ピンク玉のヒーローアカデミア 作:星の戦士ピンク玉
グラウンドβに全員到着した生徒たち、そしてガチガチになった緑谷を引きずるカービィ。
一瞬オールマイトは茫然としかけるが、すぐに気を取り直し笑顔を浮かべる。
「戦闘訓練のお時間だ!! さぁ始めようか!! 有精卵共!!」
そして再度緑谷を見たオールマイトが自分をリスペクトして作られた耳のような部分、笑顔のようなマスクを見て笑いをこらえるがカービィ以外は気が付いてないようだ。
「先生!ここは入試演習場ですがまた市街地演習を行うのでしょうか?」
「いいや、もう二歩先に踏み込む!! 屋内での対・人・戦・闘・訓・練・さ!!」
戦闘訓練、その言葉に色めきだす。 カービィは周りを観察し、やはり雄英の財力はすごいなと考える。
「
「基礎訓練もなしに?」
「その基礎を知るための実践さ!! ただし今度はぶっ壊せばオッケーなロボじゃないのがミソだ!!」
そして早く内容を知りたいのか生徒たちが口々に質問をする。ただし……
「勝敗のシステムはどうなります?」
「ブッ飛ばしていいんスか」
「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか……?」
「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか」
「このマントヤバくない?」
「んんん~~聖徳太子ィィ!!!」
中には関係ない一言もあるがいきなりの質問の量にオールマイトも苦笑し、考えると何やらメモを取り出す。
「いいかい!? 状況設定は【敵】がアジトに”核兵器”を隠していて【ヒーロー】はそれを処理しようとしている!!」
「ヒーローは制限時間内に【敵】を捕まえるか”核兵器”を回収すること、【敵】は制限時間まで”核兵器”を守るか【ヒーロー】を捕まえること、コンビ及び対戦相手はくじだ!」
「適当なのですか!?」
いや、流石にカンペは見えないようにして見ようよ、とあまりにも堂々と出すオールマイトにカービィが呆れている間に緑谷が飯田に突然でのチームの訓練になると説明しているが……
「いいよ、早くやろう!!」
(あっ、そこまで考えてなかったな)
ところどころ粗を感じるカービィであったが、新人と言うとこを踏まえて仕方ないかとも考える。 それと同時になんでサポートの教員がいないのだろうか?とも考えながらくじを引いた。
「このクラスは21人だからね。1チーム3人になるところがあるが…… 確認した上で決めよう!!」
そしてくじの結果。
Aチーム:緑谷・麗日
Bチーム:轟・障子
Cチーム:八百万・峰田
Dチーム:飯田・爆豪
Eチーム:芦戸・青山
Fチーム:砂藤・口田
Gチーム:耳郎・上鳴
Hチーム:蛙吹・常闇
Iチーム:葉隠・尾白・星乃
Jチーム:切島・瀬呂
となり、カービィのチームは連絡の取り合いが対面時しかできなくなった(縛りすぎれば訓練にならないため)。
そして最初の試合、
【ヒーロー組】AチームVS【敵組】Dチーム
なんともハラハラしそうな対戦カードだが……それは現実となる。
開始から周りを確認しながらAチームは探索していたのだが、そこに爆豪が襲撃。
一部不意打ちについて苦言を言うものがいたものの、
「ヴィランはそんなこと普通にしてくるかもでしょ。 なら爆豪のしてることも間違いないし……
それに不意打ちで助けられる確率が上がるならやるのもヒーローだと思う」
「ハハハ、確かにそうだね!! 不意打ちもれっきとした作戦!! 汚く見えるっていう人もいるかもだけどそこは考えようだよ!!」
そうこう話していると爆豪は麗日をそっちのけで緑谷を追尾し、麗日はその内に核を探し始めた。
途中各近くで挙動不審な飯田を発見し、吹き出してしまった麗日が飯田に発見されるなどあり……
「なんか飯田の挙動が不審すぎるけど…… 瓦礫とか麗日の武器になりそうなものを片付けてるのは考えてるね」
「うん、飯田君の速さもあって麗日さんやりにくそうだね」
(声が聞こえなくてもそう判断できるのは流石…… しかしできるならほかの子たちも意見出し合ってくれるといいんだが……)
現時点意見を出し合ってるのはカービィと葉隠だけであり、ほか生徒は画面をじっと見ていた。
そんな中、場の流れが怪しいものとなった。
「!! オールマイト!!」
「爆豪少年ストップだ!!殺す気か!?」
オールマイトの発言と共に画面の一つが赤……爆風に染まった。 そしてそれが晴れると座り込む緑谷、それに何かを言う爆豪。
見える限りでも建物が破壊されており、明らかに過剰な攻撃が加えられたのが分かった。
止めるべきでは? というカービィの視線にオールマイトは悩み、
「爆豪少年、次それを撃ったら……強制終了で君らの負けとする。屋内戦において大規模な攻撃は守るべき牙城の損壊を招く!ヒーローとしてはもちろん敵としても愚策だそれは!大幅減点だからな!」
試合続行を宣告。
結果として爆豪はあれほどの爆破は行わなかったものの、捕縛テープを使わず執拗な攻撃。 緑谷も個性を発動するもそれは爆豪に向けてではなく天井、核のある部屋まで貫く一撃となり……それを起点に麗日が核へと振れたことでAチームの勝利となった。
負けたチームはほぼ無傷、勝ったチームがけが人……運ばれる緑谷というなかなかない試合の後講評の場となり、八百万に予想以上の勢いで意見を言われ若干落ち込むオールマイト、ベストに選ばれ高評価の意見に感動に震える飯田がいた。
勝ったというのに反省点の多さと個性のデメリットから顔の青い麗日、そして黙ってじっと立っている爆豪。
「えっと……ほ、他に意見等あるかな?」
オールマイトはざっと周りを見、そしてカービィと目が合う。 付き合いが長いために何か一言ぐらい言うだろうと思っていた彼がじっと黙っていたため見たのだが……彼は手を上げ、
「なら言っていいですか?」
「あっ、うん……問題ないよ?」
「えっと、最初にオールマイト……先生に苦言から……」
「「「「苦言!?」」」
いきなりの始まりにクラスメイトは驚きの声を上げる。 しかしカービィはそれを無視し、
「カンペを見るのはいいですが、隠す努力してください。 それとダメな点などはちゃんと説明してください」
「あっ……はい」
「後……なんであの時点で止めなかったんですか?」
「!! それは……」
「……まぁそこは先生の判断ですが…… 無用な大けがを防ぐのも先生の仕事だと思います」
「そうだね……すまない」
それは僕に言う事じゃないと思いながらカービィは次に飯田を見る。
「飯田に言うことは特にないかな。八百万がほとんど言ってたし…… とりあえず不測の事態に弱いことくらい?」
「そうだね、今回の敗因はそれだろう」
「麗日は…… 飯田と同じく言われちゃってるからな…… しいて言うなら現場だよりじゃなくて途中で瓦礫集めするとかした方がいいかも……くらいかな?」
「確かにそこら辺考えんとだね……」
そして最後に爆豪を見てカービィは息をつき、
「爆豪に対しては…… 君はヒーローになりたいのか、それとも敵を攻撃したいだけなのか……かな」
「……」
「正直、今日の行動は敵役である事を抜きにしてもひどいと思う。 あの大規模攻撃もだけど、その後の捕縛テープがあるのに執拗な攻撃とかね」
カービィの言葉にうつむき黙り込んだままの爆豪。
「最後の攻撃…… 明らかに火力が高すぎだ。 君達の間に何があったのかは知らない。けど個性把握テストの時も感じたけど……君は本当にヒーローになりたいの?」
それでも黙り込む爆豪にカービィはため息をつき、
「僕からは以上です。 続きをしましょうか」
「そうだね、じゃぁ次の対戦は……」
授業は再開された。
「本来これ、オールマイトが言うべきことですからね?」
「す、すまない……」
「と言うか新任なのに補佐につく先生とかいないんですか?」
「えっ?」
「ん?」
オールマイトって新任と言うより実習生レベルだと思った。