だが、勝ったのは私だ!   作:ゆっくり歩く人

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そして世に第十二話のあらんことを

「今日も一日頑張って…いきましょうかねぇ……」

 

突然飛び出した彼女の盾となり、凶弾に体を貫かれた私でしたが……

生憎私は人でないので彼女を病院に運び、そのまま地下道へと足を運び…そのまま休んでいるとあっという間に治ってしまった。

そして、治ったところで今回の雇い主に出会い…私はここに殆ど永久雇用状態にあると。

ここはIS学園…そう、私を雇用したのはこの学園の影の理事長で、私は学園の防衛をしている。

 

仕事をするにあたって私は理事長にヴェンデッタを見られており、それをISだと思われ…この学園で使用する為の専用機を用意され…それをものの見事に起動させてしまい……。

つまるところ私はISを使えてしまうということだ。女性しか使えないって話なんですがね。

 

理事長には私は追われている身で、身分を隠しており…あまり表には出たくないという旨を伝えている。なので“ISを使えてしまう男性”と発表されることはない。

 

事情的にCUBEという名前もフラジール・バッティも使えない…かといって生徒の前で専用機を使わなければならない時がきた場合別の名前を名乗るにしても、男性の名前ではマズい。

そこで私はジェーン・スミスを名乗り、生徒の前に出る際は専用機を展開した状態で出る事にした。

そういう状況になるべく遭遇したくはないのだが…ないとも言えないしな。

 

 

 

 

 

 

IS学園には謎のIS乗りがいる……

ジェーン・スミスとは誰なのか、それは教師ですら知らない。

理事長が直々に当人の元へと出向かい雇ったとも言われており、真実は誰も知らないが…存在することは誰もが知っている。

 

何故なら……

 

学園のイベントの余興として必ず出没し、大技を披露するからである。

専用機と思われるISは、珍しいフルスキンでありパイロットの姿は見えないが、見た目は人が乗っているのかと疑ってしまう程に細くとにかく“速い”。

 

そして、余興として披露されるあの専用機とパイロットにしかできないであろう様々な技はIS関連の専門書に必ず載っている。

OB[オーバードブースト]、QB[クイックブースト]、QT[クイックターン]、DT[ドリフトターン]、BC[ブーストチャージ]etc...etc...

最大速度2000kmとされているその速度に、一度目撃すれば誰もが息を飲み…その速度に耐えられるパイロットに驚愕する。

あれに乗っているパイロットは本当に人間なのか…と……。

 

 

 

 

 

失敬な…少し改造されてて人外に左腕突っ込んでるだけです。

左腕と言えば…あの日無理矢理パージした左腕は、能力によって生成された義手で補われているので何も問題なく生活できています。

それどころか…最近庭師をやってる影響か園芸に凝っているのですが、義手も案外便利なもので大助かりですよ。

 

「おや、スティンガー先生…今日も庭でお昼寝ですか?」

 

私が手入れしている芝生が植えられた庭で寝転がっている彼女は、スティンガー先生。

私とあまり歳が離れていないのに先生なんです。

 

「なんだ…ファンタズマか……」

 

私、ISに乗っていない時はファンタズマと名乗っていまして……

と言うのも、初めて彼女と遭遇した際に名を聞かれ、パッと思い付いたファンタズマ【亡霊】という単語を言ってしまった為に教師や生徒の間で定着してしまったんですよね。

まぁ、亡霊ってのは私らしい名前ですよね。

 

これで私は

フラジール・バッティであり、恐ろしい化物ヴェンデッタであり、CUBE博士であり、傭兵キューブであり、庭師のファンタズマであり、謎のISパイロットジェーン・スミスであると。

私にはあと幾つ顔があるんでしょうかねぇ。

 

「そろそろ授業が始まるんじゃないんですか?」

 

「私は面倒が嫌いなんだ……」

 

「はぁ、それで…何か?」

 

「面倒が嫌いなんだ」

 

「……?」

 

「いつまで面倒かけさせる気だ?」

 

「……成程、教室まで運べということですね?」

 

「わかってるなら早くしろ!」

 

スティンガー先生はちょっとよくわからない人ですけど…他の先生方よりは会話していると思います。

自惚れかもしれませんけど、他の先生よりは友好関係を築けていると思います。

毎日庭で世間話をしてますし…築けている筈……。

ただ、わからないのは……

 

「先生は…何故庭に来るんです?」

 

手入れしているとは言えど、まだ芝生しかまともに植えていないのに…毎日来る意図が理解できない。

 

「芝生の上で寝るのが思いの外良くてな……」

 

成程…しかしチクチクするのでは…と聞こうと思いましたけど、ジャージ着てる先生を見ると何か納得してしまいました。

 

「それもそうですね……」

 

さ、あと十分で次の授業が始まってしまう…早く面倒臭がりなお姫様を教室に運ばないと……

 

「ファンタズマは渡さん…コレは俺のモノだ…俺だけのモノだ……」ボソリ

 

「……何か?」

 

「何でもない」

 

「そうですか」

 

「あぁ」




2000kmは人間じゃないフラジールだからできる事。
フラジールのIS専用機はご存知【穴】です。

眠い……

スティンガー姫はジャージが良く似合う俺っ娘教師である。
庭師ファンタズマ(フラジール)と一緒になるんですか?なるかもしれません。
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