ピンク玉のヒーローアカデミア 作:星の戦士ピンク玉
雑魚掃討は飛ぶ。
三人称から個人視点です。
火災エリアの掃討は終了を迎えようとしていた。
【カービィ】
少しばかり頑丈なヴィラン。相手は個性で衝撃を流せるようだが、対処のしようはある。
鞭で振り上げ、ヴィランを空に飛ばす。 衝撃を逃す場所をなくせばいい!!
「合わせるよ、尾白!!」
「任せろっ!!!」
尾白は回転するように尻尾をうならせ、僕は勢いよく鞭を振るう。 鞭はヴィランから外れるがその反動で相手の体は回転を加えられる。
「はっ!!」
そこに回転の加えられた尻尾の殴打がヴィランの頭部をとらえ、勢いよく建物の壁に叩きつけられた。
壁に叩きつける前に意識を刈り取られていたらしく相手は衝撃を逃せないまま崩れ落ちた。
「これでラスト……か?」
「うん、気配とか感じないしラストだと思う」
「いや気配って…… 俺も訓練積めばできるかな……」
尾白が何やら悩んでいるけど、それを無視して僕は中央の方角をじっと見る。
「星乃、どうかしたのか?」
「いや、どうしてもあの時いた一体が不安でさ。 正直このヴィラン達じゃオールマイトに傷すら付けられない。
ならあの一体がオールマイト対策なんじゃないかって」
「なっ!? それがマジならやばいぞ!!」
僕は腰にもつけていたポーチから二本のボトルを出す。
「尾白、まだ近くのクラスメイトの手伝いに行って。 これもしもの時の回復薬」
僕はワープスターを呼び、ピンク玉になると飛び乗る。
「星乃はどうするんだ!?」
「ぽよ!!(行ってくる!!)」
「いや、返事になってない!!??」
尾白のそんな突っ込みを背に、中央…… 相澤先生が戦っている場所へと飛び立った。
そしてすぐに見えた光景にスピードを加速させた。
緑谷は考えを誤っていた。自分たちの力がヴィランに通用した、いや通用してしまったからこそ何とかできるのではと考えてしまった。
目の前でプロヒーローであるイレイザーヘッドが地面に叩き伏せられ、明らかに致命傷であることが見える。
恐怖に身が硬直していることを感じていると死柄木の近くに霧が集まる。
「死柄木弔……」
「黒霧、13号はやったのか?」
「行動不能に出来たものの散らし損ねた生徒がおりまして……一名逃げられました」
13号はもしものことを考え飯田を学校の方へと向かわせていた。黒切りもそれを妨害しようとしたが生徒に邪魔され、しかし13号を行動不能にできたということでこちらに来たのだ。
「は?はーー…… 黒霧おまえ……おまえがワープゲートじゃなかったら粉々にしたよ……」
死柄木は考える。 一人逃げたということは確実に応援が来るということ。 あちらもヴィランは送ったが時間稼ぎにしかならないし、場合によってオールマイトが向こうにいるということ。
「ちっ、さすがに何十人ものプロ相手じゃ敵わない。ゲームオーバーだ、あーあ……今回はゲームオーバーだ。帰ろっか」
「い、今帰るって言ったよな?」
「えぇ、言ったわね……」
その言葉に峰田が喜び、こんな状況で蛙吹の胸を触るというセクハラで沈められながらも不審な点がいくつもある。だんだん気味が悪くなる緑谷と蛙吹。
(オールマイトを殺したいんじゃないのか!?これで帰ったら雄英の危機意識が上がるだけだぞ!?ゲームオーバー?何だ…何を考えてるんだ!?)
「けどもその前に平和の象徴としての矜持を少しでも
へし折って帰ろう!!」
緑谷達が気づいた時には目の前まで来ていた。イレイザーヘッドの肘をボロボロに崩した手が蛙吹の顔に迫り、掴んだ。
「……あ~…… ほんと、かっこいいぜ…… イレイザーヘッド」
それは脳無に腕を砕かれながらも個性を発動させたイレイザーヘッドによって防がれた。
しかしすぐさま脳無はイレイザーヘッドの頭部を轟音と共に地面に叩きつける。
(ヤバヤバいヤバい!違う……!さっきのヴィラン達と全然違う!助けないと……!!)
「SMAAASH!!」
反射的にワン・フォー・オールを右腕に発動させ、死柄木に殴り掛かる。振るった拳に手応えを感じながらも、個性を発動した右腕がいつもの様に破壊しなかった事に緑谷は気づく。
(壊れていない!?力の調整がこんな土壇場で!?)
突然の事に驚きながらも死柄木を見るも、そこに立っていたのは死柄木ではなく脳無であった。
(いつの間に!?というか…効いてない!?)
「動きが違うな、お前。しかも"SMASH"ってオールマイトのフォロワーかな? ……まあ、良い……脳無」
「!!! ケロッ!!
死柄木の命令で脳無はイレイザーヘッドを一撃で沈めた威力の拳を緑谷へと振るった。 それを蛙吹は死柄木の右手をはじき、舌を伸ばして緑谷を回避させようとする。
「いいね~ ヒーローの卵でもやっぱ人を優先すんだな~
けどそれが命取りって思わないわけ?」
そう言って再度伸びる死柄木の左手。 先とは違いもうイレイザーヘッドの個性の妨害はない。崩壊という死を直前に蛙吹はなぜか
別に死が怖くないというわけじゃない。 相手の個性が効かないというわけじゃない。
(何故かしら…… なぜか思っちゃうのよね…… あの時みたいに
彼は来てくれる)
「ぽよ!!!!」
「!!!! がっ!!???」
それは流星の如く。
脳無にワープスターが突撃し、死柄木の横っ面にカービィのドロップキックが突き刺さる。
死柄木は吹き飛び、すぐさまそれを体勢を立て直した脳無が受け止める。
「カービィ……ちゃん……」
「ぽよぽよ!!(待たせたな!!)」
星のカービィは友達のピンチにはどこからでも駆けつける。
ピンクの悪魔は敵には容赦しないし、仲間でも容赦しない。
でも友達を傷付ける奴にはより容赦をしない。