喫茶ゆりかごの日常   作:木々丸

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普段怒らない人を怒らせた時ほど怖いものはないけど怒りっぽい人を怒らせるのもやっぱり怖い

 私こと、暁乃皐月は上機嫌だった。色々と言いたいことはあったものの、可愛いというかどちらかというと豪胆な後輩のおかげで、落ち込み気味だった気分を変えることができたからだ。

 以前にも、何気ないことから気分が下がりお客様(こちらは素直に可愛い後輩)から心配されてしまうという接客業にあるまじき失態を犯したことがある。だから二度とあんな失敗はしないと心に決めた矢先の出来事だっただけに、絡んできた亜羅揶さんには実はかなり感謝していたりする。

 そのお礼というわけでもないが、亜羅揶さんたちに私の数少ない自慢であるコーヒーを振る舞ってあげたいと思い、現在、普段より気合を入れて百合ヶ丘のテラスへとやってきた私は持参した荷物の中身を見て絶句した。持ってきたと思っていた出張店用のコーヒー豆がどこにも無かったのである。

 いや、正確には持ってきてはいた。祗恵良理事長が私から個人として購入してくださっている豆をそれと間違えていただけで。

 その豆も代行を通して取引した後なので、私の手元に使える豆は一粒だってありはしなかった。

 

「あああああああああああああああああああああああああ私のバカバカバカバカバカああああああああああ!!!」

 

 仕事はできても自分のことになるとてんでダメ。自己責任で全てを失った(言い過ぎである)私にできるのは無能な自分自身を罵倒し自己嫌悪するだけだった。

 まだ授業が終わって間もない時間帯、テラスに人は現れない。私が大声で発した自虐は、誰に邪魔されることもなく空間内に満遍なく響き渡り、そして私の耳に返って聴覚に捩じ込まれていった。

 やがて、人気がないのをいいことに目に涙を浮かべてテラスのテーブルに突っ伏していると、誰かから声をかけられた。

 

「その……何をしてらっしゃるんですか?」

 

 顔を上げて声の主を見ると、整った顔立ちを困惑の色に染めた、見知った黒髪の少女が立っていた。

 いつもは自身の信条や相手の人間関係など諸々を踏まえて、過度なスキンシップは極力しないよう心がけている私だったが、打ちひしがれた精神はそんな信条をゴミ箱に捨てて短絡的思考のまま少女に泣きついていた。

 

「うわああああああああん夢結さあああああああん!」

「……本当にどうされたんですか?」

 

 顔見知りな後輩の中でもとりわけ不器用な夢結さんは、困惑しながらも唐突に抱きついてきた私の頭を優しく撫でてくれた。私は一人っ子ですが、お姉ちゃんがいたらこういう感じなのかもしれない。

 話を聞いてくれる雰囲気だったので、お心に甘えて吐き出すことにした。

 

「馬鹿で阿呆でドジで無能でどうしようもない私という人間に嫌気が差しました!」

「失礼ですが、ご自分の失敗に腹を立てているという意味でしたら、それはもう皐月さん自身が悪いとしか言えないかと」

 

 正論とは、否定できない正しいことを言っているからこそ正論なのだ。

 そして正しさとは、時に人をボコボコにする凶器になり得る概念である。でなければこの世に正論パンチなんて言葉は生まれていない。

 夢結さんの知ってか知らずかの正論パンチは、内角から抉るように私の精神に叩き込まれることになった。

 

「ぐはっ……それはその通りなんですけど……」

「ですが、だからといってそうご自分を卑下しないでください。私のように、あなたを慕う人間は百合ヶ丘には多くいます。梨璃も、またあなたのお店に行きたいとよく言っています。なのに当のあなたがその調子で、どうやってもてなすというのですか。ゆっくりでも構いません、ですが立ち直ってください。梨璃や私、他の方々の期待を裏切るようなことは、どうかなさらないでください」

 

 ……いや、慰めてくれるのは大変嬉しいんですけど、だったら最初からそう言ってくれてもいいじゃないですか。正論パンチする必要なかったでしょ。飴と鞭的なアレなんですか? 本当にこの人ってば不器用なんですから。

 でも、不器用なりに励まそうとしてくれているのは伝わっているので、その気持ちはやっぱり素直に嬉しいと思う。以前なら話しかけてもスルーされなければ御の字なくらいだったので、夢結さんをここまで可愛くしてくれた梨璃さんには感謝に絶えない。

 私の肩に手を置き立ち上がらせてくれたその姿は、窓から入る後光と重なって、あるはずのない純白の羽を想起させた。

 

「天使だ……」

「はい?」

 

 思わず口から溢れた言葉を、私は特に止める理由も無かったのでそのまま目の前の少女に曝け出した。

 

「やっぱり夢結さんは天使です!」

「えっ、いや、急に何を……」

「前々から思ってたんですよ。ほら、夢結さんって『狂乱の天使』なんて呼ばれてるじゃないですか?」

「うっ……」

 

 1ヒット。

 

「レアスキルや神宿りによる、さながらバーサーカーの如き戦いっぷりからついたんだろうとは思ってたんですけど、そこはやはり天使と呼ばれるだけあって、それに足る性格や容姿も命名の一因だったんですね!」

「くっ……」

 

 2ヒット。

 

「いや〜、こんな綺麗な方をお姉様に持てて、梨璃さんは幸せ者ですね〜。絶望的なまでの不器用っぷりが玉に瑕ですけど、そこが人間味があって親しみやすさを醸し出してると言いますか!」

「ぐはっ……!」

 

 3ヒット、クリティカル!

 

「どうであれ夢結さんが優しい心を持った素敵な方であることは間違いないんですし、私みたいに根暗になることなく自信を持ってこれからもお姉様として梨璃さんを……」

 

 導いてあげてください、と締めくくろうとした時、なぜか夢結さんがテラスのテーブルに突っ伏していた。何やらデジャブというやつを感じる構図。

 

「あれ? 夢結さんどうしたんですか?」

「いえ、お構いなく……少し、精神が……」

 

 そう言われて、私はようやく気づいた。

 そういえば、私がさっき言ったことって、狂乱の天使だのバーサーカーだの不器用だの、夢結さんに正論パンチをクリーンヒットさせる言葉じゃん。私的には褒めていたつもりだったが、これは盲点でした。

 というよりは無遠慮とか無配慮と表現すべき? 言葉選びは大切ですね、とそれらしい形でこの話は終わらせましょう。

 

 そんなことより、私には目先の問題が増えてしまったことの方が重要だ。

 現状を簡潔に表せば、私の目の前で夢結さんが崩れ落ちている状態。こんなところを第三者に見られようものなら、私が夢結さんを泣かせたなどあらぬ誤解を招きかねない。梅さんとかは少し面倒かもしれない。

 いや、見られるのが顔見知りの後輩とかならまだいい、話せばきっと分かってくれる。しかし、これが愛莉さんともなればそうはいかない。あの人は口調は乱暴だが基本的に()()()()()優しい。

 翻せば、私に対しては何をするにも愛莉さんは躊躇わない。よって、この状況を彼女に見られたとすれば、私に待つのは容赦のない鉄拳制裁だ。尤も、愛莉さんは今頃トラックの中で居眠りしてることでしょうから、そんな心配はするだけ無駄だ。

 とにかく、現状打破のために、まずは周囲に人がいないかを確認する。夢結さんをなんとかするとしても、その前に誰かに見られては元も子もない。いらぬ誤解を避けるためにも、周囲の安全確保が第一だ。

 誰かが来る前に夢結さんを立ち直らせる、それが今回のミッションだ。

 

 

 そう思って振り返った私の目の前に小柄な赤髪の少女が現れたことで、私のミッションは始まる前に終わりを告げた。

 

 

「……なるほど、これが俗に言うフラグ回収ってやつですか」

「お前は何テメェの後輩泣かせてんだ!」

 

 愛莉さんの正論も何もないシンプルな鉄拳が頭頂部に叩き込まれてから数秒間、私の意識は天へと羽ばたくこととなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私の意識が戻り、夢結さんのメンタルも持ち直したことで、私たちは愛莉さんに何があったかを説明し、故意ではなかったことを理解してもらった。一応納得してくれた愛莉さんは、最後にもう一度、私に拳骨を見舞うことで満足したようだった……

 

「いや何でですか!」

「あー……何となく?」

「理由もなく拳を振るわれちゃ受ける側はたまったもんじゃないんですけど!」

 

 そうして絶対に正当な文句を言った私は愛莉さんから関節技をキメられてしまった。この人はいつも私にだけ理不尽だ。

 解放されてテラスの席に座り身体の節々から痛みを感じていると、傍観していた夢結さんが口を開いた。

 

「そういえば、愛莉さんはいつお戻りになったんですか?」

「ああ、ほんの数日前だよ。1ヶ月かそこらはこっちにいるだろうから、気が向いたら店に来てくれな。うちはいつも金欠だから客はいつでも歓迎するぞ」

「不純な動機で集客しないでください!」

「不純なもんかよ、生きていくために稼ごうとして何が悪いんだ」

「夢結さん、気を遣わなくていいですからね! 普通にお茶しに来てくれるだけで嬉しいですから!」

「聞けよ!」

 

 互いに言いたいことがあるために、互いの胸倉を掴んで取っ組み合いに発展してしまう。当然、こうなってはパワーで勝る愛莉さんの方が有利なので、押し切られた私は身体をテーブルに押さえつけられてしまった。

 我ながら、感情任せに勝てない勝負に乗ってしまうなんてバカみたいだ。いやバカなのは否定しませんけども。

 程なく再び解放された私は、愛莉さんと共に席に座り直した。

 

「しかし、こう見ると白井も随分と変わったなー。ここに来て最初に見た時は最後に見た時と雰囲気違いすぎて誰か分かんなかったぞ。アレだ、毬栗(いがぐり)の棘のついた皮が剥がれて中身が出てきたみたいだな」

「どんな例えですかそれ」

 

 ツッコんだ後になって愛莉さんの例えを頭の中で反芻すると、どこか言い得て妙な気もした。桃太郎よろしく、毬栗を割って出てきた夢結さんを想像すると少し愛らしく感じもする。

 そんな愛莉さんの例えに対して、夢結さんは僅かに恥ずかしげな表情を見せて答えた。

 

「そうでしょうか……いえ、自分自身でも以前と変わったというのは自覚しているのですが、周りからはどんな風に見えているのか、よく分からなくて。以前、依奈からも可愛くなったと言われたのですが……」

「流石は依奈さん、よく見ていらっしゃる」

「その分だと天野や渡邊からも似たようなこと言われてるだろ」

「なぜ分かったんですか。そこまで分かりやすい変化なのですか?」

「目に見えて変わりましたよね」

「快晴だったのが雨模様になるくらい分かりやすいよな」

「悪化してるでしょーが!」

 

 例えはともかく、普段からその姿を見る機会も少ない私たちからもそう言われたのは説得力があったらしく、夢結さんはさっきより恥ずかしげに、しかし嬉しそうに頬を赤らめた。

 その表情を見た私と愛莉さんは揃って悪戯っぽく口角を上げた。

 

「聞いたぞ、シルトができたんだろ? 後で紹介しろよ。毬栗の中身を剥き出しにした奴には興味があるしなァ」

「だから例え!」

「構いませんが、先程のような粗暴さはあまり見せないでいただけると助かります。梨璃に悪影響が出ては困るので」

「ははっ、不器用なりにしっかり姉を全うしてやがる。家庭を持つと人は変わるって言うけどなー、白井も例外じゃないんだなー」

「た・と・え!」

「家庭……梨璃と、家庭を……ふふっ」

 

 さっきまでのお姉様っぷりはどこへやら、夢結さんの顔が嬉しさを押し出してさらに赤くなる。どんな想像をしているのか手に取るように分かりますが、顔に出るほど想像を膨らませられるなんて梨璃さんのこと好きすぎますね。

 

「そういえば、夢結さんって授業どうしたんですか?」

「私が、梨璃と家庭を……」

「夢結さーん?」

 

 ……これは自分の世界に入ってしまっている。しばらく戻りそうにないのでひとまず放置しましょう。

 

「人ってここまで変われるんだな」

「びっくりですよね〜。私も久しぶりにお会いした時は驚きましたもん。それはそうと愛莉さん、一つ聞きたいんですけど」

「あ? 何だ?」

 

 こちらに意識を割きつつ、愛莉さんはどこからかポッキーを取り出すと、箱の中から数本摘んで宙に放り投げる。そして、その全てを箱の上で直立着地させた。

 悪童と呼ばれただけあってお行儀が悪い、お菓子で無駄にレベルの高い遊びをするんじゃありません。あと私にも一本ください。

 そう言って聞く人じゃないので文句は胸にしまって要件を切り出した。

 

「なんで学内にいるんですか?」

「今それ聞くのかよ!」

「だってタイミング見つからなかったんですよ! 話の邪魔しちゃ悪いかなって思ったんですよ!」

「そりゃ気遣いどーも!」

 

 そう返してきた愛莉さんは何かの包みを乱暴に投げ渡してきた。あわや私の顔面に直撃コースだったが、反射的に手を伸ばしてぶつかる前に眼前でそれを受け止めた。

 すると、手に持った瞬間に覚えのある感触に襲われ、中身を確認すると、そこには今の私が欲してやまないものが詰まっていた。

 

「あっ、コーヒー豆! 愛莉さんこれどうしたんです!?」

「トラックの中に置いてあったぞおっちょこちょい。お前、自分で使うものと高松の婆さんに渡すもの、ごっちゃにならないよう分けて置いといただろ」

 

 そう言われて、確かに二つ用意した包みの一方を別に置いていたことを思い出した。それを忘れて私は学院に入った挙句に一人であんな大騒ぎしてたとか、本当におっちょこちょいじゃん。

 そう考えると、途端に自身の行いが恥ずかしくなり顔が赤面し始めた。愛莉さんが見れば絶対にからかってくるので、悟られないよう包みで顔を隠して下を向いた。あと、一応ちゃんとお礼を言っておく。

 

「……その、ありがとうございます。わざわざ持ってきてくれて」

「素直に礼を言えるとは感心だな」

「いえ、愛莉さんがこういう気を回してくれるのは少し珍しいと思いまして。何か裏があるんじゃないかと勘繰ってます」

「察しがいいな、今度何か奢ってもらうつもりだったんだ」

 

 それ見たことか、少しでも素直な心を持った私はやっぱりバカでした。

 

「そうだなァ、六本木に美味い団子を扱ってる店があるらしいから、そこでいいぞ」

「六本木とか絶対高いじゃないですか! 経営が火の車なの知ってますよね? 火に油注いでどうすんですか!」

「火がついたのは誰のせいだ経営者!」

 

 本日三度目、愛莉さんは私に手を出した。その手は私の胸倉に向かってまっすぐに伸びていき、いざ掴まんと迫る。

 本当にこの人は私に対して一切の容赦がない、などと走馬灯のように頭の中を愛莉さんへの文句が巡った瞬間、一秒もかからず愛莉さんの手が私を捉える……

 

 

 

 

 

 パシッ!

 

 

 

 

 

 しかし、愛莉さんの手が私に届くことはなく、その手は別の誰かの手によって優しく、だがしっかりと押さえられていた。

 

「あ、あのっ!」

 

 愛莉さんを止めた声の主を見やると、目に映ったのは可愛らしい四つ葉のクローバーの髪飾り。

 

「その、喧嘩はよくないと思います!」

「は?」

「梨璃さん!」

「こんにちは、皐月さん!」

「っ、梨璃!」

「あ、戻ってきた」

 

 愛しのシルトの声を聞いたからか、さっきまで自分の世界に浸っていた夢結さんもようやく現実に帰ってきた。

 いや、それより目の前の状況だ。手を上げた愛莉さんと、それを止めた梨璃さん。私には虎の前にウサギが割って入ってきたようにしか見えません。

 

「お前が、梨璃か?」

「は、はい! ひとつの柳の木に、果物の梨と瑠璃色の璃と書いて、一柳梨璃です!」

「この状況で自己紹介かよ」

 

 当の二人はというと、愛莉さんは梨璃さんの手を握り返し、顔を覗き込むようにじっと睨みつけ、片や梨璃さんはまっすぐにその眼差しを見つめ返している。

 まさか梨璃さんにまで手を出すとは思えませんが、それでも愛莉さんは万が一があり得る人。目が合った夢結さんにアイコンタクトで意思を共有し、無いとは思いますがその時に備える。

 そんな私たちの心配などつゆ知らぬ愛莉さんは未だ梨璃さんから目を離さないでいる。

 

「ふーん、ふーん……」

「あ、あの……」

 

 流石に梨璃さんも困り出していた。それもそうだろう。何かされるでもなく、ただただ見つめられているだけ。離れようにも掴んだ手を握られそれも叶わない。渦中にいる中で何をされるか分からないというのは人の恐怖心を煽るものだ。

 なのだが、それから程なくして、

 

「いいんじゃね?」

「「「え?」」」

 

 なんて言うものだから、私たちは三人仲良く疑問符を掲げた。

 代表して私がその真意を聞いてみる。

 

「あの、愛莉さん。それはどういう……」

「どうも何も、コイツなんだろ? 白井のシルト」

「はい、その通りですが……」

 

 愛莉さんからの確認に、夢結さんは首を縦に振って答える。それを見た愛莉さんは梨璃さんに向き直る。

 

「リリィとしての()()()雰囲気も大して感じねェけど、どこか惹かれるものがある。面白い奴を拾ったなァ、白井」

「面白い?」

「有望株って話さ」

 

 夢結さんの問い返しに、愛莉さんは口角を上げてそう言った。どうやら梨璃さんは愛莉さんのお眼鏡に叶う人物だったらしい。

 そうなれば、さっきまでの心配も余計なものだった。愛莉さんに限った話じゃありませんが、人は好意的な相手に手を上げたりなんてしないものです。

 夢結さんもホッとした様子で力を抜いた。その時、小さな声で「拾われたのは私かもしれません」と言ったのが微かに聞こえた。

 

「あ、あのー……お姉様、こちらの方はお姉様のお知り合いなんですか?」

 

 と、遠慮がちに梨璃さんが口を開いた。思えば、梨璃さんからすれば、見知らぬ人間に手を握られ眼前に迫られ勝手に感心されたりなど、何が何やらといった心境だろう。

 愛莉さんも気づいたようで、再び梨璃さんに向き直った。

 

「そういや名前も言ってなかったか。なのにあれこれと急に悪かったな」

「いえ、そんな。それで、その……」

「ああ、私は……」

 

 そうして愛莉さんが名乗ろうと口を開いて、

 

「ちょっとあなた! 梨璃さんに何してくれてますの!」

 

 すぐに遮られた。

 颯爽と現れた人物はウェーブの髪をなびかせ梨璃さんを掴む愛莉さんの手を払いのけると、代わりに自身の手を添えた。

 

「わたくしの梨璃さんに手を出そうなんて不届者が亜羅揶さん以外にもいただなんて。普段お側にいるわたくしでさえ、梨璃さんのためを思って夢結様にお譲りして我慢しているというのに!」

「何の話だよ」

「楓さん、あなた、我慢してアレなのね……あと、梨璃は私のシルトよ、あなたのものではないわ」

 

 夢結さんが現れた少女‥…楓さんに呆れの声を漏らす。普段どんな行動をとっているのかは知りませんけど、夢結さんにそう言わしめるということは相当なものなんでしょう。私も彼女の梨璃さんへの愛情の片鱗は目にしているので少し納得してしまう。

 

「わたくしが来たからには、これ以上梨璃さんに手出しはさせませんわ! どうしてもと言うのなら、わたくしが相手になりますわよ!」

 

 どこかヒーローめいたことを言う楓さんですが、私には彼女がさっきから盛大に勘違いをしている気がしてならない。彼女が愛莉さんを見る目は恋敵とかそういう類に向けるものに感じる。

 

「ああ、私の用は終わったからそいつは好きに持ってけ」

「……えっ?」

 

 そりゃそうなるでしょう。愛莉さんは楓さんと違ってそういう目で梨璃さんを見ていた訳ではないのだから。

 しかし、愛莉さんは楓さんとは初対面だから知らないだろう。そんなことを言えば、彼女と周りが黙っていないと。

 

「それはつまり梨璃さんをわたくしの好きにしていいと、そういうことですの!?」

「楓さん! 梨璃は私のシルトだと言っているでしょう!」

「あ〜ら、でしたらなぜ先程はすぐに助けに入られなかったのですか? 夢結様ともあろうお方が梨璃さんをみすみす危険に晒すだなんて、そんな方にわたくしの梨璃さんはお任せできませんわ」

「どこに危険があったというの! そして何度でも言うけれど、梨璃は私のシルトよ!」

「お、お姉様も楓さんも、喧嘩は駄目ですよ!」

 

 やがて、梨璃さんを間に挟んで楓さんと夢結さんで梨璃さんの取り合いが始まってしまった。ほらもう言わんこっちゃない、言ってないけど。

 そして今度は夢結さんと楓さんの間で認識の相違があるように聞こえた。けどこの状況は面白いので訂正はせずにこのまま傍観者として眺めていることにする。

 さっきだって夢結さんは私と愛莉さんの取っ組み合いを止めずに傍観してたんですから、これでおあいこということで。そもそもそんな細かいところを訂正したところで、この取り合いは止まらない。

 

「なんか急にわちゃわちゃしだしたな」

「ですね〜。私なんてずっと置いてけぼりですよ〜、私寂しいです」

「いつものことだろ」

 

 その言葉で私と愛莉さんの間でもわちゃわちゃが始まった。

 夢結さんたちは口喧嘩、そしてこっちはガチ喧嘩。止められる人間がこの場にはいなかった。間もなくやってきた壱さんたちの仲裁がなければ、その場は収拾がつかなくなっていたこと請け合いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 テラスの片隅で、その場の雰囲気に似合わない異様な光景が広がる。席があるにも関わらず、私と愛莉さんはお怒りの壱さんにより床に正座させられていた。

 

「とりあえず、何か言い残すことはありますか?」

「言うことありますかだろ。何だ、私らこれから消されるのか?」

「外部の人間の分際で学内で騒ぎを起こして誠に申し訳ありませんでした。つきましては、店の今後はどうぞ理事長の良きようになさいますようお伝えください」

「遺言残してんじゃねーよ。お前が消えたら店は私が貰うからな」

「ちょっと! そんなの聞いてないんですけど!」

 

 思わず声を上げた私は、壱さんの鋭い一瞥で黙らせられた。

 

「いいですか? お二人の訪問は理事長がお認めになっていることですから何も言いません。ですが、学院にいる以上は学院のルールと秩序を守ってください! 仮にも卒業生がそんな体たらくでは在校生に示しがつきません!」

「本当にすみませんでした!」

「私は百合ヶ丘の出じゃないんだが……」

 

 不満の声を漏らす愛莉さんは、壱さんの鋭い一瞥で黙らせられた。

 すると、まだまだ何か言いたそうな壱さんの袖を一緒に来ていた樟美さんが引っ張って言った。

 

「壱っちゃん、そのくらいにしてあげよう? お二人とも、反省してるみたいだから……」

「樟美……分かったわ、樟美がそう言うなら」

 

 そう言って、先程までの剣幕が嘘のように私たちはあっさりと解放された。樟美さんの壱さんに対する発言力の強さを目の当たりにしました。

 解放された私たちは、壱さんを横目にこっそり顔を寄せ合った。

 

「やっぱり壱さんって樟美さんにめちゃくちゃ甘いですよね」

「昔のことが尾を引いてんだろ」

「やっぱりもう少し正座しますか!?」

 

 やっば、聞こえてた。ひとまず、今後は壱さんを怒らせないように気をつけようと心に決めた。

 また、私たちと同タイミングで争いを止められた楓さんと夢結さんも、私たちほどの剣幕ではないものの、壱さんから小言を言われていた。夢結さんは壱さんより上級生ですが、内容が内容だけに言い返すことはせず素直に反省の意を示していた。

 その光景を傍らで眺めていると、壱さんたちと一緒に来ていた亜羅揶さんが近づいてきた。

 

「壱に怒られるなんて災難でしたわね、お二人とも」

「おや、亜羅揶さんでも怒られるのはやっぱり嫌ですか。相手が壱さんならむしろ喜びそうだと思ってましたけど」

「わたしは責められるより()()()方が性に合ってますわ。それに、怒られたのなら、つまりはそれ相応の不祥事を働いてしまったということ。そんな行いは最初からしない方がいいに決まっていますもの」

 

 すごい、普段から女の子を追いかけ回しては壱さんから怒られている亜羅揶さんが言うと説得力が皆無です。言ってることは正しいのに。

 

「それもそうですね。じゃあ壱さんから怒られるのは私の特権ということで」

「そんな喜ぶに喜べない特権初めて聞いたぞ。にしても、人が増えてきたな」

 

 ツッコミも程々に、愛莉さんが周囲を見渡す。授業の終わりからそれなりに時間が経過したためか、さっきまで私と愛莉さんと夢結さんしかいなかったテラスには、まばらに人が訪れ始めていた。

 私たちのところにも、梨璃さんに楓さん、壱さんたちが集まっている。夢結さんが元からいたことを見るに、少なくとも梨璃さんは初めからここに来るつもりだったんだろう。

 そしてまだ人は増える。席に座り直した私が愛莉さんに倣って周りを見渡していると、入口から見知った小柄な少女がこちらに向かってくるのが見えた。

 

「楓さーん、やっと見つけましたー!」

 

 名前を呼ばれた楓さんがそちらを振り向くと、少女……二水さんは小走りで私たちの集まる下までやってきた。

 

「まあ、二水さんったら、今までどこに行ってましたの?」

「どこかに行ったのは楓さんじゃないですか! 廊下を一緒に歩いてたら『梨璃さんのピンチですわ!』って突然走り出して! ずっと探してたんですよ!」

「廊下を、走った……?」

 

 会話の内容に壱さんがピクリと反応し、(ほとぼ)りが冷めたはずの怒りの炎が見る見るうちに再び燃え上がり出す。

 当の楓さんはもちろんのこと、これには私と亜羅揶さんも内心焦り出した。何せ私たちも廊下を走ったり走ったり、さらには走ったりしている前科一犯。

 壱さんは、亜羅揶さんが私に絡んできた程度の認識しかないのでこの事実は知らない。しかし、バレれば待っているのは先程と同じ小言の嵐だ。

 尤も、変に口を滑らせなければそんな事態はやってこないので、私たちは蚊帳の外にいれば安全です。ということで、楓さんはご愁傷様でした。

 

「さあ二水さん! そんなことよりも、わたくしたちにはご挨拶しなくてはならない方がいらっしゃるようですわよ!」

 

 ところが、再び怒られることを嫌ったのだろう、楓さんは強引に話題を変えると私の下まで二水さんを連れてきた。

 

「ごきげんよう、皐月さん。ご挨拶が遅れてしまい申し訳ありません」

「ごきげんよう、楓さん。ご丁寧にありがとうございます。別に気にしなくてもいいのに」

「おお! 皐月様の挨拶も今となっては貴重です!」

 

 挨拶一つで盛り上がっている二水さんは手にしていたタブレットをこちらに向けた。何かと思って目線をやると、パシャっと乾いた音が鳴り、写真を撮られたと認識するのに数秒かかった。

 二水さん? 私は気にしないので別にいいんですけど、人には肖像権というものがありまして。被写体には一声かけてからシャッターを切らないといらぬ争いを生みかねませんよ。

 楓さんはいつも一緒にいるだけに二水さんの行動には慣れているらしく、その行いには何も言わず(壱さんは何か言いたげだった)に話し続ける。

 

「本日はなぜ百合ヶ丘に?」

「仕事です。百合ヶ丘にはご贔屓にしてもらってまして、コーヒー豆の注文を受けているんですよ」

「なるほど、それでですか。それと、もう一つお聞きしたいのですが……」

「?」

「先程、羨ましくも梨璃さんの手を握っていたあちらのお方は皐月さんのご友人ですの?」

 

 楓さんが目線を向ける先には、真剣そうな顔の夢結さんと何かを話している愛莉さんの後ろ姿があった。

 一瞬、その姿を見た二水さんがピクリと反応した気がした。

 

「あー、友達といえばそうかもしれませんけど、本人が聞いたら全力で否定しますよ?」

「それは何故?」

「だって……」

「私はこいつと友達になった覚えはないからだ」

 

 そう言って、この一瞬の間にこちらに来ていた誰かさんは私の頭に手を置くと、優しさの欠片もない力でぐりぐりと撫で始めた。上からかかる強い力が、私の身体を通して座っているイスを軋ませる。

 髪がくしゃくしゃになり視界も揺れる中、二水さんが目を見開き鼻の辺りを押さえているのが見えた。押さえた手の間から、一筋の赤い液体が流れていたのもまた。

 

「こいつに紹介を任せるといらん誤解を生みそうだから私から言うぞ。事情があってこいつの店で働いてる四ノ宮愛莉だ」

「事情って、ただ大学試験落ちただけじゃないですかいだだだだだだだだだ痛い痛い痛いです力込めて握らないでください頭割れちゃいます!」

「誰も医大なんて目指しちゃいねーぞ」

「言ってません!」

「このバカとの関係はビジネスライク以上友人未満、そこら辺よろしくな」

 

 自己紹介を終えた愛莉さんは込める力こそ弱めてくれたものの手を離してくれない。まるで私の頭を何かのおもちゃとして扱っているかのように、力加減を変えて撫で回し続けた。

 握り潰されるかと思った頭の痛みに涙を浮かべた私は感じた。この人絶対遊んでる、付き合いの長い私には分かる。

 

「まあ、従業員の方でしたのね。わたくしもご挨拶をしなければ……」

「楓・J・ヌーベルだろ」

「えっ?」

「大手CHARMメーカー、グランギニョル社の社長令嬢。メルクリウスの中等部からその実力を発揮してきた優秀なリリィで、現在は編入試験をトップで通過して百合ヶ丘に在学……こんなとこか」

「……わたくしほどのリリィともなれば頷ける知識ですが、まるで二水さんみたいですわね」

「強いリリィが好きなもんでな、目ぼしい奴は押さえてるつもりだ。お前のことも知ってるぞ、二川二水」

「えええ!? なぜ私のようなぽっと出を愛莉様が!?」

 

 楓さんへの返答から、まさか自分に振られるとは想像もしていなかった二水さんが鼻血の量を増やしながらたじろいだ。誰かティッシュ持ってきてください。

 愛莉さんは手や口をわなわなと震わせる二水さんに一歩近づくと、ポケットから携帯を取り出す。それを少し操作して画面を二水さんの眼前に突きつけた。

 それを見た二水さんは、元から開いていた目をさらに大きく見開く。

 

「時折り夜中にやってるリリィ関連のQ&A、これお前だろ? 私も見てるんだよ。有益な情報はいくらあっても困らないからなァ。あと様づけはやめろ」

「あ、ありがとうございます! 愛莉様ほどの方にご覧いただけているなんて光栄です!」

「様はやめろっての。私は皐月(あのバカ)ほど優しくねーからよォ、三度も許せる仏の顔は持ち合わせてねェぞ」

「は、はい、気をつけます!」

 

 血を流し続ける鼻に楓さんの手で栓をしてもらった二水さん、愛莉さんから発せられる僅かな怒気に気圧されているようです。

 愛莉さんは私以外には基本的に優しい。しかし、あくまで基本的にであって、ラインを超えれば普通に怒るし、何だったら手だって上げかねない。そうなったら止めるのは私の役目です。

 

「ちなみに二川、お前、私についてはどれくらい知ってる?」

 

 と、興味本位か愛莉さんが問う。

 すると、さっきまで萎縮気味だった二水さんの身体がビクッと跳ねたかと思えば、その目が待ってましたとばかりにキラリと光る。

 私の時と同じだ、二水さんのオタクモードが始まった。

 

「もちろん存じています! 四ノ宮愛莉様は、かつて御台場女学校に所属していたリリィで、高等部からの入学でありながらすぐさま才能を発揮して第一線で活躍したお方! その戦いはデュエル世代の中でも群を抜いて圧倒的なパワー型! 複数体のラージ級を一刀の下に斬り伏せたという逸話や、『鷹の目』の空間把握能力で戦場を駆け巡り、一度の出撃で全てのヒュージを単独で撃破したといった功績が有名です! 一方で、性格は粗暴でガラが悪く、協調性の低さを問題として指摘されており、仲間の戦闘への横槍もしばしばだったと聞いています! その小さな容姿も相まって、実力は折り紙つきの問題ばかり起こすじゃじゃ馬として『台場(だいば)悪童(あくどう)』と呼ばれ、ガーデン内外から畏敬(いけい)の念を集めていたのが愛莉様なんです!」

「三度目はないって言ったよなァ!」

 

 誰にでもなく熱弁を繰り広げた二水さんの口は、愛莉さんの両手により頬を引っ張られることで閉口することとなった。かなり興奮してたみたいだから、これはまあしょうがない。話し出すと止まらないのはオタクあるあるですもんね。

 哀れ二水さんは、愛莉さんに完全に捕まってしまった。頬をふにふにと弄られた次は、指をグリグリと突きつけられている。

 やはり私と比べて報復がものすごく緩い。私が二水さんの立場にいたら容赦なく顔面に拳が飛んでくるのに。それはそうと、ほっぺふにふには私もやりたい。

 ……あっ、止めに入った楓さんも捕まった。二人とも愛莉さんの両腕が肩に回され、あれはしばらく離しそうにない。私が止めに行ったら逆効果なので、お二人には愛莉さんの気が済むまで抱えられてもらおう。触らぬ神に祟りなしってやつです。

 

 ふぅ……先程まで泣いたり喧嘩したり怒られたりと騒いでしまったせいか、無意識に身体が力んでいたらしい。息を吐いて力を抜くと、その場もようやく全体的に落ち着いてきたところだった。丁度いいので、今の状況を確認してみる。

 この場にいるのは、部外者の私と愛莉さんを除くと、梨璃さん、夢結さん、楓さん、二水さん、そしてご馳走の約束をしていた壱さん、樟美さん、亜羅揶さん。

 当初思っていたより大所帯になってしまいました。それはつまり、大勢のリリィに囲まれているということ。ここは天国か?

 

「私たちも入れれば9人ですか。レギオン一つ作れちゃいますね」

「は?」

 

 愛莉さんが不思議そうな声を漏らした。私、何か変なこと言いました?

 しかし、私の発言を聞くと同時に、梨璃さんも周りをキョロキョロと見回し始め、その顔は次第に何かを心配するように曇っていく。

 誰かを探してるんでしょうか? 夢結さんはここにいるし、レギオンの仲間を探しているなら、ここにいない時点で何かしら事情は聞いていそうなものですけど……

 

「お前ともあろう奴が、とんだ節穴だな」

「?」

 

 突然、愛莉さんがそう言った。私を含めて、その場にいた全員の視線が愛莉さんに注がれる。

 その中で、愛莉さんは二水さんと楓さんに回していた腕を戻すと、右手の人差し指を真っ直ぐに私に向けた。

 

「いるだろ、そこに、もう一人」

 

 一瞬意味が分からなかったものの、愛莉さんの眼差しが私の後ろを見ていることに気づいて、イスに座ったまま私は背後を振り返る。しかし、そこに人影はなかった。

 いやいや愛莉さん、脅かそうったって今時こんなベターな文句で怖がる人なんて誰もいません……いや、あるいは茜さんならあり得るかもしれませんが。

 どうであれ、私を怖がらせたいなら雷でも持ってこいということで、私は前へと向き直る。すると、先程まで愛莉さんに注がれていた視線が、今度は私に集中していることに気づいた。

 愛莉さんが私を指したからだとしても、その視線に含まれる驚きの色の理由が分からず、視線に押されるように、私は身体を僅かに後ろに倒してしまう。

 

 その時、左の視界が端から何かによって遮られた。思わず立ち上がりそうになるも、それが鼻先を掠めた瞬間に感じたふさふさした柔らかな感触と、漂う仄かないい香りから、それが誰かの髪であることを理解する。

 即座に落ち着きを取り戻して冷静に観察すると、先程まで誰もいなかったはずの私の背後から、誰かが私の肩越しに顔を近づけていた。

 薄紫色の髪をおさげに結った、雰囲気からあどけなさを感じさせるその少女は、私の首元に顔を近づけ、くんくんとニオイを嗅いだ。

 何故、と困惑する間もなく、少女は互いの鼻先が触れ合いそうな位置まで顔を上げると、そのあどけない顔で笑顔を作って言った。

 

「なんだか、嬉しそうなニオイがする!」

 

 あまりにも純粋で眩しいその笑顔に目を奪われた私は、梨璃さんの顔から曇りが消えたことに気づかなかった。




四ノ宮愛莉
年齢:20歳
誕生日:10月2日
身長:152cm
体重:ぶっ飛ばすぞ
好きなもの:団子、睡眠、強いリリィ
苦手なもの:注射、様づけで呼ばれること
趣味・特技:人生を楽しむこと

御台場女学校の卒業生。長髪を上下で濃い赤と薄い赤に分けたハーフメッシュが特徴。身長が低いことがコンプレックス。戦闘・戦術系のリリィオタクでもある。
ガラの悪い粗暴な性格。これが災いし、4校受けた大学入試が全て面接試験で不合格となってしまい、路頭に迷っていたところをリリィ時代の縁から皐月に拾われ、現在は喫茶ゆりかごで主に買い出しを担当している。
皐月とは守備範囲外の任務で何度も共闘した仲。ただし、特別仲がいいわけでもない、ただの腐れ縁。
とある事情から、強化リリィに対して思うところがある。



最後に出てきた子は一体誰なんだー?
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