「ぐ、苦しい」
俺は突如として現れた何かに暗闇に引きづり込まれた。何とかもがくもビクともしない。ていうか力を入れる度に苦しくなる。潰されそう。
「グルル」
そんな状況が数秒経過した時、唸り声が聞こえた。それに俺はピタリと動きを止める。そして暗闇の中で赤く輝く瞳を見た。
「ヒェッ…」
その瞳は俺を見つめたまま動かない。
それから何秒たっただろうか、少しずつ暗闇になれた俺の目に飛び込んできたのは言ってしまえばトカゲの顔だった。もちろんバカでけぇ奴な。
そして俺を掴んでいるものがソイツの手だと理解した。
……俺、ここで食われて死ぬのかな。
翼ごめんな、俺ここまでみたいだわ。
そんな風に考えていると。俺にかかっていた圧力が消え、地面に落っこちた。
「あでっ!?」
痛ってぇ!ケツから行ったぞ!!
て、それよりも!
俺は急いで立ち上がり後退して、視界にトカゲを映す。
改めて見てもでけぇ、何メートルあんだよ。それによく見るとトカゲじゃねぇ。翼が生えてやがる、ドラゴンかよ。
にしてなんで俺の事手放したんだ?あれか?獲物は弄んでから食うタイプか?
そんな事を考えながら更に観察しているとある事に気付く。
コイツ、傷だらけだな。
体の色んな所に傷がついている真新しいものも多い、傷は打撲痕みたいだな。
そこで気づく、さっきの血はコイツのか。
それに体に鎖が繋げられている。輪っかで繋がれているのもあれば体に打ち込まれているものもある。
はっきりいって胸糞悪い。
にしてもさっきからこっちを見るだけで何もしてこないな。どうしたんだコイツ?
俺とドラゴンとの視線が交錯するがただそれだけ、互いに見つめ合うだけだ。
……なんというか、よくわからん。
こいつが何をしたいのか、でも、コイツの瞳を見てると敵意は感じないどころか寂しさや悲しみが見える。
「……はぁ。何がしたいんだよ」
俺はその場に座り込む。ホントならここから出るべきなんだろうがなんかそれは良くない気がした。こいつを一人にするのはなんか違ぇ。
自分でも何やってんのかわかんねぇな。
てか座り込んだの失敗だったな。落っこちた時もあれだったが全身血まみれだ。
てか、今思えばここって檻なんだろうな。さっき見た柱はたぶん鉄格子なんだろう。
ズメイ遺跡の名の通り龍の遺跡てわけだ。にしてもホントどうしようかなぁ。この場所から出られる気しないな。
おそらくここはコイツを閉じ込める場所なのだろう。だったら簡単には出られないだろうなあ。
「てか、結局何がしたいんだよ、お前」
そう言って目の前のドラゴンに語りかける。
まあ、言葉が通じてるとは思わないがな。
ああ、でも、そうだな、こんな場所に一人は――
「寂しいよな……」
こんな暗闇で鎖で雁字搦めにされてどれだけの年月を過ごしたのか、あの血を見ればどれだけここから出ようと願ったのか伺える。
……そっか
俺は立ち上がって龍の前まで歩いて鼻先を触る。
「寂しかったんだよなお前」
俺を引きづりこんだのも寂しかったからかな。まあ、ここに閉じ込めたのが人間で憎しみで殺しに来た線も無くはないが、それだったらとっくに俺は死んでるだろうな。
それにコイツの瞳はこんなにも優しいしな。
「グルゥ」
「ハハッ、図星か?」
嬉しそうに鳴くじゃねぇか。
でもどうにも出来ないんだよなぁ。
……いや、待てよ、確か。
俺は急いで荷物を探る。ドラゴンに握られた時に幾つか物が壊れたみたいだが、お目当ての物はケースに入れられたのもあって無事だった。
取り出したのはみどりいろの液体が入った注射器、LiNKER。念の為に弦十郎の旦那から持たされたやつだ。
俺はLiNKERを自分に注射する。そしてギアを纏う。
「ちょっと大人しくしておけよ」
俺はドラゴンにそう言う近くの鎖に近づくとアームドギアを展開する。
そしてフォニックゲインを貯める。ノイズとの戦闘ではこんな事やってられないが今はノイズの相手じゃないし、とにかく威力が欲しい。
コイツが暴れても外れなかった鎖だ。
でも、運がいいぜ。コイツが今まで暴れたおかげ鎖はだいぶ傷が出来てる。
それにフォニックゲインが何故かいつもより多い。これなら
「いける!!」
俺がアームドギアを振り上げると槍のアームドギアが斧へと形状を変え大型化する。そしてそのアームドギアを振り下ろす。
「オラァァァァァ!!」
【Supernova ∞ Emancipation】
アームドギアの振り下ろしと共にフォニックゲインが爆発を起こす。
その一撃で鎖は断ち切れた。
「だぁ!!疲れる!」
だか大量持ってかれる!そしてこの鎖はまだあるという。だけど頑張るぞ!
それから全体の半分程を断ち切った時だった。ドラゴンが動いた。
そして次々に鎖がちぎれていく。
たぶんこの鎖にはドラゴンの力を封じる力もあったのだろう。それが無くなって力が出るようになったのかな。
「まあ、俺の労力が減ったから良いか」
さてと、鎖が無くなったのなら後は鉄格子だな。
俺がそう考えてると、ドラゴンが俺の横で座って羽根を俺の前に置いた。
一瞬何だか分からなかったが――
「乗れってことか?」
そう言えば肯定するようにドラゴンは鼻を鳴らした。
俺はドラゴンのせ中に乗る。そうすればドラゴンは立ち上がった。
「すげぇ、俺ドラゴンに乗ってるぜ」
ドラゴンライダーとか少年心をくすぐられるな。
「グルゥアッ!!」
そしてドラゴンが雄叫びをあげると走り出した。
おいおい、まさか鉄格子ぶち破る気か?
案の定、鉄格子が視界に入った。
「ああ、もう!さっきまで大人しかった癖によぉ!とんだじゃじゃ馬じゃねぇか!」
俺は急いでアームドギアを構えると、ギアに変化が訪れる。
ヘッドギアがまるで西洋の兜を模した形になり、西洋の鎧のようなプロテクターが俺を包む。アームドギアも巨大なランスに変わる。
いや、ここで形態変化すんのかよ!?機能先取りすぎだろ!!
ああ、もうとにかく行くっきゃねぇ!!
アームドギアにフォニックゲインを込めれば青い炎がアームドギアに収束する。そしてその炎を俺は鉄格子目掛けて放つ。
「オラァ!!」
【 Dragon∞ Breath 】
膨大な量の青い炎により鉄格子に罅が刻まれていく。そしてそこにドラゴンの体当たりにより鉄格子は砕けた。
だが、ドラゴンは止まらず羽根を広げた。
「おいおい、まさか!?」
ドラゴンは羽根を思いっきり羽ばたかせ飛び、天井まで向かう。そしてぶち破る。
「あーもう!めちゃくちゃだ!!」
そして青空の元に出た。
外に出れたのは嬉しいが遺跡をぶち破ったのはいただけねぇ、調査隊の人達無事かな?
というわけで今作オリジナルの動物相棒枠だ!
他の装者達にもつける予定だぜ!