久しぶりに筆が乗って続きかけもうした。それではどうぞ
で、どうすっかなぁ。戦力は増えたがエネルギーがある限り攻撃しても無意味。人数が増えたから何人かで撹乱してる間にエネルギー供給用のコードを切る。そっからエネルギーが尽きるまで削りきるしかねぇ。
そう考えていた時だった、突然通信が入る。
『奏くん無事!?』
聞こえて来たのは了子さんの声だった。
「怪我はしてるけど今の所は無事だ」
『そう、良かったわ。避難はもう終わって施設にいるのは貴方たちだけよ。急いで脱出してちょうだい!』
「そうしたいのはやまやまなんだけどよ──ぁぶなっ!?」
ネフィリムが勢い良く俺に突撃をしてくる。それをギリギリのところで避ける。
「逃がしてくれそうにねぇんだわ」
しかも少し前に俺に噛み付いた時にギアの一部を食ったのか力があがっていやがる。
マリアとズメイが来てくれたおかげで戦況的にはマシだがどうする。このままだとジリ貧だ。
『奏くん、今施設の電力供給を物理的に切断したわ。やっぱり最後には物理ね』
「最高だよ了子さん!」
ラスボス疑惑は未だに晴れてないがやっぱりこういう時とてつもなく頼りになるよ。
これでネフィリムへのエネルギー供給は無くなって回復しなくなった。エネルギーそのものが無くなっちまえば吸収もクソもねえからな。
なら、後はこいつを倒すだけだがどうする。時間をかけすぎると炎でやられる、しかしネフィリムを一撃でやる程の出力は長時間の戦闘で疲弊してる俺たちも時限式のマリアも無理だ。それこそ文字通り命懸けた最終手段である絶唱を使わない限りは。
ズメイもネフィリムの特性上下手に前線に出せねえし、ズメイの攻撃じゃあ俺らごとやっちまう可能性が高い。
「(どうする、どうする、どうすればこの場所から生き残れる。──やっぱり絶唱しか……)」
そこまで考えた時に突然ズメイが俺に突撃して来た。
「グルゥ!!」
「こんな時にどうしたんだ!?」
それと同時にズメイが眩く光り輝いて視界が白く染った。
次の瞬間、俺は見知らぬ場所に立っていた。
そこは草原だった。晴れやかな空が何処でも広がりそよ風が草木を揺らしていた。
「なんなんだ……?」
突然の出来事に唖然とするしかない。さっきの燃え盛る施設と化け物という景色からこんな所に突然来て唖然としない奴がいたら逆に紹介して欲しい程だ。
『ズメイ』
『グルァ』
そして突然人の声と聞き慣れた竜の鳴き声が聞こえて来た。
振り返ればそこに居たのは自分がよく知る竜のズメイと鎧を着込んだ男性の姿だった。
男性がズメイの背中乗り込むとズメイは翼を広げて飛び立つこちらに向かって。
「おいおい!?」
咄嗟に防御姿勢をとったがズメイは俺にぶつかる事無く文字通り
「は?」
ありえない現象に驚くがそんな俺を待たずに突然視界が切り替わる。
そこは戦場だった。人と人が剣や槍で武装し戦う今どきでは見ない昔の戦争と言ったら戦いが目の間に広がっていた。
『焼き払え!』
『グルァァァ!!』
そしてそんな戦場にてズメイと先程の鎧の男が空を駆けていた。ズメイの口から放たれた業火は敵兵であろう人間たちを焼き払いそれにたいして味方であろう兵士が歓声を上げていた。
「……なんだよ、これ」
また、景色が変わる。
今度は同じ竜と戦っていた。
景色が変わる。
また戦場だった。
景色が変わる。
鎧の男とズメイが一緒に寝ていた。
景色が変わる。
パレードだろうか、人々からの歓声を受けていた。
景色が変わる。
2人が楽しそうに空を飛んでいた。
景色が変わる。
ズメイと鎧の男が多くの兵士に取り押さえられていた。
景色が変わって鎧の男が処刑された。
景色が変わってズメイが鎖で縛られ閉じ込められた。
「……ふざけんなよ!」
英雄になった男は恐れられ疎まれ殺された。ズメイもまた恐れられでも殺す事も出来ずに閉じ込められた。
酷いく醜いものを見た。
「君は怒ってくれるのだな」
その声に振り返ると鎧の男が立っていた。
「あんたは……」
「そうだな私は亡霊かな」
「亡霊……」
「正しく言うなら残留思念だね」
そう言った彼の言葉に俺はこの場所がどう言うところなのか朧げながら理解した。
「ズメイの記憶の中か……」
「君は中々聡いようだね」
どうやら当たりみたいだな。
「君がここにいるのは他でもない私の意思さ」
そう前置きした彼は喋り始める。
「私とズメイはとある国で守護者として働いていた。時に怪物と戦い時に敵国と戦った、守護神なんて持て囃された事もあったさ。だが、私とズメイの力に恐れを抱いた国の重鎮たちは私たちを逆賊として捕縛し処刑した」
その言葉に強く拳を握り込む。
国の為に戦ったのにそんな最後はあんまりだろう。あの光景を見たからわかるどれだけズメイと彼が身を粉にして国を守ったのか、どれだけあの国を愛していたのかを。それに対する報いがあの最後なのか。
「でもね、それでも私をズメイを愛してくれていたものたちは確かにいた」
再び景色が変わる。今度は何処かの平原でズメイと数人の子供がズメイの体によじ登り楽しそうに笑っていた。そこに恐怖など微塵もなくただただ純粋に喜びだけがあった。
また景色が変わる。今度はズメイと彼が捕まった場面だった。ズメイと彼を捕まえる兵士たちの後ろで声を上げる人々が目に入る。その目は逆賊への恐怖や侮蔑などでは無く兵士たちへの怒りとズメイと彼への畏敬の念に溢れていた。
「ズメイは人を憎んでいる。だが、人に愛想をつかすには愛を受け取りすぎた」
そう言った彼は頭を下げた。
「あの場所で出会い鎖を破壊し再び太陽の元へ連れ出した君のおかげまたズメイは人を信じようと思えたようなんだ。どうか、ズメイをよろしく頼む。アイツは俺と違って寂しがり屋なんだ」
「ああ、わかった」
俺は間髪入れずに了承した。
「ズメイはもう家族だからな。アイツが家出したって離さねぇから安心しな。家族がいなくなるのは寂しいもんな」
脳裏に浮かんだのは俺の両親と妹だ。俺もまだガキだからそこまで家族との記憶が多いわけじゃねぇけどよ、家族とすごした記憶はどれも輝いて眩しいんだ。だから、もう二度と家族は奪わせねぇ、悲しい思いもさせねぇ。
「そうか……ありがとう。どうかあの寂しがり屋をよろしく頼む」
「おうさ!寂しがり屋同士仲良くさせてもらうぜ」
最後にそういうとにっこりと笑って鎧の男は消えていった。
それと同時に視界は再び燃え盛る研究所に戻っていた。それとほぼ同時にネフィリムが襲いかかってくる。
それを今までとは違い受け止めて投げる。
「危ねぇなぁ!!」
「グギャ!?」
妙に力が湧いてくる。心臓が張り裂けそうになるほど鼓動を刻む、周りの炎とは違う温かさを感じる。
「……奏、なのか?」
何やらこちらを驚いたように見てくる翼の姿が見える。しかし、翼がいつもよりも小さい気がする。いや、小さい。
まるで俺の視線が上がったような。
そこまで考えて尻の方に違和感を感じる。なんだろう、と自分の後ろを振り返るとそこには尻尾があった。
「なんじゃこりゃ!?」
尻尾を認識すれば芋ずる式に体に起きた違和感に気付く。手は人のものでは無く大きな爪が目を引く。足は人の直立二足歩行の足ではなく四足獣のような足の構造に変化し、体も普段よりも大きくなり鱗と体毛に覆われていた。顔も人ではなく龍に近くなっており今の俺はさしずめ龍人と言ったところか。
「もしかして、ズメイか?」
おそらくこうなったのはズメイが俺に飛びかかって来た時だろう。ズメイが融合でもしたのか?それならいきなりあの鎧の男の残留思念が語りかけて来たのも頷ける。
『グルオォ!』
それにYESとでも答えるようにズメイの鳴き声が頭に響いた。
「なんだかわかんねぇけど!これなら戦える!」
原理とかはよくわからんがさっきよりもずっと力が湧いてくる!これなら戦える。
「行くぞ!ズメイ!!」
『グオォォォォ!!』
起き上がってこちらを睨むネフィリムに向けてアームドギアの槍を構える。その構えは投擲の構えだ。
アームドギア今出せる全てのフォニックゲインを込めていく。そうすればアームドギアは光り輝き炎を纏い始める。
それに危機感を覚えたのかネフィリムはこっちに向かって一直線に向かって飛びかかってくる。
「行っけえぇぇぇぇぇぇ!!」
だがネフィリムが俺に牙を突き立てるよりも早くアームドギアを解き放つ。
【SHOOTING STAR ∞ RELEASE】
アームドギアは眩い軌跡を残しながらネフィリムの体を貫きバラバラに吹き飛ばした。それでもなお勢いは衰えず研究室の天井を吹き飛ばし空へとアームドギアは登っていく。
その一撃で力を使い果たした俺は元の人の姿に戻りズメイも俺の頭でぐったりしてる。
「にしてもすげぇなぁ」
未だに眩い光を放ちながら空を駆け上がるアームドギアを見上げながら俺はアームドギアを投げた時の衝撃波で炎が消えた研究室の瓦礫に腰を下ろす。
そして地面に散らばってうんともすんとも言わなくなったネフィリムの残骸を見る。
「終わったのかぁ……」
そうして俺は意識を手放した。
ちなみに奏の龍人形態はpixivで戦姫絶唱シンフォギアと擬獣化もしくは擬竜化で検索すると出てくる奏の姿を参考にして頂けると。