敵の女幹部とドンパチしてたら息子が出来た   作:イベリ

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その鋒まで染め上げろ!

一部 地獄の様相を繰り広げるアストレア・ファミリアホーム【星屑の庭】では、未だにアスラが非常に気まずそうにアストレアの眼前で正座させられていた。

 

「待たせるのは、本当によくないと思うの。」

 

「い、いやでもよ…アストレアならわかんだろ?俺がこうなんのもさ?」

 

「私は、気にするなと再三言ったわね?」

 

「それでも、身勝手に鞍替えしたのは俺だ。本当なら、俺はコイツらとだって関わる資格は─────」

 

「貴方、本当に叱られたいの?」

 

「っわ、悪かったって!もう勘弁してくれぇ!」

 

「ダメよっ、いっぱい話したい事があるんだからっ!今日は朝まで返さないし寝かせないわ!」

 

「おまっ、ホントに準処女神か!?言葉に気をつけろ!!」

 

「いつもは頭が弱いのに、貞操観念だけはやけにしっかりしてるところ、私は好きよ!」

 

「こいつこんなだったか!?俺が知らねぇ間におかしくなっちまってんじゃねぇか!!」

 

「5年会ってないもの!!私も変わるわ!!」

 

「そうだったな!!」

 

珍しい反応をするアストレアを不思議そうに眺めながら、ベルは輝夜と読み書きの勉強をしている。

 

今はコイネー、所謂共通語の軽いテストの日だ。

 

「これなんてよむの?」

 

「これはりんどう(竜胆)、花の名前だ。あとベル、今テスト中だぞ。」

 

「あっ、しってるよ!お姉ちゃんの2つ名!えっとね、【やまとりんどう(大和竜胆)】!」

 

「ん、よく知っているな、偉いぞ。お前の服や刀の鞘にもあるな。」

 

傍らに置いていた刀を大事そうに抱き締めたベルは、花のように笑った。

 

「僕ね、このお花好きだよ。お姉ちゃんが守ってくれてるみたいで!」

 

「ん〜〜っ………ベル、テスト終わってないが、花丸だ。」

 

「えへへっ」

 

筆で答案用紙に花丸を書いた輝夜は、行くかぁと呟いてベルを抱き上げ、稽古に向かった。

 

『今日は…そうだな、幸いお前は筋がいい。剣舞を戦闘にどう落とし込むか考えはじめてもいいかもしれん。』

 

『ぼく、頑張って強くなるね。お義母さんも、お姉ちゃんも…みんなを守れるくらい!』

 

『……生意気だが、ふふっ……あぁ、その時は守ってくれ。楽しみにしている。だからそれまでは、私がお前を守ろう。』

 

『うんっ!』

 

本当に、今まで生きてきた中で最高の笑顔を振りまいた輝夜。それを凄い顔で見る団員たちの事は、既に頭にないらしい。

 

「おい、輝夜ぶっ壊れてきてんぞ。」

 

「日に日に輝夜の扱いが上手くなっているのでは…?」

 

「いや、あの顔深く考えてないな。」

 

「天然?」

 

「7歳で…なんて恐ろしい子……!」

 

面倒くさそうな気配を感じたアストレア・ファミリアの団員たちは、アスラとアストレアからなるべく距離をとって関わらないようにしていた。

 

今も昔も、痴話喧嘩(?)は犬も食わない。

 

「あっ!ベル、輝夜!俺も行くぞ!」

 

「お前は終わってないだろう、アストレア様と2人でイチャコラしていろ!」

 

「ほんとにそれやめてくれ!フレイヤもそうだが枯れてる通り越して古木みてぇな女神共を抱く趣味はねぇよ!!」

 

「私は!!神の中ならまだまだ若木よッ!!!」

 

「いったぁぁぁっ!?流石俺仕込みの蹴り!滅茶苦茶痛ぇ!?」

 

『アストレア様の蹴り!?』

 

アストレアにすぱーんっ!と尻を蹴りあげられたアスラを指さしながら、輝夜はベルに語る。

 

「いいか、ベル。女に年齢の話はやめた方がいい。あれがいい教科書だ。」

 

「お姉ちゃんはなんさいなの?」

 

「私は17歳だ。私とベルは、何歳差だ?」

 

「ぼくは7つだから…えっと、10こお姉ちゃん?」

 

「あぁ、よく出来た。さっ、次は体を動かそう。」

 

神様も年齢って気にするんだ。という素朴な感想を抱きながら、ベルは鍛錬のために中庭に出た。

 

それに続くように、アスラがゲッソリとしながら這い出てきた。

 

「はぁ…はぁ……あいつパワフルすぎだろ……」

 

「お前が悪い、この一言に尽きる。」

 

「今日マジで帰れねぇし寝れねぇ。」

 

「前から、やけにお前の事を気にかけているとは思っていたが……まさか先輩だったとはな?」

 

「あぁ?やめろやめろ。そんな質じゃねぇよ。」

 

心底どうでも良さそうに手を振ったアスラに、輝夜は疑問をぶつける。

 

「なぜ、あの方の元から離れた?お前なら、ここでもやって行けただろう。」

 

すこし答えにくそうに口をモゴモゴと動かすアスラの表情に、今日は本当に珍しいものばかり見ると、輝夜は苦笑した。

 

「まぁなんだ…眷属になったのも流れだったし、3人でオラリオに来て、暫くしてからアリーゼが軌道に乗り始めたからな。」

 

「そこでは無い。お前も、アストレア様の司るものは知っているだろう?」

 

「あぁ〜……俺は王だろ?」

 

「まぁ、そうだな。」

 

「だからよ、正しさとかそういうのは求めちゃいけねぇって気づいたんだ。」

 

要領を得ないアスラの言葉に首をかしげれば、仕方ねぇと口を開く。

 

「いいか?王は時に畏怖を、時に威厳を、時に笑って踊って民を導く。そこに思想があっちゃいけねぇ。特に正義は、状況によっては毒だ。」

 

「……王たる者、思想に流され、思想に支配されてはならないと?」

 

「そうだ。お前も知ってるだろう?正義は時として、人を残酷にする。大義名分ってやつさ。正しさだけじゃ王は務まらねぇ。」

 

その言葉に、少し思うことがあるのか、輝夜は遠い目をしながら呟く。

 

「……その色の無い旗を掲げ、戦うことは、悪か?」

 

「いいや?間違いなく、正義と呼ばれるに値するものだ。今さら何言ってんだよ、お前にはもう、未練も無い(・・・・・)だろう?」

 

笑ったアスラを見て、輝夜も憎たらしく笑う。

 

「はっ、違いない。ささっ、ベルの稽古を見てやってくれ。」

 

「元からそのつもりだ!」

 

「お兄ちゃ〜ん!みててね!」

 

「おう!しっかり見てやる!」

 

いつもよりぴょんぴょんとはしゃぐベルに、まだアスラの方が懐かれているか、と少し悔しい気もあった輝夜ではあるが、まだまだ時間はあると、目の前の訓練に集中する。

 

将来の伴侶の最低限を身につけさせるため、輝夜は手を抜く訳にはいかないのだ。

 

「行くよ!お姉ちゃん!」

 

「あぁ、来るといい。」

 

そうして始まった訓練。せいぜい手解き程度かとタカをくくって見ていたアスラは、徐々にその表情を崩していく。

 

1分が経過。

 

「……へぇ…」

 

3分が経過

 

「………え…いや……え?」

 

そして、5分が経った頃。アスラは目を見開き驚いた。

 

「─────おいおい、マジかよ……?」

 

「やぁっ!」

 

「いいぞ!昨日の稽古をちゃんと復習したらしいな!」

 

「うんっ!」

 

「よし、少し速度をあげるぞ。構え!」

 

足運びに、重心の運び方。それがまるで以前とは違う。

 

オラリオに来てまだ両手で数えられる日数だ。剣を握ってたった1週間くらいだろう。

 

しかしどうだ。ベルの技量はLv1なりたて、いいやなりたてなど生易しい、恩恵刻みたてホヤホヤの新人(ルーキー)が持つ技量ではなかった。

 

「そら!脇が甘い!腕で振るな!体で剣を振れ!」

 

「はっ、はい!」

 

「そうだ!次は力むな!剣に振り回されているぞ、もう一度!」

 

「はいっ!」

 

意識しているのか、はたまた無意識なのかは分からないが、1つ修正されれば、加えて2つの動きに改善が見られ。2つ修正されれば、加えて4つの動きが改善される。

 

とてつもない才能だ。身の丈程もある木刀を扱いながらあれ程の精密な動きを、経った1週間で身につけることが出来るのだろうか?

 

「これも捌くか!なら、これはどうだ?」

 

「うぐっ、わわぁっ!?」

 

しかし、やはり力では敵わない故か、押し合いになれば、ぽーんっ、とボールのように吹き飛んだベル。しかし、その目は焦りを一切見せてなどいなかった。空中でぐるりと回転し、着地と同時に木刀を腰溜めに構え、深く沈む。

 

その型に、輝夜は目を見開いた。

 

「────やぁぁぁっ!!」

 

顔を振り上げ小さな雄叫びと共に、足りない力を補うように高速で大きく一回転の疾走居合を見せた。その速度は、既にLv1上位に匹敵するだろう。

 

そのまま一閃。しかし弾かれ、体力が尽きたのか尻餅を着いた。輝夜は酷く驚いた後に、ふはっ!と吹き出した。

 

「───ハハッ!私の居合を盗んだか!!」

 

「はふっ、はひ……まっ、前に、お姉ちゃん、がやってた、から……」

 

荒くなった息を整えたベルは、咎められると勘違いしたのか、シュンとした。

 

「あぁ、なに。怒っている訳では無い。いいチャレンジだ。いいかベル。学ぶ、という言葉は元来『真似ぶ』という言葉から来ていると言われている。」

 

「『まねぶ』?」

 

「あぁ、学ぶことは真似ること。観て、模倣、実践。勉学とは何においてもこの3つの繰り返し。お前は、見事にこなせている。流石、私の弟子だ。」

 

「うん!!」

 

ベルの体力が持たないので、数分の攻防ではあったが、内容としては100点も100点。Lv1にしては強すぎて、早すぎるその技能の習得はスキルの恩恵があるとは言え異常だ。

 

なにより、目を見張るべきは駆け引きだろう。先の訓練での剣戟、最後にベルが吹っ飛んだのも、距離を取って疾走居合の助走を稼ぐため。感覚でやっているのか、理解してやっているのか、どちらにしても恐るべき才覚だ。

 

心の中でやばすぎだろ、と呟いたアスラは、ただの小さな村で拾ったあの子うさぎが、まさかの英雄候補だったとは思いもしなかった。

 

しかし、同時に危うい。

 

戦う力があることは悪い事じゃない。それに、ベルは力に溺れ慢心するようなタイプでもない。

 

心配なのはそこでは無い。技や経験は輝夜がゆっくりと積ませてくれるだろう。だからこそ、自分が教えるべきはそこではない。

 

「おし、ベルこっち来い!」

 

「うん!」

 

胡座をかいて丸太のような太腿を叩いてベルを呼べば、ぴょんぴょんっと跳ねるようにアスラの膝にちょこんと収まった。

 

「よし!まずは修行の成果から!見事だ!お前はとんでもない才能があるぞ!」

 

「ほんと?ぼく、強くなれるかな?」

 

「あぁなれる!なんなら、この俺よりも強くなれるかもしれねぇ!」

 

身近にいる最強のお墨付きに、ベルは非常にはしゃいでいるが、まぁ落ち着け!とアスラはベルを諌める。

 

「ベル、今このオラリオがものすごく危ないのは分かるか?」

 

「うん……お姉ちゃん達が戦ってる人達が暴れてるって…」

 

「そうだ!最強の俺がいるとは言え、戦力はあるだけいい。お前が戦ってくれるだけで、多くの仲間を、民を救える!その点で言えば、もしかするといきなり戦場に放り投げられることも無いわけじゃない。」

 

いつになく真剣な表情のアスラに、ベルはゴクリとツバを飲み込んだ。

 

「いいか、ベル。冒険者は否応無く剣を振るい、命を奪い、血を浴びる。それがモンスターであれ、人であれ、なんだろうと変わらぬ命だ。」

 

「いのち……でも、ぼく……」

 

不安げにアスラを見上げたベルに、アスラはわかってると言いながら、話を続けた。

 

「ベル、お前は優しい。けどな、そうせざるを得ない状況が、お前にも必ず訪れる。」

 

「そう、なのかな…?」

 

「あぁ……だが、その時だ!お前の力を、正しく使え。そして覚悟を持って、お前が思った事をしろ。」

 

「かく、ご……」

 

「覚悟のない剣に、一体どれだけの価値がある?覚悟無く命を奪う剣はガラクタだ、モンスターと変わらねぇ!だが、覚悟が宿った剣は!何よりも尊い黄金となる!」

 

ベルを立たせ、膝立ちになって視線を合わせたアスラは、ベルの肩を掴みながら、変わらず真剣な眼差しで幼い真っ赤な眼に叫んだ。

 

「いいか、戦場に立てば。お前は戦士だ。」

 

「ぼくが、戦士…?」

 

「そうだ!そして、戦士は覚悟を抱き、その戦いに価値を与える!」

 

「…元から…かち…は、ついてないの?」

 

「あぁ、無い!戦いに、剣に、元から覚悟だの価値はねぇ。だからこそ!握った柄から(きっさき)まで、お前の覚悟で染め上げろ!敵を斬り、命の重さを知れ!舞った血飛沫を、奪い取った命を……お前の剣を戦いを、黄金に変えられるのはお前だけなんだ!」

 

「……っ……」

 

「お前の覚悟が、覚悟の重さが、お前の強さとなり、お前の黄金()を更に輝かせる。」

 

ベルは、その気迫に息を呑んだ。そしてその気迫に、ベルは呑まれてしまう。

 

怯えたようなベルの様子に、アスラは仕方ないか、と目を瞑った。

 

まだまだ幼い7歳児に語ることでは無いと、アスラ自身思ってはいるが、現状のオラリオでは戦う可能性はゼロではない。心構えはあって然るべきだ。

 

きっと、輝夜はベルを守ってくれるだろう。戦場にいたっても適切な指示を出し、ベルを必ず生還させる。

 

ただ、それがない場合。ベルは果たして人を斬れるか?

 

殺す事を強いるような状況に陥った時。その時に、ベルの覚悟だけが真価を示すだろう。

 

その覚悟を、輝夜は教える事が出来ないのだから。

 

助けを求めるように視線を寄越したベルに、輝夜はゆっくりと近づいた。

 

「……ベル、分からないことは多いだろう。だが、冒険者となる者ならば、いつかしなければいけない心構えのようなものだ。」

 

「僕も……人を、ころすの?」

 

「違う…とは言えないな。いずれにせよ戦いの中で、殺してしまう事は十分有り得る。」

 

「お兄ちゃんと、お姉ちゃんも…?」

 

「あぁ、数えるのすらやめたほどな。」

 

「……罪人や敵とは言え、数え切れない人間を、私達は斬ってきた。それは、間違いない。」

 

答えたくはないだろうに、輝夜は苦しそうに口を開き、現実を叩きつける。冒険者なぞ、いくら飾ったところで所詮殺生を生業にしている荒くれ者。民の王を自他ともに認め、強く、愉快な兄。片や母親以外に初めて見た息を呑む程の美少女であり、短い付き合いの自分に優しくしてくれた、大好きな姉。2人のその1面しか知らないベルは、そのギャップに少しのショックを受けた。

 

それに気づいたのか、輝夜はベルの頬に手を当てながら、儚く微笑む。

 

「………私の事は、嫌いになってしまったか?」

 

バっと顔を上げて、泣きそうな顔になりながら、どうしてそんなことを言うの、と輝夜にしがみついたベル。

 

「ベル……そうだな……ありがとう。」

 

そんなベルに、困った様に笑ってから、強くベルを抱き締めた輝夜はよしよしと頭を撫でた。

 

クスンクスンと輝夜の胸で泣くベルを見て、アスラは懐から一冊の本を差し出す。もとよりこれは、ベルに渡すつもりであった物だ。今見逃せば、次に渡せるのはいつになるかわからない。

 

「ベル。」

 

「…なぁ、に……?」

 

「もし、お前にどうしても守りたいものができた時、これを読め。」

 

「アスラ、これは…!!」

 

手渡された本は、ベルにとってはズッシリと重く、とても分厚かった。

 

灰単色の重厚な表紙には何も書かれておらず、ベルにはなんの本なのかも理解できない。

 

「きっと近いうちに、これがお前の力になる。」

 

しかし、何か特別な意味がある事だけは分かった。

 

兄は底なしに馬鹿だし、欠片も意味の無い事を頻繁にするけど、これにはきっと意味があると思った。

 

優しく笑ったアスラの顔を見て、ベルはぐしぐしっと顔を乱暴に拭き、涙を飲み込んだ。

 

「わかった…っ!」

 

「よし!お前は男だベル。守りたい何かのために、お前は涙を我慢できる。んで、これは、俺からのプレゼントだ。」

 

アスラは腕に巻いていた革紐を千切り、小さなミサンガに加工して、ベルの腕に巻く。

 

ベルが不思議そうにそれを眺めていると、アスラは俺の故郷に伝わるものでな、と続ける。

 

「これは戦士のミサンガ。俺の故郷の古い習わしだ。その者が真の戦士となる時、その紐は千切れ、男子を戦士に生まれ変わらせる。俺は、お前のその時を待ってるぜ、ベル!」

 

「…うんっ」

 

嬉しそうにミサンガを眺めるベルに、輝夜はパンパンッと手を叩いた。

 

「さぁ、ベル。先に汗を流して来い。」

 

「お姉ちゃんは…?」

 

「私も後から行くから、先に行っていなさい。」

 

「はいっ」

 

タタタッと風呂場に走っていったベルを見届けて、アスラは大丈夫かなぁと頭に手を置いた。

 

「大層な物まで渡して…よほど心配なのだな。」

 

「俺が連れてきたってのもあるしな。なにしろ、ベルはまだ子供も子供だ。」

 

「なに、心配することは無い。子供と言うのは、大人が思うよりも、ずっと賢く活発だ。殊更にベルは顕著だぞ。それこそ、平時のお前よりはな」

 

「一言余計だこの野郎」

 

「野郎では無いがな」

 

「揚げ足とんな!」

 

ったく!とぶー垂れたアスラは、1つ伸びをしてから、思い出したように肩を落とした。

 

「……アストレアと飲んでくるわ。」

 

「あぁ、そうだったな。今日は朝帰りで?」

 

「ハッハッハ!!4時間で酔い潰してここに持ってきてやるわ。」

 

「はぁ……期待しないで待っている。」

 

「期待して待ってろ!ベロンベロンの主神持って帰ってやるぞお前ら!!」

 

「ベロンベロンのお前はいらないからな〜」

 

「じゃあね〜、先輩〜」

 

「アストレア様を食い荒らすなよ!?」

 

「クズ!ヤリ〇ン!」

 

「おい誰だ今の!!聞き捨てならねぇぞ!こちとらまだピカピカじゃボケナス!!」

 

「……そこまで堂々とされると普通にキモイな」

 

「その……もう少し隠した方がいいかと」

 

「だから『上司にしたい・部下になりたい冒険者ランキング』は殿堂入りなのに、『恋人にしたい冒険者ランキング』は『猛者』に負けて33位なんだよ。」

 

「まぁ普通に高いけどね、顔は良いからな〜。」

 

「でも33位って微妙じゃない?」

 

「最早圏外の方が面白かった。」

 

「……それちょっと気にしてるからやめてくんね?」

 

「夜の方を心配されてるのかしら?」

 

「あら、でもこの子のはとても立派「お前ほんと余計な事口に出すな!?」

 

『口に出すな!?』

 

「お前らほんとにめんどくせぇな!?」

 

あーばよー!とアストレアを肩に担いで酒場に逃げたアスラを眺めながら、ファミリア団員は、あいつほんと面白いな。と小さく呟いた。

 

「というか、兄様お酒飲めるようになったのかしら?」

 

「いや、無理だろ。あの弱さだぜ?」

 

「……それもそうね!」

 

「酒弱いのいい加減気づけよなぁ、アスラも。」

 

あの図体(180C)でジョッキ4杯でベロンベロンになるとかどんだけだ、と呟いた輝夜はもういいや、と考えるのをやめた。

 

まぁ、どうせあいつの事だから逆にお持ち帰りされて来るな。と優しい目をして、ベルが待つ風呂場に向かった。

 

案の定、アスラはきっちり4時間でアストレアに酔い潰され、ベロベロのままアストレア・ファミリアのホームにお持ち帰り。昼までアストレアの抱き枕をさせられていた。

 

『昨日はお楽しみでしたね。』

 

「マジでなんもなかったぞ。」

 

『チッ』

 

「かみさま、なんかいつもよりつやつやしてる」

 

「これはね、抱き枕が良かったのよ。」

 




感想、高評価ありましたらよろしく。次回あたりからちゃんと物語動くかな。

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