だが、勝ったのは私だ!   作:ゆっくり歩く人

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フラジール、変異した体はヴェンデッタですが…ISの方は 穴 になるかもしれません。


デデデデストローイ・ナインボー…第九話

「おい貴様」

 

「はい、なんでしょう?」

 

「見ない顔だな…新入りか?」

 

「はい、先日こちらの研究所に配属されました…CUBEです」

 

「……キューブ?」

 

「はい、CUBEです」

 

「面白い名前だな……若すぎやしないかね?」

 

「そうですか?よく言われるのですが……」

 

「まぁ、いいだろう……」

 

 

 

 

 

CUBEと名乗るその男は不思議な雰囲気を持っていた……。

 

「私の名前はCUBEです…皆さんの担当をするのでよろしくお願いします」

 

そう、まるである日突然居なくなったお父さん達の様な…そんな雰囲気を持っていた。

 

ある時仲間の内のひとりが男に話しかけた…名前が面白い…と。

 

「ふふ、そうかもしれませんね……」

 

男はそれを聞いて微笑んだ…何故そんな顔をするのだろう。

ここの人間は皆、私達を気持ちの悪いモノを見る様な目で見るのに……

そんな顔…お父さん達以来初めてだ……。

 

男は仕事をそつなくこなしていた。

けれど、私達は仕事をしていない…男が担当になってから、私達は部屋で本を読んでいる時間が多くなっている様な気がする。

 

「あなた達の代わりに仕事をする…その為の、CUBEです……」

 

そうしてまたニッコリと微笑む…何故、何故そんなに優しく笑うんだ……。

 

「博士、サンプルが取れました…機器を変えたので今回は破損が小規模に抑えられています」

 

「成程…良い傾向です……」

 

仕事をするあの人の横顔は常に私達に見せる笑顔とは違い無表情で冷やか…実験が成功しても、何か開発しても……あの人が笑う事は一度もなかった。

 

「納期を急げ…と、いうことですね?」

 

私はあの人が寝ているのを見たことがない…私どころか、仲間も誰一人。

それどころか…あの人の部屋はまるで一度も立ち入りをした事がない様で…冷たく、何もない。

 

「大丈夫です…その程度、問題はありません…私は科学者です…時間が必要なだけです。完璧なプログラムを完成させる為には……」

 

時々、あの人は軍のトップと何かしらの話をしている。

 

「黙れよ」

 

そして時々怖くなる。

 

「やるのはこっちなんだからさぁ…ご希望通りにしてるんですから待つぐらいしたって良いと思うんですけど?」

 

声色が変わり、途端にお喋りになり……

 

「俺は、この研究所の試作兵器総出で反乱したって良いと思ってるんだけどさ!」

 

上司に脅しをかける…そしてそれを本気でやりかねないという可能性が抑止力になっている。

 

「ま、やらないんだけどねぇ~今はさ!」

 

そして一言二言でトップを黙らせ

 

「失礼しました…CUBEは脆いものですから……」

 

と話が終わる。

あ…こっちに気づいた?完璧に隠れたつもりだったのだが……。

 

「こらこら、もう寝る時間ですよ?」

 

無表情で冷めていた彼の表情が柔らかくなる。

 

「……きゅーぶは眠くないのか?」

 

自惚れかもしれないが…彼は私達の前だけで笑ってくれる。

そうなんだ…きっと。

 

「ええ、私は大丈夫です…問題ありません……」

 

ほら、彼はまた笑った……

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