あぁ、亜種とやらか。知識にのみあるな、宇宙で飛ぶことは出来るのか?貴様は」

「出来ぬ、我らの種族は同胞の中でもかなり退化した種だ。その代わり──科学力に特化しているがな」

「……ッ!貴様ら──!」

 

 空間が──否、三次元よりその上、四次元よりの干渉を察知し咄嗟に新たな宝具を使用しようにもその前に目の前にいたミ=ゴが消え去った。

 それと同時に背後に新たな気配を感知し、10匹程のミ=ゴがこちらに電気銃を向けていて既に発砲している。

 

「ガッ──」

「同胞の確保を完了、次いで対象の捕獲に移る」

「電気銃の直撃を確認、対象にダメージはなし。しかし動作の停止を確認」

「続いて空間隔離を行う、次元歪曲ロットを設置開──」

「蟲共がッ!」

 

 咄嗟に宝具を全方位に向けて放つ。今次元の割れ目とも言うべき場所から降ってきた棒を優先的に破壊する、よく観る必要すらなく危険なものだと感じた。

 次いで何かしらの行動をするために近寄ってきたミ=ゴの頭部*1を掴み潰す。一応ギルガメッシュは史実においては斧やらなんやらを持ちエルキドゥと共にフンババ討伐に向かうことが出来るほど白兵戦に長けている。だからこそ今、この手で、誅を下さねばこの怒りは収まりそうになかった。

 

「対象の抵抗を確認、対処すr──」

貴様らのような蛆虫共にこの身が傷つけられるとは思いもしなかった……故に手向けだ、得と味わい死ぬがよい」

「──総員退避!」

 

 次元の裂け目に逃げていくミ=ゴ共。その先を千里眼により観測する事が出来た……科学力と繁殖力に長けたミ=ゴの亜種らしく、その中には数千から数万程のミ=ゴ共が見えた。それと同時に何やら巨大な研究施設みたいなものが玉虫色の空間の中に浮かんでいる、あれがおそらく本拠地なのだろうな。気味が悪い場所によく住める。

 

「逃がさん、貴様らはここで死ね」

 

 ヴィマーナを取り出し、次元干渉宝具で奴らが閉じていく次元の扉をこじ開け中に入り込む。その様子に泡を食ったように慌てて反撃に繰り出してきた、が無意味。全て破壊しくすつもりで様々なAランク宝具をぶっぱなす。呪詛・祝福・破壊・爆破・ルーン・符・銃・毒・空間・次元、ありとあらゆる方法で殺し尽くす。

 

「生き残りたくば、疾く首を出せ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから数時間ほどかけて中にいたミ=ゴを鏖殺し尽くした後。深夜24時を過ぎた頃にミ=ゴが居たコンビニ内で改めて飲み物*2を購入し飲み干しながらコンビニから出ていった。

 

「……本当に何故このようなことになった」

 

 ただシルクハットの謎の存在を追っていた、それだけだったはずなのにいつの間にか神と相対し、治安改善のために人外を鏖殺し、話が通じるだろうと思った宇宙生物共はこちらを研究材料と認識していたので虐殺する事になった。

 

「……疲れた」

 

 肉体的に疲れていた訳でも無く、精神的に疲れが出てしまい、大きくため息をつきながら自宅である高層マンションへ肩を落としながら帰っていた。

 

 しかしそんな風に油断していたのが悪かったのだろう。このド深夜でありながらサングラスをしている白髪の男が立っていることに気づけなかった。

 

「あんただろ」

「……なんだ貴様」

 

 恐らく前世においてはかなりの人気を誇る、最強の呪術師が目の前にいる。

 

「昼間のアレ、残穢っていうか呪力っぽい何か使って東京中になんか振り撒いていたの。俺の目でも詳細見れなかったの初めてなんだけど」

「……五条悟か」

「お?知ってんの?やっぱ俺って有名人か〜……で返答は?」

「そうだ、と言ったら?」

「いやーちょっとね。総監部(腐ったミカン)達がね、慌てふためいていてさ。超危険だかなんだか言ってたもんだから気になって見に来たんだよ、ちなみに呪詛師認定されてるから殺害命令付きだけど」

「はっ、ちなみにの方が本題ではないか。だが貴様はそんな風にしようとは思っておらんようだが?」

「そりゃね、面白そうなヤツだしどうせ俺より弱いじゃん?ちょっくら調子乗ってるやつぶちのめしてやろうって感じ」

 

 そんな風に余裕をぶっこいてる五条悟。それを無視しながら携帯を取りだしなんか来ていた通知を見ると。

 

クソバカその1:この世界呪霊いるから、呪術総監部とかゴジョセンとか気をつけてちょ】

ギルガメッシュ:もう手遅れだ、目の前に五条悟がいる】

クソバカその2:マ?クソワロタ、これどうすんの?】

ギルガメッシュ:一応話は通じそうだが】

クソバカその1:え、くっそだるいじゃん。全部任した】

ギルガメッシュ:後で殺す】

 

 思いっきりガラケーの蓋を閉める。先程までの怒りとは別種の怒りが脳内を埋めつくした。

 

「とりあえずここでやるのはマズイし、ついてきてよ 」

「……はぁ……もういい……すきにせよ」

「え、どしたん?疲れた?話聞こか?」

「何故ナンパ師みたいなことを言う……?」

「?」

「素、だと……!?」

 

 

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