シンフォギアを纏ったは良いがやべぇな。目や口からも血が出てきやがる。これがLiNKER無しでの状態か。
だがさっきも言ったはずだ。笑え!強がれ!虚勢を張れ!お前は今から翼ていう姫を護る
「翼、背中に乗れ」
「う、うん」
俺は翼を背中に乗せてノイズに向き直る。
俺の勝利条件はノイズを倒す事じゃあねぇ。翼を守り抜いてショッピングモールから出る事だ。
だから必要なのは足だ。アイツらを突破して引き離す足が必要だ。
だから、俺の思いに応えてくれよガングニール。
シンフォギアにはアームドギアがある。アームドギアてのは装者の心象も、その形成に大きく影響を与えるとされている。
原作の響に発現した『繋ぎ束ねる』その力のように形は本人の意思次第。
ならできるはずだ。
今この場を脱する力を手に入れる事が出来るはずだ。翼を守りきる力を。この場所を駆け抜ける力を。ノイズを蹴散らす力を!
フォニックゲインを高めろ。エネルギーをアームドギアの形成へ回せ。防御は捨てろ。とにかく踏破する為の力を。
そう願えば上半身のプロテクターの一部が外れ、最低限のプロテクターのみを残す状態となった。
そして下半身のプロテクターが肥大化する。腰のブースターも増設され、足にもブースターが取り付けられる。
下半身がプロテクター兼アームドギアへと構築されていく。その姿はお世辞にもバランスが良いとは言えないが今の俺に必要な最適解。
構築が終われば俺は足を前後に大きく開きく構える。
「翼、しっかりつかまってな。振り落とされないようにな」
「うん」
そう言えば翼は力を強めて俺の背中にしがみつく。
良い子だ。
そして俺は地面を踏み砕きながら走り出した。そんな俺に対してノイズは突撃してくるが。
上手く足とブースターを使いながら次々に襲い来るノイズを蹴り砕く。
「ぶち抜く!!」
そして襲い来るノイズか途切れた隙に更に道を塞いでいるノイズ達に向けて飛び蹴りを叩き込む。
その際にはフォニックゲインをより回し更に脚部のアームドギアを大型化させる。槍のようになった脚部のアームドギアがノイズの大群に風穴を開ける。
【Meteor ∞ Strike】
ノイズの大群を突破したが残ったノイズが大人しく逃がしてくれるはずもない。俺の背中つまりは翼目掛けて突撃してくる。
「翼に触んじゃねぇ!!」
がそんなことは許さない。
翼にお前らが触れたらそれは死だ。俺の目の前でまた、家族のようにお前達に奪わせる訳にはいかない。
足のブースターによる方向転換で俺と翼の位置を入れ替える。
そしてノイズの大群を突破した際の勢いを利用して思いっきり足を振り切る。
そうすればフォニックゲインで形成されたエネルギー波がノイズを吹き飛ばす。
ノイズが吹き飛んだ隙に走り出す。
大型ショッピングモール故か十分な空間がある。だからか、ショッピングモール内を飛行型のノイズも飛んでおりそれを避けながら道を塞ぐノイズを全て蹴り砕き進む。
少し後ろを向けば大量のノイズが迫ってくる。それを無視して更に加速する。
今は翼の無事だけを考えろ。
そうして走っていれば出口が見えてきた。
ドアは自動ドアだがそれを開くのを待つほど暇じゃない。ガラスを蹴り破り外に出る。
そうすると、弦十郎の旦那の姿が見えた。他にも自衛隊隊員の姿や了子さんの姿だってある。
「奏くん!!」
「旦那!!」
俺は旦那のすぐ近くに着地する。
「ガハッ!?」
その途端気が緩んだのか口から吐血する。
「無茶するから!」
了子さんがそう言うがそれでもこれは必要な事だったからな。
翼を背中から下ろして旦那に預ける。
「旦那、翼を」
「ああ。奏くん君は……」
「まだ仕事が残ってる」
そう言って俺はショッピングモールから次々と出てくるノイズに目を向ける。
そして了子さんの手にあるLiNKERと書かれたジュラルミンケースをひったくるように取る。
「あ、ちょっと!」
ジュラルミンケースを開ければ案の定LiNKERがあった。それを取り出して自分に注射する。
そうすれば先程までの身体の重さが嘘だったかのように消える。
更にもう一本も注射する。
「奏くん!そんな何本も投与したら!」
「オーバードーズだろ?」
「わかってるならどうして!」
LiNKERは適合係数を上げる反面、副作用が出る。それは酷いもんだ、俺がガングニールに適合した時にもLiNKERのオーバードーズで血反吐吐いたからな。
「もう、奪わせねぇ。その為にだ」
「……奏くん」
「奏くん、いや、奏!!」
大きな声で旦那が俺の名前を呼ぶ。
「なんだ、旦那」
「無事に戻って来い」
「もちろん。初めからそのつもりさ。ノイズには勝つ、翼は守る、自分の命も繋ぐ。俺は欲張りなのさ」
そう言ってニカッと笑う。
そんな俺に翼が声をかける。
「がんばってね」
「もちろんさ!翼も良い子で待ってなよ」
そう言ってノイズに俺は駆け出す。さっきまでの踏破する為のアームドギアではなくノイズを屠る為に槍のアームドギアを形成して、プロテクターも全身に均等に装着される。
そのままノイズの大群に突っ込み槍を振るう。そうすれば面白い程にノイズが炭素になっていく。
やっぱり身体が軽いってのは良いもんだな。
しばらくノイズの相手をしていれば殆どのノイズは消えたが、芋虫のような巨大なノイズ、ギガノイズがショッピングモールをぶち破って出てくる。
「デケェな!!だけどこれで最後だ!」
今目の前にいるヤツらで終わりなのは本部からの連絡でわかってる。という事で大技いくぜ!!
俺が槍をノイズ達に向かって突き出せば穂先が回転し始め、竜巻を生む。
【LAST∞METEOR】
竜巻はノイズ達を切り刻み炭素へと変えた。
『ノイズの反応全て消えました』
通信機から聞こえてくる声に俺は安堵する。それと同時に地面に大の字で倒れ込む。
あー疲れた。
青空を見つめながらそう思う。
「かなでぇ!!」
そうしていたら翼が泣きながら俺に駆け寄ってくる。
ハハッ、酷い顔だな。
「かなでぇ、かなでぇ」
「そんな呼ばなくてもここにいるぜ。泣き虫さん」
「グスッ、かなでのいじわる」
ああ、良いな。心配してくれる誰かがいるってのは。
そう思いながら俺は襲い来る睡魔に身を任せて目をつぶった。